コンテンツのタイトルは、SEOの中でも特に重要な対策のひとつだ。
webの検索結果に表示されるタイトル次第で、クリック率が大きく変動し、リードの獲得などのマーケティング施策に影響することもある。
一方で、Googleの検索結果ではタイトルが省略されたり、改変されたりする。
このことから、一般的にはタイトルの文字数にも多くの気を配らなければならない。
SEO担当者の中には、「30文字前後が適正文字数」などと理解している方も多いだろう。
しかし、この文字数となる理由や表示への関連性をご存じだろうか。
実はSEO対策におけるタイトルの文字数には、明確な根拠があるわけではない。
そこで本記事では、SEOの観点から「タイトル文字数の最適解」や「検索結果に表示されるタイトルの決まり方」「成果を生みやすいタイトル作成のノウハウや手順」を詳しく伝えていく。
目次
1.SEOにおけるタイトル文字数の根拠
まず、一般論としての結論を言えば、SEO対策における適正なタイトル文字数は「28~36文字」だ。
この文字数の根拠を確認しておこう。
文字数だけではなく、良質なコンテンツについては以下の記事で解説している。

1.1.SEOでのタイトル文字数に関するGoogleの公式見解
Googleが運営している検索エンジン活用のためのサポートサイト「Google検索セントラル」をご存じだろうか。
同サイトはSEO担当者やメディア運営者に向けて、SEOの基本が解説されている。
特に「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」には、検索結果が決まる仕組みやコンテンツの評価基準について、とても有益な情報が提供されている。
SEOに携わる者にとっては、バイブルとも言えるコンテンツだ。
参考:Google検索セントラル 検索エンジン最適化スターターガイド
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja
当サイトでは「SEO対策として有効なタイトル文字数」には一切言及がない。
つまり、本質的にタイトル文字数は、SEOに影響を及ぼすものではないと理解できる。
一方で、実際に検索結果に表示される文字数には一定の法則がある。
日本語のタイトルであれば「28~36文字程度」までが表示され、それ以降は省略されることがある。
特に30〜32文字付近で省略が始まるケースが多い。

このことから「タイトル文字数は32文字まで」と理解している方が少なくないようだ。
1.2.タイトルの実質的な文字数制限
検索結果に表示されるタイトル(正確にはタイトルリンク)の文字数については、海外でも議論がある。
海外(英語圏)では半角70文字程度が実質的な制限と言われている。
ただし、実際に省略が始まる文字数は言語やキーワードによるため、日本国内とは事情が異なるようだ。
実際に日本国内で検索結果(SERPs)に表示されるタイトルの文字数を精査してみると、以下のような結果になった。
- 省略されずに検索結果に表示されるタイトル文字数
→PCの場合:28文字~30文字
→スマホの場合:33文字~36文字
- 省略される場合
→PCの場合:30~32文字
→スマホの場合:22.5~30文字
ただしこれもケースバイケースであり「何文字ならば省略されないのか」という疑問への答えではない。
つまり、コンテンツを制作する側としては「省略が入ったとしても内容が推測できる程度の文字数」を意識することが重要だろう。
ちなみに弊社としては、「28~29文字までおさめるスタイル」が適切だと考えている。
記号などが入る余地を含め「タイトルの前半25文字程度」で記事内容の大枠が理解できるようなタイトル作りを目指すとよい。
2. タイトルリンクが決定される仕組み
Googleが検索結果に表示しているタイトルは、厳密にいえば単なる言葉ではなく、複数のクエリやコンテンツから生成される「タイトルリンク」である。
タイトルリンクとは、さまざまなソースを使用してGoogleが決定したリンク付きのテキストであり、単に入力した1つの文章だけでなく内部要素や外部のアンカーも影響している。
作成したタイトルをそのまま検索結果に表示させるためには、タイトルリンクの決まり方も理解しておくことが大切だ。
2.1.SEOの基礎知識「タイトル」の決まり方
検索結果に表示されるタイトル(タイトルリンク)は複数の要素から決定される。
以下に概要を示す。

要素1. <title> タグ内のテキスト
<title> タグは最も重要性が高く、検索結果に直接反映されやすい。
ここにどのような言葉を入れるかが集客やクリック率を高める最大のコツとなる。
