クロスメディアマーケティングとは?メリットや進め方、実際の成功事例を解説!

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「クロスメディアマーケティング」とは、複数のメディアを戦略的に組み合わせて行うマーケティング手法だ。

インターネットやSNSの発展によりメディアが多様化した現代では、購買行動において消費者がふれるメディアは多岐にわたる。

現代の市場を生き抜くためには、1つ、2つのメディアに頼るのではなく、あらゆるメディア(オウンドメディア、SNS、Web広告、テレビCMなど)の特性を活かしたクロスメディアマーケティングに取り組むことが必須だろう。

一方で、

「クロスメディアマーケティングの手法を詳しく知りたい」

「どのようなメリットがあるのか知りたい」

「どのメディアをどう活用すればよいかわからない」

という声もある。

そこで本記事では、クロスメディアマーケティングの基本的な考え方から、実践のポイント、成功事例までを詳しく解説する。

 

1.クロスメディアマーケティングとは

 

まずは、クロスメディアマーケティングの概要と重要性について解説する。

 

1.1.クロスメディアマーケティングの概要

 

クロスメディアマーケティングとは、複数のメディアを組み合わせて行うマーケティング手法だ。

利用するメディアは、オウンドメディアやテレビCM、SNSなど多岐にわたる。

クロスメディアマーケティングでは、それぞれのメディアがもつ特性を活かして弱点を補いつつ、相乗効果も期待できるため、単一メディアでの戦略よりも大きな成果につながるだろう。

例えば、SNS広告でWebサイトへ誘導したあと、Webサイトでの行動をもとにリターゲティング広告で追跡し、メルマガでは顧客の行動や興味に応じたコンテンツを提供する。

このような形で、認知〜購入に至るまでのシームレスな顧客体験を提供でき、顧客の満足度やエンゲージメントを高められるのだ。

 

1.2.クロスメディアマーケティングを実践する5つのメリット

 

クロスメディアマーケティングを実践するメリットは以下の5つだ。

  1. 広範囲なリーチとエンゲージメントの強化
  2. ブランディングの強化
  3. 複数メディアの再利用によるコスト削減
  4. データ統合による分析の質向上
  5. 顧客からの信頼性向上

 

メリット①:広範囲なリーチとエンゲージメントの強化

 

クロスメディアマーケティングを実践することで、複数のメディアを通じて広範囲のユーザーへリーチ(※)でき、そのうえでエンゲージメント(※)の強化が可能となる。


リーチ:メディアを見たユニークユーザーの数。どの程度どのくらいのユーザーにそのメディアが届いたかを表す。

エンゲージメント:メディアに対するユーザーの反応率。メディアに対するユーザーの興味や関心の度合いを表す。

 

クロスメディアマーケティングで用いる各メディアのユーザー層には違いがある。

そのため、自社サービスのターゲットやコンテンツとの親和性が高いメディアを活用すれば、効率良くリーチとエンゲージメントを増やせるのだ。

反対に、特定のメディアのみを活用した場合、以下2つのリスクがある。

  • 活用するメディアのミスマッチにより、意図したリードを取れない
  • メディア数が限られ、リードの数が枯渇する

特に、SNS広告で一時的にリードを獲得していたものの、次第にパフォーマンスが出なくなり、ようやくオウンドメディアや他メディアの活用を始めるケースは多い。

まずは1つのメディアでの成果を高めることが重要だが、中長期的に成果を上げるためには、複数のメディアを通じてリーチを広げていく計画が必要だ。

 

メリット②:ブランディングの強化

 

クロスメディアを活用して一貫したメッセージやビジュアルを繰り返し、かつ多角的に発信することで、ユーザーはブランドを認知して興味を抱く機会が増え、信頼感や親近感が高まる。

適切なメディアを選択したうえでの訴求により、ブランディングのさらなる強化につながるのだ。

ブランディングが強化されてユーザーの心に強く残れば、ブランドを想起してもらえる可能性が高まり、激化する市場競争のなかでも競合優位性を確立できるだろう。

 

メリット③:複数メディアの再利用によるコスト軽減

 

クロスメディアマーケティングでは、複数のメディアで同じコンテンツを再利用することで、企画や制作にかかるコストを軽減できる。

例えば、Webサイト用に制作したホワイトペーパーの内容をメルマガで活用したり、展示会での配布資料として印刷したりすることが可能だ。

また、ターゲティングや運用方法などを工夫し、戦略的なクロスメディアマーケティングを行えば、得られる効果は制作コストを大きく上回り、ROI(投資対効果)の向上につながるだろう。

