seoの外部対策とは?衰退したってホント?真の施策と考え方とは

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SEO対策は「外部対策」と「内部対策」に分類される。

かつてSEOは外部対策が主流であったが、2010年代以降は内部対策の比重が高くなっている。

内部対策は構造化やマークアップ、コンテンツの充実など、具体化がしやすい。

一方で、外部対策は「外部からの評価」を高めるための施策であり、実は具体化が難しい。

また、誤った外部対策は検索エンジンからペナルティの対象とみなされることもある。

本記事では「外部対策」の内容や、衰退した理由、期待値の高い施策などを紹介する。

 

1.SEOの外部対策「評価獲得のために外部に働きかける」

 

SEOの外部からの評価獲得

まず、SEOの外部対策について簡単におさらいしておこう。

 

1.1.SEOの外部対策(オフページSEO)とは

 

SEO対策では、サイトやページの外に向けた対策を「外部対策」と呼ぶ。

これに対して、サイトやページの内部で完結する対策を「内部対策」として分類する。

ちなみに英語圏では、外部対策を「オフページSEO(ページの外で行うSEO対策)」、内部対策を「オンページSEO(ページ上で行うSEO対策)」と呼ぶこともある。

外部対策は、サイトやページが「外部から評価されることを狙う施策の総称」だ。

その目的は、第三者からの評価獲得による権威性や信頼性の向上にある。

権威性や信頼性が向上すると、検索エンジンからの評価が高まりやすくなる。

つまり、検索結果の上位に露出する可能性が上がるわけだ。

 

被リンクとサイテーションの獲得が主軸

 

SEOの外部対策では「被リンク」と「サイテーション」の獲得を目指す。

被リンクとは外部から自社サイトへのリンクが貼られることだ。

また、サイテーションとは、サイト・メディアの名称や、コンテンツの内容に対して言及があることを指す。

被リンクとサイテーションが増えることは、第三者による評価を受けていることを意味する。

権威性や信頼性が高いとみなされ、検索エンジンからの評価が高まるということだ。

 

恣意(しい)的かつ不自然な外部対策はペナルティの対象に

 

古いタイプのSEO対策では、「ブラックハットSEO」と呼ばれる手法が外部対策として用いられた。

詳細は割愛するが、端的に言うと「簡易なサイトを大量に作成し、そこから本命のサイトにリンクを張ることで被リンクを増やす」という方法である。

この方法は2010年代の前半まで盛んに行われたが、現在はペナルティの対象になるリスクが非常に高く、ほとんど用いられない。

 

1.2.一般的な外部対策の例

 

現在の一般的な外部対策としては下記が挙げられる。

 

「自然な」被リンクの獲得

 

前述のように「意図的に不自然な被リンクを増やすこと」はペナルティの対象になる。

「信頼性の高い外部サイトから自然な形で被リンクを得る」ことが重要だ。

自然な形での被リンクは「ナチュラルリンク」と呼ばれ、評価の対象になりやすい。

ナチュラルリンクを獲得する方法としては、リンク交換(他サイトとリンクを交換する手法)があるが、過剰なリンク交換はペナルティの対象となるリスクが高い。

現在は、「良質なコンテンツを作成し、読者に評価してもらう」以外に有効な方法はないと考えて良いだろう。

 

SNSでの対策

 

SNSを活用した外部対策では、Twitter、Facebook、Instagram、LinkedInなどのSNSでWebサイトやコンテンツをシェアし、認知度を広め、トラフィックを増やす。

具体的には、コンテンツや新しい情報を定期的に投稿する。

あるいは、コメントやメッセージを通じてユーザーと交流することで、フォロワーを増やし、コンテンツのシェアや口コミ拡散を促進する。

シェアされた情報を外部の信頼性が高いサイトが取り上げることで、自然な形の被リンク獲得につながる。

 

プレスリリース

 

多くのユーザーが利用するニュースサイトなどにコンテンツを掲載してもらうことで、自然な被リンク獲得と認知度の向上が進む。

ニュースサイトに取り上げてもらうためには、積極的にプレスリリースを活用したい。

信頼性のある媒体での紹介は、検索エンジンにとっても評価が高く、Webサイト全体の信頼性向上につながる。

 

2.外部対策のメリット

 

