ランディングページはリード獲得に高い効果が期待できる、企業にとって欠かせないマーケティング施策だ。
一方で、その効果を十分に理解して制作に注力している企業は意外と少ないのではないだろうか。
「ランディングページの効果を上げられず競合に負けている」
「Web広告コストに対して期待した成果を得られない」
「直帰率が高くランディングページがユーザーに響いていない」
といった悩みの声は多い。
ランディングページの制作にはコストがかかるため、効果が出なければビジネスの成長に支障をきたしかねない。
そこで本記事では、ランディングページの効果を最大化させるポイントや、高い効果を継続させるための運用方法について、具体的な例を挙げながら解説していく。
1.ランディングページ(LP)とは
ランディングページ(LP)とは、自社が販売する製品やサービスに興味・関心をもつ見込み顧客(リード)を獲得する手段の一つだ。
絞り込んだターゲットに対して、検索意図を満たすコンテンツを提供し、的確に自社の製品・サービスを訴求すれば、ユーザーの購買行動を後押しできる。
その役割を担うのがランディングページだ。
1.1.ランディングページ(LP)の定義
ランディングページは、特定のコンバージョンを達成するためにデザインされた特化型のウェブページだ。
Webマーケティングにおけるランディングページは、通常Web広告のリンク先として設置される。
そのため、ランディングページは以下の目的で使用されることが多い。
<ランディングページの主な目的>
- コンバージョンの促進:ユーザーに対し特定のアクション(購入申し込み、資料請求、問い合わせなど)を誘導する。
- リードジェネレーション:見込み顧客の情報(メールアドレスなどの連絡先)を収集する。
1.2.ランディングページ(LP)の特徴
ランディングページは、シンプルで直感的なデザインのものが多い。
なぜなら、Web広告のリンク先として設置され、訪問者をコンバージョンに導くための役割に徹しているからだ。
さらに、一般的にランディングページには以下の5つの特徴がある。
- コンバージョンに特化
- 1つのトピックに限定
- 目を引くデザイン
- 縦長1枚のレイアウト
- リンクが少ない
先に述べたとおり、ランディングページの最大の役割はコンバージョンの獲得だ。
そのため、1枚のランディングページで取り扱うトピックは1つに限定される。
複数のトピックを取り扱うと、情報が分散し、訪問ユーザーの集中が散漫になりやすいからだ。
さらに、目を引くファーストビューで訪問ユーザーの興味・関心を一気に引きつけなければならない。
そのため、ファーストビューのキャッチコピーやメインビジュアルのデザインは最も重要な要素となる。
また、ランディングページは1ページ完結型のWebサイトだ。
1つの製品・サービスに関する情報を1ページに集約し、密度の高いコンテンツを用意するため、縦長のレイアウトとなる。
コンバージョン獲得が目的であることから、無関係なリンクや離脱につながる情報は極力排除していこう。
ランディングページの概要や特徴については、以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてほしい。
1.3.ランディングページ(LP)とホームページ(HP)の違い
ランディングページと通常のホームページは同じWebサイトでありながら、目的がまったく異なる。
ランディングページは特定のターゲット、特定のコンバージョンを狙った、比較的セールス色の強いWebページだ。
一方で、ホームページは特定の製品・サービスだけではなく、製品・サービスや企業情報、IR情報など、自社に関わるあらゆる情報提供を目的としたWebサイトを指す。
ランディングページ | ホームページ |
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|
ランディングページとホームページの使い分けに関する詳細は、以下の記事を参考にすると理解が深まるだろう。
2.ランディングページ(LP)の運用で得られる5つの効果
ランディングページの効果は、高い集客力で特定のターゲットに対して的確に訴求しながら、精度の高いコンバージョンを獲得できる点だ。
具体的な5つの効果についてみていこう。
効果①:高い集客力で売上拡大に貢献できる
ランディングページは、Webでの「集客」に貢献する。
リストマーケティングのようなアウトバウンド型と比べて、ユーザー自らが行動する「インバウンド」のリードを得ることが可能だ。
さらに、精度の高いリードを獲得できれば、営業活動の生産性向上にも役立つ。