検索エンジンは、タイトルリンク作成において、まずtitleタグ内のテキストを参照する。
要素2. ページに表示されるメインの視覚的タイトル(大見出し)
ユーザーが最初に画面で目にする見出しは、検索エンジンにとっても意味を持つ。
書き方によってはタイトルリンクに自動的に利用されることがある。
特に、視覚的に目立つ大見出しは、<title> タグと異なる場合でも検索結果に影響を与えることがある。
要素3. <h1> タグなどの見出し要素
<h1> タグはページ内で最も重要な見出しとして扱われ、ページの構造や主題を理解するために利用される。
<h1>タグは内部的な評価にもつながる。
h2やh3など重複要素が多すぎると逆効果になる場合もあるので抑えたい。
下位の見出しも、ページ内容を補強する情報として評価されることがある。
<title>タグ内のテキストが適切ではない場合は、<h1> タグの内容からタイトルが生成される可能性が高い。
要素4. スタイル処理によって大きく目立つように作られたその他のコンテンツ
CSSなどで画像やブラウザ上で強調された要素は、正式な検索アルゴリズムに直接影響するわけではないが、魅力的に伝わりやすい状況を作ることで間接的に評価される。
ユーザーにとって重要な情報として認識される場合、間接的にタイトルリンク生成に使われることもある。
要素5. ページ内のその他のテキスト
1~4までの要素に加えて、ページ全体の記述や中身のテキストもインデックス後のタイトルリンク生成に影響を与える。
どの程度の影響があるかはケースバイケースだが、タイトルリンクだけでなく、スニペットの表示に影響を与える可能性はゼロではない。
要素6. アンカー テキスト
意外と無視できないのがアンカーテキスト(リンクを含むテキスト)だ。
検索エンジンは、リンク先のページがどのようなテーマであるかを示す手がかりとしてアンカーテキストを利用する。
被リンクのプランナー的要素ともいえ、外部サイトがどのような言葉でリンクを貼ってくれるかは重要視される。
調べる際にはコンサルやSEO代行を利用するケースも多い。

アンカーテキストは、ページ内のものだけではなく、外部のページから貼られているものも活用される。
検索エンジンは、第三者からの評価として外部サイト上のアンカーテキストを参照することがあるからだ。
ただし、アンカーテキストの内容がリンク先の内容を具体的に示していることが前提である。
タイトルリンクの生成という点ではそれほど重要ではないが、SEO対策の基礎知識として覚えておきたい。
2.2.タイトルリンクにはユーザーニーズが反映される
このようにタイトルリンクの決定には複数の要因が絡む。
つまり自身がタイトルとして設定した文言が、実際の検索結果には反映されない可能性もあるわけだ。
ただし、titleタグの内容と中身のコンテンツの内容が一致していれば、大きく変更される可能性は低い。
反対に、検索結果に表示されるタイトルが、編集や省略によって常に変動している場合は、タイトルやコンテンツが検索ユーザーニーズを十分に反映できていないおそれがある。
この場合は以下の観点で検討するとよい。
タイトル検討時の観点
| 観点 | チェック内容 | 注意点 |
| キーワードの選定と配置 | どのキーワードを選定し、どの位置に入れるか | 前半に主要キーワードを配置し、検索ユーザーにすぐ伝わるようにする |
| 書き方と表現の最適化 | 伝わる書き方になっているか、あるいは伝えすぎることで冗長になっていないか | 30文字前後を意識し、簡潔かつ具体的に表現する |
| 費用対効果と広告連動 | 費用対効果を考え、有料広告との相性を高めるように取り組むか | 広告コピーとの整合性を意識し、CTR(クリック率)を最大化する |
| 重複や表記ゆれ回避 | 重複表現や全角・半角の乱用を避ける | 同義語や言い換えを乱発せず、自然な文章を保つ |
| 狙った読者への訴求 | 狙った読者に伝わりやすいやり方で作ること | ペルソナや購買フェーズを踏まえた具体的な訴求を意識する |
最終的には、ライターやプランナーが通り一遍の発想でなく、いっそう強い訴求を意識した書きたてのタイトルを設計すべきである。
Googleの仕組みを知った上で、推奨されるベストプラクティスに従い、トップを目指して最適化を行い続けることが重要である。
では、そのケースについて、もう少し掘り下げていこう。
3.タイトルが編集されるケースと注意点
ではタイトルリンクが「titleタグの内容とは異なるもの」に編集されるケースについて、もう少し掘り下げてみよう。
3.1.タイトルが編集されるケースは?