 

メリット④:データ統合による分析の質向上

 

クロスメディアマーケティングにより、各メディアから得られるデータを統合できるため、リードや顧客分析の質が向上する。

複数のメディアから収集したデータを組み合わせることで、顧客の行動や嗜好をより深く理解できるからだ。

具体的には、Webサイトの閲覧履歴、広告への反応、メールマガジンの開封率、アンケート結果などが挙げられる。

さらに、この分析結果をもとに施策をパーソナライズすれば、顧客体験の最適化やエンゲージメントの強化、それによる競合との差別化にもつながるだろう。

 

メリット⑤:顧客からの信頼性向上

 

複数のメディアを通じて、顧客とのコミュニケーションを深めることで、信頼感が醸成される。

具体的には、Webサイトやメールマガジンで専門的な情報を提供して、展示会では顧客との直接的な対話を確保し、ときにはウェビナーで課題解決策を提案するなど、コミュケーションの量と質をどちらも確保できる。

顧客からの信頼を獲得することは、長期的な関係構築と収益の向上の基盤となるため非常に重要だ。

 

1.3.クロスメディアマーケティングの重要性

 

クロスメディアマーケティングが重要視される背景には、メディアの多様化とユーザー行動の変化がある。

インターネットの普及によって、消費者は自ら情報収集と比較検討を行い、購入までにSNSやWebサイト、展示会、オフラインイベントなどあらゆるタッチポイントを経るようになった。

こうした状況下で、単一のメディアだけで十分な効果を得ることは困難だ。

特に、弊社が支援を行っているIT企業においては、多くの企業でDXや業務システムの導入が進んでおり、市場競争が激化している。

多様化する顧客のニーズに応え、価値提供を行っていくためには、クロスマーケティングの取り組みが不可欠といえるだろう。

クロスメディアマーケティングを行った場合と、そうでない場合を比較すると、以下のような違いがみられる。

クロスメディアマーケティングを行った場合 クロスメディアマーケティングを行わない場合
リーチの広さ 複数のメディアを組み合わせることで、より多くの潜在顧客にリーチできる。 特定のメディアに依存するため、リーチが限定的になる。
接触頻度 異なるメディアで繰り返しブランドにふれる機会を提供できるため、ブランド認知や好意度が向上する。 接触頻度が低くなるため、ブランドが記憶に残りにくい。
ターゲティングの精度 各メディアの特性を活かした使い分けにより、ターゲット層に適したアプローチが可能。 ターゲティングの選択肢が限られ、効率的なアプローチが難しい。
相乗効果の発揮 複数メディアの組み合わせによる相乗効果で、より強力なマーケティング効果を生み出せる。 メディア間の相乗効果は期待できない。
購買行動への影響 さまざまな接点を通じて購買行動につなげやすい。オンラインとオフライン同士の効果的な誘導も可能。 顧客行動における特定の時点でしか訴求ができず、購買への影響を与えにくい。
コストの最適化 メディア毎の特性を活かした予算配分により、コストを最適化できる。 単一メディアで効果が出なければ、コスト効率が悪くなる。

このように、クロスメディアマーケティングに取り組むことで、多様な顧客行動に対応し、自社サービスへの接触頻度やリーチ範囲を高められるなど、高いマーケティング効果が期待できるだろう。

一方で、実践するには戦略の立案やメディアの選択が必要であり、専門的なスキルや知見が求められる点に留意すべきだ。

具体的な戦略構築の手順については、後段の「クロスメディアマーケティング戦略を構築する7つの手順」で解説しているため、ぜひ読み進めてほしい。

 

2.クロスメディアマーケティングとメディアミックスの違い

 

クロスメディアマーケティングと似た概念として「メディアミックス」がある。

どちらもマルチメディアを活用するマーケティング施策だが、メディアミックスが「量」(リーチ)の拡大を重視するのに対し、クロスメディアマーケティングは「質」(エンゲージメント)の向上を重視している点で異なる。

クロスメディアマーケティングの目的は、ターゲットに複数のメディア間を移動させ、それぞれのメディアでメッセージを受けとってもらい、最終的に「問い合わせ」や「資料請求」などのコンバージョンへと誘導することだ。

