質を追求するコンテンツSEO完全ガイド|キーワード選定や競合調査のやり方も解説

コンテンツSEOは「コンテンツの質」を高めて検索エンジンからの評価を得て、検索結果への上位表示を目指す取り組みだ。

SEOの取り組みが多くの企業で行われている一方で「キーワード/共起語を多く含める」「他社よりも文字量を多くする」などの表面的な対策がなされていることは少なくない。

ただし、検索エンジンの代表格であるGoogleでは、アルゴリズムのアップデートが定期的に行われており、より本質的な評価が行われるようになっている。

「キーワードベースのSEO対策しかわからない」
「SEO対策をしているがなかなか順位が上がらない」

「コンテンツの数は多いのにサイトへの流入・PVがなかなか増えない」

このような課題が見えている場合は「コンテンツSEO」に対する理解を改め、取り組み直す必要があるかもしれない。

本記事では、これからSEOに取り組む方、SEOの本質的なノウハウを深めたい方、思わしい成果が出ていない方に向けて、コンテンツSEOの基礎知識から実施手順、ポイントまで詳しく解説していく。

 

1. コンテンツSEOとは

 

一般的にSEOは「コンテンツSEO」と「テクニカルSEO」に分けられる。

まずは「SEO」について解説し、そのなかでコンテンツSEOがどのような位置付けなのか、どのような取り組みなのかをみていこう。

 

1.1.SEOとは

 

SEO(Search Engine Optimization)とは、Webサイトやコンテンツを検索エンジンの検索結果で上位に表示させるための取り組みのことを指す。

検索エンジンは、ユーザーが特定のキーワードやフレーズを入力した際に、関連性の高いページを表示する独自の仕組み(アルゴリズム)を持っている。

つまり、Webサイトやコンテンツをこのアルゴリズムに最適化することによって、検索結果の上位に表示されることを目的とした施策が「SEO」だ。

検索エンジンは、インターネット上にある膨大な数のコンテンツを相対的に評価し、ユーザーのニーズを満たす高品質なコンテンツを上位に表示させる。

よって、表示順位は競合の状況によって変動する。さらに検索エンジンのアルゴリズムは定期的にアップデートされるため、SEOは1つのコンテンツに対して何度も、定期的に行う必要があるのだ。

 

1.2.コンテンツSEOとテクニカルSEO

 

コンテンツSEOとテクニカルSEO

 

SEOは一般的に「コンテンツSEO」と「テクニカルSEO」に分類される。

コンテンツSEOは、その名のとおり「コンテンツの内容を検索エンジンに最適化する」ことを指す。

一方で、テクニカルSEOは「テクニカル=技術的な面で検索エンジンに最適化する」ことだ。

それぞれを詳しくみていこう。

 

コンテンツSEO

 

コンテンツSEOとは、コンテンツ(Webページ)を検索エンジンのアルゴリズムに最適化させる取り組みだ。

端的にいえば「特定のKWで検索したユーザーのニーズを満たす高品質なコンテンツをつくる」ことである。

ただし「ユーザーニーズを満たす」や「高品質」という基準は抽象的である。

そのため、検索エンジンは一定の基準を定め、インターネット上にある膨大なコンテンツを評価し、表示順位を定めているのである。

この「基準」についてはすべてが公開されているわけではないが、GoogleはSEOのためのガイドラインを公開している。

インターネット上で対策をリサーチすることも1つの方法だが、一度はGoogleの公式なドキュメントを確認してみることをおすすめする。

Google検索に関するドキュメントを確認して、サイトのSEOを改善する|Google検索セントラル

 

従来は、冒頭に述べたように「キーワードや共起語を多く含める」「文字量を競合より増やす」などの表面的な対策で上位表示が可能であったが、今はそうではない。

あくまでも「ユーザーの役に立つのはどのようなコンテンツか」ということを前提に、コンテンツのボリュームを考えたり、見出し構成を考えたり、時には経験談・事例・アンケートなどの一次情報を豊富に取り入れたりという複数の対策が必要となる。

とはいっても、このままでは「どのコンテンツで何の対策をすればよいか」がわからず、戸惑う方も多いはずだ。

そこで本記事では「表面的な対策だけでは効かない」という考え前提で、コンテンツSEOを成功させるためのポイントを後段で解説している。

「まず何をすればよいか」「どのように取り組むべきか」がわからない方は、ぜひ参考にしていただきたい。

 

