オウンドメディアの【実際の】メリットとは?デメリットやおすすめの運用方法も解説

オウンドメディアの一般的なメリットとして「ブランディング」や「ロイヤルティの向上」が挙げられる。

一方で、以下のようなお悩みを持つ担当者も少なくない。

「メリットが抽象的で社内の稟議が下りない」
「ブランディングの向上を体感しにくい」
「なかなかPVが伸びない」

オウンドメディアはコンテンツマーケティングの主要チャネルであり、ある程度の時間と投資が必要だ

ただし、ビジネスではリソースもコストも限られている。

予算の稟議を通すには「体感しやすく、かつ現実的なメリット」の提示が必要だろう。

また、リスクの可視化と回避のために、デメリットも具体的に把握しておきたいところだ。

そこでこの記事では、BtoBにおけるオウンドメディアの「実際のところ」メリットとデメリットや効率的な運用方法を解説する。

ホワイトペーパー制作サービス

記事制作代行サービス

1.オウンドメディアとは何か?

オウンドメディアとは、企業が自ら保有し、自由に情報を発信・運営できるメディアのことだ。

一般的なWebサイト形式のものが多いが、ブログ形式のメディアでも企業が保有していればオウンドメディアと呼ぶ。

コーポレートサイトとは異なり、専門性の高いコンテンツやインタビュー記事などを掲載することが多い。

1-1.オウンドメディアは「PESOモデル」のひとつ

オウンドメディアは、「PESO」と呼ばれる4つのメディアのひとつだ。

  • Paid Media(ペイドメディア)
    広告費を支払って露出を得るメディア。
    例:リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など。
  • Earned Media(アーンドメディア)
    第三者による紹介や口コミ、報道などで得られるメディア。
    例:プレスリリース掲載、レビューサイト、自然発生的なSNSでの言及。
  • Shared Media(シェアードメディア)
    SNSなどでコンテンツがユーザー間で共有されるメディア。
    例:X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTubeなどの拡散。
  • Owned Media(オウンドメディア)
    自社が保有・管理するメディア。
    例:企業の公式Webサイト、ブログ、オウンドの情報サイトなど。

オウンドメディアは、検索流入をベースとしながら、時間をかけて見込み客を自社に引き付けていく。

他の3つのメディアとの違いは、端的に言えば「自由度の高さ」「コントロールのしさすさ」だ。

自社の強みや専門性を明確に伝えつつ、継続的に情報を提供できる点がオウンドメディアの特徴だ。

ちなみにPESOモデルについては、こちらの記事でも解説しているため参考にして欲しい。

PESOモデルとは?各メディアの役割、活用法、トリプルメディアとの違いを解説

1-2.オウンドメディアの種類

オウンドメディアにはいくつかの種類がある。

たとえば、ブランドイメージを伝えるブランディング型メディア、自社の製品・サービスに関心を向けさせる商品訴求型コンテンツ、業界の課題や解決策を深掘りする専門情報型サイトなどが代表的だ。

いずれのタイプでも、「この企業から情報をもらう価値がある」と感じてもらうことを目的とする。

近年はSNSやYouTubeなど、ほかのチャネルと組み合わせるタイプのオウンドメディアも増えている。

2.オウンドメディアのメリット

まず、オウンドメディアのメリットを理解しておこう。

オウンドメディアのメリットは、主に以下7つだ。

  • リード獲得コストの低減
  • 購買から遠い「潜在見込み客」にアプローチできる
  • 売上への貢献
  • ブランディング
  • ナーチャリングコストの低減と自動化
  • SNSなど他のチャネルからの流入をリード化できる
  • ナレッジを社内教育に活用できる

