「被リンクを増やす」ことへの誤解|SEOの成果につなげる真の施策とは

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被リンクは、SEO成果を高める方法のひとつで重要な戦略である。

一方で、

「被リンクの増やし方がわからない」
「どうすれば質の良い被リンクを獲得できるのかわからない」

とお悩みの方も多いのではないだろうか。

そこで本記事では被リンクの基本的な概要や自社サイトの被リンクの調べ方、そして良質な被リンクを獲得する方法について解説する。

 

1. 被リンクとは

 

被リンクとは外部のウェブサイトから自社のウェブサイトへのリンクを指す。

外部リンクやバックリンクと呼ばれる場合もある。

たとえば自社が発信した調査データのページを、他社サイトのコラム記事にリンク付きで引用されるといったケースである。

SEO対策における被リンク対策は、いわゆる「外部対策」の一種である。

外部対策は以下の記事で解説している。

seoの外部対策とは?衰退したってホント?真の施策と考え方とは

 

被リンクはSEO成果を上げるために重要だが、ただ多くの被リンクを獲得すれば良いわけではない。

大事なのは、自社のコンテンツが高品質だから、リンクを貼るという、自然で良質な被リンクを増やすことである。

反対に、スパムサイトからの被リンク、リンクの購入、無関係なサイトからの大量のリンクといった悪質な被リンクは、SEO評価を落とす可能性もあるため注意が必要だ。

良質な被リンクの獲得方法、悪質な被リンクに関する注意点については、後の章で詳しく解説する。

被リンクについて

 

2. 被リンクはなぜ重要か

 

では、なぜ被リンクはSEO成果を上げるために重要なのか。

その理由を以下に述べる。

被リンクが重要な理由

 

重要性1.SEO効果(検索エンジンでの評価向上)

 

良質な被リンクを多く持つウェブサイトは、検索エンジンで上位表示されやすくなるアルゴリズムが働いている。

ほかのウェブサイトからリンクされることは、そのサイトのコンテンツや情報が有益だと認識されている証拠と見なされる。

 

重要性2.ターゲットトラフィックの増加

 

SEO効果によってトラフィックが増加するだけでなく、被リンクを通じて、リンク元のウェブサイトからトラフィックが増加することが期待できる。

特に自社のビジネスに関連性のあるサイトからのリンクは、自社がマーケティングにおいてターゲットにしている層を集める可能性が高いといえるだろう。

加えて、特にBtoB企業では以下のような理由から重要性はさらに増す。

 

BtoBでの重要性1.専門性のアピール

 

BtoB企業は取引先に対して、業界のナレッジや実績が豊富だという専門性をアピールする必要がある。

たとえば業界メディアや業界をリードする企業からリンクされると「業界内で評価されている企業」という印象を与えられる。

また、専門的なホワイトペーパーや調査データがリンクされれば、専門知識を持つ企業としての地位を確立できる。

 

BtoBでの重要性2.企業の信頼性の向上

 

BtoB企業の購買プロセスには複数人の意思決定者が関与しており、また取引単価も高額な場合が多いため、自社が一企業としてどれほど信頼に値するかを顧客に理解してもらうことが欠かせない。

特にリード化する前の段階では営業担当も接点が持てていない状況であり、顧客は主にインターネットの情報収集を通じて企業の信頼性を測っている。

その点において、良質な被リンクが多ければ信頼性の向上に寄与する。

 

3. 被リンクの調べ方

 

被リンクを増やすには、現状、自社がどの程度被リンクを獲得できているのかを調査し、戦略を立てることも重要だ。

調べ方はいくつかあるが、ここではGoogleサーチコンソールを使った調べ方を解説する。

 

手順1.Googleサーチコンソールにアクセス

 

  1. Googleサーチコンソールの公式サイトにアクセスする。
  2.  Googleアカウントでログインする。
  3. サーチコンソールにまだサイトが登録されていない場合は、プロパティ(ウェブサイト)を追加し、所有権を確認する。

 

手順2.被リンクレポートを確認

 

