現代は、ほとんどの企業がデジタルマーケティングに取り組んでいる。
しかし、デジタルマーケティングに即したファネルを構築できているだろうか。
デジタルマーケティングにおいても、ファネルは非常に重要なツールである。
ただし、従来型のマーケティングとデジタルマーケティングの差を理解していないと、ファネル活用がうまくいかない可能性もある。
例えば以下のような課題がないだろうか。
- 「デジタルマーケティングに本腰を入れ始めたが、ファネルがない」
- 「マーケティングファネルが古く、デジマに合っていない」
- 「デジタルマーケティングのタスクが多すぎてファネル構築まで手が回らない」
マーケティングファネルはビジネス環境の変化に合わせてアップデートすべきもの。
「デジタルマーケティングファネル」には正解がないからこそ、構築と活用のノウハウは保有しておきたい。
ここでは、デジタルマーケティングのファネル構築、活用に対する実践的な情報を提供する。
1.デジタルマーケティングファネルとは?
デジタルマーケティングファネルとは、マーケティングファネルにデジタルマーケティングの要素を加味して再構築したものだ。
マーケティングファネルでは、市場に存在する見込み客の行動を「認知」「興味関心」「比較検討」「購入」といったフェーズで分類する。
デジタルマーケティングファネルもほぼ同じ内容であるが、細部に違いがある。
デジタルマーケティングはWebサイトやSNS、メールなどデジタルなチャネルを多用する。
これら多種多様なチャネルをファネルに組み込むことで、混沌とした購買行動プロセスを整理していくわけだ。
また、アクセス解析ツールやCRM、MA、SFAなどエンタープライズITの活用が前提となっていることもデジタルマーケティングファネルの特徴と言える。
1.1.デジタルマーケティングで用いられるファネルの種類
デジタルマーケティングで使われるファネルは、通常のマーケティングファネルをベースとする。
具体的にはパーチェスファネル、インフルエンスファネル、ダブルファネルという主要なファネルに加え、AISASモデルやフライホイール、バタフライモデルなども使用される。
パーチェスファネル
マーケティングファネルの中では最もスタンダードかつシンプルなファネルだ。
AIDAモデルをベースに作られており、認知から購入(意思決定)までのプロセスを表現している。
マーケティングファネルの中では最も構築が簡単だ。
ただし、「検索」や「拡散・共有」といた行動をカバーしていない点に注意したい。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルは、「購入後(意思決定のあと)」の行動を整理したファネルだ。
購入後に、継続・紹介・発信(共有)というプロセスを経て、既存顧客が新しい顧客を呼び込む様子を表現している。
購入後にフォーカスしているため、単体で活用されるシーンは少ないだろう。
特にBtoBではSNSや口コミによる集客効果が薄いため、パーチェスファネルのほうが重視されやすい。
ダブルファネル
ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものだ。
認知から発信(共有)までの顧客行動プロセスを一枚絵のように表現している。
「課題を把握し、購入に至り、効果を発信して新たな顧客を呼び込む」という現代の顧客行動プロセスを可視化しており、デジタルマーケティングとの親和性が高い。
主要3種の中では実用性が高く、BtoBでもSaaS型のビジネスに適している。
「継続」が収益の軸となるビジネスならば、ぜひ活用すべきファネルだ。
その他のファネル
これら3つのファネルの他にも、さまざまなファネルがある。
代表的なところでは、
- フライホイール
- ダブルファネル
などがある。
ちなみにマーケティングファネルのトレンドについてはこちらの記事でも解説している。
ファネルはビジネスや市場の変化によって少しずつ形を変えていくものだ。
したがって、常に新しいモデルに目を向けておこう。
1.2.デジタルマーケティングでファネルを活用するメリット
デジタルマーケティングの現場では、ファネルについて「現代の市場環境に即していない」「古い考え方」といった意見もある。
