ファネルは、購買行動プロセスを可視化するために使用される。
ただしBtoBビジネスにおいては、BtoCとの違いを把握した活用がマストになる。
もし、下記のようなお悩みがあるならば、ファネルに対する知識が不足しているかもしれない。
「ファネルを活用したいが基礎知識がない」
「ファネルは既にあるが、効果が出ていない」
「BtoB特有の事情を加味したファネルの使い方が知りたい」
ファネルにはさまざまな種類があり、自社の製品やビジネスプロセスに合致するものを選ぶ必要がある。
また、ファネル以外のアプローチも知ることでマーケティング施策に幅が生まれる。
ここでは、ファネルの定義や種類、ファネルが重視される理由、BtoB IT業界における活用のポイントなどを解説する。
1.ファネルとは?基本の定義と種類
まず、ファネルの定義と概要を整理しよう。
1.1.ファネルとは
ファネルとは、「漏斗(ろうと、じょうご)」状の図を用いた顧客行動プロセス可視化のためのフレームワークだ。
主に営業やマーケティングの領域で活用されており、「見込み客が市場に潜在している状態」から「自社の製品・サービスを購入するに至るまでの行動」を可視化する。
また、近年は購入後の情報共有や拡散といった行動も可視化できるファネルが存在する。
ファネルを活用することで、営業・マーケティングプロセスの弱点や、顧客の行動特性を知り、施策の改善に役立てられるわけだ。
1.2.セールスファネルとマーケティングファネルの違い
ファネルは「セールスファネル」と「マーケティングファネル」に分類できる。
国内ではファネル=マーケティングファネルという意味合いが強いが、営業の分野でもファネルは重要なフレームワークだ。
まずは両者の特徴を整理しておこう。
・マーケティングファネル
マーケティングファネルは、見込み客の購買行動プロセスを「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」の4つに分類するフレームワークだ。
見込み客は滞在しているフェーズによって心理や思考が異なり、それに伴って行動も変わる。
例えば認知フェーズの見込み客は、ニーズや課題に気づいて間もないか気づいていない。
広く浅く情報収集を行う傾向があるが、いずれ深く狭い情報に近づいていく。
これに対して、比較・検討フェーズの見込み客は、より具体的な情報を欲している。
Web上の情報検索以外にも、価格や機能を詳しく解説した製品資料、成功事例がまとめられたホワイトペーパーなど「実利」に着目して情報を集める。
このように滞在するフェーズによって行動が変わるため、ファネルで可視化しながら適切なマーケティング施策に結び付けるのが正しい運用方法だ。
ちなみに、近年は「検索」や「共有」といった購買行動も加味されるため、上記のファネルはあくまでも基本型となる。
・セールスファネル
セールスファネルも、基本的にはマーケティングファネルと同じく「購買行動の可視化」を行うためのフレームワークだ。
ただし、マーケティングファネルとは視点が異なる。
マーケティングファネルが、購買行動の初期から中期を重視するのに対し、セールスファネルは「購入の前後」を特に重視する。
これは、セールスファネルが営業活動の効率化と売上の向上を目的とすることに起因する。
・マーケティングは「問い合わせ」まで セールスは「問い合わせ」から
マーケティングファネル | セールスファネル | |
対象 | 主に認知から購買まで | 主に購買の前後 |
目的 | リード生成、育成、問い合わせへの誘導、ブランディングなど | リードの評価と選別、顧客化、商談と受注への誘導 |
主なアプローチ、施策 | 広告、コンテンツマーケティング、コンテンツSEO、イベントなど | 展示会、ウェビナー、個別の商談、交渉、クロージングなど |
評価基準 | PV、UU、セッション数、ダウンロード数、CVRなど | 成約率、平均契約価格など |
マーケティングファネルもセールスファネルも、対象は「見込み客の購買行動全体」だ。
しかし、上の図のようにマーケティングは購買の直前まで、営業は購買の前後に注力するという違いがある。
したがって、2者の違いは実質上「視点」であると言える。
オウンドメディアからの受注に例えると、検索によるサイト流入から問い合わせ(MQL)まではマーケティングファネルの対象、問い合わせ以後の営業対象リード(SQL)から購入までをセールスファネルと考えることができる。
