広告やLP(ランディングページ)など、すぐに成果が見える施策ばかりに投資が偏っていないだろうか。
確かに短期施策はわかりやすく、上層部の説得材料にもなりやすい。
しかし、リードの質が低下したり、商談の再現性が乏しくなったりと、長期的な成長を阻害するリスクもはらんでいる。
本記事では「短期、中長期」の視点に加え、ボトルネックの整理、事業フェーズ別の投資ポイント、ROI(投資対効果)の見極め方、実行力とのバランス設計といった観点から、成果につながる投資配分の考え方を具体的に解説する。


1. お悩みの多い「マーケティングの投資配分」
マーケティングにおいても、定量的な成果が強く求められる時代になった。
特にROI(投資対効果)は、施策を評価するうえで避けて通れない指標となっている。
ROIを意識することは「どこに、どれだけ投資するか」という配分にも気を配る必要があることだ。
しかし実際には、短期の成果を求めるあまり、投資配分がおざなりになるケースが多い。
たとえば以下はその典型例だ。
- 成果を急ぐあまり「リード獲得施策」に偏ってしまうケース
- 投資判断の基準が曖昧で、社内の合意形成ができないケース
以上の2点は「フェーズや事業の成長度ごとの最適な投資比率を把握していない」ために起こる。
マーケティングにおける投資配分に絶対的な正解はない。
しかし、限られた予算でROIを高めるには、仮説を立て、実行し、検証するというトライ&エラーのプロセスが欠かせない。
その前提として「何をもとに判断するのか」という基準を明確に定めることが、成果を生み出すための第一歩だ。
2. 投資配分判断の5ステップ
では実際にマーケティングの投資配分を決定する際のステップについて見ていこう。
マーケティング投資の配分は、リードの購買行動の状況やビジネスの成長度によって最適解が異なる。
要はケースバイケースなのだが、一般的には目先の「短期的な成果」を求めがちだ。
短期成果に偏った投資配分は、中長期的なマイナスをもたらすおそれもある。
「将来の成果を成熟する前に刈り取っているだけ」に過ぎない場合もあるからだ。
マーケティング施策を意味あるものにするためには、継続的な成果を見据えた適切な投資配分が欠かせない。
弊社では、マーケティングの投資配分における判断プロセスとして、以下5つのステップを推奨している。
- ボトルネックと課題の明確化
- 自社の事業フェーズ・成長段階を確認する
- 投資効率と費用対効果を数値で可視化する
- 社内体制・リソースを確認する
- 時間軸を踏まえて最終配分を設計する
それぞれ具体的に見ていこう。
2-1. ボトルネックと課題の明確化
マーケティング投資の目的は、主に以下4つに集約される。
- 短期成果の獲得
- 中長期の成果獲得(リード、および受注増)
- 「指名」「第一想起」の獲得(ブランディング向上)
- 組織的な実行力の強化
これらは、裏を返せば「ビジネスの成長を阻害するボトルネック」になりうるもの。
マーケ施策で改善できるため、投資判断のポイントとしては非常に重要だ。
そこで、まずは4つのボトルネックのうち、自社の課題がどれに該当するかを判断しよう。
この4領域を俯瞰(ふかん)すれば、自社が今投資すべき領域と短期・中長期のバランスが見えてくる。
①短期成果の獲得
短期的な成果を積み上げたいという企業は多い。
端的にいえば「リードの量」を確保し、商談も早急に増やしたいというわけだ。
しかし短期成果の獲得が、ビジネスのボトルネックになっている場合も少なくない。
たとえば「リードを集めるために予算を投じた割には、商談が増えない」といったケースだ。
こうした状況は、リードの質が低いので引き起こされる。
課題:「リードの質の見極めができていないこと」
リードの「質」は以下の3つの観点で判断できる。
単価:自社の商材に見合った予算感を持つか。
角度:ニーズが顕在化しており、意思決定プロセスが動いているか。
再現性:特定チャネル・特定施策に偏らず、継続的に獲得できるか。
これらの条件を満たさないリードは、いわゆる“低質リード”に該当する。