確かに一部のマーケティングファネルは古いかもしれない。
しかし、デジタルマーケティングにおいても、ファネルを活用するメリットは十分にある。
ファネル活用のメリットは以下3つだ。
購買行動の把握と予測が進む
マーケティングでは見込み客の行動プロセスを「先回り」してさまざまな施策を打ち出す。
一方で、デジタルなチャネルは購買行動が混沌かつスピーディーであり、把握が難しい。
行動履歴データを収集し、ファネルに当てはめることで、次にどのような行動・心理状態に移行するかが予測しやすくなる。
コンテンツの導線設計が精密になる
デジタルマーケティングの主要な施策のひとつに、コンテンツマーケティングがある。
コンテンツマーケティングでは、複数のコンテンツを組み合わせてリード獲得、ナーチャリングなどを進めていく。
ファネルで購買行動プロセスを構造化しておき、さらにコンテンツと対応させることで、「成果につながりやすい導線」が見えてくる。
少数精鋭でも成果を出しやすい
デジタルマーケティングはさまざまなツールを活用して効率よく施策を実行する。
さらにマーケティングファネルで購買行動を構造化しておくと、ごく少数の人員でも多数の見込み客に対して適切なアプローチができる。
2.デジタルマーケティングファネルの重要性
次に、デジタルマーケティングファネルの重要性についても理解しておこう。
2.1.デジタルマーケティングの特徴とは
デジタルマーケティングは、簡単に言えば「デジタルなチャネルを活用し、顧客行動をリアルタイムに収集・分析しながら売れる仕組みを作ること」だ。
特に重要なのは「複数のチャネルを活用する」「リアルタイムなデータ取集と分析を前提とする」という2つのポイントである。
「複数のチャネル」とは、Eメール・Webサイト・SNS・アプリなどの媒体を指す。
また、こうしたチャネルはタッチポイント(顧客接点)を持っている。
デジタルマーケティングにおけるタッチポイントの多くは「コンテンツ」だ。
つまり、多種多様なコンテンツからの流入を把握し、チャネル同士を連動させながら収益力を向上させていくのがデジタルマーケティングの本質だ。
2.2.ファネルという構造がなければ把握は困難
デジタルマーケティングは、アナログマーケティングに比べてチャネルとタッチポイントの数が多い。
また、各チャネルから流入する見込み客の行動には多様性があり、個別に追跡していくと膨大な時間を要してしまう。
一方で、マーケティングに多大な予算を投じられる企業は少ない。
さらに人員も限られていて、人海戦術も取りづらいというのが実情ではないだろうか。
そのため、ファネルという「枠」を設けておき、将来の購買行動プロセスを効率よく予測していく必要がある。
少数精鋭になりがちだからこそ、ファネルを活用すべきなのだ。
2.3.流入後の「ロス」を減らす
流入があるにもかかわらず成果(受注、売上)につながっていないという企業は決して珍しくない。
なぜ成果がついてこないかと言うと、「ロス」が発生しているからだ。
具体的には、
- リードが獲得できていてもナーチャリングできない
- そもそもリード獲得に気が付いていない
といった状態だ。
これらは明確なロスであり、デジタルマーケティングの現場で発生しがちなミスでもある。
Web広告やLPで獲得した流入、つまりPV・UU・リードなどは視覚的に認識しづらい。
成果を生むための貴重な「資源」であるにも関わらず、長い間放置され、資源のままで終わってしまうのだ。
流入という資源を成果に転換するためには、ファネルに沿って適切なアプローチを打ち出す必要がある。
3.デジタルマーケティングファネルの課題
このように重要な位置を占める一方で、デジタルマーケティングファネルにも課題がある。
そこで、デジタルマーケティングファネルの課題をフェーズ別に整理していく。
3.1. 認知フェーズ
「層」の特定が難しい
認知フェーズでは見込み客の範囲を特定する作業が必要だ。
具体的には、ターゲットとペルソナを明確にし、これに属する見込み客に対して「気づき」を提供していく。
ただし、現在の見込み客は多種多様なニーズを持つため、ターゲットやペルソナの作成が難しい。
データによる裏付けを得ようにも、広範囲にわたるデータと分析には相応の労力がかかる。
チャネルの整理とつながりの構築
