バリュープロポジションキャンバスの作り方、活用方法、成功事例を解説!

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バリュープロポジションキャンバスとは、企業が「顧客に提供する価値」を明確にするためのフレームワークを指す。

自社サービスの提供価値と顧客ニーズを、一枚のキャンバスで照らし合わせながら整理することで「顧客ニーズとのズレ」や、企業が顧客へ提供できる「本当の価値」を見出せる。

市場が成熟し、顧客ニーズの理解が複雑となった現代では重要なフレームワークだ。

一方で、

  • 「どのように作ればよいかわからない」
  • 「具体的な活用方法を知りたい」
  • 「バリュープロポジションキャンバスを使って成功した実例はあるのか」

といった声も多い。

そこで本記事では、バリュープロポジションキャンバスの概要、作り方、効果的に作るためのポイントについて、実際の成功事例を交えながら解説していく。

バリュープロポジションキャンバスを最大限に活用して企業の成長につなげられるよう、ポイントを押さえていこう。

 

1.バリュープロポジションキャンバスとは

 

バリュープロポジション(Value Proposition)とは「企業が顧客に提供する価値」を表す。

そして、バリュープロポジションキャンバスは、企業が顧客へ提供する価値と顧客のニーズを一枚のキャンバスで整理し、「競合にはない自社が提供できる顧客への提供価値」を明確にするためのフレームワークだ。

2015年に発表されたアレックス・オスターワルダーの著書『バリュー・プロポジション・デザイン』にて提唱された。

バリュープロポジションキャンバスは、市場が未成熟で顧客理解が必要なケースや、既存サービスの提供価値を見直し、顧客ニーズとのズレをなくしたいケースで有効となる。

 

2.バリュープロポジションキャンバスの構成要素

 

バリュープロポジションキャンバスには、顧客セグメント(右側)と、顧客への提供価値(左側)の2つのエリアがある。

 

2.1.顧客セグメント

 

右側の顧客セグメントでは、自社がターゲットとする顧客セグメントのニーズを理解するため、以下の3つの情報を整理する。

 

①顧客が解決したい課題(Customer Jobs)

 

顧客が解決したい課題や実現したいこと。

例:リソース不足を解消したい、ビジネスプロセスの自動化・効率化を進めたい

 

②顧客の悩み(Pains)

 

課題を解決するにあたって顧客が抱える悩み。

例:専門人材・専門知識が不足している、社内のデータが分散している

 

③顧客の利得(Gains)

 

課題を解決することにより顧客が得たいもの、得るもの。

例:プロジェクトのROIが上がる、社内リソースのスキルアップ

 

2.2.顧客への提供価値

 

左側の顧客への提供価値エリアでは、ターゲットとする顧客へ自社が提供できる価値を整理する。

 

④製品とサービス(Products and Services)

 

顧客に提供する具体的な製品やサービス。

例:プロジェクト管理システム、セキュリティ対策ソフトウェア

 

⑤顧客の悩みを取り除くもの(Pain Relievers)

 

自社製品において、顧客の悩みを軽減するもの。

例:充実した教育コンテンツの提供と個別サポート、ファイル形式を問わないデータ統合

 

⑥顧客に利得をもたらすもの(Gain Creators)

 

自社製品において、顧客への利得をもたらすもの。

例:顧客のビジネス成長に合わせた柔軟なカスタマイズ、AIによるアプローチ優先度の提案

 

3.バリュープロポジションキャンバスを活用するメリット

 

では、バリュープロポジションキャンバスを活用することで、企業はどのようなメリットを得られるのだろうか。

バリュープロポジションキャンバスのメリットは、以下のとおりだ。

  • 自社の提供価値と顧客ニーズのズレを見つけられる
  • 新たな顧客ニーズを模索し、ビジネスチャンスを開拓できる
  • 競合他社との比較を行い、価値のある差別化ができる

それぞれみていこう。

 

メリット①:自社の提供価値と顧客ニーズのズレを見つけられる

 

1枚のキャンバス上で、顧客が期待するニーズと自社の提供価値のズレを視覚的に確認でき、適切な提供価値の戦略を立てやすくなる。

今まで成功してきたサービスでも、市場やニーズの変化に伴い、提供価値が顧客に適合しなくなることは大いに考えられる。

定期的にバリュープロポジションキャンバスを活用してそのズレを見つけ、解消することで、マーケティングや経営戦略の方向転換も適切に行えるようになるだろう。

 