テクニカルSEO

 

テクニカルSEOは、Webサイトの技術面から検索エンジンのアルゴリズムにアプローチする取り組みである。

テクニカルSEOは「内部対策」と「外部対策」の2つに分けられる。

概要と具体例は以下のとおりだ。

 

内部対策 外部対策
概要 自社サイト内部に施す対策 外部からの評価やアクセスを得るための施策
具体例
  • 被リンクの獲得
  • サイテーションの獲得
  • 外部サイト(比較サイトやプレスリリースなど)との連携 など
  • メタタグの記述
  • 重複コンテンツの適切な処理(canonicalタグ、301リダイレクトなど)
  • サイト構造の最適化
  • サイトスピードの改善
  • レスポンシブデザインの実装(モバイル対応) など

テクニカルSEOについては、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしていただきたい。

テクニカルSEOとは?やるべき14の施策を徹底解説

 

1.3.コンテンツSEOとテクニカルSEOはどちらも重要

 

結論、コンテンツSEOとテクニカルSEOにはどちらも取り組む必要がある。

その理由は、両者で目的が異なるためだ。

コンテンツSEOはユーザーニーズを満たすことが目的であり、これが結果的に信頼感の醸成やリード獲得などの成果につながる。

一方でテクニカルSEOは、検索エンジンから適切な評価を得るための基盤を整えることが目的だ。

検索エンジンは、クローラーというロボットがインターネット上のコンテンツを巡回(クロール)し、データベースに登録(インデックス)する。

インデックスされたコンテンツから、検索結果への順位付けがなされるわけだが、この流れを適切かつスムーズに行わせるために「テクニカルSEO」があるといえる。

つまり、どれだけ良いコンテンツでもテクニカルSEOが整っていなければ検索エンジンからの評価は得られにくいし、反対にテクニカルSEOが完璧でもコンテンツの質が低ければ「高評価」や「成果」にはつながらない。

よってSEOに取り組む企業はコンテンツSEOとテクニカルSEO、どちらも取り組む必要がある

しかし、あえてここでは、SEOの本質はコンテンツSEOにあると述べたい。

なぜなら「テクニカルSEO」はあくまで評価されるための「土台づくり」であり、ある程度できることは決まっているためだ。

言い換えれば「テクニカルSEO」で他社のコンテンツと差別化しようとしても、難しい。

テクニカルSEOで土台を整えた後は、後段で紹介する方法でコンテンツSEOを推進し、「質の高いコンテンツ」を追求していっていただきたい。

 

2.コンテンツSEOのメリット

 

「コンテンツSEO」についての理解が深まったところで、この取り組みによりどのような良いことがあるのか。

コンテンツSEOのメリットについて詳しく見ていこう。

  1. 集客力とブランド認知度の向上
  2. コストパフォーマンスの高さと安定した効果
  3. 質の高い潜在顧客へのリサーチ

 

メリット1.集客力とブランド認知度の向上

 

コンテンツSEOを粘り強く行うことで、Webサイトが自社の商品・サービスに関連性の高いキーワードで上位にランク付けされ、多くのユーザーが自社サイトを訪れるようになる。

また、掲載されているコンテンツが良質であればユーザーの信頼獲得にもつながり、ブランドの認知度や信頼度を高める効果も見込めるだろう。

これにより、集客力とブランド認知度の向上が期待できる。

 

メリット2.コストパフォーマンスの高さと安定した効果

 

コンテンツSEOは、広告や他のマーケティング手法よりも比較的低コストで実施できる。

例えば「検索結果に表示させる」という点で同様のリスティング広告は、広告を配信している限り費用がかかってしまう。

また、競争率の高いキーワードの場合には、1クリックに対して数千円以上発生することもしばしばだ。

対してコンテンツSEOは、コンテンツを作るための人的コストはかかるものの、掲載そのものには費用がかからない

人気のキーワードで1位を獲得できれば、費用をかけずに、月に数千、数万ものユーザーが自社サイトへ流れ込んでくる可能性があるのだ。

もちろん、成果が出るまでは時間と人的コストがかかるが、長期的な視野に立つとコストパフォーマンスが高いといえる。

 

メリット3.質の高い潜在顧客へのリーチ

 