このようにファネルを「セールス」と「マーケティング」に分類することで、購買行動プロセスをより細かく具体的に可視化できる。
当然、それぞれのフェーズで必要な施策は変わる。
MQLとSQLについてはこちらの記事でも詳しく解説している。
1.3.ファネルの基本型
ファネルの基本形は、「パーチェスファネル」「インフルエンスファネル」「ダブルファネル」の3つだ。
パーチェスファネル
パーチェスファネルは、見込み客が購入(意思決定)を行うまでのプロセス全体を表すファネルだ。
購買行動モデルとしてはAIDAモデルやAIDMAモデルがベースになることが多い。
シンプルで汎用性が高く、購買行動プロセスを最大公約数的に表現することが可能だ。
「検索」「共有」といった現代の購買行動を盛り込めば、営業/マーケティング問わず施策のヒントが得られる。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルは「購入後(意思決定の後)」に焦点を当てたファネルだ。
パーチェスファネルには存在しない「継続」「紹介」「発信」「拡散」といったフェーズが設けられている。
- 継続:意思決定後(購買、契約後)に継続して製品やサービスを利用する段階
- 紹介:自社製品を新たな見込み客にレコメンドする段階
- 発信と拡散:不特定多数の見込み客や市場全体に対して、製品やサービスのメリットを発信する段階
「AISASモデル」がベースとなることが多く、「検索」や「SNS活用」など、現代の購買行動が色濃く反映される。
また、アップセルやクロスセル戦略の参考になる情報も多数得られるため、セールスファネルとしても活用しやすい。
ダブルファネル
ダブルファネルは、「パーチェスファネルとインフルエンスファネルが融合した」ファネルだ。
砂時計のように2つの三角形が頂点で接しており、購入前と購入後の全行動プロセスを可視化できる。
認知から購入後の行動まで包括的に管理できるため、マーケティングのみならず営業やカスタマーサポートまでを巻き込んだ、「売れ続けるための仕組み」の構築に役立つ。
「新規顧客の獲得」と「既存顧客の維持・強化」を同時にカバーできることから実用性が高い。
2.構造化とフルファネルマーケティングを促進!ファネルの役割と重要性
次にファネルの重要性や活用目的を解説する。
2.1.ファネルの重要性とは?活用しないことで何が起こる?
ファネルの重要性は「ファネルを活用しない場合に何が起こるか」をイメージすると分かりやすい。
ファネルを活用しないことで発生するデメリットは、大きく以下2つだ。
- 見込み客の離脱状況が把握できなくなる
- マーケティングROIが低下する
順に詳しく見ていこう。
見込み客の離脱状況が把握できなくなる
ファネルは見込み客の購買行動プロセスを把握する。
当然のことながら、ファネルを活用しないとこれが見えなくなる。
また、単に見えなくなるだけではなく「どこで、どのような行動のあとに、どれだけ離脱しているか」が把握できなくなる。
つまり、離脱ポイントや離脱直前の行動、その時に接しているコンテンツ、離脱した量が一切把握できなくなるのだ。
これでは施策の出来不出来や、オウンドメディアの改善点を把握できなくなってしまう。
マーケティングROIが低下する
マーケティングROIは簡単に言えば「マーケティング施策の投資対効果」だ。
施策のコストパフォーマンスを図る指標と言っても良い。
前述のように見込み客の離脱状況が把握できなくなると、PDCAが思うように進まず、場当たり的な改善を連発してしまう。
その結果、時間とコストをかけた割りには成果が上がらないという負のサイクルに陥りやすい。
2.2.ファネルの役割
また、ファネルには次のような役割も期待されている。
顧客行動を構造化し分析を加速する
ファネルは「購買行動プロセスの可視化」がメリットであるが、これは「顧客行動の構造化」によってもたらされる。
構造化とは端的に言えば「情報を整理し、体系的にまとめること」だ。
情報把握が速く正確になれば分析が容易になる。
ファネルという構造が成立することで、フェーズ(階層)ごとの顧客行動にパターンやルーティーンが見つかり、そこから見込み客の心理、行動、思考が予測できるわけだ。
その結果、コンバージョンが起こりやすいコンテンツの配置やキャンペーンの順序、人数などに対して精密な予測が立てられるようになる。
