E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼性)の頭文字をとったもので、Googleがウェブページの品質を評価するための基準だ。
検索結果に表示させるコンテンツの品質を確保するために、GoogleはE-E-A-Tを重視すると明言している。
SEOに取り組む上では無視できない概念だが、実際は以下のような声も多い。
「E-E-A-TはSEOにおいてどの程度重要なのか」
「自社での具体的なE-E-A-Tの高め方がわからない」
「E-E-A-Tの高さを測るにはどうすればよいか」
そこで本記事では、E-E-A-Tの各要素を詳しく解説し、具体的な戦略やE-E-A-T向上の基準となる指標について紹介していく。
自社サイトのSEO評価改善に活用できる内容となっているため、ぜひ読み進めてほしい。
1.E-E-A-Tとは
Google「検索品質評価ガイドライン(※)」より一部改変
※https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf
E-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)とは、Googleがウェブページの品質を評価するための基準だ。
E-E-A-Tの各要素について詳しくみていこう。
1.1.Experience(経験)
コンテンツが実際の体験や人生経験をもとに作られたものかどうかを評価する基準だ。
例えば、CRMツールの導入を検討するユーザーにとって、口コミや導入事例が記載されているページと、単にツールの情報を並べたサイトのどちらが参考になるだろうか。
多くのユーザーは、前者だと答えるはずだ。
日常生活においても、商品やサービスを購入したり、飲食店を探したりする際に、レビューや口コミを念入りに確認することは多いだろう。
このように、経験はユーザーが情報を信頼するための重要な要素となる。
そして、経験をもとにしたコンテンツの制作は、近年蔓延するAIコンテンツとの差別化を図るためにも重要だ。
AIは、どの分野においても、真の経験を語ることはできないからだ。
経験はコンテンツの信頼性を高めるために「これからも」重要度が増していくと考えられる。
1.2.Expertise(専門性)
コンテンツ制作者が、特定のトピックに関して必要な知識やスキルを持っているかどうかを評価する基準だ。
専門性が高いコンテンツは、読者にとって信頼性が高く、価値のある情報源となる。
例えば、税金に関するアドバイスは、一般人よりも税理士が発信する情報のほうが信頼性が高い。
執筆者の資格、専門分野、スキルを明記したり、専門家による監修を行ったりすることで対策できるだろう。
1.3.Authoritativeness(権威性)
コンテンツ制作者やウェブサイトがどれほど信頼され、頼りにされているかを評価する基準だ。
専門性が「どれだけ知識やスキルを持つか」という発信者起点の概念であるのに対し、権威性は「他者からどれだけ評価されているか」という第三者起点の概念となる。
明確な評価がわかりにくい項目でもあるが、代表的な評価基準として「被リンクの数と質」が挙げられる。
例えば、政府や大手企業のサイトから被リンクを得られれば、サイトの権威性は大きく高まるだろう。
信頼できる情報源が、信頼して情報を引用できるほど評価され、頼りにされていると解釈されるためだ。
そのほか、サイトや企業の歴史、コンテンツの蓄積、全体的な評判など、さまざまな軸で権威性は評価される。
よって権威性は、単一ページでの対策だけではなく、オウンドメディア全体、企業全体の長期的な取り組みや評価にも関わってくる。
1.4.Trust(信頼)
コンテンツが正確で誠実であり、安全な情報を提供しているかどうかを評価する基準だ。