メリット②:新たな顧客ニーズを模索し、ビジネスチャンスを開拓できる

 

顧客視点から製品やサービスを再評価し、新しいニーズや市場機会を発見できる。

企業にとっての新たな収益源の確立やビジネスの成長にも貢献するだろう。

 

メリット③:競合他社との比較を行い、価値のある差別化ができる

 

競合他社との提供価値の比較を通じて独自の差別化ポイントを明確にし、競争優位性を高められる。

新たな顧客ニーズを発見して自社製品やサービスの改善点や強みを見つけられるため、継続的な成長と競争力の維持につながるだろう。

バリュープロポジションキャンバスは、自社の製品やサービスが顧客にとってどのような価値を提供するのかを明確にし、マーケティング戦略の最適化に役立つツールだ。

 

4.バリュープロポジションキャンバスの作り方

 

バリュープロポジションキャンバスは、以下の流れで作っていく。

  1. 顧客セグメントを定義する
  2. 顧客への提供価値を考える
  3. 顧客への提供価値を定義する

順にみていこう。

 

ステップ①:顧客セグメントを定義する

 

まずは、右上の四角の部分にターゲットとする顧客を記載(例:スタートアップのマーケティング部長など)し、顧客ニーズを明確にする。

顧客セグメントは仮説に頼るのではなく、顧客へのアンケート調査やデータ分析で情報収集を行ったうえで記載しよう。

これにより、リアルで具体的なニーズの理解につながる。

以下は、顧客セグメントを定義する際に利用できるリサーチ方法の例だ。

リサーチ方法 得られる情報
アンケート調査 オンラインアンケート、郵送アンケート、製品購入時アンケート 顧客の業種、企業規模、導入前の課題、期待するソリューション、予算、導入のきっかけ
データ分析 ウェブサイト解析ツール、CRMツール、営業データ、カスタマーサポートデータ 顧客の購買履歴、サポート履歴、Webサイトへの訪問履歴、行動データ、キャンペーンへの反応、顧客満足度
競合分析 市場調査レポート、競合他社のサービスサイト、業界イベント 競合他社のサービスの特徴、価格設定、マーケティング戦略、顧客層
顧客フィードバック サポートチームからのフィードバック、レビューサイト、NPS調査 顧客満足度、サービスの改善点、顧客が感じている価値、ロイヤリティのレベル

上記の手法により収集した情報を用いて、顧客セグメントの3要素を決定する。

以下は、プロジェクト管理ツールを提供する企業を想定した顧客セグメントの例だ。

 

①顧客が解決したい課題(Customer Jobs)

 

プロジェクトマネージャーがプロジェクトの進行状況を適切に管理し、チームの成果を最大化する。

 

②顧客の悩み(Pains)

 

  • プロジェクトの進行状況が不透明で、いつもスケジュールが遅れる。
  • チームメンバー間のコミュニケーションが不足し、連携がうまく取れない。

 

③顧客の利得(Gains)

 

  • プロジェクトの進行状況を可視化し、スケジュール通りに進められる。
  • チームメンバー間の協力体制が強化され、コミュニケーションを円滑に取れるようになる。

 

ステップ②:顧客への提供価値を考える

 

次に、自社が顧客へ提供する価値について、④⑤⑥に沿って考え、整理していく。

記載例は、以下のとおりだ。

 

④製品とサービス(Products and Services)

 

プロジェクト管理ツール

 

⑤顧客の悩みを取り除くもの(Pain Relievers)

 

  • プロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握できるダッシュボード機能
  • メンバー間でのチャットや、スタンプ機能によるコミュニケーションのハードルの低下

 

⑥顧客に利得をもたらすもの(Gain Creators)

 

  • ダッシュボードによるプロジェクト進行の可視化と連動したカレンダー機能
  • コミュニケーションを活性化させるチャット機能

 

ステップ③:顧客への提供価値を定義する

 

最後に、ステップ①と②で整理した顧客ニーズと提供価値を合わせ、自社が訴求していくべき価値は何なのかを結論づける。

また、最終的に顧客に訴求する提供価値として、どの内容を強調するかの判断も重要だ。

ここで定義した顧客への提供価値は、まだ自社のサービスを知らない潜在層や見込み客に対してマーケティングやプロモーションを行ううえで、メインの訴求点となる。

サービスや製品には、自社独自の特徴やメリットが複数あるかもしれないが、情報量が多すぎると顧客には響かないだろう。

そのため、できる限りわかりやすく、顧客視点でコンパクトに提供価値を定義することが重要だ。

上記例のプロジェクトマネージャー向けの提供価値では「リアルタイムの進捗管理と計画通りのプロジェクト遂行を実現する」と設定した。

 