このようにファネルは、構造化によってマーケティングの分析を加速する。
ファネルを用いた分析については下記の記事も参考にしてみて欲しい。
属人性からの脱却
マーケティングに限らず、企業内のタスクは「誰がやっても同じ結果になる」ことが重視される。
つまり属人性から脱却する必要がある。
属人性は離職によるノウハウ消失や非効率さの温床になるなど、弊害が大きいためだ。
構造化によってマーケティング業務から属人性を取り除くことができれば、離職や配置移動によるノウハウ消失を防ぐことができる。
変化に対応する
ファネルには決まった型がない。
いくつかのモデルがあり、そのモデルも常にアップデートされている。
ファネルモデルを変えることで、ビジネストレンドの変化に対応しやすくなる。
フルファネルマーケティングを具現化する
フルファネルマーケティングとは、ファネルの各層に「偏りなく」施策を施し、全体最適を目指す考え方だ。
ファネルの下層(意思決定段階)のみにリソースを振り分けるのではなく、上層と中層にも施策を投じることで、全体最適が進む。
全体最適が進んだファネルは、フェーズ間の移動がスムーズでロスが少なく、コンバージョン率が高い。
その結果、ブランディング、リード獲得、LVT向上などさまざまなメリットを生み出す。
フルファネルマーケティングのためには、まずファネルを図として起こすノウハウが必要だ。
ファネル図の作り方についてはこちらでも解説している。
3.営業とマーケティングの連携力を高めるファネル
次に、「営業とマーケティングの連携」という視点からファネルの重要性を理解しておこう。
日本国内では、「ファネル=マーケティングファネル」という理解が広まっているせいか、マーケティング領域のみでメリットが語られがちだ。
しかし、ファネルの本質的なメリットは「営業・マーケティングという2つの視点から購買行動プロセスを分析できること」である。
誤解を恐れずに言えば、営業とマーケティングの連携が上手くできている企業は決して多くない。
「売る」という目的を共有していながら、両者の業務は分断されていることが大半だ。
ファネルは、本来一つであるはずの営業・マーケティング業務を連携させるという意味で、重要な意味を持つ。
3.1.マーケティング→営業の流れをシームレスに
下記の図はマーケティングと営業のミッションを、見込み客の滞在するフェーズを中心に表現したものだ。
ファネルを中心にしてみると、営業とマーケティングはMQL/SQLによって相互に接続されている。
MQLとは、「マーケティング・クオリファイド・リード」の略称だ。
マーケティング部門によって識別され、一定の基準を満たしたリードを指す。
一般的には、ホワイトペーパーのダウンロード、フォーム入力、問い合わせなどを通過した見込み客が該当する。
これに対してSQLは、「セールス・クオリファイド・リード」の略である。
MQLの中から営業部門によって評価され、実際に購入する可能性が高いと判断されたリードを指す。
製品仕様や価格に対する問い合わせ、商談やデモの申し込みなどを行った見込み客が対象だ。
ファネルに従えば、MQLからSQLへの転換ポイントが明らかになるし、その量や状況も理解しやすくなる。
結果的にマーケティングと営業がお互いに「何をすべきか」が明確になり、連携がスムーズに進むわけだ。
4.BtoB IT業界向けの実践的なファネル
弊社はBtoB IT業界を対象とする企業に対して、マーケティングのサポートを提供してきた。
その経験から、BtoB IT業界向けの実践的なファネルについてもノウハウを有している。
BtoB IT業界の見込み客は、マーケティングファネルの中間部分(Mofu)に滞在する時間が長い。
また、リサーチに投じているコストも多い。
この点は、BtoB IT業界特有の行動だと言える。
ではなぜ中間部分(Mofu)で費やす時間とコストが大きいのだろうか。
4.1.「課題整理」と「選定」を繰り返す
これについては、下記の図を参照すると理解しやすいはずだ。
上の図の右側を見るとわかるように、ステップ6ではステップ3~5の過程を繰り返している。
「再検討」の規模にもよるが、一般的にBtoB IT製品は高額であり、一度導入すると簡単に変更できない。
また、導入プロジェクトはどんなに短くとも3か月程度は必要で、その間は定常業務に何らかの影響が出る。