Googleの検索品質評価ガイドラインでは「信頼はE-E-A-Tの中で最も重要な要素である」と述べられている。
さらに「信頼」の評価では、情報が「正確」「正直」「安全」「確実」であるかを重視するとされている。
例えば、信頼性の高い情報源(例:信頼性の高いニュースサイト、専門家による文献、公的な統計データ)を引用したり、広告やスポンサードを明記したりする対策が有効だ。
2.E-E-A-TのSEO対策における重要性
現代では、情報量が爆発的に増加し、誰でもインターネット上で発信できる時代となり、フェイクニュースやAI生成コンテンツが蔓延している。
その結果、ユーザーは信頼性のある情報を見極めることが難しくなった。
Googleは、こうした状況に対応するために、信頼性の高い情報を優先的に表示し、品質の低いコンテンツを表示させないようアップデートを繰り返しているのだ。
検索KWに対してユーザーのためになる最高のSERPs(検索結果ページ)を返すための取り組みといえる。
また、E-E-A-Tを高めるためには、コンテンツSEOとテクニカルSEOの両方を活用することが必要だ。
コンテンツSEOは、コンテンツ単位でユーザーにとって価値のある情報を提供することに焦点を当てている。
一方、テクニカルSEOは、ウェブサイトの技術的な側面を最適化して検索エンジンからの評価を向上させる。
ページ速度の改善、通信の暗号化、構造化マークアップ、トピッククラスター構造などにより、安全性や専門性、信頼性を高めていく。
コンテンツSEOとテクニカルSEOに焦点を当てたSEO対策については、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてほしい。
一方で、経験談の偽造や、被リンクの購入など、非倫理的な方法を取ることは避けなければならない。
そのような手法を取ったサイトは、E-E-A-Tの対策を何もしないよりも悪い評価が下されるおそれがある。
また、E-E-A-T対策のみがSEO対策ではない。
ターゲットや検索ニーズの理解、KW選定、SEOライティング、可読性や視認性の向上、サイトパフォーマンスなど、取り組むべきことは多岐にわたる。
「誠実」で「長期的」な「ユーザーのためになる」コンテンツ制作に励むことが、SEOの本質であることを忘れないでほしい。
3.E-E-A-TとE-A-Tの違い
E-A-Tは、Googleがウェブページの品質を評価するために用いており、コンテンツの専門性、権威性、信頼性を評価する。
<E-A-T>
専門性(Expertise) | コンテンツ制作者の知識やスキルを評価する。 |
権威性(Authoritativeness) | コンテンツ制作者やウェブサイトの信頼性、第三者からの評価を測る。 |
信頼性(Trustworthiness) | コンテンツ自体の正確性と誠実さを評価する。 |
E-E-A-Tは、2022年12月のアップデートにて、Googleの品質評価ガイドラインに追加された。
E-A-Tに「経験(Experience)」を加えた、より詳細な評価基準となっている。
経験(Experience) | コンテンツ制作者の実際の体験や人生経験を評価する。 |
経験の追加により、コンテンツ制作者は情報の専門性や正確性だけではなく、実体験に基づいた情報の提供も求められるようになった。
経験を重視することで、直接的な知識やノウハウ、ユーザー中心のコンテンツの提供がより強化される。
そして経験は、E-A-Tそれぞれの要素を高める役割や、ユーザーによる興味関心のきっかけとなる役割も果たす。
経験も含めたE-E-A-Tを包括的に対策することで、コンテンツはより信頼性が高く、ユーザーニーズに寄り添ったものになるだろう。
4.YMYLとは?E-E-A-Tとの関係性は?
