アップセル・クロスセルは、企業の売上拡大のために重要な販売促進手法のひとつだ。
特にBtoBビジネスにおいては、顧客単価の向上による売上拡大が事業成長に欠かせないポイントとなる。
「アップセル・クロスセルの提案がうまくいかず、顧客単価が上がらない」
「アップセルとクロスセルの効果的な戦略を学び、自社の売上を向上させたい」
「顧客単価が上がらず売上が頭打ちになっている」
このような悩みや考えを持つ営業やマーケティング担当者は多いだろう。
本記事では、アップセルとクロスセルの基礎知識から具体的な実践ノウハウについて詳しく解説する。
記事の最後に実際にアップセルとクロスセルの成功事例も紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
1.アップセル・クロスセルとは?
アップセルとクロスセルはどちらも顧客一社あたりの単価を高め、顧客生涯価値(LTV)を向上させる販売促進手法だ。
それぞれの意味と違いを整理しておこう。
1.1.アップセルとは
アップセルとは顧客が購入検討中もしくはすでに提供中の製品・サービスよりも、さらに付加価値が高く高価なグレードへの乗り換え購入を促す手法を指す。
具体例は以下のとおりだ。
- 航空会社が、普通席からよりグレードの高い座席へのアップグレードを提案する。
- 財務会計ソフト提供ベンダーが、より高機能な統合型基幹情報システム(ERP)を提案する。
- 顧客管理システム(CRM)を提供するベンダーが、利用ライセンスのまとめ買い(=顧客単価向上)を提案する。
アップセルの目的は一社あたりの顧客単価を高めると同時に、よりグレードの高いサービスを利用してもらい、顧客満足度やロイヤルティを高めることだ。
1.2.クロスセルとは
クロスセルとは顧客が購入予定の商品に追加して、別の関連商品を提案して同時購入を促す手法を指す。
たとえば顧客管理システムを提供するベンダーが、提案中の顧客管理システム(CRM)に連携するソリューションとして、マーケティングオートメーション(MA)の導入を追加提案するケースだ。
クロスセルも顧客単価の向上を目的とするが、アプローチ手法はアップセルと少し異なる。
1.3.アップセルとクロスセルの違い
アップセルとクロスセルが目指すゴールは顧客単価向上という点で共通しているが、アプローチ方法や達成までのプロセスはそれぞれ異なる。
<アップセルとクロスセルの違い>
アップセル | クロスセル | |
アプローチ手法 | 上位モデルへの切り替えを促す | 関連商品を一緒に提案する |
プロセス | より価値の高い製品・サービスにアップグレードを促して顧客単価の向上を狙う | 新たなニーズを創出しながら購入点数を増やして、顧客単価を高める |
活用例 | SaaS製品で基本プランのみを契約している顧客に対し、追加機能や優先サポートが付いた上位プランへの移行を提案する | ECサイトで特定の商品を購入する際に、その商品と関連性の高い他の商品をセットで提案する |
このように、アップセルとクロスセルはそれぞれ異なる手法でありながら、目指すゴールは共通している。
いずれも顧客との関係性を深めながら、売上を拡大する重要な手法なのだ。
2.IT・SaaS企業にとってはアップセル・クロスセルの成功が重要
アップセルとクロスセルは、BtoC、BtoB問わず重要な戦略だが、特にIT・SaaS企業では以下のような重要性がある。
- MRR(月間経常収益)とARR(年間経常収益)の向上
- 顧客獲得コストの削減
- 顧客満足度・ロイヤルティの向上
それぞれ見ていこう。
2.1.MRR(月間経常収益)とARR(年間経常収益)の向上
アップセルとクロスセルは、MRR(月間経常収益)とARR(年間経常収益)の向上に直結する。
たとえば、顧客数が同じでも月額5,000円のプランから月額10,000円のプランにアップグレードするだけで、その顧客から得られるMRR(月間経常収益)は2倍に膨らむ。
特にIT企業やSaaS企業は、そのシステムやサービスを月額や年額で継続的に使ってもらえば、安定した収益獲得につなげる必要がある。
よって、アップセルやクロスセルで、一度獲得した顧客から長期にわたり、高単価で売上を上げることが重要だ。
2.2.顧客獲得コストの削減