「精度の高いリード=受注に近いリード」を取り込める、つまりは営業部門が受注率の高いリードへの営業活動に注力できるようになるからだ。
このように、ランディングページの運用がうまくいけば、集客と受注(売上)の向上につながるだろう。
効果②:リーチしたいターゲットへ的確に訴求できる
自社がリーチしたいターゲットへ的確に製品・サービスを訴求できる点も、ランディングページの大きな効果だ。
1ページ1トピック、1ページ1ターゲットと限定することで、よりユーザーに刺さる訴求ができるからだ。
仮にターゲットを拡げたページ作りをすれば、訴求内容が薄まり、訪問ユーザーが「自分ごと」として捉えづらくなってしまう。
したがって、ランディングページの運用では、ターゲットをできる限り絞ったうえで、
- リーチしたいターゲットへ広告表示
- ユーザーが興味をもち広告をクリック
- ユーザーの検索意図を満たすランディングページでコンバージョンを獲得
という理想的な流れを実現するために、試行錯誤していく必要がある。
効果③:明確なCTAでコンバージョンを狙いやすい
ランディングページで重要な要素の一つがCTAだ。
CTAとは、Call To Actionの略称で、行動喚起を意味する。
「資料請求する」「購入する」「無料トライアルを申し込む」といった行動を促すボタンを含む部分だ。
これほど直接的に、堂々とユーザーの行動を促すことは通常のホームページでは難しい。
CTAの設置は、集客のために制作するランディングページだからこそできることだ。
効果④:効果測定が容易で改善しやすい
ランディングページはシンプルなレイアウト構成であるため、効果測定と改善がしやすい。
単一ページ、かつCTA以外のリンクもほとんどないことが前提で、効果測定の主要な指標がある程度絞られるからだ(効果測定の主要な指標については後述)。
改善策も、デザインやキャッチコピー周りの調整が主な作業となるだろう。
具体的には、ページレイアウト調整、キャッチコピー修正、画像の最適化、ページ表示速度改善、エントリーフォーム最適化などが挙げられる。
CTAのデザインやコピーを微調整するだけで、コンバージョンが数倍になるケースもある。
シンプルな構造かつ、訴求対象、訴求内容、ターゲットが明確だからこそ実現可能だ。
効果⑤:ブランドイメージの浸透につながる
ランディングページは露出頻度が高く、ブランドの認知度向上やブランドイメージの浸透につながる。
なぜなら、Web広告の出稿により(予算には左右はされるものの)、ランディングページのインプレッションは確実に増大するからだ。
その結果、ターゲットユーザーは広告文、会社名、サービス名などに触れる機会が増える。
心理学でいう「ザイオンス効果」のように、何度も目に触れることで認知が浸透し、次第に好感を抱くような効果が期待できるのだ。
3.ランディングページ(LP)の運用はどんなときに必要か?
ここからは、ランディングページが具体的にどのような場面で必要であり、有効となるのかをみていこう。
3.1.新サービスや新機能のローンチ時
新サービスや新機能をローンチしたとき、まず必要となるのは認知度の拡大だろう。
そこで貢献してくれるのが、ランディングページだ。
まずは広告を出稿して多くのターゲットの目に触れさせ、特定のサービスや機能を主役としたランディングページで興味を引くことができる。
長期的なSEO対策は必要なく、Web広告にある程度の費用を投じれば確実にインプレッションを得られる点が、新サービスや新機能の認知度向上に役立つはずだ。
3.2.リードジェネレーションの強化時
ランディングページではCTAを設置し、資料請求やお問い合わせなど、特定の行動を促すことがゴールとなる。
その際に、リードの企業名、役職、メールアドレスなどの情報を入力してもらうことで、新たなリード獲得、つまりリードジェネレーションにつなげられるだろう。
ちなみに、BtoBにおけるランディングページの運用は、リードジェネレーションのために行われるケースが非常に多い。
広告出稿で露出が確保できるうえに、興味をもち行動を起こしてくれる熱量の高いリードを獲得できるため、その後の受注にもつながりやすいのだ。
3.3.イベントやウェビナーのプロモーション時
リードジェネレーションの一貫ではあるが、イベントやウェビナーの開催、または参加についてプロモーションしたいときも、ランディングページは役に立つ。
なぜなら、イベントやウェビナーは開催日が定められており、その日までに一定数の集客を行わなければならないからだ。
