ファネル分析の具体的手法を図と表で詳しく解説

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マーケティングファネルは、購買プロセスを可視化し、分析するためのツールだ。

また、分析方法によって効果が左右される。

もしコンバージョンが上向かないのであれば、分析方法に問題があるのかもしれない。

ここでは、

  • 「ファネルは作ってみたが分析方法がわからない」
  • 「ファネルに従って分析しているが、成果につながっていない」
  • 「BtoBに適した分析方法が知りたい」

といったお悩みを持つ方に向けて、ファネル分析の基礎的な手法、オウンドメディア内における設定方法などを具体的に紹介する。

 

1.ファネル分析の基礎

 

まず、ファネル分析の基礎を理解しておこう。

 

1.1.ファネル分析とは

 

ファネル分析とは、ファネルの流入からコンバージョンに至るまでのプロセスを分析することを指す。

ファネルは認知・興味関心・比較検討・行動といった「層」に分かれている。

この層の中で起こっていることを可視化・定量化し、ボトルネックを特定して改善案につなげることがファネル分析の要諦だ。

多くの分析手法がそうであるように、「可視化」「定量化」がポイントであり、この精度が高いほど成果につながる施策を生み出しやすい。

その他、ファネル分析のメリットとしては以下が挙げられる。

 

コンバージョンの向上

 

ファネル分析は、コンバージョンの成功率を向上させるために役立つ。

ここで言うコンバージョンとは、ファネルごとの「最終目標」だ。

ただし、そこに至るプロセスはファネルによって異なる。

例えば、ダウンロードフォームからのリード獲得であれば「ノウハウ解説記事からホワイトペーパーダウンロード」という経路を辿る。

また、問い合わせがゴールであれば「事例記事から問い合わせフォーム」といった経路になることが多い。

このように種類の異なるコンバージョンであってもファネル分析によってそれぞれの成功率を高めることができる。

 

離脱ポイントが明確になる

 

上記に関連して、「離脱ポイント」が明確になるというメリットもある。

離脱ポイントは「コンバージョンの障害になっているポイント」であり、改善の効果が大きい場所でもある。

例えば、ファネル分析の結果、下記のようにファネル階層ごとの転換率が判明したとする。

フェーズ UU数 転換率(CVR)
認知 200
興味関心 160 80%
比較検討 64 40%
行動 32 50%

この中で転換率が極端に低いのは「興味関心から情報収集への40%」だ。

したがって、興味関心から比較検討に至る段階で離脱が多数発生しており、この層に属するコンテンツに問題がある可能性が高い。

このように離脱ポイントを明確にできる点は、ファネル分析ならではのメリットだ。

 

多様な行動プロセスを整理できる

 

現代の顧客行動プロセスは複雑化しており、ファネルを素直に上から下へ移動するとは限らない。

特定の層で滞留が起こったり、コンバージョンの手前で離脱したりと、さまざまな行動が想定される。

ファネル分析では、複雑で混とんとした顧客行動プロセスからボトルネックを特定し、さまざまな施策につなげられる。

 

複数のチャネルを合理的に管理できる

 

デジタルマーケティングに取り組んでいる企業であれば、オウンドメディア、モバイルアプリ、電子メールなど複数のチャネルを設けているだろう。

しかし、それぞれのチャネルからの流入を管理していくと、工数が大きくなってしまう。

一方、「ファネル」として構造化してしまえば、管理工数は小さくなる。

また、複数のチャネルを横断的に分析することで、多様な顧客行動プロセスの共通点を見出し、普遍的な施策につなげることができる。

 

マーケティング、営業、カスタマーサポートの統合

 

部門・部署間の認識を統一できる点もチャネル分析のメリットだ。

一般的にマーケティングチームは「見込み客を顧客に転換すること」に重点を置く。

これに対して、営業は「売上を大きくすること」、カスタマーサポートチームは「顧客満足度を上げ、維持すること」を目標とする。

ファネル分析は、これら3つのチームがデータを共有し、相互に活用する機会を提供する。

また、ダブルファネルやバタフライファネルなど「購入後」までをカバーできるファネル図ならば、3つのチームで課題を共有しやすくなるだろう。

 

1.2.ファネル分析で用いるファネルの種類

 

ファネル分析で用いるマーケティングファネルにはいくつかの種類がある。

 