titleタグの内容が編集され、意図したものから変更されてしまうケースは、下記3つだと考えられる。
titleタグがない
titleタグが存在しない場合は、ページ全体を最もよく表現するh1タイトルに変更されることが多い。
タイトルがニーズと合致していない
前述のようにタイトルリンクは「ユーザーニーズ」と合致したものに変更される可能性が高い。
したがって、コンテンツの内容がニーズに沿っているのに、タイトルがそうではない場合も編集の対象になりやすい。
タイトルが極端に長い(もしくは短い)
タイトルが極端に長いと、Google側が編集もしくは省略する可能性がある。
また、極端に短い場合は、タイトルリンクの後半に「社名」「サイト名」などが差し込まれる場合もある。
3.2.タイトル作成時の注意点
検索エンジンによるタイトルの編集や省略は「悪」ではない。
むしろ自社のコンテンツを検索ユーザーのニーズに合致させてくれる便利な機能といえる。
したがって、多少の文字数の増減や編集は受け入れるべきであり、特に大きなデメリットもない。
しかし、毎回のように制作側が想定しないタイトルを付けられてしまうと、上位表示やCVRの向上に支障をきたすこともある。
近年のコンテンツSEOは綿密なキーワード戦略とペルソナ、カスタマージャーニーの設計が必須であり、計画に基づいて実行されなければ成果につながりにくいことも事実だ。
このことから「なるべくタイトルが編集・省略されないような工夫」も覚えておくべきだろう。
一般論ではあるが、下記3点に注意することで、意図しないタイトルの編集・省略を防ぐことができる。
titleタグによるタイトルの明示化
基本中の基本だが、titleタグは適切なタイトルリンク生成で最も重要だ。
これまでも述べたように、検索エンジンはユーザーニーズに沿ったタイトルリンクを生成する。
titleタグにおいて、コンテンツ(ページ)が何について述べているか、また強調したい点は何かなどが簡潔に詰め込まれていると、適切なタイトルとしてみなされやすい。
「省略の可能性がある30文字前後を上限に、コンテンツの要約を行う」イメージで設定しよう。
キーワードを乱立、乱発しない
SEO対策の一環として「キーワードを含めること」に注目する担当者は多い。
確かにキーワードが一定数含まれていなければ検索エンジンへのアピールが行われない。
しかし「同一の内容を示すワード」や「言い換え」を無意味に繰り返すと、検索エンジン側からマイナスの評価を受けることがある。
もちろん、コンテンツの内容を表現するために必要であれば問題はない。
問題なのは、例えば「CRM、シーアールエム、しーあーるえむ」のように単に表記を変えて繰り返しているようなケースだ。
この場合は不正行為と見なされるおそれもあるので、注意しておこう。
コンテンツ(ページ)の内容と同一の言語を使用する
コンテンツの内容とtitleタグ内のテキストの言語が異なると、検索エンジンは別の要素からタイトルリンクを生成しようとする。
必然的に編集や省略が入り、制作側の意図しないタイトルリンクが生成される可能性がある。
コンテンツの内容が日本語であれば、日本語をベースとしたタイトルを設定しよう。
IT系のキーワードでは英字表記を多用することもあるが、固有名詞や一般名詞以外は日本語で表記しておけば問題はないだろう。
3.3.NG施策:避けるべきタイトルの付け方
タイトル作成においては、検索ユーザーの関心を引こうとするあまり誤った方向に陥るケースがある。以下が代表的なNG施策だ。
| NG施策 | 具体例 | リスク・問題点 |
| クリックベイト(釣りタイトル) | 「驚愕の事実!」「必ず成功する方法」 | 内容と乖離した誇張表現は一時的にクリックを得られても、直帰率増加や信頼低下を招く |
| キーワードの羅列 | 「安い 格安 激安 最安値」 | 同義語を連続させると不自然であり、検索エンジンからスパム的と判断されるリスクが高い |
| 曖昧で具体性に欠けるワードの多用 | 「すごい方法」「誰でもできる驚きの結果」 | 具体的情報がなく、ユーザーの期待と乖離しやすいため読まれないタイトルになる |
