“商談化しないリード”を減らす|リード獲得とナーチャリングの最適連携ガイド

リード獲得は進んでいるが、商談や売上につながらないという声は多い。

その背景には、リードとナーチャリングの分断がある。

本記事では、リードとナーチャリングの連携について、実践的な内容を解説する。

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目次

1.商談化・受注を阻害する「リード獲得」と「ナーチャリング」の分断

「リード獲得に成功していても、商談や受注が思うように増えない。」

SaaSやSIerに多く見られるこの現象は、マーケティングプロセスに問題があることを表している。

とくに、リードを育てる“ナーチャリング”との連携に問題があることが多い。

商談率を高めるには、リードの量よりも、リード獲得からの「つなぎ方」と「育て方」を見直す必要がある。

1.1.なぜリードの数が商談・受注に比例しないのか

リードの数に比例して商談や受注が増えない原因は、「リード獲得とナーチャリングの連携不足」にある。

たとえば、セミナーやホワイトペーパーで獲得したリードに対し、すぐに営業がアプローチを行うとしよう。

一見すると「素早いフォロー」として評価できるが、実は空振りに終わる可能性が高い。

なぜならこの段階の顧客は単に情報収集中であり、検討段階に至っていないからだ。

つまりリード側からすると「時期尚早」で終わり、自社側からすると営業の無駄な稼働が増えるだけという結果になる。

マーケティングで十分にナーチャリングを施していかなければ、リードは商談や受注へと進まない。

1.2.分断を放置すると、リードは“消えていく”