デジタルマーケティングはチャネルとタッチポイントが多いため、「どのチャネルからどれだけの量を取り込むか」「タッチポイントにどのようなコンテンツを置くか」などの見極めが難しい。
こうした導線設計が明確でないと、離脱率や直帰率が高くなり、効率が落ちてしまう。
3.2. 興味・関心フェーズ
ニーズへのフィットが難しい
興味・関心フェーズでは、コンテンツとニーズとのフィッティングが重要だ。
ペルソナのさらなる具体化や、ニッチなキーワードへの対策が必要になるが、いずれも専門性が高い。
コンテンツの質と量の両立
興味・関心を強めた見込み客を成果に導くために、質の高いコンテンツを継続的に供給する必要がある。
加えて、「量」も確保しなくてはならない。
PVやUUを増やすには、一定以上のコンテンツを生み出す必要があるからだ。
質の高いコンテンツを大量に生み出すためには、相応の「人の手」が必要である。
もちろん、Chat GPTなど生成AIの活用である程度は効率化が可能だ。
しかし、独自性や実用性に富んだコンテンツを生み出すには、まだまだ人手が必要だ。
3.3.比較検討フェーズ
「検討材料」に触れてもらいにくい
比較検討フェーズでは「商品やサービスの購入を検討するに値する材料」を提供する。
しかし「いかに触れてもらうか」という点に課題が発生する。
BtoBでは顧客からの評価や証言が重要であるが、これらはSEO対策の材料になりにくい。
つまり耳目を集められずに、埋もれてしまうことがある。
興味関心を持った見込み客に対し、確実に検討材料を届けるための仕組みが必要になるだろう。
3.4. アクションフェーズ
購買障壁をいかに除去するか
具体的なアクション、つまり購買や発注の段階に進んでもらうためには、「障壁」を取り除く必要がある。
ここで言う障壁とは以下のようなものが多い。
- 「実績が無いが本当に使って大丈夫だろうか(心理的な不安)」
- 「他社より割高で、稟議が下りるかわからない(組織的な都合)」
特に重要なのが2つ目の「価格」に対する障壁だ。
単に安さだけを打ち出すと、見込み客はより安いほうに流れてしまう。
したがって、価格以外の価値をアピールする施策が必要になる。
また、購入後の既存顧客に対しても、さらなる商品やサービスを提案する戦略を打ち出していきたい。
4.デジタルマーケティングファネルの構築ステップ
続いて、デジタルマーケティングファネルの構築ステップについて、IT業界の企業を想定した実例と共に解説する。
すでに紹介したように、デジタルマーケティングはツールの活用が不可欠である。
また、タッチポイントとしてのコンテンツも充実させていかなくてはならない。
そこで、ファネル・ツール・コンテンツの紐づけを意識しながらファネル構築を進めていこう。
ステップ1:ターゲットとペルソナの設計
ファネル構築の出発点は、自社の提供する製品・サービスを必要としている層(ターゲット)を理解することから始まる。
このターゲットがファネルの最上段に取り込まれる人々だからだ。
ターゲットは、製品やサービスを利用する可能性が高い「顧客群」のことを指す。
また、ファネルは層が進むごとに「絞り込み」が発生する。
ターゲットが持つ「よりニッチでコアなニーズ」を満たさなければ、ファネルの外に離脱してしまう。
そこで、ターゲットよりも具体的なペルソナ(顧客像)も意識しておきたい。
ペルソナは、顧客の詳細なプロファイルであり、属性や立場、状況、思考パターンなどを具体化したものだ。
以下は、IT業界におけるターゲットとペルソナの具体例だ。
ターゲット | ペルソナ |
・事業会社の情報システム部に所属する担当者
・企業規模は年商10~50億程度 |
・20代後半から40代前半
・社内の情報システムがクラウドへ移行することに伴い、セキュリティソリューションの選定を任されている ・システム導入経験あり ・開発経験は浅いが、上流でのベンダーおよびサービス選定の経験はあり ・予算は限られているが、機能性や自社への適合度の優先度が高い |
ステップ2:既存顧客の購買行動を整理
次に、既存顧客の購買行動プロセスを整理していく。
オウンドメディアやECサイトを保有しているのであれば、「最初にアクセスしたコンテンツ」「頻繁に訪れたコンテンツ」を特定し、そこから行動の履歴を探ろう。