アップセルとクロスセルは既存顧客に対して行われるため、新規顧客を獲得する際に必要なマーケティングや営業活動にかかるコストを大幅に削減できる。
新規顧客を獲得する際には、既存顧客を維持するための費用の5倍ものコストがかかるともいわれている(1:5の法則)。
既存顧客はブランドに対する信頼感や認知度が高い状態の場合が多いため、追加販売の提案を受け入れやすい。
加えて、過去の購買履歴や行動データの分析により、適切なタイミングで最適な商品を提案できる可能性が高い。
よって、既存顧客へのアップセルやクロスセルでは、顧客獲得コストを削減しながら効率的に収益を拡大するにはぴったりの取り組みなのだ。
2.3.顧客満足度とロイヤルティの向上
アップセルやクロスセルによって、顧客が自分のニーズに合ったサービスや機能を適切なタイミングで提供されれば「期待以上の価値」を与えられ、顧客満足感は高まるだろう。
さらには、より価値の大きいサービスや複数のサービスを長期的に使用すれば、顧客と企業の関係も深くなり、ロイヤルティ向上にも貢献する。
特に、市場の変化と成長が激しいITやSaaS企業にとって、顧客のロイヤルティを獲得すれば市場での明確な地位を築けるようになる。
このようにアップセル・クロスセルは単なる販売手法ではなく、ビジネス全体の成長につながる「戦略」といえるのだ。
3.アップセル・クロスセルの具体的な手法8選
ここからは、アップセルとクロスセルの具体的手法を解説する。
項目 | 内容 |
トライアル期間を設定したアップセル | 無償トライアルで顧客にプレミアム機能を体験させ、実際の利便性を感じさせる。導入後の具体的なイメージを持たせ、購買決定を促す。 |
キャンペーンやクーポンを用いたアップセル | 限定キャンペーンやクーポンによるインセンティブで購買意欲を刺激し、意思決定を早める。 |
シミュレーションを使ったアップセル提案 | アップグレードの効果をシミュレーションで提示し、業務効率化やコスト削減などを視覚的に伝え、関心を高める。 |
複数の価格プラン設定によるアップセル | 機能別の価格プランを設定し、顧客が選択できるようにする。利用に応じた自動アップセルの仕組みを構築できる。 |
バンドル販売によるクロスセル | 関連製品をセット販売し、単品購入よりもお得な価格で提供。顧客に利便性を感じさせ、クロスセルを促進する。 |
関連商品のレコメンドによるクロスセル | 顧客の関心を捉え、関連性のある製品を推奨。購買タイミングを捉えた提案で、追加購入を引き出す。 |
製品保証やカスタマイズ製品によるクロスセル | 補完機能や保証サービスを提案し、顧客のニーズに応じたクロスセルで顧客単価を向上させる。 |
サブスクリプション化によるクロスセル | サブスクリプション型サービスで長期的な関係を構築し、顧客の成長に応じたアップセル・クロスセルを実現する。 |
手法1.トライアル期間を設定したアップセル
無償トライアル期間を用意して、顧客に実際の機能や価値を体験してもらう手法が、アップセルのきっかけ作りに有効だ。
たとえば、トライアル期間中に上位のプレミアム機能を試用させて、顧客はそのサービスの利便性や価値を体感できる。
トライアルを通じて導入後の未来像を具体的にイメージした顧客は、アップセル提案で得られる効果に確証を持ち、意思決定をしやすくなる。
にBtoBでは、具体的なデータや合理的な理由がなければ、購入の意思決定の難易度は大きく高まるため、トライアルは有効だ。
さらに、トライアル期間を通じて提供された価値が顧客の期待を超えられれば、アップセルは成立しやすい。
手法2.キャンペーンやクーポンを用いたアップセル
キャンペーンやクーポンの提供は、購買意思決定の後押しができる。
「期間限定の特別オファー」のような希少性を与えと、購買意欲を刺激し、意思決定を早める効果が得られるだろう。
たとえば「○カ月間無料」「先着〇社限定」「〇月末までの期間限定」といった、具体的な限定感のあるフレーズが有効だ。
特にBtoBでは初回購入後や一定期間経過後に特別割引を提供すれば、顧客がアップグレードを検討しやすくなる傾向にある。
また、顧客のBANT情報をもとに、特典提供のタイミングを見計らうことも重要だ。
手法3.シミュレーションを使ったアップセル提案
アップセル提案ではシミュレーションを活用して、獲得できるベネフィットを具体的に顧客へ伝えることが重要だ。