  1. サーチコンソールのホーム画面から、確認したいウェブサイトを選択する。
  2. 左側のメニューから「リンク」をクリックする。
    被リンクレポートの確認
  3. 「リンク」セクションでは、被リンクに関するデータを含む以下の情報が表示される。
  • 上位のリンクされているページ: リンクされている自サイトのページの上位リスト。
  • 上位のリンク元サイト: 自サイトにリンクしている外部ウェブサイトの上位リスト。
  • 上位のリンク元テキスト: 被リンクで使用されているアンカーテキストの上位リスト。

 

手順3.リンクされている自サイトのページを確認

 

  1. 「リンク」セクション内の「上位のリンクされているページ」をクリックする。
  2. 各ページに対して、リンク元サイトを確認できる。特定のページの詳細を調べたい場合は、そのページをクリックすると、リンク元の詳細リストが表示される。

リンクされている自サイトのページを確認

 

手順4.自サイトにリンクしている外部ウェブサイトを確認

 

  1. 「リンク」セクション内の「上位のリンク元サイト」をクリックする。
  2. ここでは、どの外部サイトが多くリンクしているかのリストを確認できる。
  3. 特定のリンク元サイトをクリックすると、そのサイトからのリンク先ページが表示される。

 

手順5.被リンクで使用されているアンカーテキストを確認

 

  1. 「リンク」セクション内の「上位のリンク元テキスト」をクリックする。
  2. リンク元でどのようなテキストが使用されているかを確認する。適切なキーワードが使用されているか、不自然なアンカーテキストが含まれていないかをチェックする。

 

4. 良質な被リンクを増やす方法9選

 

SEO成果を高めるには「良質な」被リンクを増やすことが重要だと述べたが、実際に良質な被リンクを増やすにはどのような方法があるのだろうか。

ここでは9つの方法を紹介する。

 

方法1. 価値のあるコンテンツを作成する

 

良質な被リンクを増やすための大前提は、他サイトが「リンクしたい」「参考にしたい」と思うような、魅力的で有益なコンテンツの提供である。

魅力的で有益なコンテンツの提供はGoogleが評価基準の一つとして重視するE-E-A-T(Expertise:専門性, Experience:経験, Authoritativeness:権威性, Trustworthiness:信頼性)の向上にもつながる。

BtoB取引においては、1件1件が高単価であるため顧客は自社の信頼性を評価する。

E-E-A-Tの観点はSEOへの影響にかかわらず、BtoB企業に欠かせない要素だ。

たとえば以下のようなコンテンツが、E-E-A-Tの評価を高めやすいコンテンツとなるだろう。

  • ホワイトペーパーやケーススタディ
    業界内で役立つ詳細なデータや成功事例を公開し、ダウンロード可能な形式で提供する。
  • リサーチや統計データ
    オリジナルの調査結果や業界動向をまとめたコンテンツは、ニュースサイトやブログで取り上げられやすい。
  • How-toや専門知識のブログ・コラム
    業界特有の課題を解決する方法を解説したブログ/コラム記事を作成する。

被リンク対策の前提

E-E-A-Tについて詳しくは、以下の記事で解説している。

E-E-A-Tとは?SEOでGoogleが重要視する評価基準と対策方法を徹底解説!

また、良質なコンテンツとは何かについては、以下の記事で解説しているので併せて参照してほしい。

良質なコンテンツとは?評価されやすい条件と対策を公式見解から徹底解剖!

 

方法2. リンク切れ対策(Broken Link Building)

 

外部ウェブサイトで自社サイトの存在しないページへのリンク(リンク切れ)が発見された場合に、自社の関連するコンテンツを提案し、リンクを差し替えてもらう施策。

<方法>

  1. リンク切れを調査
    専門ツール(例: Ahrefs、Screaming Frog)を使用してリンク切れを発見する。
  2. 関連する自社コンテンツを準備
    リンク切れのコンテンツに関連する内容を自社サイトで公開する。
  3. ウェブサイト運営者に連絡
    丁寧なメールでリンク切れの情報を伝え、自社のコンテンツを代わりに利用するよう提案する。

<メリット>

  • サイト運営者に価値を提供する形でアプローチできるため、承諾を得やすい。

 

方法3. リンク先の貼り替え依頼

 