BtoCや他のBtoB製品に比べても、「失敗」のリスクが極めて大きいのだ。
したがって、課題整理と製品(ベンダー)選定には慎重を期す必要がある。
このことが、ファネルの中間部分(Mofu)への滞在時間を延ばす遠因になっている。
4.2.下層(Bofu)はスピーディーに通過
その一方で、下層(Bofu:意思決定段階)まで到達すると受注までは早いことが多い。
BtoB取引では、購買組織もしくは現場担当者が「業務の一部」としてリサーチを重ねる。
多種多様な検索キーワードで情報収集を行い、製品資料や成功事例についても十分に収集していることが多い。
中間部分での分厚い選定フェーズを通過しているので、リスクやデメリットは織り込み済みだ。
そのため、一度ゴーサインが出ると行動は早い。
「購入=導入プロジェクトの開始」となるため、少しでも早く導入を終わらせるために、顧客行動が一気に加速する。
したがって、中間部分に滞在する見込み客がデモやトライアルへの申し込みを検討し始めたら、一気に営業と連携してアプローチする方法がおすすめだ。
BtoB ITでは「候補」に入ることが最重要
このように「中間部が厚い」「下層部はスピーディー」というBtoB IT業界の特徴を踏まえると、ファネル上部から中部(TofuからMofu)でいかに「候補」に入るかが重要であることがわかる。
中長期で質の良いリードを集めることに注力し、営業チームとの連携も忘れないようにしたい。
5.IT業界におけるファネルの効用を最大化するポイント
BtoB IT業界ではファネル運用と並行して以下2つのポイントをおさえておきたい。
この2つを抑えることで、ファネルの効能を強化することができる。
5.1.「購買サイクルの短縮」を視野に入れアプローチする
IT業界の製品(特にBtoBのソフトウェアやハードウェア)は複雑で高額なため、意思決定プロセスが長い。
一方で、見込み客は製品の技術的な特徴が自社の課題に合致するかを早急に見極めたいと考えている。
特に「比較・検討」の段階ではこのタスクを全力で進めていると考えて良い。
しかし、実際に比較検討を進めているのは、ITの専門知識を持たない業務担当者だ。
彼らは「そもそもCRMとは?」「エンドポイントセキュリティとは?」といった根本的な部分から学びを始めている。
したがって、実際の製品比較に突入するまでに長い時間が必要だ。
この時間を短縮するための情報を提供できれば、ファネルの下部に進みやすくなる。
おすすめはMAによるホワイトペーパーの配信やオウンドメディアへの誘導、計画されたメールマーケティングなどだ。
コンテンツをファネルの各フェーズに当てはめてカテゴライズし、それぞれのニーズに沿った情報を提供していこう。
5.2.フリートライアルやデモに関する体制を持つ
BtoB IT業界では、フリートライアルやデモが頻繁に使用される。
実績が何よりも重視されるBtoBの世界では、初めて導入する製品であっても「仮の実績」が必要だからだ。
ただし、フリートライアルやデモの提供は、開発部門や営業部門との連携が不可欠だ。
いつでもフリートライアルやデモを提供し、なおかつ「見込み客からの質問に、迅速かつ正確に回答できる体制」を持っておきたい。
スピーディーで正確な回答は、見込み客の比較検討プロセスを自社にとって有利な方向に進める。
6.BtoB vs BtoCでファネルはどう違う?フェーズ別に比較
BtoBでファネルを有効活用するために、BtoCとの違いについても把握しておこう。
BtoBとBtoCではファネルの特性に大きな違いがある。
これはビジネスの特性が異なることや、顧客の属性の違い(個人or組織)などに起因する。
一方で、施策には共通した部分も多い。
このことから「BtoBとBtoCでファネルをどう変えるべきか分からない」という声も多い。
以下は、弊社が考えるBtoBとBtoCのファネルの違いだ。
6.1.BtoBとBtoCビジネスの違い
まずビジネス特性の違いを整理してみよう。
購買サイクル
購買サイクルはBtoBのほうが圧倒的に長い。
これは比較検討にかける時間の長さが主な理由だ。
ファネルで言えば、Mofuを通過するまでにBtoBならば数か月~数年を要するのに対し、BtoCでは数時間から数日というケースが多い。
定性と定量
BtoCでは定性的なアプローチが非常に良く効く。
「想い」「背景」「イメージ」「世界観」などの要素を絡めたマーケティング施策が購買を促進する。