たとえば、アップグレード後に実現が見込まれる業務効率化やコスト削減効果を、定量的なシミュレーションを用いて提示すれば、顧客は価値を直感的に理解し、アップセルへの関心が高まるだろう。
加えて、ほかの既存顧客の成功事例や実際のお客様の声などの第三者の情報を踏まえれば、より訴求に信頼性が加わる。
業種・業界別や企業規模別など、さまざまな切り口で顧客が「自分ごと化」しやすい、具体性のある提案コンテンツを用意して、アップセル提案を行うことがおすすめだ。
手法4.複数の価格プラン設定によるアップセル
同一製品や同一サービスに対し、グレード別に異なる価格帯を設定し、顧客が自分で選択できる料金体系を設計できることもアップセルに有効に作用する。
BtoBでよくある例が、使える機能に応じて、エントリープラン・スタンダードプラン・エンタープライズプランなどの3つの料金プランを用意するケースだ。
顧客がニーズや状況にマッチしたプランを自ら選択できれば、顧客のボトルネックを解消しやすくなり、購買決定のハードルを下げられる。
たとえば「顧客のボトルネックが初期費用や月額などの固定費」である場合、エントリープランでは固定費をなくした完全成果報酬型、それより上位のプランでは月額+成果報酬型とすれば、顧客はエントリープランから始めやすい。
顧客化したあとは、利用期間の経過や顧客企業の成長に応じて、半ば自動的にアップセルが促進される仕掛けだ。
手法5.バンドル販売によるクロスセル
バンドル販売とは、関連する複数の製品・サービスをセットにし、単品で購入するよりもお得な価格で提供する販売手法を指す。
顧客に複数の商材を一度に購入させるため、相対的に売上のボリュームが大きくなる点が特徴となる。
たとえば、Web会議システムの販売時にカメラとスピーカー、ヘッドセットなど周辺機器をセット販売するケースだ。
通常、別々に購入する必需品をあらかじめ組み合わせて販売すれば、顧客自身の利便性も高まるうえに、顧客単価は大きくなる。
ただし、バンドル販売によるクロスセルでは、セット商品が顧客にとって価値あるものでなければならない点に注意しよう。
手法6.関連商品のレコメンドによるクロスセル
顧客が示す関心を最適なタイミングでキャッチし、それをもとに関連性のある別の製品・サービスをレコメンドする戦略も有効だ。
たとえば、法人向けクラウド会計を提供するベンダーでは、特定の財務会計システムを検討中の顧客に対して、人事労務システムをおすすめする手法がよく行われる。
また、基本プランに追加するオプション機能をレコメンドする手法もよく使われている。
このように、購買意欲の高いタイミングで関連性のある商品をおすすめすれば、顧客の追加購入の機会が生まれ、顧客単価の引き上げにつながるのだ。
手法7.製品保証やカスタマイズ製品によるクロスセル
主たる製品・サービスを補完する製品や保証を提供し、顧客単価を上げる手法もよく用いられている。
たとえば、法人向けPCやタブレットを購入する顧客に対して、画面保護シートや収納用クッションバッグ、長期追加保証を提案するケースだ。
これらの補完機能は、主たる製品・サービスを購入した顧客の「より長く安全に使用したい」というニーズを満たした結果、追加購入が成立する。
手法8.サブスクリプション化によるクロスセル
近年ではBtoC、BtoB問わず、サブスクリプション型サービスが拡大している。
従来買い切り型の製品やサービスをサブスクリプション化すれば、顧客と長期的な関係構築のベースを作れる。
そして、安心して使える最新の機能を常時提供すれば、信頼関係が醸成されていく。その結果、ロイヤルティが向上し、LTVの最大化を実現できるのだ。
また、長期にわたる信頼関係は、新たな顧客課題が発生した際の相談先としての第一想起獲得につながる。
さらに、サブスクリプションによる長期契約は、顧客側の状況変化に応じた機能アップグレードやライセンス追加など、企業の成長・拡大に応じたアップセルやクロスセルを行いやすいため、おすすめだ。
4.アップセル・クロスセルの注意点
アップセルとクロスセルは顧客単価向上というメリットがある反面、いわば大事な既存顧客から追加の料金を受け取る施策なので、慎重に行わなければならない。
押さえておくべき3つの注意点を確認しておこう。
- 押し売りを避ける