YMYL(Your Money or Your Life)とは、ユーザーの財産や生活に重大な影響を与える可能性のあるトピックだ。
このトピックに該当する情報は、特に高い品質が求められる。
具体的には、以下のようなジャンルがYMYLに該当する。
YMYL対象ジャンル | 具体例 |
ニュース、時事問題 | 国際的なイベント、経済、政治、科学技術に関する重要なニュース。
ただし、スポーツ、エンターテイメント、ライフスタイル関連のトピックは除外される。 |
政治、法律 | 選挙、行政機関、公共サービス、社会保障、法律問題に関する情報。 |
金融 | 資産運用、税務、年金、ローン、銀行業務、保険などの金融アドバイスや情報。
オンライン取引や送金が可能な場合は、特に重視される。 |
ショッピング | 商品やサービスの調査、購入に関する情報。特に、オンラインショッピングや決済に関するページは重視される。 |
健康、医療 | 医療、薬品、病院の情報、緊急時の対策などのアドバイスや情報。 |
民族、宗教、性別 | 国籍、人種、宗教、性別、性的指向に関する情報や主張。 |
その他 | ダイエット、栄養、住宅選び、進学、就職など、日常生活や人生の重要な選択に関する情報。 |
YMYLジャンルでは、E-E-A-Tが備えられているかどうかがより重要となる。
なぜなら、間違った情報を提供した場合、ユーザーの生活に大きな影響や危険を与えるおそれがあるためだ。
例えば、健康に関する情報は、医師や専門家による信頼性の高い内容でなければならない。
金融に関するアドバイスは、専門知識を持つプロフェッショナルからの情報が求められる。
YMYLジャンルで情報発信をしている場合は、E-E-A-Tについて特に厳重な対策が必要となるため注意しよう。
5.BtoBメディアにおけるE-E-A-T強化戦略
BtoBビジネスでは取引金額が大きく、意思決定に多くのステークホルダーが関与しているため、ユーザーは高い信頼性と正確性を兼ね備えた情報源を求めている。
そのため、BtoBにおいて、サイトのE-E-A-Tの重要性は高いといえるだろう。
本章では、BtoBメディアでE-E-A-Tを強化するための戦略について解説する。
戦略①:専門性の強化
BtoBのウェブサイトでは、特定の業界や専門分野に関する深い知識が求められる。
そのため、業界の専門家や信頼できる情報源と協力して、詳細かつ正確な情報を提供する必要がある。
具体的には、専門知識を持つ者や有資格者によるホワイトペーパーや業界レポート、ケーススタディの作成が有効だ。
また、記事に専門家の監修を入れるのもよいだろう。
BtoBの顧客は、専門的な知識と豊富な経験に裏付けされた情報源を重視するため、専門性の高いコンテンツの制作は非常に重要だ。
戦略②:権威性の向上
ウェブサイトの権威性を高めるためには、質の高いコンテンツを提供し続けるだけではなく、信頼できる被リンクの獲得も欠かせない。
業界の著名なサイトや信頼性の高い情報源からの被リンクを増やすことで、ウェブサイトの権威性が向上する。
そのための施策として、
- 業界イベントやカンファレンスへの参加
- アーンドメディア(ニュースメディアや業界特化メディア)との関係構築
- 講演活動
などが有効だ。
これらの活動を通じて業界内での認知度が高まれば、ほかのウェブサイトやメディアから引用される機会にもつながるだろう。
戦略③:実体験や独自情報を含める
経験に基づくコンテンツを増やすことで、ユーザーからの信頼は大幅に向上する。
例えば、成功事例や顧客の声、実際のプロジェクトに関する詳細な報告書を公開することで、具体的な業務経験や成果を示せるだろう。
特にBtoBでは、成功事例を通じて、サービスによってどのように問題を解決し、効果を発揮したのかを具体的に説明できれば、ユーザーは有用性を実感するだろう。
さらに、詳細なプロジェクト報告書を公開することで、自社の実績を証明し、専門性と信頼性の強化につながるはずだ。