5.バリュープロポジションキャンバスを効果的に作るポイント

 

バリュープロポジションキャンバスを作ったあと、活用しなければ意味がない。

つまり、ビジネスでの活用、そして企業の成長や成果につながるように、以下のポイントを押さえて作ることが重要だ。

  1. 顧客視点を徹底する
  2. 具体的でわかりやすい表現を用いる
  3. 他のフレームワークと併用する

それぞれみていこう。

 

ポイント①:顧客視点を徹底する

 

バリュープロポジションキャンバスを作るときは、企業側の思い込みや希望にとらわれず、顧客視点の徹底を意識しよう。

そのためには、既存の社内のデータだけではなく、幅広いリサーチや市場調査を行い、客観的なデータを活用することが重要だ。

同じサービスでも、顧客ニーズによってベストな訴求方法は異なってくる。

顧客視点を徹底したバリュープロポジションキャンバスの作成によって、提供価値を見直すだけでも、大きな成果につながるだろう。

 

ポイント②:具体的でわかりやすい表現を用いる

 

バリュープロポジションキャンバスは、部門をまたいで社内全体で共有し、方針や目標を共通認識する必要があるため、具体的でわかりやすい表現を用いるべきだ。

具体的には、以下のポイントを押さえておこう。

  1. 専門用語や複雑な表現を避ける
  2. 具体的な例を挙げる
  3. 曖昧な表現や矛盾に注意する

わかりやすいバリュープロポジションキャンバスの活用により、各部門での戦略策定にも矛盾がなくなり、目標を達成しやすくなるだろう。

 

ポイント③:他のフレームワークと併用する

 

バリュープロポジションキャンバスを作成する際は、他のフレームワークを併用することで、自社や顧客、市場に関する理解をより深められる。

その結果、精度の高い現状把握や、効果的な施策の策定につながるだろう。

活用できるフレームワークの例として3C分析、STP分析、4P分析がある。

 

3C分析

 

3C分析は、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点から市場環境を包括的に分析し、自社の強みを活かす戦略を構築するためのフレームワークだ。

顧客(Customer)
  • 顧客ニーズ、カスタマージャーニー、市場セグメント
  • ターゲット顧客の特徴、課題、求めている価値
競合(Competitor)
  • 競合他社のプロダクト、強み、弱み、戦略、マーケティング活動
  • 市場シェア、価格相場
自社(Company)
  • 自社の強み、弱み、リソース、能力
  • 経営資源、技術力、ブランド力、マーケティング力など

 

STP分析

 

STP分析は、市場をセグメント化(Segmentation)し、ターゲットを絞り込み(Targeting)、差別化された価値提案(Positioning)を行うためのフレームワークだ。

市場のセグメント化

(Segmentation)

  • 市場を細分化(人口統計軸、地理軸、心理軸、行動軸にて)する
  • 各セグメントの特性やニーズを把握する
ターゲティング

(Targeting)

  • 自社がターゲットとするセグメントを選定する
ポジショニング

(Positioning)

  • ターゲットセグメントに対して自社が提供する価値を明確化する
  • 競合と差別化した自社の立ち位置を明確化する

 

4P分析

 

4P分析は、製品(Product)、価格(Price)、場所(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの要素からマーケティングミックスを設計するためのフレームワークだ。

製品(Product) 製品やサービスの特性、品質、デザイン、ブランド、顧客へのベネフィットなどを定義する
価格(Price) 市場の状況を考慮した価格設定、価格戦略、価格帯を設定する
流通(Place) サービスを提供するための販売ルートや流通チャネルを設定し、最適化する
プロモーション(Promotion) 顧客へ自社にしかない価値を伝えるための適切なプロモーション戦略(広告、パブリシティなど)を設計する

 

6.バリュープロポジションキャンバス実施後の評価と分析方法

 

バリュープロポジションキャンバスの実施後は、その効果を評価して改善点を見つけるための適切な分析が求められる。

具体的な評価指標を設定し、定量的および定性的なデータを収集・分析することで、施策の成果を明確にし、次のアクションにつなげられるだろう。

以下で、評価と分析の具体的な方法をみていこう。

 