- アフターフォローを怠らない
- すべての顧客に有効とは限らない
それぞれ解説する。
注意点1.押し売りを避ける
過度なアプローチは不快感を与える。
これは顧客の立場を考えればすぐにわかる。
顧客のニーズに合った提案を慎重に検討し、その価値を真剣に伝える姿勢が求められる。
たとえ一時的にアップセル・クロスセルが成功しても、押し売りの印象を残してしまえば、その後の信頼関係の回復は難しく、早期解約につながるおそれもあるだろう。
「顧客単価」という定量的な成果も重要だが、顧客との関係を強く深く構築するという意識を、忘れてはならない。
注意点2.アフターフォローを怠らない
アップセルやクロスセルが成功した後も、顧客の状況や満足度を確認しながらフォローを続けられる体制の構築が必要だ。
万が一、アップセルやクロスセルで販売したサービスに関するフォローがなければ、顧客が最大限にベネフィットを感じられず、サービスや企業への満足度が低下するおそれもある。
提案だけしておいて、そのあとはほったらかしは禁物だ。
追加購入したサービスは短期間で解約となり、LTVに与える効果が一時的にならないよう「常に顧客を見る」ことを忘れないでおこう。
注意点3.すべての顧客に有効とは限らない
アップセルやクロスセルは、すべての顧客に対して有効であるとは限らない。
なぜなら、特にBtoBの場合、顧客の購買意思決定にはさまざまな制約や条件が存在するからだ。
たとえば、以下のような制約がある既存企業をアップセル・クロスセルの対象とする場合、その有効性を慎重に検討すべきだろう。
- 厳格な予算管理
BtoBの場合、一般的に年度単位で予算が厳密に計画されているケースが多く、予算外の購買決定が困難。 - 購買決定プロセス
BtoCと比較してBtoBは購買決定までの関与者が多く、選定プロセスも複雑になる。 - 製品ライフサイクル
導入中の製品・サービスのライフサイクルが長ければ長いほど買い替え需要は少ない。 - 信頼関係の成熟度
顧客企業との信頼関係が薄い場合、アップセル・クロスセルのハードルは高くなる。
5.アップセル・クロスセルを成功させるためのポイント
では、アップセル・クロスセルの成功率を上げるには、どうすればよいのだろうか。
そのポイントを詳しく見ていこう。
- 顧客視点での提案設計
- 訴求タイミングの最適化
- ナーチャリング施策の併用
5.1.顧客視点での提案設計
アップセルやクロスセルにおいて、顧客が導入効果をイメージできない提案や、単にお得感を出すだけの提案は不十分だ。
なぜなら、顧客は自身にとっての「ベネフィット」を感じてから、意思決定に進むためである。
では顧客の「ベネフィット」を理解するにはどうすればよいのかというと、顧客が何に悩み、何を求めているかという「ニーズ」を理解しなければならない。
正しいニーズの理解に役立つのは、既存顧客に対するカスタマージャーニー分析をはじめ、過去の商談記録や購買履歴、現在の利用状況など、顧客行動の多角的な分析だ。
これには、定期的な顧客とのコミュニケーションに加えて、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援ツール)などのツールに蓄積されたデータの活用が重要となる。
これらの顧客分析を通じて、顧客に対してよりパーソナライズされた提案が可能となれば、アップセル・クロスセルの成功確率はより高まる。
5.2.訴求するタイミングの最適化
BtoB企業では「企業」にとって適切なタイミングでの提案が重要だ。
BtoBでは意思決定プロセスが複雑であったり、予算管理が厳格に行われていたりするため、単なる担当者や経営者の感情でアップセルやクロスセルを受けられない。
まだサービスの活用が企業に定着していなかったり、効果が十分に把握できていなかったりする段階での提案はおすすめしない。
特にアップセルでは、顧客が購買決定した直後や商品選択中、あるいは導入後の満足度が十分高まった状態が、より効果的な提案タイミングといえる。
各顧客の購買サイクルに適した提案を行うために、最新のBANT情報の入手も重要だ。
5.3.ナーチャリング施策の併用
アップセルとクロスセルには顧客との長期的な関係構築が重要であることは既に述べた。
この関係性構築のために有効なのが、売り手からの積極的な情報発信によるナーチャリング活動だ。