このようなNG施策は「無料」「簡単」「やすく」などの単語を安易に並べるケースにも多い。
短期的なアクセス増を狙えても、中長期的にはブランド価値や成果(CV)を損なう危険性が高いといえる。
3.4.失敗事例「読まれないタイトル」
実際の検索結果や記事運用において、読まれないタイトルには共通する失敗パターンが存在する。
| 失敗パターン | 具体例 | 問題点 |
| 冗長すぎて省略される | 「SEOタイトル文字数とは?メリット・デメリットや成功事例・効果的な活用法を徹底解説」 | 検索結果で30文字前後以降が切れてしまい、重要な訴求部分(サービス内容や資料ダウンロード訴求)が表示されない |
| ターゲットが不明確である | 「SEOタイトル文字数とは?」 | 初心者向けか実務担当者向けかが曖昧で、ユーザーが自分ごととして捉えにくく、離脱につながる |
| 差別化が不足している | 「SEOにおけるタイトル文字数とは?」 | 競合と同質のフレーズであり、検索結果に並ぶと埋没してしまう。特に「会社紹介」「サービス一覧」など汎用的な表現に終始するとCTRが上がらない傾向が高い |
これらの失敗を避けるためには、読者のニーズを的確に定義した上で、独自の切り口を盛り込みつつ適正な文字数で表現することが不可欠だ。
4.文字数以外の重要なノウハウ
SEOの本質は「ユーザーニーズを満たすこと」だ。
タイトルは検索ユーザーが最初に目にするコンテンツであり、ニーズが反映されていなくてはならない。
ここでは、ユーザーニーズを満たすタイトル作成について「文字数以外」のポイントを解説する。
弊社が考えるタイトル作成のノウハウは、下記7つだ。

- ペルソナ設計の解像度を上げる
- 検索KWを含める、ただし無意味に繰り返さない
- 前半(先頭から25文字程度)にKWを配置し、大枠が想像できるようにする
- ニーズが集約されたタイトルにする(抽象化の徹底)
- マジカルナンバーを使う(3つの方法、7つの原因など)
- E-E-A-Tへの配慮(権威性、明確な根拠、安心感、解決法)
- 「タイトル付けの専任担当」を置く
4.1.ペルソナ設計の解像度を上げる
SEOタイトルを最適化するうえで欠かせないのが、ペルソナ設計だ。
そのため、タイトル設計においては 「誰に向けるか(ペルソナ)」と「どの段階を意識するか(購買フェーズ)」 の二軸を整理して考える必要がある。
まずは、企業属性×担当者を整理しよう。

上記のような「ペルソナ作成テンプレート」を利用すると、誰もが同じ基準でペルソナ像を共有できる状態をつくることができるため、ぜひ活用してほしい。
次は企業の属性と担当者の立場に購買フェーズを組み合わせたシート例である。

例えば「中堅企業の情報システム部門担当者」が認知段階にいる場合、タイトルは「◯◯とは?」型で課題の存在を理解させることが有効である。
一方で、同じ担当者が比較検討段階に入っていれば、「メリット・デメリット」「選び方」「チェックリスト」といった比較軸を提示するタイトルが効果的になるという違いがある。
ペルソナ×フェーズの視点で解像度を上げることで、読者により具体的に刺さるタイトルを生み出すことができる。
このようなペルソナ設計シートを活用すれば、「同じキーワードでも、どのターゲット層・どの購買フェーズ向けに届けるのか」を非常に明確にできる。
結果として、検索ユーザーが「これは自分に必要な情報だ」と瞬時に判断できるタイトル設計に役立つだろう。
4.2.検索キーワードを含める、ただし無意味に繰り返さない
タイトルに検索キーワード(KW)を含めることはSEOの必須テクニックだ。
「何について述べられているか」「どのようなニーズを満たすか」を検索エンジンに判断してもらうためには、検索キーワードの活用が欠かせない。
しかし、前述のように「キーワードを不自然に繰り返す行為」は逆効果になる。
検索エンジンは、コンテンツの質を重視し、単なるキーワードの羅列や不自然な繰り返しをスパムとして扱う可能性があるためだ。
したがって「キーワードは1~2回、自然な文脈」で含めることを心がけよう。
4.3.前半にキーワードを配置し、大枠が想像できるようにする
前半部分のみで内容を推測できるタイトルであれば、省略されても問題は生じない。