このように、実際の経験や独自情報を含めたコンテンツは、顧客に対する説得力を高め、長期的な信頼関係を築くことに貢献する。
戦略④:安全性の強化
ウェブサイトの安全性を高めることで顧客の信頼を得られるほか、ビジネスの信頼性も向上する。
例えば、ウェブサイト全体にSSL/TLSを導入し、データ通信を暗号化してユーザーのデータを保護することが有効だ。
これにより、第三者によるデータの窃取や改ざんの防止につながる。
さらに、以下のようなセキュリティ対策についても、エンジニアと連携して取り組む必要がある。
- 定期的なセキュリティパッチの適用
- 不正アクセス防止のためのファイアウォールの設置
- ウェブサイトの脆弱性テストの実施
- 二段階認証の導入
BtoBのビジネスでは機密情報や重要な取引データを扱う場合が多いため、これらのセキュリティ対策は不可欠だ。
戦略⑤:信頼性の確保
信頼性を高めるための戦略としては、以下の施策が重要だ。
- 正確な情報の提供
- サイト運営者や著者のプロフィールの明示
- 専門家による情報提供
- 最新の業界情報の発信
- ユーザーのフィードバックを活かしたコンテンツ改善
上記の取り組みは、コンテンツの評価を高めるだけでなく、顧客との長期的な関係を築くための基盤となり、結果としてビジネスの成功に貢献する。
6.実践編:E-E-A-Tが優れたサイトの特徴とレベル
E-E-A-Tは、Googleがウェブページの品質を評価するための重要な基準だ。
特に、BtoBサイトやYMYLジャンルでは、これらの要素が評価の決定的なポイントとなる。
本章では、E-E-A-Tの実践レベルに応じてウェブサイトを4種類に分け、特徴と具体例を紹介する。
E-E-A-Tのレベル | 具体例 |
A
(非常に高い) |
・ニュースサイト
独自取材による最新の政治情勢や国際ニュースの報告、専門家の見解を交えた詳細な経済分析など。 ・アート系サイト 有名なアーティストのインタビューや作品のレビュー、専門的な技法の解説記事など。 ・専門情報・業界特化サイト 専門的な技術解説、業界レポート、ホワイトペーパー掲載ページなど。 |
B
(高い) |
・ニュースサイト
専門的なニュース報道、政府関連の最新情報、信頼性の高い経済分析記事など。 ・政府・官公庁サイト 政府の公式発表、法改正に関する詳細な説明、公共サービスに関するガイドラインなど。 ・動画解説・教育サイト 業界の専門家による解説動画、最新技術のデモンストレーション、専門家へのインタビュー記事など。 ・質の高いオウンドメディア 特定の業界に関する詳細な記事、成功事例の紹介、ビジネスの専門的なアドバイスなど。 |
C
(不足している) |
・情報源が不確かなソフトウェアのレビュー
使用経験が明確でなく、写真や動画がないレビュー記事。 ・専門家以外によるITセキュリティのアドバイス ITセキュリティの専門知識を持たない人によるアドバイス。 |
D
(非常に低い) |
・スパムサイト
無駄な広告が多いサイト、不正確な情報を含むページなど。 ・詐欺目的のサイト 個人情報を盗む目的のフィッシングサイトなど。 ・運営者情報が明確でないサイト 運営者情報が記載されていないサイトなど。 |
6.1.レベルA(非常に高い)
非常に高いE-E-A-Tを持つページは、以下の例のように検索意図を完全に満たした、高品質なコンテンツだ。
例 | 特徴 | 具体例 |
ニュースサイト | オリジナルの報道や正確で深い調査報道が含まれている。 | 独自取材による最新の政治情勢や国際ニュースの報告、専門家の見解を交えた詳細な経済分析など。 |
アート系サイト | 高度な技術と才能を持つアーティストやクリエイターによる独自のコンテンツ。 | 有名なアーティストのインタビューや作品のレビュー、専門的な技法の解説記事など。 |
専門情報・業界特化サイト | 検証を経た正確な情報を明確に伝え、専門家の意見も交えて情報提供を行う。 | 専門的な技術ガイド、業界レポート、ホワイトペーパーなど。 |