また、ナーチャリングを経ないリードの多くは“自然消滅”する

リードの知識欲や興味・関心は時間とともに薄れていくため、継続的に接点を持たなければ他社に流れてしまう。

たとえば「資料請求はあったが、その後何のアプローチもせず、半年後に競合と契約されていた」といったケースは珍しくない。

これはリードの質に問題があったのではなく、関係を育てる設計がないことが原因だ。

リード獲得とナーチャリングは、切り離してはならない連続したプロセスである。

接点を持った段階で終わるのではなく、「育てながらつなぐ」設計を初期段階から組み込むことが、商談数を増やすための条件となる。

2.まずは商談・受注化につながるリードを見極める

リードを商談・受注につなげるためにまずやるべきことは「見極め」だ。

リード獲得の目的は、名刺やメールアドレスの数を集めることではない。

将来的に顧客となり得る相手と、確度の高い接点を持つことに意味がある。

そのためには、リードの量ではなく「質」を見極め、ナーチャリング対象とすべき相手を早期に判別する力が問われる。

商談化に直結するリードを選定するには、以下の4つの評価軸に基づく分析が効果的である。

2.1.属性情報で「商談実績のある企業像」を絞り込む

企業規模や業種、部門、役職といった静的な属性情報でリードを絞り込もう。

たとえば、過去に受注率が高かった企業の共通点(例:従業員数100名以上、情報システム部門、部長職)を洗い出すことで、成果につながりやすい企業像が見えてくる。

属性情報は「客観的で変化しにくい基準」であり、過去実績との比較がしやすい。

属性情報をMAツールのスコアリングに組み込むことで、リードの優先度を自動的に判定できるようになる。

2.2.行動データで「検討フェーズの進行度」を把握する

Webサイトの閲覧履歴やメールの反応といった行動情報からは「現在の心理状況」が読み取れる。

たとえば、サービスページを3ページ以上閲覧していたり、価格表や導入事例を見ていたりするリードは、比較検討フェーズに進んでいる可能性が高い。

こうした情報を把握することで、ナーチャリングのタイミングを精緻化でき、商談や受注につなげやすくなる。

2.3.フォーム入力情報で「優先すべきリード」を初期選別

問い合わせや資料請求フォームに「導入予定時期」「検討段階」「予算」などの情報を組み込むことも有効だ。

たとえば、「半年以内に導入検討」「比較検討中」「予算300万円以上」といった情報は、リードの熱量を測るために役立つ。

さらに回答パターンに応じてスコアを付与し、リードの優先順位を可視化する仕組みも有効だ。

フォーム入力情報は「本人の意思を直接取得できる唯一の機会」であり、明確な意図を定量的に把握できる。

2.4.営業からのフィードバックで「受注しやすい条件」を明文化

マーケティング側がリードの見極め精度を高めるためには、営業からの情報も欠かせない。

たとえば「業界A × 課長以上 × 検討時期1カ月以内は商談化率が50%を超える」などの具体的な条件があれば、リードの見極めはぐっと楽になる。

さらに、失注理由(情報収集目的だった/決裁権なしなど)も蓄積しておくことで、「ナーチャリングで育てるべきリード」と「初期除外すべきリード」の判断が明確になる。

営業の経験知は、属性や行動だけでは見抜けない“受注の文脈”を持っている。

数値と現場の感覚を統合することで、リード評価のロジックに現実性と再現性が生まれる。

3.リード獲得とナーチャリングの最適な連携タイミングは?

では、リードとナーチャリングの連携における最適なタイミングはどこにあるのだろうか。

一般的には「リード獲得の後にナーチャリングを開始する」という流れが正解とされる。

しかし、実際にはナーチャリングを開始する前に見込み客が興味を失っていたり、コンテンツの内容を忘れていたりする。

結論を言えば、リードとナーチャリングの“最適な連携タイミング”に正解はない

重要なのは、「ナーチャリングはリード獲得と常にセットである」という前提に立ち、段階的・連続的に育てていくことだ。

3.1.3つのフェーズで“育てながら選別する”発想

ナーチャリングは、リードを獲得した後に一斉に始めるものではない。

「知ってもらう」「覚えてもらう」「欲しいと思ってもらう」という、3つのフェーズそれぞれで、流動的に施していく。

重要なのは、フェーズに応じてナーチャリングの方法を変えながら、自然に次の段階に進めることだ。

  • 「知ってもらう」(認知フェーズ)
    業界トレンドや課題喚起のようなコンテンツによって接触を増やし、認知を蓄積する。
  • 「覚えてもらう」(興味・関心フェーズ)
    自社ならではの強みや、解決策に関連する具体的な情報で関心を高める。
  • 「欲しいと思ってもらう」(検討フェーズ)
    導入事例や価格、ROIといった判断材料の提示によって、検討意欲を後押しする。

マーケティング部門は、「リードとナーチャリングをひとまとまりとして考える」という施策思想を持とう。

4. 「知ってもらう(認知フェーズ)」

ここからは実際に、リード獲得とナーチャリングの連携方法を見ていこう。

まずは「知ってもらう=認知フェーズ」だ。

このフェーズの目的は、リードにとって“価値ある情報発信”を行い、企業やサービスの存在を自然に印象付けることだ。

無理な売り込みや訴求ではなく「この会社、いいこと言っているな」「業界理解があるな」と、自発的に感じてもらうことが重要である。

別の言い方をすれば「情報源としての第一想起」を狙うことが認知フェーズのナーチャリングである。

認知フェーズ

4.1.有益な情報提供から始まる関係づくり

認知フェーズのユーザーは、サービス名や企業名すら知らない状態が多い。

この段階でいきなり商品紹介や機能説明をしても、相手には響かない。

むしろ逆効果になる可能性すらある。

そこで有効なのが、「相手が抱える課題や不安」を起点とした情報提供である。

たとえば、以下のようなアプローチだ。

ホワイトペーパー:業界課題やノウハウを言語化し、課題感を刺激する

  • テーマ例「2025年、製造業に求められる生産管理のDXとは」
  • ポイント:あくまで“客観的な業界変化”や“あるべき姿”を解説し、自社サービスの売り込みは行わない
  • メリット:ダウンロードという行動を通じて、初回接点から属性データを取得できる

課題引き上げ型ウェビナー:関心が顕在化する前の層と接点を持つ

  • テーマ例:「なぜ経理業務のDXが進まないのか? 現場と経営のギャップに迫る」
  • 特徴:自社製品の紹介ではなく、“視点の提供”によって相手の課題認識を促す
  • メリット:セミナー参加者の部門や役職などの属性情報を得られるため、今後のスコアリングの起点として活用できる

