

自社サイトへのアクセスを増やすには、検索結果で上位表示させることが大切です。上位表示させるにはSEO対策をする必要がありますが、そのためにはオーガニック検索について理解を深める必要があります。オーガニック検索とはどういうもので、流入をどうやって増やすのかなどについて、正しく理解しておきたいでしょう。
このページでは、ウェブマーケティング初心者向けに、オーガニック検索とは何か、流入を増やす方法やメリット・デメリットなどを解説します。
1.オーガニック検索とは
GoogleやYahoo!で検索すると検索結果の上部には広告枠が表示されますが、それ以外の部分をオーガニック検索と言います。「自然検索」「ナチュラル検索」とも呼ばれます。
広告枠は支払う広告料が高ければ上位に表示されますが、オーガニック検索は検索エンジンのアルゴリズムにより表示順位が決定されます。
2.オーガニック検索とリスティング広告の違い

検索結果に表示される広告をリスティング広告と言い、オーガニック検索とは3つの違いがあります。
(1)コストがかかるか
オーガニック検索は広告ではないため上位表示させるのに費用はかかりません。
一方、リスティング広告は広告なので掲載料がかかりますが、検索エンジンにお金を払えば確実に検索結果に表示されます。ただし、リスティング広告は「検索連動型広告」とも言われ、広告がクリックされる度に課金される仕組みです。広告のクリック数が多くなると莫大な広告費がかかるので注意しましょう。
(2)SEO対策の必要性
オーガニック検索で上位表示させるのに広告費はかかりませんが、SEO対策をする必要があります。SEO対策を行って結果を出すためには、時間と労力がかかります。また、上位表示させるには、ライバルサイトとの競争に勝たなくてはなりません。オーガニック検索は集客の即効性を期待できないため、長期的な計画を立てて取組んで行く必要があります。
一方、リスティング広告は広告費がかかりますが、「キーワード」「広告文」「入札単価」を決定すればすぐに検索結果に表示できます。SEOの知識がなくても集客ができるのが特徴です。
(3)クリック率が異なる
オーガニック検索は、リスティング広告よりもクリック率が高い傾向があります。広告に対して嫌悪感を抱くユーザーが多く、表示された検索結果が広告とわかるとクリックを回避するためです。
以前はリスティング広告のクリック率が高い時代がありましたが、最近の検索ユーザーはオーガニック検索とリスティング広告を見極めてクリックするかどうかを判断するようになりました。
※ クリック率(%)は「クリック数÷表示回数×100」で計算され、CTRと省略して表記されます。