このような品質の高いコンテンツを提供することで、非常に高いE-E-A-Tを実現し、ユーザーの信頼と満足度を高められる。
6.2.レベルB(高い)
高いレベルのE-E-A-Tを持つサイトは、以下の例のように、経験、専門性、権威性、信頼性を十分に満たしている。
その結果、ユーザーは質の高い情報を得られるだけではなく、検索意図に応えたコンテンツにアクセスできる。
例 | 特徴 | 具体例 |
ニュースサイト | 経験、専門性、権威性、信頼性を十分に示し、質の高い記事を提供する。 | 専門的なニュース報道、政府関連の最新情報、信頼性の高い経済分析記事など。 |
政府・官公庁サイト | 公共の利益に関する信頼性の高い情報を提供し、権威ある情報源として認知されている。 | 政府の公式発表、法改正に関する詳細な説明、公共サービスに関するガイドラインなど。 |
動画解説・教育サイト | 専門家による解説や実際の経験に基づいた動画コンテンツを提供し、ユーザーの検索意図に応える。 | 業界の専門家による解説動画、最新技術のデモンストレーション、専門家へのインタビューなど。 |
高品質なオウンドメディア | 特定の分野に特化した高品質なコンテンツを提供し、信頼性を築く。 | 特定の業界に関する詳細な記事、成功事例の紹介、ビジネスの専門的なアドバイスなど。 |
高いE-E-A-Tを持つサイトは、信頼性の高い情報源としてユーザーに認識され、検索エンジンからも高い評価を受ける。
その結果、検索結果での上位表示が期待でき、ユーザーからの信頼も厚くなる。
6.3.レベルC(不足している)
E-E-A-Tが不足しているサイトでは、特定のトピックに関して信頼性が低い可能性がある。
コンテンツ制作者が、特定のトピックに関する経験や専門性を欠いている場合は注意が必要だ。
例 | 特徴 | 具体例 |
情報源が不確かなソフトウェアのレビュー | 実際に使用したことがないため、信頼性が低い。 | 使用経験が明確でなく、写真や動画もないレビュー記事。 |
専門家以外によるITセキュリティのアドバイス | 専門知識を持たないため、正確性が欠けている。 | サイトのどこにも専門性を証明する情報がなく、その他のコンテンツも充実していない。 |
このようなサイトでは、特定の分野、専門性が必要な分野で信頼性を十分にユーザーへ伝えられていない。
信頼性を向上させ、E-E-A-Tのレベルを上げるためには、経験や専門知識を有したコンテンツ制作者による情報提供と情報源の明記が必要だ。
6.4.レベルD(非常に低い)
E-E-A-Tレベルが非常に低いサイトは、スパム的な印象を与え、ユーザー体験が良くない。
むしろ不快な印象を与えるようなサイトだ。
詐欺的な行為や不正確な情報、誤解を招くデザインなどの特徴を持つ。
カテゴリー | 特徴 | 具体例 |
スパムサイト | ユーザー体験が快適でなく、スパム的な印象を与える。 | 無駄な広告が多いサイト、不正確な情報を含むページ。 |
詐欺目的サイト | 詐欺的な行為や悪意のあるダウンロードリンクが含まれる。 | 個人情報を盗む目的のフィッシングサイト。 |
不十分な情報提供サイト | サイトやコンテンツ制作者に関する情報が不足している。 | 運営者情報が記載されていないサイト、不明瞭な目的のページ。 |
E-E-A-Tの実践レベルを高めるためには、信頼性や専門性の高い情報をコンテンツに適切に取り込み、その情報源やコンテンツ制作者を明記することが重要だ。
特にBtoBでは、自社のメディアが企業間の大きな取引につながるきっかけにもなる。
よって、E-E-A-Tの追求は必須だ。
E-E-A-Tのレベルを理解して改善することで、Googleの評価基準に沿った高品質なコンテンツを提供でき、ウェブサイト全体の信頼性と評価の向上につながるだろう。
7.E-E-A-Tの評価指標と改善方法
結論、E-E-A-Tの評価を直接数値化することは難しい。
Googleも、公式にどのような数値やランク付けを行っているかを明言しているわけではない。
ただし、間接的な方法で評価結果を測定し、改善することは可能だ。