一方で、BtoBは「定量+定性の組み合わせ」が非常に重要だ。
定性的な要素も必要だが、定量、つまり数値による根拠がなければ組織の意思決定プロセスを動かすことはできない。
リード生成の数と質
あくまでも一般論だが、BtoCはリードの「量」を重視し、BtoBは「質」を重視する傾向にある。
BtoBでは、リードの量だけにこだわると、管理しきれずロスが発生したり、そもそも受注確度の低い見込み客への対応に追われたりと、デメリットが発生する。
ファネル上部から営業とマーケティングが視点を共有し、「質の高いリード」を獲得できるような仕組みを構築したい。
例えば、ファネル上部、つまり認知や興味関心フェーズの段階から、あえて専門性の高い情報を提供することで、リードの質は高まる。
専門性の高い情報に興味を示すのは「前提知識があり、課題感がはっきりしている層」だからだ。
一方で、あまりにも専門性が高すぎると、課題やニーズに気づいていない層がついてこれずに取りこぼしが発生する。
BtoBでは、ファネル上部において「専門的な情報を、どれだけ提供するか」というチューニングが重要だ。
意思決定を行う「主体」の違い
BtoCにおいて「買おう」という意思を持つ主体は個人である。
これに対してBtoBは「組織」で購買を決定する。
個人のようにスパイク的な意思決定は発生しづらく、長い時間をかけて着実に情報を積み重ねた上で購買に至る。
6.2. フェーズ別の違い
これらBtoCとBtoCの特性を踏まえた上で、ファネルのフェーズ毎に違いを整理してみる。
フェーズ | BtoBでのアプローチ | BtoCでのアプローチ |
認知 | Web広告、ウェビナー、オウンドメディア(ノウハウ記事)、展示会 | マス広告、SNS、Web広告 |
興味 | オウンドメディア、ホワイトペーパー、事例集 | 商品レビュー、比較サイト、SNS |
比較検討 | ホワイトペーパー、事例集、製品資料 | 実店舗、商品レビュー |
評価(選定) | デモ、フリートライアル | – |
意思決定(購買) | 割引、キャンペーン、オプション契約など | 直感的な購入方法(ワンクリック決済やアプリ決済など)
割引、キャンペーン |
BtoBでは常に分厚い情報を提供し、評価(選定)まで誘導することが成果につながる。
一方で、BtoCでは広告で耳目を集めつつ、「評判」「視覚的な情報」「直感的な決済方法」を絡めていくアプローチが有効だ。
意思決定への誘導に必要なコンテンツは、BtoBのほうが圧倒的に多く、制作難易度も高い。
7.ファネルは古い?ファネルに代わる新しいアプローチも
最後に、ファネルに代わる新しいフレームワークを紹介する。
ファネルは「古い」と言われることもあるが、実際には「アップデートされていない」だけのことが多い。
ファネルにはさまざまな種類があり、現在のビジネス環境や購買行動をしっかりと捉えたものがいくつもある。
現在でも通用するファネルについては、下記の記事で具体的に解説している。
7.1.ファネルに代わる新しいアプローチも
しかし、ファネルという枠組みだけでは購買行動を捉えきれない可能性もある。
その場合は、新しいアプローチも検討してみよう。
ここでは新しいモデルとして「RACEモデル」を紹介する。
RACEモデル
RACEモデルは、顧客ライフサイクル全体を4つのフェーズに分けて考えるアプローチである。このモデルは、顧客の獲得から関与、コンバージョン、エンゲージメントまでのプロセスを包括的にカバーしている。
- Reach(リーチ):潜在顧客に対する認知を広げる段階。
- Act(アクト):顧客がウェブサイトやソーシャルメディアでの行動を起こす段階。
- Convert(コンバート):顧客が実際に購入や契約を行う段階。
- Engage(エンゲージ):既存の顧客と継続的に関係を築き、リピート購入やロイヤルティを高める段階。
8.まとめ
ここでは、ファネルの定義や種類、役割、BtoB IT業界における運用のポイントなどを解説してきた。
ファネルはマーケティングの分析能力を高め、自社ビジネスに沿った施策を生み出すものだ。
また、営業とマーケティングの連携力を高めるという役割もある。
仮にファネルのみでの対応が難しい場合は、新しいアプローチも検討しつつ、自社に最適なマーケティング施策を立案していこう。
弊社ではそのためのサポートを提供している。