順に詳しく見ていこう。

メリット1.リード獲得コストの低減

オウンドメディアは、広告のようにクリックやインプレッションごとに課金されない。

また、掲載費用も必要ないため、長期的に見るとリード獲得の費用対効果が高いと言える。

一度作成したコンテンツは資産として残り、検索エンジンやSNS経由で長い間リードを獲得し続ける。

これ以外にも、以下のような理由から費用対効果が高いと言える。

  • コンテンツを営業資料やセミナー資料として転用可能
  • 特定テーマでの継続的な発信により、検討段階が深いユーザーを獲得しやすく、CVR(コンバージョンレート)が高い
  • ABM(アカウントベースドマーケティング)やMAツールと組み合わせることで、獲得したリードの活用効率が向上する

もちろん、初期段階ではコンテンツ制作の手間やSEOの準備が必要だ。

しかしリスティング広告などに比べても中長期的な費用対効果は高く、継続すればするほどCPA(顧客獲得単価)は下がっていく。

「質の高い見込み客を、安定的かつ低コストで集める仕組み」であり、BtoBの特性(検討期間が長く、リード単価が高い)と親和性が高いと言える。

メリット2.購買から遠い「潜在見込み客」にアプローチできる

意外と知られていないオウンドメディアのメリットとして「購入意欲が低い顧客に対してアプローチできる」という点が挙げられる。

一般的なマーケティング施策では、購買意欲が高い見込み客、つまり顕在層や明確層に対するアプローチが中心だ。

これはWebマーケティングでも同様で、「すでに動いている見込み客」を対象にする。

しかしオウンドメディアは、「今は動く気配がないが、これから購買行動を起こす可能性がある見込み客」に広くリーチできる。

見込み客は大きく「いますぐ客」「おなやみ客」「そのうち客」「まだまだ客」の4つに分類される。

ペイドメディアやSEOのビッグキーワードを用いた施策は、主に前者3つに焦点を当てている。

  • いますぐ客(必要性、欲求ともに高い状態で購入に近い)
  • おなやみ客(必要性の割には欲求が低い)
  • そのうち客(魅力を感じていて欲求はあるが、必要性が低い)
  • まだまだ客(必要性も欲求も著しく低い、もしくは気づいていない)

オウンドメディアのメリット:見込み客分類

しかし「いますぐ客」、つまりすでに動いている見込み客は、市場全体の1%に過ぎない

また、次に購入確度が高いおやなみ客・そのうち客を含めても、一般的には市場全体の20%程度に過ぎない。

つまり、オウンドメディア以外の施策は、「市場全体の20%に向けてリソースを集中し、競争する」ものだ。

特に「いますぐ客」は広告の効果が出やすいことも相まって、非常に競争が激しい

SEO的に見ても、いますぐ客が連想する検索キーワードは軒並みレッドオーシャン化しやすく、攻略難易度が高いものとなっている。

一方、市場の80%を占める「まだまだ客」へのアプローチはどうだろうか。

この領域の見込み客は「潜在見込客」ともよばれ、最も意思決定から遠い層である。

それだけに、広告やビッグキーワード主体のSEOでは対象にされにくい層でもあった。

しかし「まだまだ客」を少しずつ切り崩し、徐々に購入へと誘うことができれば、継続的な成果につながる。

市場の8割を占める「まだまだ客」へのアプローチとリード化、ナーチャリングにおいてオウンドメディアは非常に有用なのだ。

オウンドメディアのメリット:まだまだ客へのアプローチ

具体的には、ロングテールキーワードを意識した高品質なコンテンツの制作と、ペルソナとジャーニーに沿った計画的なコンテンツの配信によって、「まだまだ客」に届きやすいコンテンツが出来上がる。