パーチェスファネル

 

一般的にパーチェスファネルは、AIDAモデル(認知、興味関心、比較検討、行動)もしくはAIDMAモデル(認知、興味関心、欲求、記憶、行動)で表現される。

いずれも認知から行動までの過程を表し、マーケティング領域で広く採用されているものだ。

 

インフルエンスファネル

 

インフルエンスファネルは「継続、忠誠、共有、発信」の4段階で表現されるファネルだ。

このファネルは「購入後」に焦点を当てており、アーンドメディアを活用したデジタルマーケティングと親和性が高い。

ただし、BtoBではSNSマーケティングの効果が限定的であるため、インフルエンスファネルをメインとするケースは少ないだろう。

 

ダブルファネル

 

ダブルファネルは、パーチェスファネル(購入まで)とインフルエンスファネル(購入後)を合体させたようなファネルだ。

見込み客が課題を認知し、それを解決するための製品やサービスを購入し、継続して使いながら周囲に評価を拡散するまでの過程を表している。

具体的には、以下3つのフェーズが含まれる

  • プロモーション:認知と興味関心を高めるフェーズ
  • アクイジション:リード獲得や購買意欲の醸成を狙うフェーズ
  • リテンション:購入後の顧客を対象に、アップセルやクロスセル、LTVの最大化を狙うフェーズ

 

その他のファネル

 

これら3つは、古くからマーケティング界隈で知られるファネルだ。

しかし、「古い」と言われることもある。

その理由は、分析に使用されるファネルがビジネスの変化に対応できていないからだ。

バタフライモデルやフライホイールモデルなど、現代の購買行動プロセスに最適化されたファネルでの分析も検討していこう。

ファネルの新しいトレンドについては下記で詳しく紹介している。

「マーケティングファネルは古い」という意見が見逃している重要な事実

 

1.3.BtoBでファネル分析が重要な理由

 

次に、ファネル分析の重要性について理解しておこう。

ファネル分析は、マーケティング界隈で長く使われおり、古典的な分析手法とも言える。

一方で「ファネル分析は単に購入までのプロセスを可視化できるだけで使い道がない」という意見もある。

しかし、BtoBに限定していえば、ファネル分析は依然として重要な手法だ。

その理由は、BtoCとBtoBのファネルを比較すると明らかになる。

上の図を見るとわかるように、BtoBのファネルはBtoCよりもステップが多い。

特に中間部分(リード獲得、ナーチャリングなど)のステップがBtoCよりも明らかに分厚く、それぞれのステップでの滞在時間も長い。

BtoCならば、「広告で情報を得て、製品サイトで確認し、購入する」という3つのステップで成果が発生する。

一方でBtoBは、「検索で製品やサービスを認知し、オウンドメディアで知識を深め、社内に持ち帰って検討した後に問い合わせる」という具合に、ステップが複雑だ。

なおかつ、BtoCで言う「購入」に至るには年単位の時間が必要になることもある。

あくまでも一般論だが、BtoCでは認知から購入まで数日であるのに対し、BtoBでは数か月~数年を要してしまう。

このようにステップが複雑で滞在時間も長いBtoBでは、ファネルによって顧客行動プロセスを分析し、その時々で適切なアプローチを重ねていかなくてはならない。

何の対策もせず放置していると、離脱や滞留を招き、せっかくの流入が無駄になってしまうのだ。

こうした事情から、BtoBではファネル分析が必須と言える。

 

1.4.ファネル分析でおさえておきたいポイント

 

ファネル分析を行う上での必ずおさえておくべきポイントとして、「データドリブン」「ボトルネックの特定」「ツール活用」の3つがある。

 

データドリブンであること

 

データドリブン(収集したデータをフルに活用し、なおかつリアルタイム性を重視すること)は、ファネル分析の基本である。

ファネル分析で使用するデータは新鮮であればあるほど望ましい。

これに加えて、一定以上の「量」も確保できていれば、信頼性の高い分析結果が得られる。

 

ボトルネックを特定すること

 

ファネル分析はコンバージョンを阻害している「ボトルネック」を特定することも重要なにミッションだ。

一般的にボトルネックはファネル全体にわたって複数存在しており、それぞれを解決することで次の層への移動(転換)がスムーズになる。

 