一方で、メディアミックスは、単純に多くの(複数の)メディアを使用して認知度を拡大することを目的としている。

クロスメディアマーケティング メディアミックス
目的 各メディアでターゲットに対して異なる形でメッセージを届けることで、メディア間の弱点を補い合って相乗効果を生み出し、コンバージョンを最大化する 各メディアの特性を活かして、より多くのユーザーへ情報を届け、認知を拡大する
ターゲット 自社ブランドやサービスが狙う特定のターゲット層 広範なターゲットオーディエンス

どちらが良いか悪いかで判断するのではなく、ビジネスのフェーズやターゲットによって選ぶ必要がある。

新サービスや新プランのローンチ、広範なユーザーを対象としたキャンペーンなど、幅広いリーチで認知度を高めたい場合はメディアミックスの活用が有効だ。

ただし、現代のBtoBビジネスで重要とされている顧客との関係構築や顧客行動の最適化を目標とするのであれば、ターゲティングをしっかりと行い、メディア間の連携や相乗効果を期待してクロスマーケティングに取り組むべきだろう。

 

3.クロスメディアマーケティング戦略を構築する7つのステップ

 

デジタル技術の進化に伴い、新たなメディアや手法が登場するため、常に最新のトレンドを取り入れながら戦略をアップデートしていくことが大切だ。

本章では、クロスメディアマーケティング戦略を構築する手順を7つに分けて紹介する。

 

ステップ①:目標を設定する

 

クロスメディアマーケティング戦略を構築するうえでは、まず明確な目標を設定することが重要だ。

目標があると戦略の方向性が定まり、施策の優先順位も決まりやすくなる。

「新製品の認知度を50%まで引き上げる」「リードを月間100件獲得する」といった具体的な目標を設定していこう。

そして目標にもとづき、各メディアの役割分担やKPIを決定していく。

目標設定には、SMARTの原則を適用すると、実効性の高い目標を設定できる。

 

<SMARTの原則>

Specific:具体的 達成できたかが明確にわかる
Measurable:測定可能 目標の進捗や成功・失敗を測定できる
Achievable:達成可能 達成可能な目標にする
Relevant:関連性がある 個人と組織の目標を関連させる
Time-bound:期限がある 期限を定める

また、以下で具体的なKPIの設定例を紹介するので参考にしてほしい。

 

<クロスメディアマーケティングでの目標(KGI・KPI)設定例>

最終目標(KGI):年間売上を20%増加させる

最終目標達成のための要素 KGI KPI
ブランド認知度の向上 ブランド認知度を30%向上させる
  • リーチ数
    SNS広告、Web広告におけるユニークリーチ数を1,000万人にする
  • インプレッション数
    ディスプレイ広告、SNS広告、テレビ広告の総インプレッション数を5,000万回にする
リードジェネレーションの向上 月間リード獲得数を20%増加させる
  • 新規リード数
    ホワイトペーパー、ウェビナーで月間1,000件の新規リードを獲得する
  • コンバージョン率
    リード獲得フォームの送信率を10%にする
  • CPL(リード獲得単価)
    リード1件あたりの獲得コストを500円以下に抑える
顧客獲得の強化 新規顧客獲得数を年間で50%増加させる
  • 新規顧客数
    月間100件の新規顧客を獲得する
  • CPA(顧客獲得単価)
    顧客1件あたりの獲得単価を10,000円以下にする
  • コンバージョン率
    無料トライアルから有料顧客へのコンバージョン率を25%にする

 

ステップ②:メッセージを明確にする

 

クロスメディアマーケティングにおいて、メッセージの明確化は非常に重要だ。

すべてのメディアチャネルを通じて、一貫性のあるメッセージを発信していこう。

統一されたメッセージは、ブランドの認知度と信頼性を高め、顧客との強い絆を築くのに貢献する。

メッセージを設定する際は、事前の徹底したリサーチや分析により、ターゲットを深く理解したうえで製品の独自の価値提案や顧客の課題解決に焦点を当てることが大切だ。

 

ステップ③:ターゲットを特定する

 

クロスメディアマーケティングでは、ターゲットの特定により、顧客のニーズや行動パターンに合わせたアプローチが可能だ。

ターゲットとなる企業の業種、規模、意思決定者の役職などを詳細に分析しよう。

「従業員数500名以上の製造業で、経営課題にデジタル化を掲げている企業」のように、ターゲットを具体的に絞り込む必要がある。

また、ペルソナを作成し、ターゲット顧客の課題や心理状態を可視化することも有効だ。

ターゲットを特定し、そのニーズを深く理解することで、ターゲットに響く具体的な訴求やコンテンツの制作が可能となるだろう。

 