タイトル文字数の「絶対値」を気にするのではなく、省略が起こりにくい「前半」にコンテンツの大枠を示しておこう。
検索ユーザーは、より小さな労力と時間でコンテンツの内容を推測できるため、クリック率の向上にもつながる。
4.4.ニーズが集約されたタイトルにする(抽象化と具体化の併用)
コンテンツ制作とは「具体化」と「抽象化」の連続だ。
記事コンテンツで言えば、見出しは本文の抽象化であり、本文は見出しの具体化だ。
抽象化と具体化が連動し、繰り返されることで、読者は徐々に内容を理解していく。
この点で言うと、タイトルはやや特殊な存在だ。
コンテンツの看板であるため、抽象化(ユーザーニーズの大枠)と、具体化(より具体的で実践的な情報)が同居している必要がある。
以下はCRMの活用方法をテーマにしたコンテンツのタイトル例だ。
- CRMとは?顧客管理は現代の必須タスク(抽象化のみ)
- CRMの対応履歴保存とポップアップ機能について(具体化のみ)
↓
- 顧客管理の効率を上げる!CRMの「対応履歴保存とポップアップ機能」に注目(抽象化+具体化)
このように「抽象化」と「具体化」の両面からニーズをとらえることで優秀なタイトルが生まれる。
もし抽象化が苦手であれば、ユーザーが抱える最も大きな「痛み(ペイン)」や「必須情報(must have)」を推測してみよう。
ニーズの背後には何らかの痛みや必需性が必ず存在する。
これらを満たす方法を思い浮かべると、タイトル作成はかなり楽になるはずだ。
4.5.マジカルナンバーを使う(3つの方法、7つの原因など)
タイトルに数字を含めることで、ユーザーの中に「情報を取り込む下準備」ができる。
「5つの方法」と記載があれば「5つ」を意識し、心の中でカウントしながら読み込むわけだ。
さらに、マジカルナンバーを用いることで、この効果はより高まる。
マジカルナンバーは、人間の短期記憶能力に即したものであり、理解や記憶が促進されるとの説がある。
例えば「7」は人間が瞬間的に保持できる情報の数「7±2」が根拠だ。
また「3」「5」も短期記憶の情報量の上限「4±1」が根拠になっている。
どの数値を扱うかはテーマやキーワードによるが「7や3、5などの数値に寄せること」を意識することもおすすめだ。
4.6.E-E-A-Tへの配慮(権威性、明確な根拠、安心感、解決法)
E-E-A-Tは、近年のSEOにおいて最も重視される評価指標だ。
E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼性)の頭文字をとった略語だ。
Googleがコンテンツの品質を評価するための基準として公開され、コンテンツの制作基準としても重視されている。
タイトルのみでE-E-A-Tを網羅することは難しい。
しかし「専門家監修」「事例付き」などの文言で、部分的にE-E-A-Tを満たすことはできる。
E-E-A-Tについては、こちらの記事も参考にしてみてほしい。
4.7.「タイトル付けの専任担当」を置く
タイトルに「抽象化」と「具体化」の両方が必要なことはすでに述べたとおりだ。
一般的に制作・執筆者は「具体化」に注力する傾向がある。
一方で、タイトル付けは「内容を知らない読者」の興味を引き付ける抽象化のスキルが必須だ。
したがって「読者の視点と抽象化の概念をもった第三者がタイトルを決定する」ほうが良いタイトルが生まれやすいこともある。
SEOにおけるタイトルは、目の前のユーザーに実利を訴えるという点で、書籍の「帯文」に似ている。
帯文の大半は、編集者や同業者、つまり執筆者以外の第三者によって書かれることを想像すれば、わかりやすいだろう。
SEOにおけるタイトルも、専任の第三者によって設定されるべきなのかもしれない。
5. 競合分析と成功事例
SEOにおけるタイトル設計を改善するためには、競合分析が欠かせない。
検索上位に表示されている記事は、ユーザーのクリックを勝ち取っている事例であり、そこから学べる要素は多い。
具体的には以下の観点で競合タイトルを調査するとよい。
- 文字数の傾向:省略されずに表示されているか
- キーワード配置:主要キーワードが前半に置かれているか