ツールを活用して定量化する

 

上記2点を実行するためには、ツールの活用が必須になる。

具体的にはアクセス解析ツールやMA、SFA、CRMなどが挙げられる。

これらファネル分析で活用すべきツールについては、後ほど詳しく解説する。

 

2.ファネル分析の基礎的な方法

 

ファネル分析は、ファネルの構造やビジネスモデルによって異なる。

そこで、まずは一般的なファネル分析の基礎を理解しておこう。

 

2.1.ファネル図の視覚化

 

まず自社のビジネスモデルや過去の顧客の行動履歴から、ファネル図を作成しよう。

ファネル図を視覚化することで、ファネルの全体像を把握でき、分析すべきポイントが見えやすくなる。

ファネル図の作成方法については、こちらの記事で詳しく解説している。

ファネル図でコンバージョンの成果を高めよう!実用性の高いファネル図を作るコツを解説

 

2.2.KPIの設定

 

続いて、各層にKPIを設定する。

一般的な KPI は次のとおりだ。

 

流入数

 

流入数は「検索流入数」をカウントする方法が一般的だ。

そのほか、訪問者の実人数(UU:ユニークユーザー数)を加味しても良いだろう。

 

Webサイトの閲覧数

 

ページ閲覧数(PV:ページビュー数)やセッション数(1ユーザーが訪問から離脱するまでをカウントした数)をカウントする。

 

Webサイトの滞在時間

 

滞在時間が長くなるほどファネルを進む傾向が強くなるため、こちらも重要な指標だ。

 

直帰率

 

直帰率は、ファネル上部において「ニーズとコンテンツの適合度」などを判断する際に使われる。

もし直帰率が高い場合は、検索意図やユーザーニーズとコンテンツの内容がマッチしていない可能性が高い。

 

回遊率

 

回遊率は、オウンドメディアなどのページをどの程度閲覧したかを表す指標だ。

回遊率が高いほど記憶に残りやすく、比較検討や行動に進みやすい。

反対に回遊率が低い(回遊離脱率が高い)場合は、コンテンツのつながりや内容の質などを見直していこう。

 

フォーム離脱率(フォーム通過率)

 

コンバージョンを「資料ダウンロード」や「問い合わせ」などに設定している場合は、フォーム離脱率も加味しておこう。

入力フォームがボトルネックになっている場合は、EFOに取り組むことで改善が見込める。

EFO(エントリーフォーム最適化)とは?実装方法や11個の対策ポイント、ツールなどを紹介

 

ファネル全体のコンバージョンの合計数/コンバージョン率

 

コンバージョン数は実際にコンバージョンに至った実数であり、コンバージョン率はこの実数をセッション数で割ったものだ。

コンバージョン率の平均は業種や商材によってさまざまだが、1~3%程度に収束しやすい。

 

2.3.ヒートマップを活用した行動追跡

 

KPIを設置した後は、ヒートマップを活用した行動追跡を行う。

ヒートマップツールとは、Webサイトのコンテンツ上で、ユーザーがどのような行動をとったかを可視化するツールだ。

ヒートマップが統合されたファネル視覚化ツールは、ユーザーの行動履歴を精密化し、メディアやコンテンツの改善案を推測できる。

 

2.4.ファネルの組み換え

 

訪問者は必ずしもファネル内を直線的に移動するとは限らない。

したがって、KPIやヒートマップの状況から想定外の行動が検知された場合は、ファネルを並び替えてみよう。

ファネルの層を並べ替えることで、本来想定していた行動プロセスとは別の導線が見えてくる。

 

3.オウンドメディアにおけるファネル分析の方法

 

ここまでは一般的なファネル分析の基礎を解説してきた。

ここからは、具体例としてオウンドメディアにおけるファネル分析の方法を解説する。

また、分析の際に注視すべきポイントについても共に見ていこう。

 

ステップ1:ゴールのポイントを決定する

 

まずゴールのポイント、つまり「成果が発生するポイント」を決定しよう。

目的が資料ダウンロードなのか問い合わせなのかによってゴールのポイントは異なる。

BtoBのオウンドメディアでは、問合せフォームやダウンロードフォームをゴールとすることが多い。

ちなみに「成果=コンバージョン」という意味で語られることが多いが、厳密にいえばコンバージョンは「転換」を意味する。

したがって、「認知層から興味関心層への移行」のように、顧客が次のフェーズに移行した場合もコンバージョンと言える。

ファネル分析では、ファネルの途中にさまざまなコンバージョンポイントを設置し、細かく監視していくことで、成果につながるアプローチが生まれる。

 