6.1. 評価指標(KPI)の設定

 

バリュープロポジションキャンバスの効果を正確に評価するためには、適切な評価指標(KPI)を設定することが不可欠だ。

評価指標を設定することで施策の効果を定量的に測定し、具体的な改善点を特定できる。

以下は評価指標の例である。

項目 内容
顧客満足度の評価 顧客アンケートを通じて、顧客の満足度を定量的に測定する。NPS(Net Promoter Score)を活用して、顧客がどの程度自社の製品やサービスを他者に推奨するかを評価する。
売上高および市場シェアの変化 バリュープロポジションキャンバス実施前後の売上高や市場シェアの変化を分析し、施策の効果を測定する。

新規顧客の獲得数や既存顧客のリピート購入率を確認する。

顧客ロイヤルティの評価 顧客のリピート率やライフタイムバリュー(LTV)を測定し、顧客ロイヤルティの変化を追跡する。

 

6.2. データ分析

 

評価指標(KPI)を設定したあとは、これらのデータをもとに分析を行い、バリュープロポジションキャンバスの効果を評価することが重要だ。

分析方法には、定量分析と定性分析、競合分析の3種類があり、それぞれ異なる視点から施策の成果を検証する。

項目 内容
定量分析 KPIを設定し、定量的なデータを収集して分析する。

顧客満足度、市場シェアの変化、顧客獲得数、リピート購入率などを追跡して分析する。

定性分析 顧客インタビューを通じて顧客の声を直接収集し、定性的なフィードバックを分析する。

顧客の課題やニーズに対する提供価値の適合度を評価する。

競合分析 競合他社と比較して、自社のポジショニングや提供価値の優位性を分析する。

競合他社の成功事例や失敗事例から学び、自社の改善に活かす。

 

6.3. 改善策の策定

 

実施後の評価と分析は、バリュープロポジションキャンバスの効果を最大化するために欠かせない。

顧客満足度の評価、売上高の変化、顧客ロイヤルティの向上を測定し、定量・定性分析を通じて改善策を策定しよう。

継続的な見直しと改善により、効果的なマーケティング戦略の構築が可能となる。

項目 内容
フィードバックの活用 顧客からのフィードバックをもとに、製品やサービスの改良点を特定し、改善策を実施する。

顧客のニーズや市場の変化に対応するため、バリュープロポジションキャンバスを定期的に見直す。

データ駆動型の意思決定 定量的なデータをもとに戦略的な意思決定を行い、マーケティング施策の効果を最大化する。

データ分析ツールやBIツールを活用して、リアルタイムでデータをモニタリングする。

 

7.バリュープロポジションキャンバスを活用した成功事例

 

バリュープロポジションキャンバスを効果的に活用することで、顧客のニーズに応え、競争優位性を確立できる。

そこで、実際の企業がどのようにしてバリュープロポジションキャンバスを用いて成功を収めたのか、具体的な事例をみていこう。

バリュープロポジションキャンバスの実践的な使い方や効果を理解し、ビジネスに応用するための参考にしてほしい。

 

事例①:150か国、20万企業以上でサービスを展開するSaaS企業

 

アメリカに本社を構える、職場の生産性とコミュニケーションを改善するためのメッセージングアプリを提供する企業の事例を紹介しよう。

当企業が設定する顧客への提供価値は「使いやすさ、生産性の向上、快適さ」だ。

リモート環境下でのコミュニケーションの難しさという顧客の悩み・問題点に対し、単なるメッセージ機能だけではなく、データ共有、投票機能、プロジェクト管理機能を提供した。

これにより、リモート中心の業務であっても「仮想のオフィス」を構築でき、業務の効率化やコミュニケーションの活性化、生産性の向上に貢献している。

 

事例②:AIを用いた英文書校正・改善サービスを提供する企業

 

アメリカに本社を構える、AIを用いた英文書校正・改善サービスを提供する企業が設定する顧客への提供価値は「素晴らしい文章を簡単に」だ。

「文章の質を高めたい」という課題をもつターゲットに対して、スペル、文法、句読点の間違いの修正をサポートする。

単に正しい文章に直すだけではなく「素晴らしい文章」を作成できる価値を提供しているのが肝といえるだろう。

当企業ならではのAIを用いたシステムにより、スペルや文法から、表現や語調まで包括的な提案を行うことが可能となり、競合優位性を確立している。

 