上述のように、ランディングページは広告とともに運用され、費用を投じれば一定期間である程度の露出が確保されるため、イベントの集客とは非常に相性が良い。
4.効果的なランディングページ(LP)制作のポイント5つ
本章では、高い効果を生み出すランディングページの制作方法について、押さえておきたいポイントを5つ紹介する。
ポイント①:ファーストビューでユーザーの興味を引く
ファーストビューはランディングページにおいて最も重要なエリアだ。
滞在時間が長く、離脱されにくいランディングページは、ファーストビューで一気にユーザーの心を鷲づかみにしている。
自分ごととして心に刺さるキャッチコピーを用意し、ユーザー体験の想像を膨らませるアイキャッチで視覚に訴えることで、ユーザーの行動を思い切り後押ししていこう。
興味・関心を抱いた熱量の高いユーザーを逃さないためにも、ファーストビュー内にはCTAの設置を忘れてはならない。
ポイント②:ユーザー目線でコンテンツを作成する
効果の高いランディングページの大原則は、ユーザーファーストであることだ。
ランディングページのコンテンツには、単なる商品説明など、制作側が伝えたい情報を一方的に載せても意味がない。
ターゲットとなるユーザーのニーズを満たす情報こそが、価値のあるコンテンツと認められるのだ。
まずは、ターゲットユーザーが抱える課題や悩みと真剣に向き合い、共感し、その課題や悩みに対する自社の提供価値(ベネフィット)をしっかりと伝えよう。
しかし、提供側の想いを伝えるには、これだけではまだ足りない。
1枚のページの中に盛り込まれるすべての要素が、
- ユーザー目線に立った動線となっているか?
- ユーザーがストレスを感じて離脱するポイントはないか?
- ユーザーのニーズを先回りしてコンテンツを用意できているか?
といった、ユーザーファーストの品質をクリアしてるかを絶えず問い続ける必要がある。
ユーザーファーストを徹底してはじめて、効果の上がるランディングページに近づくだろう。
ポイント③:明確なCTA(行動喚起)を設置する
CTAは常にユーザーが見つけやすい位置に設置し、明確でなければならない。
際立つデザインと迷わず行動を起こすためのコピーが、ユーザー行動への強力なトリガーとなるのだ。
CTAを制作する際は、ボタンと背景のコントラストを意識したり、空白をうまく活用したりと、ボタンが「目立つ」ようにデザインしよう。
さらに、CTAボタンが画面スクロールに追従するタイプ、画面表示や離脱のタイミングでポップアップ表示されるタイプも存在する。
さまざまなパターンを繰り返し試してみることで、自社のランディングページにマッチした高クリック率を叩き出すCTAを見つけてほしい。
ポイント⑤:レスポンシブデザインにする
ランディングページは、レスポンシブデザインで制作する必要がある。
近年ではスマートフォンでWebサイトを閲覧するユーザーが増えており、スマホファーストのページ作りが欠かせないからだ。
ランディングページに限らず、Webサイトの制作においてモバイルフレンドリー志向は現代のスタンダードとなっている。
制作側にとっても、PC用ページとスマートフォン用ページを別々に作る必要がなくなるため、レスポンシブデザインは制作コストと運用管理面でもメリットが大きい。
ポイント⑥:A/Bテストを行う
A/Bテストとは、キャッチコピーやデザインなどに違いをもたせたいくつかのコンテンツパターンを用意し、どのパターンが最も効果的かを比較する分析手法だ。
先に述べたCTAボタン1つをとっても、配色やサイズ、形を変えるとクリック率にどう影響するか、A/Bテストであれば手軽に検証できる。
ランディングページの部分部分を、A/Bテストを通じて最適化していくことで、ページ全体が最適化され効果が高まっていくだろう。
A/Bテストについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてほしい。
5.“効果が高い”ランディングページと“効果が低い”ランディングページを比較
本章では、これまで述べてきた効果が高いランディングページを具体例に落とし込み、効果が低いランディングページと比較することで、さらにイメージを膨らませていこう。
5.1.“効果が高い”ランディングページの具体例
ユーザーファーストなデザイン
効果の高いランディングページは、ユーザーファーストを徹底している。
細部に至るまでユーザーにストレスを感じさせない、スムーズな動線を実現している。
ユーザーの目を引き、印象に残る画像や動画を用意して、好印象を与える仕掛けづくりに余念がない。
ユーザーに響くキャッチコピー