4.2.リード情報はスコアリングの起点になる

このフェーズで得られるリードは、すぐには商談に進まない。

したがって、リード情報の管理と評価軸の設計が不可欠となる。

MAツールでの属性管理とスコア設計

  • ホワイトペーパーやウェビナー申込時のフォームに「会社名/業種/従業員規模/役職/部署」などの項目を設定する
  • 取得した情報をMA上で整理し、業種や企業規模に応じた基本スコアを付与する(例:従業員数100名以上=+10点、情報システム部門=+15点)
  • その後のメール開封、Web訪問、資料閲覧などの行動に応じて動的スコアを加算していく

まずはリード属性を正確に取得・分類し、将来の接点強化に備える運用を心がけよう。

“いまは検討していない”リードであっても、半年後・1年後に購買フェーズに入る可能性は十分にある。

4.3.「知ってもらう=認知フェーズ」のナーチャリングで意識すべきポイント

認知フェーズでのナーチャリングにおけるポイントは下記3点だ。

価値のある情報提供を優先し、商材訴求はしない

自社名を覚えてもらうには、まず「信頼される発信者」としての印象づけが必要である。

リードは育てる前提で収集する

今すぐ受注にはつながらなくても、適切に属性管理・スコア設計しておけば、将来の商談リストとして活用できる。

“次の接点”につながる設計を組み込む

ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客に対しては、半自動的に接触を重ねる設計を行う。

例えば、

  • 3日後にサンクスメール
  • 7日後にオウンドメディアの記事を配信
  • 14日後にイベント案内

といった具合に、購買行動を促すステップを意識しよう。

単発の施策ではなく、次のフェーズへの導線づくりまでを含めて計画することが、成果につながるナーチャリングの第一歩だ。

5. 「覚えてもらう(興味・関心フェーズ)」

認知フェーズの次に位置づけられるのが「覚えてもらう=興味・関心フェーズ」だ。

ここでは、企業名やサービス名に触れたことのあるリードが「なんとなく知っている」という状態から「少し気になる」「自分に関係があるかもしれない」と思い始める段階へと進んでいく。

このフェーズの目的は、接点をきっかけに興味を持った見込み顧客に対し、解像度の高い理解を促すことだ。

抽象的な訴求ではなく「使い方」や「成果の出方」といった実感に結びつくコンテンツが鍵を握る。

興味・関心フェーズ

5.1.体験的理解を促すコンテンツの活用

興味・関心フェーズにおける有効な施策は「情報」よりも「理解」「実感」に軸を置いたコンテンツ提供だ。

「見込み客が自ら気づくこと」が重要であり、企業側が一方的に売り込むスタンスは逆効果になる。

顧客にとっての“意味のある情報”を、顧客自身が見つけられる設計が必要である。

代表的な方法としては以下のようなものがある。

ウェビナー・セミナー:製品理解の“入口”ではなく“実感”を設計

  • 例:「○○ツールを活用した請求業務の自動化デモ」
  • 目的:実際の使用イメージや導入効果を具体的に伝えることで、「他人事」から「自分ごと」への引き上げを狙う
  • ポイント:導入前の業務課題→導入後の改善プロセスをストーリー化し、オーディエンスの課題に重ねてもらう設計が有効

導入事例・比較表・活用ガイド:理解の“裏付け”を与える

  • 導入事例:類似業界・類似課題の顧客がどう解決したかを提示し、「自社にも当てはまりそう」という感覚を引き出す
  • 比較表:他製品との違いや強みを明示し、購買検討の軸を形成する
  • 活用ガイド:機能ではなく“活用シーン”に焦点を当て、具体的なイメージを強化する

5.2.行動履歴の可視化とスコア活用

この段階にあるリードは、すでに何らかの能動的な行動を取っている。

たとえば以下のような動きだ。

  • ウェビナー参加後、導入事例ページを閲覧
  • 比較表ダウンロード後、1週間以内に別のガイドを取得
  • メールのリンクを定期的にクリック

これら行動の履歴を追うこと、「関心がどこに向いているか」「どの程度高まっているか」が把握できる。

行動ログをスコアに落とし込み、特定のしきい値を超えたタイミングで次のナーチャリングフェーズ(検討フェーズ)への移行を検討しよう。

以下はスコア設計の例だ。

行動内容スコア例
比較表DL+10点
価格ページ閲覧+15点
活用ガイドDL+10点
セミナー参加+20点
セミナー後の資料再DL+15点

一定スコア(例:50点)を超えた段階で検討フェーズへのナーチャリングに切り替えたり、営業に引き渡したりと、さまざまな使い方ができる。

5.3.関心を深める接触施策:ステップメールとリターゲティング

見込み客の行動を活性化させるために、メールを中心にしたコンテンツの複合的な活用を進めよう。

ステップメール:段階的に課題認識を深めていく

セミナー参加者や資料DLユーザーに対して、1~2週間のスパンで関心に応じた情報を段階的に提供する。

例:

  • 1通目:活用ガイド
  • 2通目:導入事例(同業種)
  • 3通目:料金体系・ROI資料

関心のフェーズごとに内容を合わせられるため、離脱を防ぎ、徐々に温度感を高められる

リターゲティング広告:再訪を促し、検討継続を支援

過去に自社サイトを訪問したリードに向けて、YouTubeやディスプレイ広告で再接触を促す

配信内容は「ダウンロード未完了の資料」「事例紹介記事」「新着セミナー案内」などが効果的であり、行動が“点”で終わらず“線”に変わる接点を作ることが重要だ。

5.4.興味・関心フェーズは“顧客化”への重要ステップ

このフェーズでは、リードが「知っている」で終わるのではなく、「これは自社に関係があるかもしれない」と思い始める状態に引き上げることが求められる。

そのためには、体験的理解の促進、行動履歴の把握、継続的接点の設計の3つが欠かせない。

最終的には、この段階の情報と行動をもとに、「営業に引き渡すべきMQLかどうか」の判断材料が形成されていく。

単なるクリック数やDL数ではなく、「関心の質」が読み取れる設計こそが、営業フェーズへの移行精度を左右する。

6.「 欲しいと思ってもらえる(検討フェーズ)」

ナーチャリングの最終段階となるのが「欲しいと思ってもらう=検討フェーズ」だ。

ここまで進んだリードは、情報収集はほぼ完了していて、導入を具体的に検討している。

ただし、ここで必要とされるのは一般的な製品説明や抽象的なベネフィットではない。

検討フェーズ

6.1. 検討を後押しする具体的ソリューション

検討フェーズのリードには「最終判断の壁」を超えるための材料が必要だ。

社内の稟議を通す、あるいは冗長を説得するだけの現実的な情報を求めている。

この点を意識した施策としては、下記が挙げられる。

導入効果・ROIを訴える資料

  • 例:「年間コストを○%削減」「作業時間が平均△時間短縮された」などの成果データを視覚的に提示
  • 効果:経営層や意思決定者に向けた“投資対効果”の裏付けとなり、社内稟議や決裁を通しやすくする
  • ポイント:数値は過剰に盛らず、実際の導入顧客のデータを使った信頼性ある構成が好ましい

無料トライアル・PoCプランの提供

  • 初期費用不要の短期トライアルや、限定機能を使ったPoC(概念実証)プランを提示
  • 効果:実際に操作・試験導入できることで、“自社との適合性”を自ら体感できる
  • ポイント:PoCは単なる試用で終わらせず、事前に「検証項目」や「成功定義」をすり合わせておくと、導入フェーズへの移行がスムーズになる

オンラインデモ・個別相談会

  • 製品機能の詳細説明やユースケース解説を含んだデモンストレーションをオンラインで提供
  • 導入意欲が高い層に対し、個社ごとの課題や導入条件にあわせた具体的なアドバイスを実施
  • ポイント:デモは「カタログ代わり」にせず、「貴社でどう使えるか」を焦点に置いたストーリー構成が重要

導入事例インタビュー記事

  • 実際に導入した顧客への取材記事。現場の課題、導入の決め手、効果、社内説得のプロセスなどを掲載
  • 効果:自社と似た状況の他社が成功した事例は、導入検討中の企業にとって強い後押しとなる
  • ポイント:できれば複数の業種・規模の事例を用意し、業界や導入パターンごとに使い分けられるようにする