また、展示会やセミナーなどオフラインの経路も組み入れよう。
既存顧客の購買行動の例
認知 | 興味関心 | 比較検討 | 行動(意思決定) |
展示会 | コーポレートサイト | 製品情報サイト | 営業へのコンタクト |
Google検索
(記事) |
オウンドメディア | オウンドメディア | ホワイトペーパー |
Google検索
(広告) |
LP | ホワイトペーパー | ウェビナー |
ステップ3:フローチャートを起こし、ファネル図に反映
続いて、整理した購買行動の履歴をフローチャートに起こしていく。
フローチャートは、マーケティングファネルとして図式化できるはずだ。
ファネル図の作成ステップについては、こちらの記事も参考にしてほしい。
ステップ4:コンテンツとツールをファネルの各層に当てはめる
ここまでの作業で、通常のマーケティングファネルが完成する。
さらにここからデジタルマーケティングの要素を加えていこう。
デジタルマーケティングの要素とは「デジタルなコンテンツの種類」や「使用するツール」などだ。
コンテンツについては、ステップ1で整理したターゲットやペルソナを活用する。
ターゲット、ペルソナが必要とするであろう情報を整理し、ファネルの各フェーズに配置していくのだ。
また、ツールについてはアクセス解析ツールやMA、SFA、CRMなどを、どのフェーズでどのように使うかについてもまとめていこう。
以上のタスクを反映した図が、最終的なデジタルマーケティングファネルとなる。
ターゲット | ペルソナ |
・事業会社の情報システム部に所属する担当者
・企業規模は年商10~50億程度 |
・20代後半から40代前半
・社内の情報システムがクラウドへ移行することに伴い、セキュリティソリューションの選定を任されている ・システム導入経験あり ・開発経験は浅いが、上流でのベンダーおよびサービス選定の経験はあり ・予算は限られているが、機能性や自社への適合度の優先度が高い |
5.デジタルマーケティングファネルに取り入れるべき施策
デジタルマーケティングファネルが完成した後は、ファネルをベースしながら購買行動データの収集・分析を行い、改善点を洗い出していこう。
ここでは、デジアルマーケティングファネルの活用において、特に意識すべき施策をTofu・Mofu・Bofuの3つの観点から整理する。
5.1.Tofu(ファネル上部)
- コンテンツで集客(コンテンツマーケティングでの集客)
- トラフィック分析
- PV分析
- 直帰率や離脱率の分析
- CTR
ファネル上部では、コンテンツマーケティングを通じた集客が重要だ。
具体的には、SEOに強い記事を主軸としつつ、検索上位化を意識していこう。
また、トラフィック分析、PV・UU・直帰率・離脱率の計測、クリックスルーレート(CTR)の追跡を行い、随時改善を図る。
このフェーズで最も難しいのは「集客」だ。
デジタルマーケティングでの集客には、オウンドメディアのほか、SNSや広告などが用いられる。
SNSや広告は瞬間最大風速こそ大きいものの、持続性に欠ける。
また、ターゲットやペルソナに沿った流入を得ることが難しい。
一方のオウンドメディアは爆発力にかけるものの、狙った層へのアピールが可能だ。
「ターゲットとペルソナに沿った流入を狙う」場合には、オウンドメディア+広告など複数の施策を並行していこう。
5.2.Mofu(ファネル中部)
- ナーチャリング(ホワイトペーパーやSMAおよびMAからのメール配信、ウェビナーなど)
- リードの品質評価
- コンバージョン率の追跡
- パイプライン速度
- 次の層に進むまでの頻度(DLや問い合わせに進むまでにコンテンツに接した回数など)
ファネル中部では、リード生成とナーチャリングに焦点を当てる。
ホワイトペーパー、メールマーケティング、ウェビナーなどを通じて、リードに継続的に価値を提供する。
「製品比較表」や「事例」は積極的に活用したい。
また、「お客様の声」といった形でオウンドメディア内にアーンドメディアの要素を持たせるのも良いだろう。
特に意識すべきは「数値」と「ストーリー」を融合させることだ。
ファネル下部に至る見込み客は、「〇〇な上に安いから良い」「少し高いが△△が使いやすそう」という具合にプラスαを重視する。