たとえば、情報収集目的だけでホワイトペーパーをダウンロードしただけのリードや、職位や予算決裁権が明らかでないリードには注意が必要だ。
②中長期の成果獲得(リード、および受注増)
中長期的な成果を見据えた場合、将来的な受注につながる見込み客を安定的に育てる構造が必要だ。
しかし実際には「半年〜1年後の案件が見えていない」という悩みが多い。
課題:「継続的に成果を生むリード構造が設計できていないこと」
この場合は、チャネルの枯渇やコンテンツの陳腐化による「継続性の低下」が起こっている可能性が高い。
中長期視点でのマーケティング施策を評価するには、以下の2点を判断軸とすべきだ。
継続性:現在のチャネルや体制が、半年〜1年後も機能し続けるか。コンテンツは劣化していないか。
質の確保:高単価・高角度・再現性のあるリードを、継続的に獲得できる手段を持っているか。
一時的な成果に満足せず、次のリードが“どこから・どうやって”入ってくるのかを明確に描けていなければ、いずれ成果は頭打ちになる。
③ 「指名」「第一想起」の獲得(ブランディング向上)
長期的に安定した売上を築くためには「指名されて選ばれる状態」を作る必要がある。
つまりブランディングの強化だ。
しかし、ブランディングを“ただの認知拡大”と捉え、広告投資に偏ってしまっている企業は少なくない。
名指しで選ばれるためには、見込み客の中で「なぜその会社か」が腹落ちしていなければならない。
また、情報を自ら探す潜在層に対し、適切な接点を用意できていなければ、想起の瞬間を逃してしまう。
課題:「自社の“選ばれる理由”が設計・浸透できていないこと」
指名・第一想起を実現するための判断軸は以下の通り。
差別化の明文化:自社が“なぜ選ばれるのか”を言語化し、ターゲットに浸透させているか。
情報到達の仕組み:潜在層が能動的に情報を探すタイミングで、自社にたどり着けるチャネル設計(SEO・広告・オウンドメディアなど)が整備されているか。
第一想起は“刷り込み”ではなく、適切なチャネル設計によって築かれるものである。
④組織的な実行力の強化
どれだけ優れた戦略や施策を描いても、それを実行できる組織体制がなければ成果にはつながらない。
しかし現場では「担当者のスキルに依存していて仕組みがない」「やりたい施策はあるけど手が回らない」といった状況が少なくない。
特に投資を増やすタイミングでこの実行力が欠けていると、リターンを得られないまま予算だけが消化される。
課題:「投資を生かせる体制が整っていないこと」
実行力のボトルネックを見極めるには、以下の2つの観点が重要である。
体制の整備度:「やれること」「やるべきこと」「やりたいこと」の3つを整理し、ギャップを定量的に把握しているか。ギャップこそが強化ポイントである。
再現性と省人化:特定の担当者に依存せず、仕組みとして施策が回る状態か。外注活用や自動化など、省人化の設計が組み込まれているか。
成果を出すには、実行可能性に対しても明確な投資判断が必要である。
投資目的 | ボトルネックの例 | 課題定義 | 判断軸(評価ポイント) |
---|---|---|---|
① 短期成果の獲得 | ・リード数は確保できたが商談につながらない・初回接点からの質が悪く営業が疲弊している | リードの質の見極めができていない | ・単価:適正な予算感があるか・角度:ニーズと意思決定の進度・再現性:継続的に獲得できる仕組みがあるか |
②中長期の成果獲得(リード・受注) | ・今は回っているが半年後の見込みが見えない・チャネルやコンテンツの陳腐化で成果が鈍化している | 継続的に成果を生むリード構造が設計できていない | ・チャネル体制の継続性、コンテンツの劣化リスク・高単価、高品質、再現性あるリードの流入口を持っているか |
③「指名」「第一想起」の獲得 | ・広告投資しても自社名では検索されない・比較サイトで埋もれがち | “選ばれる理由”が設計・浸透できていない | ・差別化の明文化:名指しされるロジックがあるか・情報接点の整備:潜在層が自社にたどり着ける導線(SEO・広告・メディアなど)が設計されているか |