自社の製品・サービスがもつ世界観を体現する、ストーリー性のあるキャッチコピーを発信していることも、効果の高いランディングページにみられる特徴だ。
また、ユーザーにとってどのようなベネフィットがあるのかが一目でわかるキャッチコピーも有効だろう。
企業側の「押し付け」ではなく、ユーザーが感じる「ベネフィット」を言語化していく必要がある。
そのほか、具体的な数字で効果を表現したり、限定感や特別感を訴求したりすると、ユーザーの心を動かせるはずだ。
正確かつ適切な情報量による安心感
効果の高いランディングページは、製品・サービスの特徴やメリット、料金、サポート体制など、ユーザーが抱くであろう疑問に対し、先回りして回答を用意している。
また、申し込みの際の注意点なども漏れなく説明されている。
ユーザーが行動を躊躇する「壁」をあらかじめ取り払うことが何よりも重要だ。
ユーザー自身の決断が失敗するリスクの低いことをしっかりとアピールし、安心感を高める必要がある。
導入事例やお客様の声
既存ユーザーからのレビューや導入事例を積極的に発信することは、自社の製品やサービスに対する信頼性向上に役立つ。
ユーザーが抱える「失敗のリスクをできるだけ排除したい」という心理に対し、第三者からの評価を明示しめ安心感を与えることがポイントだ。
明確なCTAの設置
CTAのポイントは、デザイン、カラー、コピー、配置の4つだ。
効果の高いランディングページは、ボタンの形を工夫したり、ユーザーがクリックしやすい動線に配置したりするなどの工夫も怠らない。
また、ランディングページの構成に沿って、要所要所にCTAボタンを設置し、ユーザーが余計なページ移動でストレスを感じないようにしている。
5.2.“効果が低い”ランディングページの具体例
情報内容やデザインが古い
定期的なメンテナンスを怠っていると、ユーザーが求める最新の情報が提供されないほか、デザインも陳腐化し、ネガティブな印象を与えてしまう。
また、ページの表示崩れや表示速度、リンク切れといった細部の作りが雑なランディングページも、ユーザーからの信頼を失うおそれがある。
ランディングページのメンテナンスは、サービスのメンテナンスと同じくらい重要だ。
情報が整理されておらずわかりにくい
知りたい情報がすぐに見つからず、ページ内をあちこち移動しなければならないページはユーザーにストレスを感じさせる。
また、テキストばかりでゴチャゴチャした印象では、読む気力を失ってしまうだろう。
デジタルマーケティングが主流となったいま、広告出稿の競争率は非常に高い。
自社のランディングページに訪問してくれた貴重なユーザーを取りこぼさないよう、わかりやすいページに整えておこう。
ユーザーにとってのメリットが不明確
ランディングページが単なるサービスやコンテンツの説明になっている場合は要注意だ。
BtoBであっても、ランディングページを見ているのは一人の人間であり、自分自身や所属する会社にとってメリットがないものには興味を抱かない。
よって、コンバージョンも発生せず、効果がないランディングページとなってしまうのだ。
自社のサービスやコンテンツの「良いところ」を自社目線でたくさん伝えたくなるものだが、ユーザーがどのような未来を手に入れられるのかという点でコピーやデザインを考えていく必要がある。
CTAが目立たない
CTAは当然クリックされるものと思い込んで軽視していれば、効果の低いランディングページとなる。
BtoBにおけるCTAのクリック率は、ほんの数%程度だ。
よって、ただテンプレートに沿っただけのデザインや、色使いに気を遣っていないCTAではほとんどクリックされず、その役割を果たさずに終わってしまうだろう。
ランディングページのCTAは、徹底的に「作り込む」ことが重要だ。
5.3.ユーザーファーストが効果の高いランディングページを実現する
ここまで“効果が高い”ランディングページと“効果が低い”ランディングページを比較してきた。
効果が高いランディングページにするためには、ユーザー視点を徹底して制作することが重要だ。
ユーザーが見やすい・使いやすいLPを目指し、各要素を改善していこう。
また「見やすい・使いやすい」ページかどうかを表す指標として「ランディングページの利便性」が挙げられる。
これは、Google広告における広告品質の評価の一つでもある。
ランディングページの利便性を上げて広告品質が上がると、広告が上位表示されやすくなり、クリック単価も低下して広告キャンペーンの効果やROIが高まるため、この指標にもぜひ注目してほしい。
ランディングページの利便性については以下の記事でも解説している。
6.ランディングページの効果測定に有効な重要指標