ナーチャリング手法の代表例が、オウンドメディアによる記事コンテンツ配信やメールマガジンの発行だ。
特にBtoBの場合、信頼性や専門性、トレンド(税制改正など)のある情報が高い価値を持つ。
顧客企業にとって、旬で業務の役に立つ情報を継続的に提供すれば、信頼感は大きく膨らむだろう。
ナーチャリングを活用して、顧客と絶えずコミュニケーションを取り続けることが、アップセル・クロスセルのきっかけをつかむチャンスになりうるのだ。
なお、ナーチャリングやオウンドメディアのメリットに関する詳しい解説は、以下の記事を参考にしてほしい。
6.アップセル・クロスセルの具体例
最後に、アップセルやクロスセルの成功事例を紹介する。
こちらを参考に、より具体的なイメージにつなげよう。
具体例1.Salesforce
顧客管理ツール(CRM)のリーディングカンパニーであるSalesforceは、法人向けに複数のクラウドソリューションを展開している。営業支援やマーケティングオートメーション、カスタマーサポート、データ分析など、幅広い業務分野をカバーしているのが特徴だ。
同社は以下のようなアップセル・クロスセル戦略を展開しながら事業を拡大している。
アップセル戦略 | クロスセル戦略 |
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出典:Salesforceってなんの会社?|Salesforceブログ:https://www.salesforce.com/jp/blog/what-does-salesforce-do/
具体例2.Zoom
Zoomは個人や小規模グループ向けのビデオ会議ツールとしてスタートした後、リモートワークの拡大の波に乗って急速に需要が増加し、現在ではBtoBビジネスにおいても普及拡大している。
同社は以下のようなアップセル・クロスセル戦略を展開しながら事業を拡大している。
アップセル戦略 | クロスセル戦略 |
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出典:
Plans & Pricing for Zoom Workplace|Zoom:https://zoom.us/ja/pricing
日本市場を開拓するためのパートナー戦略。パートナーが実現するカスタマーサクセスとは【前編】|ZVC JAPAN株式会社|Alliance Hack:
https://partnersuccess.jp/media/partnersuccess_zoomjapan_1?fbclid=IwAR3ShHca82gC2vIq_5c3Kofxitx8av0mg5ixIMfUIK1nIefCI3I8ONBLuEM
具体例3.Sansan
Sansanは2007年に設立された日本を代表するSaaS企業のひとつだ。おもに法人向けの名刺管理サービスを提供しており、名刺をデジタル化し企業全体で共有・活用して営業効率を向上させるソリューションを提供する。
同社は以下のようなアップセル・クロスセル戦略を展開しながら事業を拡大している。
アップセル戦略 | クロスセル戦略 |
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出典:
Sansan無料トライアル|Sansan:https://pro.form-mailer.jp/lp/fc916f35115589
教えて!Sansan式【インサイドセールス】の仕組み ~既存顧客編~:https://note.com/33_insidesales/n/n67d89e332af4
特長・機能|Contract One:https://contract-one.com/functions/
7.まとめ
本記事では顧客単価やLTV(顧客生涯価値)を向上させるアップセル・クロスセルの定義と重要性、具体的な手法、ポイントを解説してきた。
特にIT・SaaS企業ではアップセル・クロスセル施策が売上拡大や顧客満足向上に直結しする。
一方で顧客にとって価値のない小手先の提案は、信頼を損ない、逆にLTVを減少させる原因ともなりえるため注意が必要だ。
本記事で紹介した具体的な手法と注意点を参考に、持続的なビジネスの成長戦略としてアップセル・クロスセルに取り組んでほしい。