④組織的な実行力の強化 | ・施策が属人化しており仕組みがない・リソース不足で「やるべきこと」が実行できない | 投資を生かせる体制が整っていない | ・やれる/やるべき/やりたいの整理とギャップ把握・外注や省人化によるストック型運用への転換が可能か |
2-2. 自社の事業フェーズ・成長段階を確認する
マーケティング投資の最適な配分は、事業の成長ステージとの関連性が大きい。
一般的なBtoB企業の成長フェーズは、以下の3つに集約される。
- スタートアップ・成長初期
市場認知が十分でなく、顧客基盤もこれから形成する段階 - 成長フェーズ
リード獲得が一定進み、育成・商談化率の改善が求められる段階 - 安定・拡大フェーズ
市場での認知度が高まり、商談パイプラインも安定
スタートアップ期では短期的な施策が必要だ。
一方で、成長フェーズに入ると「リード数は確保できているものの、商談化率や受注率が課題」というケースが多くなる。
従って量よりも質への転換が求められる。
さらに安定・拡大フェーズでは、新規リード獲得よりも、ブランド認知・ロイヤリティ向上施策のほうが利益につながる。
以上を踏まえたうえで、成長フェーズ別に投資すべき施策を決定していこう。
フェーズ | 特徴 | 優先すべき投資目的 | 適した主な施策例 |
---|---|---|---|
スタートアップ・成長初期 | 市場認知が不足、顧客基盤形成もこれから | ・指名・第一想起の獲得・短期成果の獲得 | ・広告投資(SNS・リスティング)による認知拡大・展示会や共催セミナーでの接点形成・資料DLコンテンツの拡充・比較サイトへの掲載 |
成長フェーズ | リードは一定獲得、育成や商談化率の改善が課題 | ・中長期成果の獲得・短期成果の質向上 | ・ナーチャリング設計(メール、コンテンツ配信)・リードスコアリング導入・ターゲティング広告・SEO強化・失注リードの再活用施策 |
安定・拡大フェーズ | 認知・商談が安定し、継続成長のための効率と差別化が求められる | ・組織的な実行力の強化・ブランディング強化 | ・オウンドメディア運営とコンテンツ戦略・ブランドメッセージ統一・浸透施策・省人化/自動化の仕組み化・代理店やパートナー施策の拡充 |
2-3. 費用対効果を数値で可視化する
3つ目のステップは、数値による可視化だ。
BtoBマーケティングのROIを上げるには、ファネル全体を把握し、費用対効果を明確に把握しなくてはならない。
費用対効果の把握には、以下のような指標が活用できる。
指標
期間 | 指標 | 意味・確認ポイント |
短期 | CV数(コンバージョン数) | 資料請求、問い合わせ、ホワイトペーパーDLなどのリード獲得数。 |
短期 | CVR(コンバージョン率) | Webサイト訪問者や広告クリック数に対するCV数の割合。 |
短期 | CPA(Cost Per Acquisition) | 1件のリード獲得にかかった費用。施策ごとの獲得効率。 |
短期 | MQL数(Marketing Qualified Lead) | マーケティング施策で一定の基準を満たした質の高いリード数。 |
短期 | SQL数(Sales Qualified Lead) | 営業が商談対象と判断したリード数。 |
短期 | 商談化率(SQL化率) | MQLに対するSQLの割合。リードの質と営業連携状況を確認。 |
短期 | 受注率(Win Rate) | 商談が受注に至る割合。施策全体の最終成果指標。 |
短期 | CAC(Customer Acquisition Cost) | 1件の受注にかかった総コスト。マーケティング+営業活動も含める。 |
中期 | 指名検索数 | 自社名・製品名で検索された数。市場内での認知・信頼形成の目安。 |
中期 | コンテンツ閲覧数・DL数 | ホワイトペーパー・比較資料などの閲覧・DL数。リード育成施策の進捗確認。 |