取引額が大きくリピート率が高いBtoBでは、年に1~2社程度の新規受注があるだけで、十分な成果につながる。

まだまだ客から「じっくりと確実にリードを切り取る」ことを意識したほうが、長期的な成果に結びつきやすい。

逆に、成果がすぐに欲しい場合、オウンドメディアで「いますぐ客」を獲得することはむずかしい。

広告などのペイドメディアを活用して、「いますぐ客」獲得の競争に勝つ必要があるだろう。

ペルソナ設計については、こちらの記事も参考にして欲しい。

BtoBマーケで必須のペルソナ設定|BtoCとの違い、設定・活用方法を徹底解説

メリット3.長期的に売上へ貢献する

オウンドメディアのメリットは「売上」の面でも確認できる。

ただし注意したいのは、「オウンドメディア自体で収益をあげる」方法ではないという点だ。

BtoBのオウンドメディアでは、「受注への貢献」という形を目指す。

オウンドメディアは、通常の案件受注とは異なるルートで売上を発生させることができる。

つまり、インターネットからのリード獲得、コンテンツでのナーチャリングを経て、問い合わせや商談につなげるのだ。

また、インサイドセールスやフィールドセールスに渡したリードが、どの程度受注につながっているかを定期的に確認することも忘れないようにしたい。

さらに投資対効果の推計と確認にも取り組むべきだろう。

例えば、下記のように3年分の投資対効果を推測し予実管理に活用するなど、常に定量化を続けることが大切だ。

月額課金型のソリューションにおけるオウンドメディア投資対効果

  • 商材:インフラ運用管理ツール
  • 有効商談率:40%
  • 受注率:35%
  • 受注単価平均:月額10万円
  • PV目標(月間):1年目5万、2年目8万、3年目12万

売上目標(月間)

  • 問い合わせ数=PV目標×CVR(1%)
  • 有効商談数=問い合わせ数×有効商談率
  • 受注数=有効商談数×受注率
  • 売上目標=受注数×受注単価

※解約率は考慮せず

期間 1年目 2年目 3年目
累計公開記事数 180 360 540
PV数(月間/年間) 5万/60万 8万/96万 12万/144万
問い合わせ数 50 80 120
有効商談数 20 32 48
新規受注数 7 11 17
売上目標(月間) 70万円 180万円
(前年+110万円)
350万円
(前年+170万円)
売上目標(年間) 840万円 2160万円 4200万円