コンテンツSEOではキーワード選定次第で、特定のキーワードやテーマに関心を持つユーザーにリーチすることができる。

検索エンジンは、ユーザーの潜在ニーズの宝庫だ。

例えば「ERP 構築方法」と検索しているユーザーが求めているものは一目瞭然である。

「30代男性」「学生」などのざっくりとした属性でしかターゲティングできないマス広告に比べると、より高い確率で顧客となりうる層にリーチできるのだ。

質の高い潜在顧客へのリーチは、コンバージョン率の向上や顧客満足度の向上につながり、ビジネスの成果を大きく高めることができるだろう。

 

3.コンテンツSEOのデメリット

 

取り組む意義が大きいコンテンツSEOだが、デメリット(注意すべき点)もある。

しっかりと押さえておこう。

  1. 効果が出るまでに時間がかかる
  2. コンテンツ作成の手間や費用がかかる
  3. 検索エンジンのアルゴリズムの変化に対するリスクがある
  4. レッドオーシャンの業界が多い

 

デメリット1.効果が出るまでに時間がかかる

 

コンテンツSEOでは、即効性は期待できない。

まず、検索エンジンがページをクロール(巡回)し、インデックス(検索結果に登録)するまでに一定の時間を要する。

またインデックスされた後も、いきなり上位に表示されるのではなく、徐々に評価され、順位を上げていくことがほとんどだ。

特に競争が激しいキーワードや業界では、上位ランキングを獲得するまでに数か月から数年かかることもあることを認識しておきたい。

 

デメリット2.コンテンツ作成の手間や費用がかかる

 

高品質なコンテンツを作成するには、時間と労力が必要だ。

また、自社内でライティングを行うことが難しい場合、専門知識やライティングのスキルを持った人材に委託するための費用もかかる。

変化の激しいテーマを扱い、頻繁にコンテンツを更新する必要がある場合は、その負担はさらに増すため、体制の構築が肝要だ。

 

デメリット3.検索エンジンのアルゴリズムの変化に対するリスクがある

 

検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しており、過去に効果があったSEO戦略が今後も同じように効果を発揮するとは限らない。

アルゴリズムの変化により、ランキングが急激に変動することもあるため、予測不能なリスクが存在する。

そのため、SEOツールなどを用いて公開した記事の順位を定期的に観測し、対応していくことが求められる。

 

デメリット4.レッドオーシャンの業界が多い

 

コンテンツSEOは多くの企業が取り組んでいるマーケティング手法であり、レッドオーシャンである

同業他社や競合サイトと同じようなコンテンツを提供しているとしたら、ユーザーからすればどのサイトも同じという印象を抱かれかねない。

その結果、自社への興味喚起につながりにくい場合がある。

顕在ニーズ・潜在ニーズを的確に捉えた上で、自社しか持っていないデータを提示する、実務経験を踏まえて一歩踏み込んだ解説をするなど、独自のアプローチや戦略が必要だ

 

4.コンテンツSEOとオウンドメディアのコンテンツの関係性・違い

 

多くの企業は、既にオウンドメディアで何らかのコンテンツを発信している。

オウンドメディアのコンテンツと、コンテンツSEOの関係性や違いは何だろうか。

両者の特徴を整理した上で、関係性と違いは以下のように整理できる。

コンテンツSEOとオウンドメディアのコンテンツの関係性

4.1.関係性

 

オウンドメディアのコンテンツは、コンテンツSEO戦略の一部となることが多い。

読者ニーズを満たす高品質な内容でSEOに最適化されたコンテンツをオウンドメディア上に公開することで、検索結果での発現率を高め、より多くのトラフィックを獲得することが可能になる。

 

4.2.違い

 

コンテンツSEOが検索エンジンでのパフォーマンスを最適化することに焦点を当てているのに対し、オウンドメディアのコンテンツはブランドの声を伝え、顧客とコミュニケーションを取ることに重点を置いている。

結論として、コンテンツSEOとオウンドメディアのコンテンツは異なるが、コンテンツSEOを推進するのにオウンドメディアの活用は欠かせないといえる。

しかし「顧客との関係構築」というオウンドメディアの本来の役割を考えると、オウンドメディア内のコンテンツを100%SEOに最適化されたものにする必要はないだろう。

例えば、オウンドメディアの中で、検索流入を得るためのコラムカテゴリーをつくり、その中のコンテンツではSEO対策を徹底する、などの棲み分けをするとよいだろう。

 

5.コンテンツSEOの実施プロセス【具体例つき】

 