ステップ④:メディアチャネルを選択する

 

クロスメディアマーケティングでは、ターゲット顧客へ効果的にリーチできるメディアチャネルを選択することが重要だ。

メディアチャネルは、ターゲットの特性やメッセージの内容に応じて最適なものを組み合わせ、意思決定者が情報収集するチャネルを中心に選定する。

メディアの種類 特徴 アプローチできる層
業界特化型ニュース・ブログサイト 業界特化のニュース、記事、リサーチレポートが掲載されており、専門性と信頼性が高い 部門責任者、経営陣、リサーチャー
ウェビナー・オンラインイベント ライブのプレゼンテーションやディスカッションを通じて、双方向のコミュニケーションが可能 経営陣、プロジェクトマネージャー、セールス・マーケティングマネージャー
デジタル広告 ターゲットを絞った広告配信が可能

リターゲティングが可能

部門責任者、経営陣

(顕在層へのアプローチがしやすい)

コンテンツマーケティング 高品質なコンテンツを通じてブランドの認知度、信頼性を高め、ターゲットとの長期的なつながりを確保できる 部門責任者、経営陣、一般社員

(潜在層・顕在層問わず幅広くアプローチ可能)

メディアチャネルの選択は、予算や目標達成までの期間なども考慮して行っていこう。

 

ステップ⑤:コンテンツ戦略を策定する

 

クロスメディアマーケティングにおいて、コンテンツは重要な役割を果たす。

優れたコンテンツは、ターゲット顧客の興味を引き、エンゲージメントの向上につながるからだ。

コンテンツ戦略の策定では、コンテンツの企画、制作、活用までの包括的な設計を行う。

ターゲットとなる企業の課題解決につながるような、価値のあるコンテンツを提供する必要がある。

具体的には、以下のようなコンテンツが効果的だ。

  • 業務効率化に関するホワイトペーパー
  • AIを活用した事例紹介動画
  • 製品の特長を説明するインフォグラフィック

コンテンツの種類や、各コンテンツを活用したマーケティング効果などについては、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてほしい。

コンテンツマーケティングとは?メリットや戦略、コンテンツの種類やツールなどを網羅的に解説

 

ステップ⑥:効果測定と分析を行う

 

クロスメディアマーケティングの効果を最大化するには、施策の効果測定と分析が不可欠だ。

各メディアの実績を定量的に把握し、目標の達成度を評価することで、戦略の妥当性を検証できる。

そのため、Webサイトのアクセスデータ、リードの獲得数、コンバージョン率など、はじめに定めたKPIを中心にデータの追跡を行っていこう。

また、オフラインメディアの効果測定では、アンケートやヒアリングなどの定性的な調査も行い、効果測定と分析によって得られたデータを活用して戦略の最適化につなげていく。

Webサイトの分析方法については、こちらの記事も参考にしてほしい。

Webサイト分析とは?オウンドメディアを成果改善に導く7つのポイント

 

ステップ⑦:改善と最適化を行う

 

クロスメディアマーケティング戦略は、一度策定したら終わりではない。

効果測定と分析で得られた知見をもとに、継続的な改善と最適化を行うことが重要だ。

つまり、以下のようなPDCAを繰り返し回していく必要がある。

Plan
  • 目的、目標(KGI・KPI)設定
  • ターゲット設定
  • メディアチャネルの選定
  • 戦略の策定
  • スケジュール設定
Do
  • コンテンツの制作と配信
  • 広告キャンペーンの実行
  • クロスメディアでの連携
Check
  • データの収集・分析
  • 効果測定
  • フィードバックデータの収集・整理・分析
Act
  • ターゲットや戦略の調整
  • プロセスの改善
  • 新たな取り組みの導入

すべての流れが一度うまくいったとしても、それが永遠に続くことはない。

市場やユーザー行動の変化に、柔軟に対応していくことが重要だ。

 

4.IT企業におけるクロスメディアマーケティングの代表的な施策

 

近年では、技術革新のスピードが速いため、新たなメディアやプラットフォームの登場にも常にアンテナを張り、柔軟に取り入れていく姿勢が求められる。

本章では、IT企業がよく活用しているクロスメディアマーケティングの施策を紹介する。

具体的なメディアの組み合わせやメリット、デメリットを挙げたが、実践する際には自社のサービスやターゲット、予算やリソースを考慮して戦略を練り直していってほしい。

まずは、成果につながりやすい施策から始め、企業のフェーズに合わせて取り組む施策の数を増やしていくのもよいだろう。

 