オウンドメディアの投資対効果については、下記の記事も参考にしてみてほしい。

オウンドメディアのマネタイズ方法とは?マネタイズ計画の立て方や代表的なシナリオを解説

メリット4.ブランディングの向上が見込める

オウンドメディアが持つ3つ目のメリットとしては、「ブランディングの向上」が上げられる。

ブランディングはBtoCで重視されるが、BtoBでも無視できない要素だ。

特に、製品力で差が付きにくいニッチな分野では、ブランディングが受注の決定打になることもある。

ここでいうブランディングとは「自社の価値がしっかり見込み客に浸透していること」と言えるだろう。

製品自体に大きな差がない状態であっても、自社の考え方や保有するノウハウの多さ、実績などがしっかりと見込み客に伝われば、ブランディングは成立する

特にコモディティ化した現代では、独自性のある情報発信や顧客フォローが受注の決定打となることも少なくない。

コモディティ化とは?原因やコンテンツマーケティングによる対策を解説

具体的には、オウンドメディアにおいて、よりニーズが濃いロングテールキーワードをフォローし、専門性の高い記事を量産していくことから始めたい。

ロングテールキーワードは「実務に携わる人間」がチェックすることから、コンテンツが積みあがるごとに実務担当者へのブランディング効果が高まっていく。

担当者から上長レベルへの提案が続けば、いずれは企業としての態度が変容する。

こうして徐々にではあるが、確実にブランディング効果が現れるわけだ。

メリット5.ナーチャリングコストの低減と自動化

近年のマーケティングは、単一の施策のみでは成立しない。

SEOや広告、セミナーを含め、複数の施策の集合体である。

したがって、さまざまな経路から得たリードを常にナーチャリングし続ける必要がある。

このナーチャリングに要するコストは無視できないほど大きいものだ。

特にBtoBでは販売サイクルが長く、受注のためには定期的・長期的なナーチャリングが必須である。

ナーチャリングのためには、深く精密な情報を定期的に発信する必要があるが、そのためのリソースを捻出し続けるのは容易ではない。

例えばメルマガ配信でナーチャリングを実施する場合、マーケティング担当者は月間で数十時間を執筆に費やすこともある。

一方で、あらかじめオウンドメディアにさまざまなコンテンツを用意しておき、随時誘導するようにしておけば、ナーチャリングは半ば自動化される。

この方法は獲得済みリードや既存顧客に対しても有効で、汎用性が高い。

ナーチャリングについては下記記事も参照してほしい。

リードナーチャリングとは?意味や施策、手順、メールの活用方法をまとめて解説

メリット6:SNSなど他のチャネルからの流入をリード化できる

オウンドメディアは、SNSなど他のチャネルからの流入をリードに転換することもできる。

近年はBtoB領域でも、FacebookやInstagram、YouTubeなどを活用した情報発信が一般的になっている。

オウンドメディアは、これら外部のチャネルから自社ブログやWebサイトへ誘導し、リード獲得につなげる導線を構築できる。

SNS上の投稿は情報の拡散性に優れる一方で、継続的な情報の蓄積やコンバージョンには向かない。

しかしオウンドメディアを活用すれば、SNSで獲得したフォロワーを自社のコンテンツへと流入させ、フォーム送信や資料ダウンロードといったアクションに結びつけることが可能だ。