3.なぜオーガニック検索は重要なのか
では、なぜオーガニック検索は重要なのでしょうか。理由は2つあります。
(1)集客に有利である
検索結果で上位表示されるとサイト訪問者が増加するため、オーガニック検索は大きな集客効果があります。
検索結果の2ページ目以降にサイトが表示されてもクリックしてくれるユーザーもいますが、ほとんどのユーザーは1ページ目のサイトしかクリックしません。上位表示されるサイトは集客という点では有利であり、サイト運営の目的を達成するためにはオーガニック検索は重要です。
(2)ブランディング効果がある
サイトを上位表示させる目的にはいろいろあります。例えば、商品の購入、サービスの利用、電話やメールでの問い合わせ、会員登録、予約、資料請求など、サイト訪問者に何らかの行動を起こしてもらうことです。
これらの目的を達成するには、サイトへ訪問してもらう必要があります。そのためにいろいろな方法で集客しますが、その結果としてブランディング効果を期待できるのです。
4.オーガニック検索のメリット・デメリット
オーガニック検索はウェブマーケティングを行う上で重要なことですが、メリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、オーガニック検索のメリットとデメリットを紹介します。
(1)メリット
オーガニック検索には、以下の3つのメリットがあります。
・自社サイトへのアクセスアップ
オーガニック検索で上位表示されると多くの人の目に留まるようになります。ほとんどの検索ユーザーは1ページ目に表示されるサイトへ訪問する可能性が高く、2ページ目以降のサイトを訪問する人は少数です。そのため、検索結果の1ページ目に表示されると、自社サイトへのアクセスを増加させることが期待できます。
・広告費の抑制
ウェブマーケテイングを行なう場合、オーガニック検索からのアクセスとリスティング広告などの広告からのアクセスの両方を増やすのが一般的です。広告はアクセスが増えると広告費も増えますが、オーガニック検索で上位表示されると費用をかけずにアクセスを集められます。オーガニック検索からのアクセスが増えてくると、広告出稿を控えて広告費を抑制することが可能です。
・ユーザーの信頼度アップ
検索結果の上位に表示されることは、検索エンジンからの信頼度が高いことを意味します。検索エンジンはユーザーにとって有益な情報を発信しているサイトを高く評価し、上位に表示させているからです。オーガニック検索で上位表示されると、ユーザーからの信頼度はアップします。
また、上位表示されていると、商品やサービス、社名がユーザーの目に留まることが多くなります。特定のキーワードで検索して同じ企業のサイトが何度も表示されると、企業のブランドが高まりユーザーの信頼度をアップできるのです。
(2)デメリット
オーガニック検索には、以下の3つのデメリットがあります。
・顕在層へアプローチしにくい
ユーザーは、買いたい、見たい、知りたい、行きたいなどの欲求を満たすために検索してす。リスティング広告は興味や関心が顕在化したユーザーをターゲットにして広告を出稿できますが、オーガニック検索は顕在化したユーザーを狙ってアプローチできません。オーガニック検索では、自社の商品やサービスに興味や関心のあるユーザーに絞ってアプローチしにくいのです。
例えば、マウンテンバイクの販売サイトについて考えてみます。リスティング広告の場合、「マウンテンバイク購入」という複合キーワードで広告出稿し、購入を検討しているユーザーのアクセスを集めることが可能です。一方、オーガニック検索は流入キーワードを限定できず、「マウンテンバイク街乗り」「マウンテンバイクメーカー」「マウンテンバイク初心者」など購入を検討していないユーザーからアクセスが集まります。
・即効性がない
オーガニック検索で上位表示させるにはSEO対策をする必要がありますが、効果が出るまでに時間がかかります。SEO対策の効果が現れるまでには、早くても2~3ヵ月、場合によっては数ヵ月っかることも珍しくありません。
また、SEO対策は時間がかかるだけでなく手間もかかります。リスティング広告は「キーワード」「広告文」「入札単価」を決めるだけで広告が上位表示されますが、SEO対策は簡単にはできません。多くの作業をしなくてはなりませんし、専門知識が必要になります。
・リスティング広告の下に表示される
オーガニック検索はリスティング広告の下に表示されますが、検索ユーザーは一番上の広告から見るのでリスティング広告の方がクリックされやすくなります。
以前に比べるとリスティング広告のクリック率は低下したと言われますが、ネット初心者やライトユーザーはリスティング広告をクリックする傾向があります。検索結果に表示される位置については、リスティング広告の方が有利ということです。
5.オーガニック検索からの流入の増やし方
オーガーニック検索からの流入を増やしたい方は、どうすればいいのだろうとお考えでしょう。ここでは、オーガーニック検索からの流入の増やし方について解説します。
(1)表示回数を増加させる
検索結果に表示される回数を増やすと、オーガニック検索からの流入を増やせます。取り組むことは、次の2つです。
①SEOの内部的施策による検索順位アップ
SEO対策は大きく内部的施策と外部的施策の2つに分けられます。内部的施策とは、サイトの質の高さを検索エンジンにアピールしやすい状態にする施策です。ユーザーにとって有益なコンテンツをサイトへ掲載したり、サイトの質の高さを伝えやすくしたりして検索順位のアップを目指します。
具体的には、以下のようなことを行います。
・キーワードを最適化する
SEO対策を行う場合、ターゲットユーザーがどんなキーワードで検索するのかを考えます。各記事にユーザーが検索する可能性が高いキーワードが盛り込まれているか、盛り込んでいるキーワードの分量は適切か、などの観点からキーワードを最適化します。
・タイトルやディスクリプションの最適化