ランディングページの運用で最も重要なのは、KPIを設定して効果測定と改善を絶えず繰り返すことだ。
属人的な勘や経験に頼るのではなく、データに基づいた改善を重ねれば「本当に」効果が出る打ち手を見出せる。
本章では、ランディングページの効果測定を実施するうえで重要なKPI指標をみていこう。
指標①:コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率とは、ランディングページに来訪したユーザー数(セッション数)のうち、コンバージョンに到達した割合だ。
コンバージョン率が高ければ、そのランディングページはユーザーの検索意図を満たした効果の高いコンテンツを提供していると評価できるだろう。
BtoBの有料広告におけるコンバージョン率は、BtoBのテクノロジー業界で平均1.7%、BtoBサービス業界で平均4.2%といわれている(※)。
目標数値は業界や規模、知名度などにより異なるが、2〜5%程度が基準だ(※)。
※参考:UpLead「B2B Conversion Rates Explained with Numbers」(https://www.uplead.com/b2b-conversion-rate/)
指標②:コンバージョン単価(CPA)
コンバージョン単価とは、1件のコンバージョンを獲得するために費やした広告費用だ。
Web広告における費用対効果(ROI)の測定や広告予算配分の最適化において重要な指標であり、高いコンバージョン単価はROIが低い可能性を示している。
したがって、コンバージョン単価が高い場合、ランディングページの見直しなどの改善が必要となる。
ちなみにBtoBにおいて、Google広告のリード獲得単価は平均13,800円(※)程度といわれている。
※参考:Databox「B2B Marketing Benchmarks to Help You Set Goals for 2024」(https://databox.com/b2b-marketing-benchmarks)
指標③:フォーム放棄率
フォーム放棄率とは、ユーザーがランディングページのフォームページにおいて、入力中に途中で離脱する割合を指す。
フォーム放棄率が高いほど、コンバージョンの直前にユーザーが離脱していることを意味し、あと一歩のところでコンバージョンを取りこぼしている状態だ。
フォーム放棄率を改善するには、エントリーフォームの最適化(EFO)に取り組む必要がある。
EFOのポイントは、エントリーフォームの項目を必要最低限まで削り、できるだけシンプルにすることだ。
EFOについては、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてほしい。
指標④:直帰率
直帰率とは、Webページに訪問したユーザーが最初に到達した1ページだけを閲覧して離脱する割合だ。
直帰率が高い場合、そのランディングページは訪問ユーザーの検索ニーズを満たしていないことを表す。
改善するためには、ユーザーフレンドリーなサイト設計になっているかを早急に見直す必要があるだろう。
また、ヒートマップでの分析(詳細は後述)も併用し、どこで離脱しやすいかを確認して、最後(コンバージョン)まで辿り着いてもらえるように対策しよう。
指標⑤:平均滞在時間
平均滞在時間とは、ユーザーがウェブサイトに滞在する平均時間だ。
基本的には、平均滞在時間が長いほど、コンテンツの魅力やユーザーエンゲージメントが高いとみなされる。
ただし、長すぎる場合は、ページ内の情報を理解するのに時間がかかっている可能性があるため、コピーや構成をわかりやすく改善していく必要があるだろう。
指標⑥:クリック率(CTR)
クリック率は、ページの表示回数に対してWebサイト内のリンクやリンクボタンがクリックされた割合だ。
クリック数÷ランディングページの訪問数=クリック率(CTR)で算出される。
CTAボタンでなくとも、企業情報やサービス内容のページへ遷移するリンクなどをクリックしている場合は、多かれ少なかれユーザーが興味を抱いてくれていることを表し、Googleの広告品質の評価にも影響する可能性があるため改善していこう。
指標⑦:アクセス数
アクセス数とは、Webサイトの特定ページへ訪問された回数だ。
似た指標に「ユーザー数」と「セッション数」があるため、それぞれの違いをしっかりと理解しておこう。
指標⑧:ソース別セッション数
ソース別セッション数とは、特定のトラフィックソース(検索エンジン、ソーシャルメディア、自然検索、リファラルなど)ごとの訪問セッション数を示す指標だ。