たとえば、YouTubeに掲載した動画の概要欄から、関連する専門記事へ誘導する。

あるいは、FacebookやInstagramの投稿から、特集ページやダウンロードコンテンツに直接リンクを貼ることで、SNS上の接触をリードへとつなげる。

このように、SNSとオウンドメディアを連携させれば、チャネルごとの役割分担が明確になる。

SNSは認知拡大やブランドイメージの形成を担い、オウンドメディアは情報の深堀りとリード化の拠点として機能する。

BtoBにおいては即時性よりも継続的な関係性の構築が重要であり、SNSからの流入を受け止めて育成するオウンドメディアの存在は不可欠だ。

メリット7.ナレッジを社内教育に活用できる

オウンドメディアに蓄積されたコンテンツは、外部に向けた情報発信だけでなく、社内教育の教材としても活用できる。

BtoB企業においては、専門的な知識や業界の最新動向など、社内外で共有すべきナレッジが多く存在する。

オウンドメディア上のコンテンツは、営業やカスタマーサクセス、マーケティング部門など、各部門の教育コンテンツとして再利用が可能だ。

たとえば、新規採用者や若手社員のオンボーディングにおいて、自社が発信する業界知識やソリューションの基本的な内容を体系的に学べる場として活用できる。

実際の顧客向けに書かれたコンテンツは、実務に即した課題や解決事例が含まれており、自社事業に対する理解が深まるだろう。

また、定期的に更新されているメディアであれば、業界トレンドや新しい施策の共有にも使える。

さらに、Webサイト上で「インタビュー記事」や「社内の成功事例」として外部発信することも可能だ。

このように、オウンドメディアは情報発信の場であると同時に、社内のナレッジ共有と教育基盤としても優れた役割を果たす。

3.オウンドメディアのデメリット

オウンドメディアには、さまざまなメリットがある反面、デメリットもある。

デメリットは主に「時間」と「コスト」に関するものだ。

  • ゼロからの集客に時間が掛かる
  • コンテンツの作成にノウハウが必要
  • 運用コストが高い
  • 質の低いコンテンツは逆効果

具体的にみていこう。

デメリット1.ゼロからの集客に時間が掛かる

オウンドメディアを集客目的で運用する場合は、効果が出るまでに長い時間を要する。

特にBtoBの場合はBtoCのようにビッグワードでの集客が難しい。

狙ったキーワードで上位表示させるためには、最低でも半年~1年程度を要する。

その間、PVが思うように上がらない場合が多い。

一方で、既に多くのリードを保有している企業であれば、この点は無視できる。

オウンドメディアを作りこみつつ、獲得済みリードを流し込んでいけば、自然とナーチャリングが進むからだ。

メリットでも述べたように、オウンドメディアはナーチャリングチャネルとして優秀であり、実はリード獲得よりも即効性が高い。

したがって、ゼロベースでの集客を目的とするよりも、ナーチャリングを目的としたほうが成果に結びつきやすい場合もある。

デメリット2.コンテンツの作成にノウハウが必要

オウンドメディアで成果を挙げるには「記事コンテンツ」や「ホワイトペーパー」を、継続的に積み上げていく必要がある。

ただし、BtoBの場合は情報粒度が荒く、浅いコンテンツは敬遠される傾向にある。

SEOを考慮することでPVは向上するのだが、PV=成果ではないことはご存じの通りだ。

BtoBのオウンドメディアは、売上(受注)への貢献が求められるため、リード獲得数やセールスに渡したあとの受注率、最終的な売上の金額などが指標となる。

こうした成果に結びつくためには、実務経験や専門的なノウハウなどをベースにしつつ、ペルソナに沿ったコンテンツが求められる。

また、複数のコンテンツをどう結び付け、配置するかの計画(ジャーニー、コンテンツマップ)の作成も必須だ。

こうした事前準備の質が低いために、成果がでていないケースも少なくない。

デメリット3.運営コストが高い

3つ目のデメリットは運用コストだ。

具体的には、イニシャルとして「サイト構築運用」が必要なことはもちろん、「コンテンツ制作費用」や「アップロード、更新などの運営費用」も必要だ。

とくに後者は毎月の人件費が重荷になりがちだ。

ちなみに、オウンドメディアにコンテンツを追加する場合、月2~3本程度では効果が得られず、コンテンツスパムに埋もれるリスクがある。

逆に、毎月一定量(最低5~10本)のコンテンツをアップすることで効果がでやすくなることも確認されている。

ただし、コンテンツの本数と比例してコストも嵩む。

以下は、3000文字程度の記事を継続的に制作・公開していく場合に必要なコストのモデルだ。

フェーズ 内容 月額費用目安 年間費用目安
施策開始フェーズ 月6〜7本の記事制作 約40万円 約480万円
拡張フェーズ 月8〜10本+簡易ディレクション 約80〜100万円 約960〜1,200万円
本格運用フェーズ 月15本以上+ディレクション 約120万円 約1,440万円