ステップ2:過去の行動履歴からファネルを構築する

 

次にオウンドメディアの構成と過去の顧客行動履歴から、ファネル分析のベースとなるファネル図を作成する。

すでにオウンドメディアやECサイトを保有しているのであれば、「最初にアクセスしたコンテンツ」「頻繁に訪れたコンテンツ」などを特定し、そこから行動の履歴を探ろう。

次に、自社へ最初にコンタクトしてきた際の手段も明らかにする。

作業を進めていくと、以下のように顧客行動のパターンが見えてくる。

認知 興味関心 比較検討 行動(意思決定)
展示会 コーポレートサイト 製品情報サイト 営業へのコンタクト
Google検索

(記事)

オウンドメディア オウンドメディア ホワイトペーパー
Google検索

(広告)

LP ホワイトペーパー ウェビナー
アプリ広告 LP ウェビナー ウェビナー

ここではオウンドメディア以外の経路についても整理しておきたい。

オフラインの経路を加味することで、実際の顧客行動に即したファネル分析が進むからだ。

行動履歴が明らかになったら、フローチャートに起こし、雛型とするファネルを決める。

これら一連のファネル作成ステップについては、以下の記事で解説しているため、参考にしてみてほしい。

ファネル図でコンバージョンの成果を高めよう!実用性の高いファネル図を作るコツを解説

 

ステップ3:ファネルの各層を定量化する

 

ファネル図が確定した後は、ファネルの各層とオウンドメディアのコンテンツを紐づけ、KPIを設置していく。

「ファネルの層」「オウンドメディアのコンテンツ」「KPI」が紐づくことで「どの層でどのようなコンテンツが、どれだけの効果を生んでいるか」が明確になる。

さらにコンバージョンまでの時間も計測していこう。

一般的にファネル分析は「量」を中心として分析を行うが、BtoBではコンバージョンまでの時間も重要になる。

上でも述べたように、BtoCよりもコンバージョンまでの時間が長く、この時間を短縮することで成果(受注、売り上げ)の出方が変わるからだ。

加えて「次の層に進むまでの行動回数」もチェックしておきたい。

具体的には、ダウンロードや問い合わせに進むまでにコンテンツに接した回数などを定量化しよう。

 

ステップ4:ボトルネックを特定する

 

定量化のあとはボトルネックを特定しよう。

成果が上向かないことの原因は、大半がファネルの上部(Tofu)もしくは中部(Mofu)に発生したボトルネックだ。

オウンドメディアの場合は、「記事コンテンツでの直帰率」「回遊率」「入力フォームでのフォーム離脱率」「ホワイトペーパーのダウンロード件数」などがボトルネックになりがちだ。

これらの数値をファネル上で可視化し、原因となっているコンテンツなどを特定していこう。

ステップ3および4についてはツールによる可視化も有効だ。

 

ステップ5:改善案の策定と実施

 

ボトルネックの特定が完了した後は、改善に着手しよう。

例えば「複数回のアクセスあるにも関わらず回遊が進んでいない」といった場合には、コンテンツのレコメンド表示や内部リンクの配置に問題がある可能性が高い。

また、広告からLPへの着地がうまくいっていない(流入が少ない)場合は、広告のチューニングやLPの改善が必要になる。

さらに、流入と回遊に問題がなく、コンバージョン率が増えない場合は、ホワイトペーパーの内容や入力フォームの改善に取り組もう。

改善策の例

ボトルネック 改善ポイント 施策
回遊率が低い 記事コンテンツ内部リンク リライトの実施内部リンク見直し

レコメンド表示の見直し

流入量が小さい 広告LP 広告チューニングLPのデザイン、文面、キャッチコピーの見直し
コンバージョン率が低い ホワイトペーパー入力フォーム ホワイトペーパーのタイトル、内容、デザインの見直し