自社サイトへのリンク先がトップページになっていて、より適切なリンク先のページがある場合に貼り替えを依頼する施策。

<方法>

  1. 自社サイトの被リンクを調査
    Googleサーチコンソールなどのツールを使い、リンク元のサイトを特定する。
  2. 自社のコンテンツを分析
    リンク元のコンテンツにより関連性の高い自社のコンテンツ(ページ)を確認する。
  3. 運営者に依頼
    メールやSNSを通じて、代替コンテンツのほうがより適切な価値を提供できると説明し、リンク貼り替えを依頼する。

<メリット>

  • 信頼性の高い外部サイトからの被リンクを最適化してページの評価を高め、ウェブサイト全体が良い評価を得られる。

 

方法4. Q&Aプラットフォームからのリンク

 

Q&Aプラットフォーム(例: Quora、Yahoo!知恵袋)を活用して、自社コンテンツを紹介する施策。

<方法>

  1. ターゲット質問を探す
    自社の専門分野に関連する質問を検索する。
  2. 価値ある回答を投稿
    質問に具体的で役立つ回答を行い、自社コンテンツへのリンクを自然な形で含める。
  3. スパムを避ける
    過剰な宣伝行為を避け、信頼感を重視する。

<メリット>

  • 見込み顧客へ直接アプローチできる。
  • トラフィック増加と信頼性向上につながる。

 

方法5. 取材実績紹介

 

自社が顧客や取引先に取材して、その内容を自社サイトに取材記事として掲載して、相手先から取材実績を紹介してもらい、被リンクを獲得する施策。

<方法>

  1. 顧客や取引先を選定
    自社の製品やサービスを利用している顧客や取引先の中から、成功事例や興味深いエピソードを持つ企業を選ぶ。
  2. 取材を依頼
    インタビュー形式で話を伺い、製品やサービスがどのように役立ったかを具体的にヒアリングする。
  3. 取材記事を作成
    取材内容をもとに、顧客や取引先を主体にした魅力的な記事を自社サイトで公開する。
  4. 相手先に記事を共有
    記事公開後、取引先に内容を報告し、相手先のサイトやSNSで紹介してもらうよう依頼する。

<メリット>

  • 顧客や取引先にとっても、自社の取り組みや成功事例を広くPRできる機会となる。
  • 実際に関係性がある相手からのリンクは、検索エンジンより自然で信頼性の高いリンクとして評価される可能性が高い。
  • 顧客や取引先との関係を深める施策にもなる。

 

方法6. インフォグラフィック

 

視覚的に情報をわかりやすく伝えるインフォグラフィックを作成し、シェアを促す施策。

<方法>

  1. 話題性のあるテーマを選定
    業界データやトレンドを元にしたインフォグラフィックを作成する。
  2. 無料提供を告知
    SNSやメディアに公開し、埋め込み用リンクを提供する。
  3. 掲載依頼
    ブログ運営者やメディアに配布し、リンク付きでの使用を促す。

<メリット>

  • 拡散性が高く、自然な被リンク獲得につながる。

インフォグラフィックの例

 

方法7. プレスリリース

 

新製品やサービス、イベント情報を発信し、メディアに取り上げてもらい被リンクを獲得する施策。

<方法>

  1. ニュース性のある情報を作成
    業界に影響を与える内容を選ぶ。
  2. プレスリリース配信サービスを活用
    PR TIMESなどのサービスを利用し、情報を広める。
  3. 個別メディアに連絡
    特に関連性の高いメディアには個別にアプローチする。

<メリット>

  • 権威性の高いリンクを短期間で獲得できる可能性がある。

 

方法8. 監修者の起用

 

専門家を監修者として迎え入れ、自社のオウンドメディア内コンテンツのE-E-A-T(専門性、経験、権威性、信頼性)向上につなげてより多くの被リンク獲得を狙う施策。

<方法>

  1. 適切な専門家を選定
    業界内で信頼されている専門家や大学教授、著名な実務家などを監修者として選定する。
  2. 監修を依頼
    記事内容の正確性や説得力を高めるため、コンテンツのチェックやコメントの提供を依頼する。
  3. 監修者情報を明示
    記事ページに監修者のプロフィールや肩書きを記載し、権威性をアピールする。
  4. 記事を広く公開・共有
    SNSやプレスリリースを通じて監修者の協力をPRし、被リンクを促す。