これらの指標を可視化すると、以下のような判断が可能になる。
- リード獲得数は伸びているが商談化率が低い → 育成施策・営業連携の課題
- CPAは下がっているが、受注率が低い → リードの質に課題
- MQL→SQL→受注までの歩留まりが安定 → 短期施策に継続投資する余地あり
- CACが上昇傾向 → 中長期施策による効率改善の必要性
2-4. 社内体制・リソース・実行力を確認する
意外と見落とされがちなのが社内のリソースや実行体制など「ケイパビリティ」に関する点だ。

配分比率が明確になっても「実現力」がなければ意味がない。
そこで、自社の保有リソースや実行体制を改めて精査し、ケイパビリティを把握しておこう。
観点 | 確認ポイント |
コンテンツ制作力 | 記事・ホワイトペーパー・資料など、必要なコンテンツを内製・外注含めて制作できる体制か? |
営業連携 | 獲得リードを確実にフォローできる営業体制・運用ルールが整っているか? |
MA・CRM運用 | ナーチャリング施策を適切に運用・改善できるスキル・担当者がいるか? |
広告運用・外注先 | 短期施策の運用体制が確保されているか? |
2-5. 時間軸を踏まえて最終配分を設計する
ここまでの4ステップで下記が明確になった。
- ボトルネックと課題
- 成長フェーズに応じた投資ポイント
- 費用対効果
- 社内体制・リソース・実行力
最後に、これらを踏まえたうえで「短期施策と中長期施策の配分比率」を調整しよう。
一般的に、短期施策(広告・LP・獲得施策)は成果が見えやすく、投資判断がしやすい。
しかし配分が偏りすぎると獲得効率が頭打ちになる。
また、中長期施策(コンテンツ制作、ホワイトペーパー、営業資料整備、指名検索施策など)は効果が出るまで時間がかかるが、作ってしまえば低コストで、継続的にリードを獲得できる。
つまり、即効性はないが長期的なROIは上昇する。
おすすめは「短期施策を軸としつつ、最低限の中長期施策投資を並行し、状況に応じてバランスを変動させる」というやり方だ。
3. BtoB企業における代表的な配分パターン
では、具体的なマーケティング投資の配分比率を見ていこう。
前述のように、マーケティング投資の最適な配分比率は、自社の成長フェーズや課題によって異なる。
正解はないが、ここでは一例として「BtoB企業によく見られる代表的な3つの配分パターン」を紹介する。
3-1. スタートアップ・成長初期フェーズ(短期成果重視型)
領域 | 配分目安 | 主な施策 |
ブランド形成 | 10〜20% | 最低限の認知獲得施策(Webサイト整備、簡易PRなど) |
リード獲得 | 60〜70% | 広告、LP、ホワイトペーパー施策など短期成果重視施策 |
育成(ナーチャリング)商談化 | 10〜20% | ナーチャリングメール、営業連携、資料整備 |
スタートアップや成長初期のフェーズでは、何よりも短期成果を重視すべきだ。
具体的には短期のリード獲得を最優先し、商談件数を積み上げる。
反対に、ブランド形成やチャネルの育成に関する施策は必要最低限に留める。
限られた予算をリード獲得施策に集中し、事業成長を加速するわけだ。
3-2. 成長フェーズ(バランス重視型)
領域 | 配分目安 | 主な施策 |
ブランド形成 | 20〜30% | オウンドメディア運営、展示会登壇、PR施策 |
リード獲得 | 40〜50% | リスティング広告、LP改善、ホワイトペーパー制作 |
育成(ナーチャリング)商談化 | 20〜30% | MA運用、比較資料整備、営業連携強化 |
成長フェーズでは、リード獲得の配分比率を落とし、ナーチャリングに振り分ける。
ややリード獲得に振りつつも、ナーチャリングとの両立を図るイメージだ。
また、このフェーズからはブランド形成にも一定の割合を割き、将来のリード獲得効率向上を見据える。
頻繁に投資配分の変更が必要なフェーズなので、定期的に見直しをかけつつ、利益率やビジネスの成長具合によって比率を変えていこう。
3-3. 安定・拡大フェーズ(長期戦略重視型)