このように外部対策は「サイトやメディアの”外”に向けて働きかけることで、第三者からの高評価を獲得する」という戦略が中心だ。

その結果「検索エンジンからの評価が高まる」というメリットが生まれる。

このメリットをもう少し具体的に見ていくと、以下3つに分類できる。

  • E-E-A-Tの充足
  • ドメインレートの強化
  • PageRankの強化

それぞれ解説していこう。

 

メリット1.E-E-A-Tの充足

 

外部対策がうまくいき、サイトの権威性や信頼性が高まれば、Googleの重要評価指標「E-E-A-T」を満たす可能性が高まる。

E-E-A-Tとは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼)」を指す略語だ。

Googleがコンテンツを評価するための指標であり、E-E-A-Tを高めることは近年のSEO対策における重要な目的のひとつでもある。

E-E-A-Tについてはこちらの記事でも解説している。

E-E-A-Tとは?SEOでGoogleが重要視する評価基準と対策方法を徹底解説!

 

メリット2.ドメインレートの強化

 

外部対策がうまく進むと、ドメインレートも強化される。

ドメインレートとは、Ahrefsなど主要なSEOツールによって独自に算出される数値で「ドメインが持つ力」を表す。

リンク元の質や強さ(他の信頼性のあるサイトからのリンク数、被リンクの多様性など)を評価し、0~100のスコアで示される。

Googleが公式に認めている数値ではないが、SEOの世界ではドメインレートがコンテンツの評価に強い影響を与えることが定説になっている。

 

メリット3.PageRankの強化

 

また、外部対策ではPageRankの強化も期待できる。

PageRankは、Googleが検索結果の順位を決定する際に使用されるランキングアルゴリズムの一部だ。

ページごとの「重要度」を数値化し、特定のページにリンクが多く集まるほど高くなる。

また、リンクの質が高い(権威性や信頼性が高いサイトからリンクされる)ほど検索順位が上昇しやすいとされている。

Page Rankは古いアルゴリズムであり、現在は公表されていない。

また、ランキングアルゴリズムが複雑になったことで、かつてほどの影響力はないとも言われている。

ただし、ランキングアルゴリズムの内部では依然として使用されているため、PageRankを意識した対策には意味がある。

 

3.「SEOの外部対策は衰退した」と言われる理由

 

SEO対策が広まった2000年前後から2010年代の初頭までは、外部対策は非常に人気があった。

しかし近年は、SEO対策と言えば「内部対策」が主流だ。

ではなぜ外部対策が衰退したのだろうか。

「ブラックハットSEO」と呼ばれた時代のSEOでは、その大半が外部対策だった。

しかし、Googleは「ユーザーにとって真に有益な情報を提供するサイト(ページ)」を高く評価することを掲げ、「高評価を演出するような施策」はペナルティの対象としたのだ

その結果、より戦略や検索意図に関する深い洞察は必要となるが、内部対策でコンテンツの質を上げたり、ユーザビリティを向上させたりすることが高評価を獲得するための近道となった。

ちなみに、自然な形のリンク(ナチュラルリンク)であっても、リンク元のサイトの品質や評価次第では順位低下を招くことがあるため注意が必要だ。

AhrefsやGoogle Search ConsoleなどSEO対策ツールを活用し、定期的にリンク元の状況をチェックしておこう。

 

4.BtoBのSEO外部対策で重視すべきこと

 

ここまでは一般的な外部対策について解説してきた。

これを踏まえ、「BtoB」で意識すべきSEOの外部対策を紹介する。

 

4.1.BtoBで即効性の高い外部対策は希少

 

Googleの評価指標は年を追うごとに増え、ランキングアルゴリズムも高度になっている。

SEOの外部対策は、Googleの指標やアルゴリズムが今よりもずっとシンプルだった時代に生まれたものだ。

現在はペナルティの対象になるリスクが高い。

つまり、明確に効果がある外部対策と言えるものが少ないのが実情だろう。

ウェブサイトが「企業の顔」ともなるBtoBの場合は、単純にリンクの数を稼ぐのではなく、「どこから」「どのように」獲得するかを重視すべきだ。

獲得のプロセスが明確で信頼性の高いものであれば、現在でも外部対策は成立する。

この前提を踏まえて、ここではBtoBでの外部対策のポイントを紹介する。

 

4.2.「事例」「インタビュー」で良質な被リンクを獲得

 