数値は理由のひとつであり、プラスαとして「明確な価値・実利」がなければ意識変容を起こさない。
この点を意識しながら、ホワイトペーパーやセミナーの内容をブラッシュアップしていこう。
さらにリードの品質を評価し、有望なリードに関してはナーチャリングを継続する。
このサイクルを続けることでコンバージョン率を向上させることが可能だ。
また、リードがどのくらいの頻度でコンテンツに接しているか、次のアクション(ダウンロードや問い合わせ)に移るまでの時間なども計測しておきたい。
5.3.Bofu(ファネル下部)
- デモやトライアル、セミナーなど商談化につながる施策への誘導
- CRM活用
- 実利に訴えたコンテンツ(成功事例の紹介)
- VOCを踏まえたコンテンツ、VOCそのものの活用
- 収益、コンバージョン率
- AOVやCLV
ファネル下部では、最終的な購買行動へとリードを導く施策が必要である。
デモ、トライアル、セミナーへの誘導を行い、商談につなげていこう。
さらにCRMを活用して顧客情報を整理し、効果的にフォローアップを行う。
購入や受注に至った顧客に対しては、積極的にフィードバックを収集し、アップセルやクロスセルの材料にしていこう。
すでに述べたように、ファネル下部では「障壁の除去」が最大の課題だ。
営業チームと連携しながら、「見込み客を動かす」ことを意識して施策に取り組もう。
ここまでの段階で見込み客は「製品の魅力と実力」「受け取れるメリット」は理解しているはずだ。
自社製品・サービスに対する心証は決して悪くないはずなので、期間限定の割引、無料トライアル、製品デモの提供などを断続的に提示していこう。
6.BtoB向けデジタルマーケティングファネル活用のヒント
最後にBtoBにおけるデジタルマーケティングファネル活用のヒントをいくつか紹介する。
主にIT企業に属する企業を想定しているので、参考にしてみてほしい。
6.1.デザインとUXは収益に結び付く
IT企業では、製品やサービスが優秀であっても、何故か売れにくいというケースがある。その理由のひとつに「ブランディングの失敗」が挙げられる。
例えば、以下のようなケースだ。
- オウンドメディアがあまりに簡素
- UXを全く重視してないデザイン
既存顧客の多くが昔からのリピーターであり、新規顧客開拓の必要性が低かった企業にこの傾向が見られる。
製品やサービスの中身は優秀であるのだから、同じようにオウンドメディアも作りこんでいこう。
ちなみに、デザインを考慮したつくり込みは、コンバージョン率を4倍も高めるという調査結果がある。※1
※1 出典:Forrester
6.2.「コンテンツ イズ キング」はまだまだ有効
「コンテンツイズキング」とは、ビルゲイツ氏がエッセイで語った言葉だ。
その内容は「インターネット上の取引では、企業規模や権威性よりもコンテンツの内容が重要」というもの。
良質なコンテンツは、確かに強い集客力を持つ。
では良質なコンテンツは何かと言うと、Googleのクローラーと人間の両方に評価されるコンテンツだ。
特にBtoBでは、コンテンツの強さがコンバージョンに直結しやすい。
検索流入が集客のメインであり、その後の進行もコンテンツへの接触をメインとして進む。
フェーズの下部に多くの見込み客を取り込むには、コンテンツの強化が必須なのだ。
6.3.売るのは「機能」ではなく「実利」だと心得る
「機能性」のアピールに傾倒しすぎると、成果が出にくい。
なぜなら、顧客が求めているのは「機能を使った結果」、つまり「実利」だからだ。
「処理スピードが速い」「自動化できる」というのは確かに魅力的な機能である。
しかし、「それが何をもたらすか」が明確でなければ、成果に誘導することはできない。
ファネルの全域において「何をどれくらいで処理でき、どういった成果を出せるか」といった実利をアピールしていこう。
7.まとめ
ここではデジタルマーケティングにおけるファネルのメリット、重要性、作成方法などについて解説してきた。
ファネルはデジタルマーケティングでも依然として有効である。
しかし、デジタルマーケティング特有の事情を踏まえた構築・活用でなければ成果は出にくい。
もしBtoB向けのデジタルマーケティングについてノウハウがない場合は、弊社でもサポートが可能である。