5.クロスメディアマーケティングを実践した企業4社の成功事例

 

クロスメディアマーケティングを実践した企業に共通するのは、単なるメディアの組み合わせではなく、一貫したブランドメッセージと顧客体験の設計だ。

それぞれの企業が自社の強みを活かしながら、顧客との長期的な関係性の構築を目指している点が特徴的だ。

本章では、それぞれの企業が実践したクロスメディアマーケティングの成功事例を紹介する。

 

5.1.世界的ITサービス提供企業|複数のタッチポイントを駆使し認知度を向上

 

この企業は、クロスメディアマーケティングを実践し、複数のタッチポイントを駆使することで、ブランド認知度を大きく向上させることに成功した。

その理由は、以下のさまざまなメディアを戦略的に組み合わせることで、一貫したブランドメッセージを発信し続けたからだ。

  • テレビCM
  • オンライン広告
  • ソーシャルメディア
  • イベント

キャンペーンを行う際に、テレビCMでコンセプトを広く訴求し、WebサイトやSNSでは詳細な情報の提供を行った。

また、イベントでは実際のソリューションを体験してもらうことで、ブランドメッセージの浸透度を向上させることに成功した。

 

5.2.世界的コミュニーケーションツール提供企業|ユーモアを取り入れて潜在顧客を獲得

 

クロスメディアマーケティングにユーモアを取り入れることで、潜在顧客の獲得に成功した事例だ。

ユーモアのある広告やコンテンツが、ターゲット層の興味を引き、ブランドへの好感度を高めている。

動物がチャットツールを使うユニークな動画広告が、YouTubeやテレビで展開され、大きな話題を呼んだ。

また、Twitter(現X)では、ユーモア溢れるつぶやきを発信し、フォロワーとのエンゲージメントを高めることに成功。

さらに、ブログでは、ユーザー企業の活用事例について笑いを交えて紹介することで、潜在顧客からの共感を得られた。

 

5.3.ビジネス向けのソーシャルメディア運営企業|ユーザー生成コンテンツの活用によりリーチを拡大

 

クロスメディアマーケティングにおいて、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用することで、多くのユーザーにリーチし、サービスの拡大に成功した。

ユーザーが自発的に制作・共有するコンテンツが、ソーシャルメディアでのシェアという自然な形で拡散され、ユーザーが参加する敷居が低くなり、ブランドの信頼性も高まったからだ。

キャンペーンでは、ユーザーが自発的に自身の専門的な経験、成功体験を投稿するように促し、ほかのユーザーにインスピレーションを与えるコンテンツを蓄積した。

また、影響力のあるインフルエンサーにサービスの使用体験をシェアしてもらうことで、さらなる信頼性を獲得し、多くのユーザーを取り込んでコミュニティの拡大につなげている。

 

5.4.CRMサービス提供企業|インタラクティブな手法で大量の新規リードを獲得

 

クロスメディアマーケティングにおいて、インタラクティブな手法を取り入れることで、大量の新規リードの獲得に成功した。

ユーザーとの双方向のコミュニケーションが、エンゲージメントを高め、コンバージョンを促進したからだ。

Webサイト上でインタラクティブなコンテンツ(診断ツールやクイズなど)を提供し、ユーザーの関心を引きつけた。

また、ソーシャルメディアでは、ユーザーからの質問に積極的に回答することで、信頼関係を構築している。

さらに、ウェビナーでは、参加者とのリアルタイムのやり取りを通じて、製品への理解を深めてもらうことにも成功した。

 

6.クロスメディアマーケティングを成功に導く5つのポイント

 

本章では、クロスメディアマーケティングを自社で実践し、成功に導くためのポイントを5つ紹介する。

 

ポイント①:一貫性のあるメッセージ

 

クロスメディアマーケティングを成功に導くためには、一貫性のあるメッセージを発信することが重要だ。

複数のメディアで訴求していることやブランドメッセージが異なると、消費者は何を信じればよいのかわからず、信頼の損失やコンバージョンの低下につながるためだ。

例えばIT企業が、あるメディアでは「デジタルトランスフォーメーションを推進する革新的なソリューション」というメッセージを発信し、ほかのメディアでは「古き良き組織に寄り添うベーシックなシステム」と発信していては、サービスの価値や魅力はまったく伝わらない。