戦略立案やディレクションはマーケティング部門で担える場合もあるが、エンジニアが開発業務を行いながら毎月複数のコンテンツを制作することは現実的ではない。

そもそも業務稼働が高いため、制作に割ける時間がない。

そのため、多くのIT企業ではコンテンツ制作を外注しているのが実情だ。

デメリット4.質の低いコンテンツは逆効果

4つ目のデメリットは、「質の低いコンテンツによる悪影響がでやすい」ことだ。

オウンドメディアはコンテンツマーケティングの中にあるが、近年はSEOの要素が欠かせないものとなっている。

つまり「コンテンツSEO」を意識しながらコンテンツを制作する必要がある

一方で、SEO的な側面、つまり「露出とPV集め」だけに注力すると、長期的にメディアの信頼性が低下するというリスクがある。

検索上位に表示したいだけであれば、検索キーワードと上位記事の見出しを模倣するだけでもある程度のコンテンツはできてしまう。

実際に多少なりとも成果(この場合はPV)が上がるだろう。

一方で、そう遠くない未来に「直帰率の上昇」が起こり、コンバージョンしにくいという状況が生み出される

PVを稼ぐためには検索結果の中で人目に付きやすい場所に表示されなくてはならい。

しかし、本当に情報を探している人に刺さるのは「潜在ニーズを満たしたコンテンツ」なのだ。

潜在ニーズを満たす質の高いコンテンツは、直帰率が低く、コンバージョンを促す可能性が高い。

質の高いコンテンツについては、下記の記事でも解説しているため、参考にしてみてほしい。

コンテンツマーケティングとSEOの違いとは?活用法まで徹底解説

オウンドメディアのメリットデメリットは、まとめると以下となる。

メリット デメリット
  • リード獲得コストを低減できる
  • 購買から遠い「潜在見込み客」にアプローチできる
  • 長期的に売上へに貢献する
  • ブランディングの向上
  • ナーチャリングコストの低減と自動化
  • SNSなど他のチャネルからの流入をリード化できる
  • ナレッジを社内教育に活用できる
  • ゼロからの集客に時間がかかる
  • コンテンツの作成にノウハウが必要
  • 運営コストが高い
  • PV重視の低品質なコンテンツによる信頼性の低下

4.内製か外注か?オウンドメディア運営のポイント

オウンドメディアの構築・運用を内製で賄うか外注するかで悩む企業は少なくない。

この点について弊社は「オウンドメディア運営の経験がない場合は、一度は外注化してノウハウを得るべき」という立場をとっている。

なぜなら、運営自体に複数のノウハウが必要だからだ。

これまで述べてきたようなオウンドメディアのメリットを享受するには、最低でも下記のような知識が必要だ。

知識 具体的な内容
SEOの知識、経験
  • キーワード選定のノウハウ
  • SEOのトレンドや最新事例を踏まえた外部、内部施策
  • 継続的なコンテンツのブラッシュアップによって上位表示を達成した経験
専門的コンテンツの制作に関するノウハウ
  • SEOを満たしつつ、専門性が高いコンテンツの制作スキル
  • ライティング、編集を一貫して行う制作体制
  • 業界の知識に精通したライターの確保
ペルソナ、ジャーニー設計の知識
  • 精度の高いペルソナ
  • カスタマージャーニーの設計ノウハウ
  • サーチジャーニーの設計ノウハウ
リッチコンテンツの制作経験
  • 導入事例やインタビュー記事など、コンバージョンを促すコンテンツの制作経験
外部チャネルと連携戦略立案のノウハウ
  • SNSやメールなど外部チャネルとの連携に関するノウハウ
  • DMや展示会など、必要に応じてオフラインの施策との連携させるためのノウハウ

高品質なコンテンツの制作自体は、内製でも十分に可能だ。

ただし、継続的に、かつ戦略的にメディア内の情報を充実させていくには、最低でも1年以上の取り組みが必須となる。

その間のリソースを確保する労力や、高品質なコンテンツを作り続けるためのノウハウは、外注化によって得るほうが早いだろう。

また、BtoBのオウンドメディアは、本業の売上への貢献が目的であり、本業のリソースを削ると本末転倒の結果になりかねない

以上のことから、まずは外注によってリソースを確保し、徐々に内製にシフトしていくという方法もおすすめである。

5.まとめ

ここでは、オウンドメディアのメリットとデメリットを、より現実的な視点で解説した。

BtoBのオウンドメディアは、ニッチで専門的な情報を戦略的に提供していかなくてはならない。

うまく機能すれば広告でアプローチできなかった顧客との出会いが生まれる。

「広告よりも長く安定してリードを獲得できた」という成功事例が生まれれば、周囲の理解も得られやすいだろう。

ただし、ノウハウやリソースの問題が生じがちなことも事実である。

メリットをしっかりと享受するために、まずは外部企業の支援を受けることも検討してみてほしい。

アイティベルのオウンドメディア構築・運用支援はこちら>>
アイティベルの記事制作支援はこちら>>

ホワイトペーパー制作サービス

記事制作代行サービス

監修者情報

野崎 晋平(btobマーケティングコンサルタント)

SIerにてERPの開発・導入を経験後、東証プライム上場企業の情報システム部門にてIT企画や全社プロジェクトを推進。情シス向けに個人で立ち上げたオウンドメディアは月間10万PVを達成。現在は、ITとマーケティングの知見を組み合わせて、IT企業向けにBtoBマーケティング支援を手がけている。

関連記事