ここからは、コンテンツSEOの具体的な実施プロセスをみていこう。

以下の流れで進めていく。

  1. ターゲティング
  2. ターゲットニーズの言語化
  3. キーワード調査
  4. 競合調査
  5. キーワードの選定
  6. 原稿の執筆、公開

例として、自社がERPベンダーであると仮定し、ERPの導入を検討している企業をターゲットにコンテンツSEOを行う場合について、具体例を交えながら解説する。

 

ステップ1.ターゲットを設定する

 

まずは自社の商品・サービスがどのような層をターゲットとするかを定めよう。

これはコンテンツSEOに限らず、マーケティングにおいて常に必要とされるプロセスであるため、既にターゲットが明確になっている場合は次のステップに進んでよい。

ターゲティングを考える上で最も効率的かつ確実なのは、既存顧客を分析することだ。

既存顧客の従業員規模、業界、事業フェーズ、自社を選ぶ理由などをまとめて分析してみれば、現時点で自社と最も親和性の高いターゲット像が見えてくる。

 

コンテンツSEOにおけるターゲティング戦略

 

ステップ2.ターゲットのニーズの言語化

 

続いて、ターゲット企業が抱えるニーズや課題を明確にし、それを言語化する。

この過程は非常に重要だ。

なぜなら「ニーズ」とは「ユーザーが知りたい情報」であり、それがコンテンツSEOにおいて対策する検索キーワードへと反映されるからだ。

顧客アンケートやフィードバックのデータがあれば参照し、キーワード単位で拾い上げてみよう。

あるいは「Googleサーチコンソール」などのツールを用いて、ユーザーが自社のWebサイトへどのようなキーワードで流入しているのかを調べることも有効だ。

細かいところまで言語化しようとすれば、ニーズは多くのキーワードに細分化されるだろう。

この時点で優先順位を付ける必要はなく、数を挙げることの方が重要である。

 

コンテンツSEOにおけるターゲットのニーズ言語化

潜在ニーズと顕在ニーズの違いとは?ニーズ分析からBtoBマーケを飛躍させるコツを解説

 

ステップ3.キーワード調査

 

次に、言語化したニーズを元に、それぞれのキーワードがどれほどのポテンシャルを持っているのかを調査する。

無料ツールではGoogleキーワードプランナーが使える。

それぞれのキーワードの月間検索数や、競合性の程度を簡単に調べることができる。

またキーワードプランナーでは、自分が指定したキーワードに加え、関連性の高いキーワードの候補も見つけることができる。

 

コンテンツSEOにおけるキーワード調査

 

なお、候補キーワードの拡張という意味では「サジェストキーワード」もチェックしておくのがよい。

サジェストキーワードとは、検索ボックスにキーワードを入力した際にオートコンプリート機能で出てくるキーワードのことだ。

そのため、ユーザーはこれらの関連キーワードをよく検索しているということになる。

サジェストキーワードは、無料ツールの「ラッコキーワード」を使うことで、幅広くリストアップすることが可能だ。

 

サジェストキーワード:ラッコキーワード

 

使えるツールについては、以下の記事でも詳細に解説している。

ぜひ参考にしていただきたい。

BtoBで役立つキーワード選定ツールを一斉比較!無料・有料、機能の違い、効果的な活用方法を解説

 

ステップ4.競合調査

 

上述のとおり、コンテンツSEOは多くの企業が取り組んでいるレッドオーシャンの施策だ。

自社のページを競合他社より上位に表示させるには、競合調査が欠かせない。

なお、ここでいう競合とは「事業としての競合」と「コンテンツとしての競合」の両方を指す

事業としては競合に当てはまらない会社でも、同じキーワードを巡ってコンテンツの競合となり、検索流入のパフォーマンスに影響がでてしまうためだ。

それぞれの調査方法を見ていこう。

 

①事業としての競合の調査

 

競合企業のページにどのようなキーワードでユーザーが流入しているのかを調べる。

これを正確に調べるには、本格的なSEOツールの導入が必要だ。

この調査を行うと、自社内では発想できていなかったものの、対策すべきキーワードが新たに見つかることがある。

また、逆に競合他社が上位を獲得できていないキーワードを狙って対策をするなど、キーワードの優先順位付けにも役立つ。

使用できるツールは複数あるが、例えば「パスカル」がある。

事業としての競合となる企業のWebページのURLを入力することで、そのサイトがどのようなキーワードで流入しているかがわかる。

 

②コンテンツとしての競合の調査

 