検索エンジンはウェブ上を巡回してサイトの新しい情報を取得し、サイトのタイトルやディスクリプションの内容を順位決定の判断材料にしています。そのため、検索エンジンに評価してもらうには、タイトルやディスクリプションにキーワードを盛り込んで最適化する必要があるのです。
※ ディスクリプションとは、サイトの概要や要約をテキストにしたもので、羂索結果で表示されるタイトルに下に表示されます。
・「コンテンツの質を高める」
Googleは、検索ユーザーのニーズにマッチするページかという基準で検索順位を決定します。これを考慮してコンテンツを作成する必要があり、ユーザーに役立つ内容のコンテンツを提供することが大切です。
また、以下のことにも注意してコンテンツの質を高める必要があります。
サイト内に重複コンテンツがないか
ユーザーのニーズを満たした情報が網羅されているか
コピーコンテンツでないか
不正確な情報でないか
・適切なリンク導線の設置
ユーザーがサイトへ訪問すると複数のページを閲覧する傾向があります。そのため、関連している記事、同じカテゴリーの記事に相互リンクを設置しておくと、ユーザーは快適にサイト内を巡回できます。適切なリンクを設置しておくと、ユーザビリティの高いサイトとして検索エンジンから高く評価されます。
・ユーザーや検索エンジンがURL構造を認識しやすくする
URLを各コンテンツで区分し、階層を正常化すると、ユーザーや検索エンジンはURL構造を認識しやすくなります。
・モバイルフレンドリーへの対応
Googleはモバイルユーザーの利便性を重視し、質の高いモバイルサイトを検索結果で上位表示するようになりました。スマートフォンユーザーが増加しているため、スマホに対応したサイトを構築していくことは重要です。
・「検索エンジンがクロールしやすくする」
検索エンジンはウェブ上を常にクロール(巡回)しており、クロールしやすいサイトを高く評価します。そのため、以下のことを行っておく必要があります。
サイトマップXMLの作成
適切なページ構成
構造化マークアップ
ファイルを軽くする
表示速度を高速化する
②コンテンツ数の増加

検索ユーザーは知りたい情報を求めて、キーワードを入力し検索します。入力するキーワードは単体キーワードだけではなく複合キーワードの場合も多く、ユーザーのニーズは多様です。そのため、いろいろなキーワードに対応したコンテンツを増やす必要があります。
ただし、キーワードに関連した内容をコンテンツに含めればいいというわけではなく、ユーザーに役立つ正確な内容のコンテンツを作成することが大切です。この作業を継続していくと検索エンジンから高く評価され、サイトの権威を高められます。
(2)クリック率をアップさせる
オーガニック検索で上位表示されてもクリックされないと意味がありません。サイトへ訪問してもらうにはクリック率を上げる必要がありますが、以下のことに取り組むといいでしょう。
①タイトル・ディスクリプションの改善
検索結果にはタイトルやディスクリプションが表示され、それを見てユーザーはクリックするかどうかを決定します。タイトルやディスクリプションがユーザーの興味や関心とマッチしなければ、クリックされません。クリック率をアップさせるには、ユーザーが思わずクリックしてしまうタイトルやディスクリプションに改善する必要があります。
タイトルやディスクリプションを改善する場合は、以下のポイントに気を付けましょう
【タイトル改善のポイント】
28文字前後が最適
タイトルの前の方にターゲットキーワードを入れる
ターゲットユーザーの感情を揺さぶるキーワードを入れる
具体的な数字を入れる
【ディスクリプション改善のポイント】
ディスクリプションの前の方にキーワードを含める
ページ内容を満遍なく表現する
言葉を選んでページ内容を要約する
同じ意味の言葉を重複して使用しない
以上は最低限のルールと思っておきましょう。大切なのは、コンテンツの内容にマッチしたタイトルやディスクリプションです。
②構造化データマークアップの実施
構造化データとは、HTMLで書かれたページ内容が検索エンジンに理解しやすくなるデータ形式のことです。構造化データにするにはタグ付けをしますが、その工程をマークアップと言います。構造化データマークアップを行うとサイト内容を検索エンジンに正確に伝えることができ、サイトに対する評価を高められるのです。
まとめ
オーガニック検索は広告費をかけずに上位表示でき、サイトへのアクセスをアップできます。オーガニック検索からの流入の増やし方をいくつか紹介しましたが、初心者が難しいと感じるのはコンテンツの質を高めることです。
具体的には、ユーザーに役立つ良質な記事を作成していくことですが、自社で記事作成できれば問題ないでしょう。自社で質の高い記事を作成するのが難しい場合は、高品質な記事を作成してくれる専門会社へ依頼することをおすすめします。