6.2.行動スコア × 営業連携で「今、動くリード」を逃さない

検討フェーズのリードは温度感が非常に高く、タイミング次第で商談に直結する状態だ。

しかし、対応が遅れれば他社に流れるリスクも大きく、スピードと精度の両方が問われる。

ここで重要なのが、マーケティングと営業の即時連携体制である。

なぜ営業と連携すべきか

営業部門が数字に伸び悩む時期や、リード枯渇が課題になるタイミングは必ず訪れる。

このとき、マーケ側で蓄積されたスコア・属性データから「今、動きそうなリード」を可視化・即共有できれば、営業活動を再加速できる。

たとえば「1週間以内に価格ページ+導入事例+セミナー資料を閲覧し、スコア60点超のリード」は、今まさに動き始めた可能性が高い。

営業との連携には「仕組み」を確立しよう

仕組みというと敷居が高く感じるかもしれない。

それまで連携していなかった部署が行動を共にするには、さまざまな調整が必要だ。

そこでまずは、「MA」「SFA/CRM」といったシステムの連携を目指そう。

例えば下記のような連携方法がある。

  • システムで扱う項目、しきい値(例:スコア70点以上など)を共有し、一定のラインを超えたら自動的に営業に通知
  • マーケチームが週1回、「即対応が必要なホットリード」レポートを営業と共有
  • 単なるリード一覧ではなく「閲覧履歴」「検討目的」「属性情報」を含めたリードカルテを営業部門へ提供

6.3.検討フェーズは“最終ステップ”ではない

検討段階に入ったリードを確実に商談や受注へとつなげるためには、マーケティングも引き続き関与し続ける必要がある。

むしろ、このフェーズこそがマーケティングと営業の接合点であり、ここでの連携こそがリードの価値を最大化させるタイミングである。

ナーチャリングとは、単に情報を届ける活動ではない。

見込み顧客の意思決定に寄り添い、「なぜ今、導入すべきか」という確信を持たせる設計そのものである。

検討段階のリードに対して、「次の一手に踏み出す理由」と「後押しとなる根拠」を提示できるか。

その精度こそが、最終的な商談化率や受注確度を大きく左右する要因となる。

7. よくある失敗と改善策

表面的な導入や属人的な運用に留まり、十分な成果に結びつかないケースも少なくない。

以下に、よくある失敗とその改善策を紹介する。

7.1.MA導入で満足して運用されない

マーケティングオートメーション(MA)を導入しただけで満足し、活用が進まないのは典型的な失敗例だ。

「とりあえず導入したが使いこなせていない」「スコア設計やセグメント運用が放置されている」などの声も多い。

改善策

改善策としては「何のためにスコアリングするのか」「どんな条件で営業へ引き渡すのか」といった目的と基準を明文化し、少人数でも回る運用ルールを整える方法がある。

最初は1~2種類のシナリオメール配信から始め、検証→改善のループを回す設計が望ましい。

7.2.「とりあえずメルマガ」で成果を測定しない

ナーチャリング施策としてメルマガを配信してはみたが、開封率やCVが伸びずにやめてしまう例も多い。

原因は、ペルソナ設計やコンテンツ設計があいまいなまま、手段だけが先行してしまっている点にある。

改善策

リードのフェーズを想定し、それに応じた“次の一歩”を促すステップ型メールを設計すること。

情報収集段階には業界課題や調査レポート、比較検討フェーズには事例や価格情報など、役割を明確にしたコンテンツ設計が鍵を握る。

7.3.リードの質が低く営業活動のマイナスになっている

営業から「マーケのリードは温度感が低すぎる」「名刺が多いだけで売りにくい」と不満が出る場合は、営業に負担がかかっている。

これは、MQL(Marketing Qualified Lead)の定義が曖昧だったり、属性データの整理が不十分なことに起因する。

改善策

営業と共同で「過去に受注したリードの共通点(業種、役職、検討タイミングなど)」を洗い出し、引き渡す基準とスコア設計を再定義する。

また、リード情報の入力項目を見直し、受注に関係するプロパティを整理・統一することも検討しよう。

8. マーケと営業が共に「売上」を作る時代へ

マーケティングと営業には、リードの受け渡しだけでなく、売上の創出までを見据えた連携が求められている。

受注や売上を増やすために重要なことは、接点の数ではなく「誰に・いつ・どうつなぐか」という連携の設計だ。

各フェーズの目的に応じたナーチャリングと、営業が動きやすいリードの見極めを並行して進めることで、商談化率と受注確度は飛躍的に高まる。

弊社ではリードからナーチャリングへの連携を含め、BtoBマーケティングに関するサービスを上流から一貫して提供している。

ご興味があればぜひお気軽にお問合せいただきたい。

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