それぞれのトラフィックソースからのセッション数を比較することで、どのチャネルから効果的に集客しているのかを把握できる。
どのチャネル向けのコンテンツを強化すべきか、チャネル別の広告予算配分をどうするか、といった意思決定に利用できるだろう。
指標⑨:リピーターと新規ユーザーの比率
リピーターと新規ユーザーの比率は、Webページに来訪するユーザーのうち、再訪ユーザーと新規訪問ユーザーの割合を示す指標を指す。
来訪するユーザーがリピーターか新規かによって、取るべき施策が異なる点に注意が必要だ。
例えば、リピーターよりも新規ユーザーの滞在時間が長い場合には、限定特典を提供するなど、リピーターとして再訪を促す仕掛けが有効だろう。
また、新規ユーザーが極端に少ないことも問題だ。
広告出稿のターゲットや出稿キーワードを見直す必要があるだろう。
指標⑩:ヒートマップ
ヒートマップは、ウェブサイトのユーザー行動を視覚的に表現するのに便利なツールだ。
具体的には、色の濃淡でクリックやスクロール、視線の集中度を示す機能を搭載しており、UX向上やコンバージョン率の改善に役立つ。
- クリックの集中箇所:ユーザーがどこをクリックするかを把握
- スクロールの深さ :ユーザーがどこまでページを閲覧しているかを分析
- 注目エリア :視線が集まる部分を特定し、コンテンツ配置を最適化
7.ランディングページの効果を増幅・継続させる「コンテンツ品質の確保」
ランディングページの効果を増幅・継続させるためには、ランディングページ自体の内容にとどまらず、その先にあるコンテンツの品質を高めることが重要だ。
7.1.コンテンツ品質の確保が必要な理由
広告やランディングページの取り組みを、企業の売上や収益などの「成果」につなげるためにはコンテンツ品質の確保が必須だ。
ランディングページ(+Web広告)の運用を進めていると、ランディングページの改善や出稿キーワードの見直しなどに気を取られやすい。
しかし、ユーザーが求めているのは、自社が提供するサービスや有益なホワイトペーパーなど、コンバージョンの先にある「コンテンツ」だ。
コンテンツの品質が低ければ、どれだけ良いランディングページを制作し、ユーザーがリードになったとしても「顧客」にはならないだろう。
企業が売上や収益を拡大させるためには「顧客」が必要となる。
だからこそ、ユーザーのニーズを満たし、期待を超える有益な情報を届け、マーケティングファネルの「購買」という最終プロセスに向けて進めるためにコンテンツ品質を確保しなければならない。
7.2.「コンテンツマーケティング」にも同時進行で取り組むべき
ランディングページの目的は、Web広告との運用で短期的な成果や特定のコンバージョンを得ることだ。
その効果をより大きなものにし、確実に成果へとつなげていくために、コンテンツマーケティングにも取り組んでほしい。
コンテンツマーケティングには、オウンドメディア、メルマガ、ホワイトペーパー、事例紹介などさまざまな種類がある。
例えば、高品質なオウンドメディアを作り込んだり、最新の業界情報を含めたホワイトペーパーをいち早く制作してメルマガで提供したりすることで、リードの自社への信頼や満足度が高まり、ファネルの下部への移行がスムーズになるだろう。
Web広告やランディングページの制作にリソースを割き、当初はリードが獲得できていたものの、徐々にリードが枯渇して、やっとコンテンツマーケティングやオウンドメディアの立ち上げに投資するケースは多い。
はじめから長期的な視点で、コンテンツマーケティングの構築にも取り組んでおこう。
<コンテンツマーケティングの種類>
- オウンドメディア
- メールマガジン
- ホワイトペーパー・ebook
- ウェビナー・動画コンテンツ など
コンテンツマーケティングについては、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてほしい。
8.まとめ
ランディングページでは、1枚のWebページの中に特定のターゲットに向けたメッセージが凝縮されている。
ランディングページを閲覧したユーザーが、能動的にCTAボタンをクリックしてコンバージョンに至るという行為は、ランディングページの内容に対して興味・関心が高いことを意味し、質の高いリード獲得につながるだろう。
ランディングページ運用は、コンテンツを制作して終わりではない。
むしろ、コンテンツが完成したあとからが勝負だ。
PDCAを地道に繰り返すことで、ランディングページは最適化に向かっていく。
もし社内リソースだけでの運用が難しければ、外部の支援も視野に入れながら取り組んでみてはいかがだろうか。