事例やインタビューをコンテンツにし、PVを集めることは外部対策につながる。

お気づきの方も多いだろうが、被リンクやサイテーションは自社でコントロールしにくい

特定のキーワードを意識したSEO対策用のコンテンツを作ったとしても、「どこから」リンクやサイテーションを得られるかは分からないからだ。

しかし、「信頼のおけるパートナーに事例やインタビューを作成してもらう」という施策であれば、ある程度はコントロールできる。

特に相手先企業が良質なオウンドメディアを運営していれば、事例やインタビュー掲載による被リンク獲得やサイテーションが評価につながる。

事例やインタビューのコンテンツ化は、厳密にいえば内部対策に分類されるが、考え方次第で外部対策としても活用できる。

 

4.3.SNSによる外部対策は慎重を期す

 

すでに紹介したように、近年はSNSの活用によって被リンクやサイテーションを集める手法もある。

ただし、SNSの特性であり強みでもある「バズ」や「拡散」には注意したい。

バズや拡散は、「数をそろえること」に対しては有効だが「質」を担保しにくいという特徴があるからだ。

つまり、被リンクやサイテーションの元をコントロールしにくいのだ。

外部からの評価がほとんどない初期であれば一定の効果は見込めるだろう。

一方で、運営が軌道に乗った段階では、逆にペナルティのリスクもある。

大きなマイナスを生むことは少ないが、企業としてSNSの運用は慎重に行うべきだろう。

 

5.外部対策とともに内部対策も並行する

 

現在のSEO対策は、外部対策と内部対策を並行する必要がある。

これまでも述べたように、両者の目的は「外部からの評価獲得」という点で同じだからだ。

ただし、タスクとしては明確に分けたほうがスムーズに進めやすい。

そこで、内部対策でやるべきこともおさらいしておこう。

 

5.1.内部対策の特徴と主なタスク

 

内部対策は、大きく「コンテンツSEO」と「テクニカルSEO」に分類される。

コンテンツSEOとは、サイトに掲載するコンテンツによるSEO対策だ。

これに対してテクニカルSEOとは、サイト構造やUI、表示速度の改善などを主に技術面からサイトを改善する施策を指す。

内部対策
コンテンツSEO テクニカルSEO
  • 戦略的なキーワード選定

難易度、ボリューム、自社事業との親和性など

  • HTMLの最適化

タイトルタグやメタタグ、見出しタグ、alt属性、構造化データの活用など

  • E-E-A-Tを満たすコンテンツ

権威性、信頼性、体験、独自性を重視

  • サイト構造の最適化

内部リンクの配置やURLの最適化、ナビゲーション、XMLサイトマップの設定

  • ユーザーニーズの把握

キーワードから推測される顕在ニーズと潜在ニーズの把握

  • ユーザビリティの向上

Core Web Vitalsの充足、主に表示速度や情報を認知しやすい設計など

  • 情報の具体化、精密化

ペルソナとカスタマージャーニーを用いてコンテンツに組み入れるべき情報を特定

  • モバイル対応

モバイルファーストインデックスへの対応、レスポンシブデザインなど

  • タイトル、見出しの工夫

クリックしたくなるタイトル、読了させるための見出し構成

  • セキュリティ対策

HTTPSの導入、SSL証明書の設定など

2010年代中盤以降のSEO対策は、内部対策(テクニカルSEOとコンテンツSEO)が主流だ。

内部対策は、即効性こそ低いものの、「ユーザーへ質の高い有益なコンテンツを発信する」という意味で最も本質的であり、長期的に取り組むことで効果を得やすい。

 

コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い

 

コンテンツSEOは「何を伝えるか」、つまりコンテンツ自体の価値や質に焦点を当てる。

ユーザーと検索エンジンの双方に適切な情報を提供することで評価を高めるわけだ。

一方、テクニカルSEOは「サイトが適切に動作し、検索エンジンとユーザーにとって使いやすいか」という技術的な側面にフォーカスする。

技術的な最適化で検索エンジンのクロールやインデックスをスムーズにすることを狙う。

また、コンテンツSEOはライターやディレクター、コンテンツマーケティング担当者が行うことが多い。

これに対してテクニカルSEOは、エンジニアや開発チーム、IT担当者のタスクになることが一般的だ。

 