自社が対策したいキーワードで検索した時、実際に上位に表示されるページの傾向を調べる。

これを行うことで、より具体的な戦略で上位を狙いにいくことが可能になる。

上位ページの文字数はどの程度か、対策キーワード以外にどのような関連語を含んでいるか、見出しの構成はどうなっているかといったことをチェックするとよい。

 

ステップ5.キーワードの選定

 

キーワードを一通り洗い出したら、実際に対策するキーワードを選定しよう。

このときにありがちな失敗例は「早く成果が欲しいから最も検索ボリュームの多いキーワードから対策する」ということだ。

特にまだ立ち上げから日が浅かったり、コンテンツが少なかったりして検索エンジンからの評価が低いWebサイトの場合、競合ページに負けてしまい上位を取れないことが多い。

そこで、以下のポイントを参考に優先順位を付けることをおすすめする。

 

選定ポイント1.顧客に近いキーワードから対策する

 

SEOの最終目的は、Webサイトへの流入を増やすことではなく、その先のコンバージョンを増やすことだ。

これを踏まえ、顧客に近いキーワードからコンテンツを作成していくのがよいだろう。まずは、以下の3段階で考えてみよう。

  1. 自社製品・サービスに直結するキーワード
  2. 自社製品・サービスで解決できる“課題”に関するキーワード
  3. 自社製品・サービスのターゲット層がよく検索するトレンド系キーワード

コンテンツSEOにおけるキーワード選定

 

選定ポイント2.ロングテールキーワードから対策する

 

キーワードは、検索ボリュームによって主に以下の3つに分類することができる。

種類 月間検索ボリューム
(目安)
語数
(目安)
キーワード例
ビッグキーワード 10,000以上 1語 ERP
ミドルキーワード 1,000~10,000 2語 ERP パッケージ
スモールキーワード
(ロングテールキーワード)
1,000未満 3語以上 ERP パッケージ ランキング

このうち、スモールキーワードはロングテールキーワードとも呼ばれる。

キーワードごとの検索ボリュームを棒グラフで表すと、以下の図のようにスモールキーワードが長いしっぽ(=ロングテール)のように見えるからである。

 

コンテンツSEOにおけるキーワード選定:ロングテールキーワード

 

これは元々、小売業のマーケティング戦略から生まれた言葉で、主力商品ではないニッチな商品のラインナップを増やすことにより、対象となる顧客の総数が増え、結果として売上が上がるという考え方だ。

コンテンツSEOにおいても、1つのロングテールキーワードによる流入は小さくても、それを積み上げることで長期的に大きな流入を安定して確保できるのだ。

またロングテールキーワードは競合性が低く、ビッグキーワードよりもはるかに検索上位を狙いやすいので、上位記事を増やせばWebサイト全体の評価向上にもつながる。

オウンドメディア立ち上げの時期でも、積極的に狙っていきたいキーワードだ。

ロングテールキーワードの真のメリットとは?成果につながる選定方法も徹底解説!

 

ステップ6.原稿の執筆・公開

 

対策するキーワードを決めたら原稿を執筆し、公開する。

この執筆の過程においても適切なSEO対策がなされていないと、コンテンツが検索エンジンから評価されず、無駄なコストを払うことになってしまう。

つまり、キーワードさえ決まれば内容は好き勝手に書いてよいというものではないのだ。

詳しいポイントは次の章で解説する。

 

6.コンテンツSEOの5つの成功ポイント

 

ここでは、コンテンツSEOの原稿を作る際に意識しておきたい5つのポイントを紹介する。

  1. 対策キーワードを入れる
  2. 画像・グラフ・表などを活用して可読性を上げる
  3. 内部リンクを適切に設置する
  4. 定期的にリライトする
  5. SEOツールを活用する

繰り返しにはなるが、汎用的で表面的な対策ではなく、各KWごとに「コンテンツの質」を追求することを前提としておいていただきたい。

 

ポイント1.対策キーワードを入れる

 

対策キーワードは、自然な範囲で、ただし入れられる部分にはしっかりと盛り込む必要がある。

検索エンジンがテキストベースで「この記事はこのテーマを扱っている」と素早く読み取れるためだ。

ただし、無意味に同じキーワードを並べるのは、逆にペナルティの対象になりうるため注意が必要だ。

 

ポイント2.画像・グラフ・表などを活用して可読性を上げる

 