- 訴求軸:「比較」「チェックリスト」「事例」などの表現を使っているか
さらに、自社の過去記事や他社の成功事例を参照することで「ユーザーに刺さったパターン」を把握できる。
ただし、模倣にとどまらず 差別化の視点 を盛り込むことが重要である。
同じテーマでも、知見・データ・サービス・コンサルティング・実績・独自の切り口を加えることで、クリック率(CTR)検索順位の評価について両立を実現できる。
IT企業のタイトル設計具体例
| 企業タイプ | タイトル例 | 特徴・工夫 | 要素 |
| クラウドサービス提供企業 | クラウド ERP 導入成功事例:5社の比較と選び方 | 「導入成功事例」「5社の比較」「選び方」を組み合わせ、ユーザーが知りたい情報を網羅 | 数値(マジカルナンバー)+比較訴求+事例訴求 |
| SIer企業 | SIer 情報システム部が語る!失敗しないERP導入3つのチェックリスト | ターゲット(情報システム部)を明確にし、具体的なチェックリストを提示 | ターゲット明示+実務視点+数値(3つ) |
上位表示を勝ち取ったタイトルに共通するのは 「数値・比較・ターゲット明示」 の3要素だ。
ユーザーは「自分に関係するか」「比較できるか」「どれだけの情報が得られるか」を瞬時に判断している。自社のタイトル設計に応用する際は、独自データや実務者の声、業界特化の視点を追加し、2024年版や2025年版など最新の情報を盛り込むことで、競合との差別化を付けることが有効である。
また、Webマーケティングやデジタルマーケティングにおける資料ダウンロード、無料相談、サービス紹介といった訴求もWebサイトやSNS(Twitter / Facebook)広告と連動させることで効果を高められる。
特にお客様の悩みや目的を明確に表す見出しを設定し、役立つ情報を一目で伝えることが重要である。
6. AIを活用したタイトル設計
近年、生成AIを活用して タイトル候補を大量に作成・検証する方法 が一般化しつつある。
AIを用いることで、短時間で数十案を出力し、そこから「クリックされやすい表現」を選び出せる。
さらに、AIは競合データや検索意図の分析にも有効であり、人間の直感だけでは見落としがちなパターンを補完してくれる。
ただし、AIの提案は万能ではないため、最終的には「ペルソナ」「購買フェーズ」「ブランドトーン」といった要素を踏まえた人間の判断で取捨選択することが欠かせない。
また、AIを活用した場合でも、権威性(E-E-A-T) の観点を忘れてはならない。
AI生成のみであっても、監修者や実務者の視点をタイトルや記事に反映させることで、「信頼できる」「専門的である」といった印象を補強できる。詳しくは以下の記事で解説している。
AI活用の最大の利点は、発想の幅を広げ、効率的にテストを重ねられること にある。これにより、従来の勘と経験に頼ったタイトル設計を データドリブンに進化させることが可能となる。
しかし、AIはあくまで効率化と発想支援のツールであり、人間による監修と独自性の付与によってはじめて成果につながる最適化が完成するのである。
7.まとめ
本記事では、SEOにおけるタイトルの最適な文字数、実質的な表示制限、文字数だけに依存しない適切なタイトルの付け方について解説してきた。
- Googleの公式見解によれば、タイトル文字数の具体的な制限はない。
- ただし日本語のWebページでは、表示が省略される可能性として28~30文字前後にボーダーラインがある。
- 省略や編集の可能性を考慮しつつ、ユーザーニーズに即したタイトル作成を行うことが重要である。
さらに、Webマーケティング戦略の一環として、資料ダウンロードや無料相談の導線設計、コンサルティングサービスの紹介などを組み合わせることで、CV(コンバージョン)を高められる。
企業の公式情報を示すことで信頼性を補強し、人気記事や最新情報を活用することで検索流入の増加を狙える。
最後に、タイトル設計は 「順位上昇」だけでなく「お客様に魅力的に伝えること」 が本質である。
アルゴリズムの変化やGoogle Search Consoleでのチェック項目を踏まえ、最適なタイトルを設計し続けていこう。