5.2.外部対策と内部対策はシナジーを生む

 

外部対策と内部対策を並行することで、以下のようなシナジーが生まれる。

 

コンテンツの信頼性と権威性の向上

 

内部対策でユーザーにとって有益なコンテンツを提供できれば、他サイトからのナチュラルリンクを呼び込む要因となる。

他サイトが信頼性のある情報源としてリンクを張ることで、検索エンジンはそのコンテンツが「他サイトからも支持されている」と評価する。

結果として、検索エンジンからの信頼度が増し、評価が上がる。

 

サイトの成長とエンゲージメントの強化

 

内部対策によってUIやレイアウト、内部リンク構造を整えると、ユーザーの利便性が向上し、長時間の滞在やページ間の回遊が促進される。

これが、ユーザーエンゲージメント(直帰率や平均滞在時間など)を向上させる要因となる。

さらに外部対策を通じて信頼できる他サイトやSNSからのリンクを増やすと、リンクを介して訪れるユーザー数が増加する。

結果的にサイト全体のトラフィックが増え、エンゲージメントの向上につながる

内部対策と外部対策が揃うことで、エンゲージメント指標が改善され、検索エンジンがサイトの人気や信頼度を評価しやすくなる。

 

クローリング効率の向上

 

内部対策でサイト構造を最適化し、内部リンクを論理的に整理することで、検索エンジンがサイト全体を効率的にクロールできるようになる。

外部対策で信頼性のある外部サイトからのリンクが多くなると、クローラーが外部リンク経由でより頻繁に訪問するようになる

これにより、ページが素早くインデックスされやすくなる。

内部対策と外部対策が連動することで、クローリングの効率が向上し、サイト全体の評価が高まりやすくなるわけだ。

 

ブランド認知度と社会的証明の向上

 

内部対策で信頼性のある情報を提供すると、ユーザーにとって価値あるサイトとして認知されやすくなる。

外部対策で、メディア掲載や信頼あるサイトからのリンク、SNSでのシェアなどを増やすと、「他の信頼できるサイトも認めている」という社会的証明の役割を果たす。

内部の価値あるコンテンツと外部のリンクによる支持が相まってブランド認知度が向上し、ユーザーや検索エンジンからの評価が高まる。

 

検索順位の安定と持続的な評価向上

 

内部対策で質の高いコンテンツを提供し、ユーザーにとって利便性の高いサイトを作ることは、検索順位を安定させる基盤となる。

外部対策で信頼できるサイトからリンクを獲得すると、権威性が強化され、長期的に検索順位を維持する力が高まる。

両方の対策を適切に組み合わせることで、短期的な順位向上だけでなく、持続的な評価獲得が可能になる

 

6.コンテンツSEOが外部対策としても機能する

 

コンテンツSEOが外部対策として機能

このように内部対策と外部対策は補完関係にあり、並行することでシナジーを発生させる。

ただし、「外部対策としての打ち手がない」という状況もあるだろう。

現在の検索エンジンのアルゴリズムでは、大胆な外部対策がペナルティにつながることもあるからだ。

この場合は、コンテンツSEOに注力する方法がおすすめだ。

コンテンツSEOは、第三者からの評価を積み上げるという点で外部対策以上の効果を発揮することも多い。

適切なキーワード選定による良質なコンテンツが露出することで、より多くの人の目に触れ、徐々にドメインレートが強化される。

さらに、事例やインタビュー記事がナチュラルリンクやサイテーションの獲得を促す。

この流れはコンテンツSEOで作ることができる。

つまり外部対策の目的は「コンテンツSEO」で実現される時代になったと言える。

外部対策としては「ペナルティの回避」のみに注力しつつ、コンテンツSEOによって外部からの評価を向上させていこう。

 

7.まとめ

 

本記事では、SEOの外部対策の基礎的なタスクやメリット、内部対策との違いなどを紹介してきた。

外部対策は被リンクとサイテーションによって検索エンジンからの評価を高めることが目的だ。

ただし近年は、明確に効果を期待できる外部対策が見つけにくい時代だ。

一方で、コンテンツSEOを含めた内部対策が、外部対策の目的を充足することも多い。

外部/内部といった分類よりも「ユーザーに有益なコンテンツを提供する」という意識をもってSEOに取り組んでいこう。

 

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