コンテンツにはテキストだけでなく、画像やグラフ、表などの多様なメディアを組み込むことが重要である。

これらは読者による内容の理解を助け、早期離脱の防止につながるためだ。

また画像の掲載はSEOの面で検索エンジンの評価を上げるだけでなく、画像検索にもヒットするため、画像検索からの流入も見込める。

検索上位の記事は、平均して10個以上の画像やグラフ、表が入っているというデータもある。

 

ポイント3.内部リンクを入れる

 

原稿に「〇〇に関するより詳しい情報はこちら」などといった形で他の関連ページへの内部リンクを挿入すると、ユーザーエクスペリエンスの向上につながる。

記事の内容によっては、さまざまな専門知識や用語が登場するものの、全てについて詳しく解説しているとコンテンツのボリュームが膨大になってしまうおそれがある。

そこで、読者自身が深めたい内容を判断し、内部リンクを通じて関連記事を閲覧できるように設計しておけば、満足度は大きく向上するだろう。

また検索エンジンはクモの巣のようにページからページへとリンクを辿ってクロール(巡回)しているため、内部リンクによって検索エンジンのクローリング効率を高めることにもつながる。

ただし、無関係な記事同士をむやみに接続することは、読者やクローラーを混乱させることにもつながり、ペナルティの対象になるおそれもあるため注意しよう。

そこで。内部リンクの設計は、「トピッククラスター」の概念を活用することがおすすめだ。

詳しくはこの記事を参考にしてもらいたい。

トピッククラスターとは?SEO効果を高めるモデルの作り方を解説

 

ポイント4.定期的にリライトする

 

一度検索上位を獲得できたからといって、そのコンテンツを放置してはいけない。

検索エンジンは最新の情報・トレンドを反映し、相対的にコンテンツを評価するため、コンテンツの情報が古くなっていないか見直し、必要に応じて加筆修正を行う必要がある。

IT業界のような変化の速い業界ではなおのこと、定期的なチェックは欠かせない。

1年前の正解が現在では不正解になっているということも珍しくないからだ。

 

ポイント5.SEOツールを活用する

 

SEOツールが無くてもコンテンツSEOは行えるが、SEOツールがあれば対策キーワードの選定や競合分析、コンテンツの最適化といった業務をはるかに効率的に行うことができる。

最近は、見出しや本文までもAIで自動作成する機能を搭載したツールもある。

SEOに従事できる人手が足りていない場合にはぜひ検討してほしい。

コンテンツマーケティングに不可欠なツールの種類を体系的に紹介

 

7.SEOの成果(流入)とコンテンツの質どちらを優先すべきか

 

SEOで最速で成果を出して流入を増やすことと、コンテンツの質を担保することはどちらを優先すべきかという質問を受けることがある。

もちろん両立させるのが理想だが、早く成果を出したいがために、SEOの評価だけを重視して読者にとっての利益が薄いコンテンツを量産してしまう場合がある。

例えば「ERP 構築方法」と検索して上位に出てくるページを開いたら、「ERPとは」といった基礎的な内容について長々と説明されており、肝心の「構築方法」の内容が浅いといったケースだ。

そのコンテンツは一時的には検索結果の上位に表示されているのかもしれないが、ランディングしたユーザーがその先のコンバージョンにつながるのかと考えれば疑問を持たざるを得ない。

また、離脱が早いページは質の低いコンテンツとして次第に順位が低下して行く。

キーワードについてよく検討し、そのキーワードで検索する人が一番知りたい内容は何かということを念頭に置きながらコンテンツを制作してほしい。

詳しくはこの記事を参考にしてもらいたい。

コンテンツマーケティングとSEOの違いとは?「集客」と「質」を両立する7つのポイント

 

8.まとめ

 

この記事では、コンテンツSEOの基本情報やメリット・デメリット、オウンドメディアのコンテンツとの関係、具体的な制作手順、原稿執筆のポイント、量と質のどちらを優先すべきかについて解説してきた。

デメリットも述べたが、基本的にコンテンツSEOは「取り組まない理由はない」ほど重要な施策である。

Webサイトを顧客獲得のハブとしている企業の場合は特に重要だ。

しかし、多くの企業が取り組んでいる競争率の高い施策であるだけに、最初のターゲティング設定やキーワード分析などの段階から、成功のためのポイントを押さえることが大切だ。

ぜひこの記事を参考にしながらひとつひとつ取り組んでみてほしい。

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