事例③:世界中の大手企業が使用するタスク管理ツールを提供する企業

 

オーストラリアに本社を構える、リスト作成・タスク管理Webアプリケーションを提供する企業は「タスクの管理、追跡、共有を簡単に行える」ことを提供価値に据えている。

ターゲットをビジネスチームとして、ビジネスにおける代表的な課題である「プロジェクト管理」を容易にする共同作業プラットフォームを提供しているのが特徴だ。

また、世界中の200万を超える企業が使用しているというソーシャルプルーフも活用し、顧客への訴求力を強めている。

 

事例④:ビジネス向けの決済ソリューションを提供する企業

 

当企業は、アメリカのサンフランシスコに本社を構え、ビジネス向けのオンライン決済サービスを提供しており、日本の大手企業の多くも導入している。

顧客への提供価値は、多国籍通貨への対応やシンプルな操作性により、グローバルで安全かつ素早い支払いが可能となることだ。

また、スタートアップから大企業までに対応し、企業の成長に合わせてカスタムできることから、ビジネスにおける決済インフラとして確固たる地位を築いている。

 

事例⑤:高品質なコーヒーを世界中で提供するカフェチェーン企業

 

日本にも1,900店舗以上を展開する、大手カフェチェーン企業における成功事例を紹介する。

当企業の価値提案は、コーヒーの品質だけではなく、コーヒーの歴史や文化、コーヒーによる体験を包括的に提供することで、顧客の日常生活を豊かなものにするというものだ。

コーヒーの品質はもちろん、店舗は高級感がありながらも居心地の良さを重視しており、誰もがくつろげるあたたかな雰囲気が演出されている。

 

事例⑥:高品質なWeb会議ソリューションを提供する企業

 

世界中の企業や政府機関などでも導入されている、Web会議ソリューションを提供する企業の成功事例を紹介しよう。

当企業における顧客への提供価値は、個人ユーザーから大企業、教育機関、政府機関まで、誰もがあらゆる目的や利用シーンに応じて利用できる柔軟性と高い品質だ。

使いやすさやシンプルなインターフェース、価格設定により、ユーザーは簡単にシステムを利用し、生産性とコミュニケーションの質を向上させることが可能となった。

 

事例⑦:世界シェア1位を誇るCMSツールを提供する企業

 

アメリカに本社を構え、世界シェア1位を誇るCMSツールを提供する企業が設定する顧客への提供価値は、簡単にカスタマイズできるテーマとプラグインにより、ユーザーがWebサイトを簡単に構築できる点だ。

初心者からプロまで、あらゆるレベルのユーザーに対応できる柔軟なプラットフォームを提供し、多種多様なテーマとプラグインでカスタマイズの自由度を高めた。

その結果、個人ブロガーから大企業まで幅広いユーザーに支持され、ウェブサイト作成ツールとしての地位を確立した。

多くの企業が導入しているというソーシャルプルーフも活用され、顧客を引き寄せる魅力の一つとなっている。

 

事例⑧:世界220以上の国で利用される旅行者×宿泊先のプラットフォームサービス提供企業

 

旅行者がどこでも気軽に宿泊先を探せるプラットフォームを提供する企業が提供する価値には、宿泊者に対するものと、宿泊先のホストに対するものの2種類がある。

宿泊者には、宿泊先でのローカルで特別な体験、ホストには余ったスペースを活用してプラスアルファの収入を得る機会を提供している。

サービス開始当初は、ホテルよりも安く宿泊できる点が訴求されていたが、現在では体験重視の価値提供により競合優位性を確立している。

 

8.まとめ

 

本記事では、バリュープロポジションキャンバスの重要性と活用方法について解説した。

バリュープロポジションキャンバスの活用により、顧客のニーズと自社が提供する価値を明確にし、マーケティング戦略を最適化する

今回紹介した事例のように、各企業は顧客の悩みを明確にし、解決策を提供することで競争優位性を確立している。

また、バリュープロポジションキャンバスを効果的に活用するためのポイントとして、顧客視点での作成、具体的でわかりやすい記載、他のマーケティングフレームワークとの併用が挙げられる。

これらの情報を参考にしてバリュープロポジションキャンバスを適切に活用し、顧客満足度の向上と競争力の強化を目指していこう。

 

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