<メリット>

  • 専門家の監修により、記事が信頼性の高い情報源と認識されるため、検索エンジンの評価向上に寄与する。

 

方法9. 共催・合同セミナー

 

ほかの企業や団体とセミナーを共催し、共催者や参加者からの被リンクを獲得する施策。また後日セミナーレポートとして記事を公開するとさらに被リンクを受けられる可能性が高まる。

<方法>

  1. 共催パートナーを選定
    同じ業界や関連分野の企業・団体で、相互補完的なテーマを持つパートナーを探す。
  2. セミナーテーマを設定
    参加者にとって有益で話題性のあるテーマを選び、共催パートナーと協力して内容を企画する。
  3. セミナー告知ページを作成
    共催者双方のウェブサイトに告知ページを掲載し、相互にリンクを貼って被リンクを獲得する。
  4. セミナーレポートを公開
    セミナー後にレポートを自社サイトに掲載し、共催者や参加者からもそのページを紹介してもらう。

<メリット>

  • 共催パートナーのネットワークを活用でき、普段アクセスできない層への認知が広がる。
  • セミナー内容を記事やホワイトペーパーに再構成し、追加の被リンク獲得に活用できる。

 

5. 被リンクを獲得する際の注意点

 

BtoB企業にとって、ウェブサイトは非常に重要なマーケティングツールである。

しかし、質の低い被リンクを多く獲得してしまうと、SEO対策の効果を発揮できないだけでなく、検索エンジンからペナルティを受けてしまう可能性もある。

特に以下の点に注意して被リンク対策を進めてほしい。

被リンク対策の注意点

 

注意点1. 関連性の高いページからの被リンクを集める

 

被リンクはリンク元ページと自サイトのテーマや内容が関連しているほど、検索エンジンから高く評価される。

関連性のないページからのリンクは評価が低いだけでなく、場合によっては不自然なリンクと見なされるリスクがあるため注意が必要だ。

被リンクを獲得した際には、自サイトのテーマとリンク元のページ内容が一致しているかを確認しよう。

また被リンクを依頼する際には、自サイトの業界に合ったサイトをターゲットに依頼するべきである。

 

注意点2. 隠しリンクのあるページは避ける

 

隠しリンクとは、ウェブページ上では見えない形で設置されているリンクを指す。

たとえば、白の背景に白の文字色のリンクや、画像の背後に隠されたリンクなどが該当する。

これらの「隠しリンク」は、検索エンジンを欺く不正行為と見なされ、リンク元とリンク先の両方がペナルティを受けるリスクがある。

被リンクを獲得する際には、リンク元ページのHTMLソースコードをチェックし、隠しリンクが含まれていないか確認しよう。

隠しリンクについては、Googleの公式ガイドラインにも明示されている。

参考:Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー|Google検索セントラル

 

注意点3. 悪質な被リンクに対しては直接削除を依頼する

 

悪質な被リンクは、検索エンジンから自サイトの評価を下げる要因となる。

まずはGoogleサーチコンソールやAhrefsなどのツールを使用して被リンクを監視し、悪質な被リンクを定期的に特定できる体制の整備が重要だ。

また、悪質な被リンクを発見した際は、リンク元サイトの運営者に丁重に削除依頼を送ろう。

依頼したが対応してもらえない場合には、Googleリンク否認ツールを使用して、問題のあるリンクを無効化する方法もある。

 

6.まとめ

 

被リンクの重要性や確認方法、良質な被リンクを増やす方法と被リンク獲得の注意点を解説した。

繰り返しにはなるが、良質な被リンクを獲得するためには、むやみに被リンクを増やすことはおすすめできない。

あらかじめ戦略を立て、E-E-A-Tを向上させるコンテンツを作成し、計画の元に被リンクを増やしたほうが効果的だ。

また、SEO対策は多岐に渡るため、自社だけでは中々やりきれないという場合もあるだろう。

弊社では被リンクを増やす提案も含め、BtoB IT企業やSaaS企業のSEO対策やマーケティング全般のサポートを提供している。

まずはお気軽にご相談いただきたい。

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