EFOの実施

仮に「量」や「率」で大きな問題がなくても、各層を通過する時間が異様に長い場合もある。

この場合は、ファネル分析とともに「コホート分析」にも取り組んでみてほしい。

コホート分析とは、特定の期間に同じ条件で流入したユーザーを追跡し、行動パターンやパフォーマンスを「時間」の軸で分析する手法だ。

ファネル分析との併用によって、「特定のコホート(ユーザーグループ)がファネルのある層でどのくらい滞留しているか」を割り出すことができる。

 

4.ファネル分析で活用すべきツール

 

最後に、ファネル分析で活用すべきツールを紹介する。

これまで紹介してきたように、ファネル分析では可視化と定量化が必須だ。

また、ファネルの階層に紐づくKPIも追跡していかなくてはならない。

したがって、ツールを活用した分析業務の自動化が望ましい。

ファネル分析の自動化に役立つツールとしては、下記4つが挙げられる。

 

4.1.Google Analytics

 

Google Analyticsは、オウンドメディアなどWeb上でファネルが完結する場合に有効なツールだ。

ウェブサイト訪問から離脱までの行動プロセスを詳細に追跡し、改善点を見つけ出すことができる。

デジタルマーケティングにおいては、マーケティングオートメーション(MA)ツールと併用することで、より効果的なマーケティング施策が実施できる。

ファネル分析業務ではPVやセッション数、直帰率や離脱率などさまざまなKPIの監視を自動化できるため、ぜひとも活用したい。

 

4.2.マーケティングオートメーション(MA)

 

MAは、前述のGoogle Analyticsと並んでファネル分析の主要なツールだ。

MAを活用すると、ファネルを横断的にチェックし、分析にかかる工数を削減することができる。

具体的には、メールマーケティング、リードジェネレーション、リードナーチャリングなど、顧客獲得から維持に至るまでのさまざまなプロセスを自動化し、最適化するために使用される。

Google Analyticsだけを活用する場合、データ収集や改善案の実行までは自動化しづらい。

MAは、ボトルネックの特定から最適なアプローチの実施まで一貫して自動化できる点が強みだ。

 

4.3.ヒートマップツール

 

ヒートマップツールは、ユーザーのウェブサイト内での行動を視覚的に捉える。

端的に言えば、「コンテンツの中で注目や興味関心の対象とされるエリアを特定する」ことが可能だ。

コンテンツの中にボトルネックがある場合は、離脱率や回遊率、コンバージョン率の改善に役立つだろう。

ヒートマップツールは単一の製品としてよりも、MAなど他の分析ツールの一部として提供されることが多い。

 

4.4.SFA(Sales Force Automation)

 

SFAは、営業活動の効率化を図るツールであり、主にリードから商談化に至る過程をチェックする。

SFAは営業チーム向けのツールだが、ファネル分析を営業の視点から行うことができる点が特徴だ。

セールスファネルとマーケティングファネルは、同一のものとして扱われることが多い。

ただし、ファネル自体は同じであってもアプローチは異なるため、営業・マーケティング双方の視点を組み込んだ改善が見込める。

もし、Google AnalyticsやMAから明確な分析結果が得られないようであれば、SFAとの連携も検討していこう。

 

4.5.CRM(Customer Relationship Management)

 

CRMは、顧客との関係を管理し、長期的な顧客価値を高めるために使用される。

「購入後」に焦点を当てたツールであり、AIDAモデルやAIDMAモデルのように「購入」をゴールとしているファネルでの効能は限定的だ。

ただし、ダブルファネルやバタフライファネルのように、購入後も顧客との関係を継続的に分析する場合には、非常に有益なツールである。

また、VOC活動の促進、VOCから得られた知見を営業・マーケティングングに展開してアプローチに組み込むなど、ファネル分析に「+α」を加えることができる。

近年はSFAやMAとの連携機能を持つCRMも増えており、マーケティング・営業・カスタマーサポートの3方向からファネルを分析しやすくなっている。

 

5.まとめ

 

ここでは、ファネル分析の基礎知識や具体的な分析方法、活用すべきツールなどについて解説してきた。

ファネル分析は、コンテンツマーケティングやオウンドメディアの運用効率を高め、コンバージョンを促すことできる。

ただし、ファネルが自社に適したものであること、データドリブンな定量化ができていることが条件だ。

もしファネル分析のノウハウがない場合は、外部企業の協力を得ることも検討してみてほしい。

 

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