本章では、E-E-A-Tを評価するための具体的な指標と改善方法について解説する。
7.1.E-E-A-Tの間接的な測定方法
E-E-A-Tの直接的なスコアは存在しないが、以下の方法で間接的な評価が可能だ。
指標 | 説明 | 評価ツール | 期待される効果 |
被リンクの質と量 | 信頼性の高いサイトからの被リンクは、E-E-A-Tの強化に寄与する。 | Ahrefs
Googleサーチコンソール |
サイトの信頼性や権威性が高まり、検索順位の向上が期待できる。 |
検索ランキング | ウェブサイトの検索エンジン結果ページ(SERP)での順位は、GoogleがE-E-A-Tをどのように評価しているかを示す間接的な指標と考えられる。 | Googleサーチコンソール | 順位が高ければ、GoogleがそのページのE-E-A-Tを高く評価していると考えられる。 |
オーガニック検索トラフィック | E-E-A-Tの向上がブランドの認知度を高め、クリック率の向上につながる。 | Googleアナリティクス | トラフィックが増加している場合、コンテンツがユーザーに受け入れられている証拠となる。 |
7.2.ユーザーエンゲージメントの指標
E-E-A-Tはユーザーエクスペリエンスの向上を目指すものであるため、ユーザーエンゲージメントの指標も評価項目として重要だ。
ユーザーエンゲージメントとは、ユーザーがサイト内でどのように行動し、どの程度アクションを起こしているかを測る指標を指す。
ページの滞在時間、エンゲージメント率、コンバージョン率などが含まれる。
ユーザーがサイト内でどのように行動するかを測定することで、コンテンツの質や信頼性を間接的に評価できる。
指標 | 説明 | 評価方法 | 期待される効果 |
ページ滞在時間 | コンテンツがユーザーにとってどれだけ有益かを示す指標。
滞在時間が長すぎる場合は、内容がわかりにくいなどの可能性がある。 |
Googleアナリティクス | 滞在時間が適切であれば、コンテンツがユーザーに価値を提供している証拠となる。 |
エンゲージメント率 | ユーザーが短時間でサイトを離脱する場合、コンテンツに問題がある可能性が高い。 | Googleアナリティクス | エンゲージメント率が高ければ、ユーザーがコンテンツに興味を持ち、サイト内での活動が増えている証拠となる。 |
コンバージョン率 | ユーザーが特定の行動を完了する割合。
購入やメルマガの登録、問い合わせフォームの送信など。 |
Googleアナリティクス | 高いコンバージョン率は、サイトの信頼性とユーザーエクスペリエンスの良さを示し、ビジネス成果につながる。 |
これらの指標は、E-E-A-Tを直接測定するものではないが、間接的な評価指標として非常に重要だ。
質の高いコンテンツの提供、外部からの信頼性の獲得、ユーザーエクスペリエンスの向上を通じて、E-E-A-Tを強化する取り組みが求められる。
また、各ページの対策だけではなく、サイト全体でE-E-A-Tを向上させることが重要だ。
トピック構造やサイト設計、構造化マークアップなども見直し、最適化する必要がある。
E-E-A-Tの要素を適切に取り入れ、品質の高いサイトを作ることが、検索順位の向上につながる。
ただし、この取り組みは長期的に行わなければならない。
長期的な取り組みを継続すれば、YMYLトピックにおいてもユーザーにとって有益で信頼性の高い情報を提供できるだろう。
8.まとめ
E-E-A-Tは、Googleがウェブページの品質を評価するための重要な基準だ。
特にYMYLトピックやBtoBサイトにおいては、E-E-A-Tの重要性が際立っている。
E-E-A-Tを直接測定することは難しいが、被リンクの質や量、検索ランキング、ユーザーエンゲージメントなどを通じて間接的に評価できる。
質の高いコンテンツの提供とユーザーエクスペリエンスの向上を通じてE-E-A-Tを強化し、Googleの評価基準に適合する高品質なサイトを構築していこう。