領域 | 配分目安 | 主な施策 |
ブランド形成 | 30〜40% | 指名検索施策、PR活動、既存顧客向け情報発信 |
リード獲得 | 30〜40% | 多様なチャネルでの獲得施策(広告、SEO、紹介など) |
育成(ナーチャリング)商談化 | 20〜30% | MA活用によるナーチャリング、営業支援施策 |
安定・拡大フェーズでは、長期視点でのブランド価値向上と、リードの質の向上を重視する。
配分比率はほぼ1:1:1になるような、攻守ともにバランスの良い投資が適している。
また、リード獲得のためのチャネルを多様化し、持続的な成長をめざすことも重要だ。
投下予算の額は同じでも、タスクが増える傾向にあるので、ケイパビリティの向上を含めた全体設計に投資するフェーズといえる。
4. 成果につながる投資配分設計のポイント
ここまで解説してきた通り、マーケティング投資配分の“正解”は存在しない
しかし、投資判断につながるポイントは存在する。
ここからは、これまでの内容を踏まえつつ「実務で成果を出すために意識すべき設計ポイント」を紹介する。

4-1. 施策の「時間軸」と「役割」を分けて整理する
広告は即効性が高いが持続性に乏しい。
反対に、SEOは成果到達までに時間がかかるが持続性が高い。
それぞれの施策が「短期/中長期のどちらの目的に貢献するのか」「認知/獲得/商談化のどのフェーズを担うのか」で分類しておくと、配分の妥当性が判断しやすくなる。
4-2. 投資対効果を“直接費用”だけで判断しない
施策の評価は、広告費や制作費といった表面的な支出だけで判断すべきではない。
一見するとCPCやCPAの数値が良くても、運用の手間が大きすぎて現場が疲弊していたり、都度の修正・確認作業に多くの時間がかかっていたりすると、実質的なコストは高い。
「維持コスト」(継続運用にかかる負荷)や「疲弊コスト」(現場の稼働・集中力を奪う負荷)を見逃すと、実行力が追いつかず、投資効率が下がる。
本当に投資すべき施策かを判断するには、
- 運用負荷(更新・改善にかかる工数)
- 現場の消耗(関係者の疲労・属人性)
など、“見えにくいコスト”も含めて評価する視点が欠かせない。
4-3. 投資の“持続効果”を見極める
「一度限りの施策」か「継続的に使える資産になる施策」かの見極めもマーケティングの投資を成功させるポイントだ。
たとえば、キャンペーン広告やイベントへ出展は即効性が高いが、毎回ゼロから費用と工数がかかる単発型の施策である。
一方、ホワイトペーパーや営業資料、オウンドメディア、FAQの整備などは、一度作れば継続的に活用できるストック型の施策であり、次回以降のコストを削減できる。
また、つまり「仕組み化されているか」も重要な判断軸となる。
担当者の経験や工夫に依存する運用ではなく、ほかのメンバーでも再現可能なプロセスに整備されているかどうかをチェックしよう。
仕組み化されていない施策は、成果が属人化し、スケールもしにくい。
こうした観点で投資対象を選べば、次期以降のマーケティング予算配分に余裕が生まれ、攻めの施策にリソースを回せるようになる。
4-4. リソース配分と施策配分をセットで見る
投資配分だけを見ても意味がない。
実際には、人的リソース・時間・ツール活用のバランスとセットで見なければ実行に移せない。
たとえば、ナーチャリング施策に投資しても、メルマガ作成・配信・リスト管理の運用工数がなければ回らない。
「予算があっても回らない」状況を防ぐために、“この配分で誰がどう動けるか”までをセットで設計するのが実務的な配分設計である。
5.まとめ
本記事では、マーケティングの投資配分について具体的な判断基準を紹介してきた。
マーケティングの投資配分は、事業の成長スピードに関わる重要な意思決定要素だ。
明確な正解はないが、フェーズ・リソースに応じて柔軟に配分を調整することが、持続的な成果獲得への近道となる。
本記事で紹介した考え方とフレームワークを活用し、自社に最適な投資配分を見直すきっ
かけとしていただければ幸いだ。