次に解説するターゲットの明確化によって、発信するメッセージをブラッシュアップしていこう。

 

ポイント②:ターゲットの明確化

 

ターゲットを明確にすることで、適切なメッセージやメディアの選択が可能となり、効果的なアプローチを実現できる。

まずは、サービスがどのような人に向けたものなのか、属性を特定したうえで、ニーズや行動パターンなどを理解することが重要だ。

ターゲットの条件 具体例
属性
  • 企業規模(従業員数、売上高など)
  • 業種(SaaS、SIer、コンサルティングなど)
  • 役職(経営者、IT部門責任者、マーケティング責任者など)
  • 地域(国内、海外、特定の都市など)
  • 技術スタック(プログラミング言語、フレームワーク、クラウドプラットフォームなど)
ニーズ
  • 具体的な課題(セキュリティ、スケーラビリティ、コスト削減、生産性向上など)
  • 優先順位(喫緊の課題、中長期的な戦略など)
  • 予算規模(小規模プロジェクト、大規模な投資など)
  • 意思決定プロセス(決定権者、関係者、決定までのタイムラインなど)
  • 期待する成果(ROI、KGI・KPIなど)
行動パターン
  • 情報収集方法(ウェビナー、ホワイトペーパー、業界イベント、特定のコミュニティなど)
  • 関心のあるトピック(AI、ビッグデータ、IoT、クラウドなど)
  • 競合製品の利用状況(現在使用中の製品、満足度、切り替えの可能性など)
  • 購買プロセス(検討期間、決定に関与する部署、調達方法など)
  • コミュニケーション方法(メール、電話、対面、ソーシャルメディアなど)

 

ポイント③:メディアプランニング(メディアの選定や施策の策定)

 

ターゲットの特性やメディアの特徴を理解し、最適な組み合わせでメディアを選定するメディアプランニングにより、投資対効果を最大化できる。

各メディアの長所を生かし、短所を補うことで、シナジー効果が生まれるだろう。

予算や目的に応じて、オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアをバランスよく活用することが重要だ。

 

ポイント④:複数のデータの一元管理

 

複数のメディアから得られるデータを一元管理し、統合・分析することで、顧客理解を深め、精度高くキャンペーンを最適化できるようになる。

MA(マーケティングオートメーション)ツールやCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を活用し、分析したデータにもとづいて管理すれば、パーソナライズドなアプローチが可能だ。

具体的には、業種や規模などの属性データ、Webサイトでの行動データ、メルマガの反応データなどの多岐にわたる情報を、ツールを用いて効率的に活用できる。

クロスメディアマーケティングの施策を、より深い顧客理解のもとに進めることができ、効果検証と改善の質が高まっていくだろう。

 

ポイント⑤:ROIに応じた予算の割り当て

 

ROI(投資収益率)に応じて予算を割り当てることも重要だ。

各メディアや施策の効果を測定し、収益性の高い施策に予算を集中させることで、マーケティング全体の投資対効果を高められる。

例えば、IT企業がウェビナーとリターゲティング広告を実施した結果、ウェビナー参加者からの商談化率が高かった場合、次回はウェビナーの予算を増やし、より多くのリードを獲得することで売上拡大を狙える。

もちろん、そのためには中長期を見据え、幾度かPDCAを繰り返さなければならない。

ただし、キャンペーンに対して明確な期限(数か月、1年など)を定め、KGIやKPIの設定やデータ活用による効果(売上・収益)の分析や要因の特定などを丁寧に行っていくことで、無駄なコストを削減でき、より効果の高い施策が見えてくるはずだ。

まずは「収益性の高い施策を優先する」ことを念頭において、キャンペーンを最適化していこう。

 

7.まとめ

 

クロスメディアマーケティングは、BtoB企業にとって効果的なマーケティング手法だ。

複数のメディアを戦略的に連動させることで、シナジー効果を生み出し、幅広い顧客層にアプローチできる。

クロスメディアマーケティングを戦略的に活用すれば、ブランド認知度の向上、リード獲得、顧客エンゲージメントの向上といったさまざまな成果につながる。

デジタルシフトが加速するなか、クロスメディアマーケティングは、企業が競争優位性を築くための重要なポイントとなるだろう。

自社のサービスの価値やターゲット、市場の状況を見直し、適切なクロスメディアマーケティングの策定に動いてみてはいかがだろうか。

 

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