リスティング広告はキーワードや訴求文によって「ターゲットに狙い撃ちができる」広告施策だ。
このような性質から、様々な広告施策の中でも比較的短期目線でのリード獲得に強いといわれている。
また、少額でテスト的に始められることから、初心者にとってもリスクが小さい。
ただし広告出稿の準備作業において一定のノウハウが必要で、特にキーワード選定やターゲティングは精密に行うべきである。
ここでは、リスティング広告のやり方について、全体像を解説する。
1.リスティング広告の特徴
まず、リスティング広告の全体像や強み・特徴を解説する。
リスティング広告は、短期間かつ少額の予算でも運用が可能な広告だ。
すぐに掲載できるだけでなく、具体的な検索キーワードを用いた細かいターゲティングが可能なため、費用対効果を意識した運用を行いやすい。
また、他の広告と比較して「広告を出したいときにすぐ出せる」「クリックされなければ費用が発生しない」「興味を持ったユーザーに的確にアプローチできる」といったメリットがある。
以下は、リスティング広告の主な特徴だ。
特徴1.検索連動型
検索連動型広告とは、ユーザーが検索エンジン(GoogleやYahoo!)で入力したキーワードに基づいて表示される広告だ。
たとえば「東京都 カフェ」と検索したユーザーには「東京都内のカフェ」に関する広告が表示される。
不特定多数に向けて広告を配信するのではなく、興味・関心を持っているユーザーのみに広告を表示できるため、無駄な広告費を抑えながら高い成約率が期待できる。
特徴2.入札額×品質が重要な広告運用
リスティング広告では、広告の掲載枠がオークション形式で決まる。
広告主は、まず自分の広告を表示させるために「入札価格」を設定する。
入札価格をもとに他の広告主との競争が行われ、広告の掲載順位が決まる仕組みだ。
ただし、入札価格が高ければ必ずしも上位に表示されるわけではない。
Google広告では「品質スコア」、Yahoo!広告では「品質インデックス」と称されるような「広告の品質(広告の関連性やクリック率など)」も影響するため、これら理解した運用が求められる。
つまりリスティング広告は、多額の費用を投入すれば必ず勝てるわけではない。
少額予算でも、キーワードや広告文次第では成果を狙えるのだ。
特徴3.クリック課金型(CPC課金)
リスティング広告の課金形態は「クリック課金型(CPC:Cost Per Click)」が基本だ。
CPCでは、広告が表示されるだけでは料金が発生しない。
ユーザーが広告をクリックした場合にのみ費用が発生する仕組みである。
たとえば、1クリックあたり100円のCPCで設定し、広告が100回クリックされた場合の費用は以下のようになる。
1クリック当たりの費用(100円)×クリック回数(100回)=10000円
CPC課金の大きなメリットは「広告が無駄撃ちされない」点だ。
ディスプレイ広告のように不特定多数に向けて配信される広告は「反応した人」が少数でも一定の費用がかかる。
しかしCPC課金であれば、クリックしたユーザー、つまり実際に興味を持ったユーザーに対してのみ費用が発生する。
特徴4.即時掲載が可能
リスティング広告は、設定が完了すれば即座に掲載できる。
広告アカウントの開設から広告の入稿・審査までの流れがスムーズであれば、数時間以内に広告を配信することが可能だ。
短期間のキャンペーンやセールなど「今すぐ集客したい」という場合には非常に重宝する。
また、掲載開始・停止も自由に設定できるため、必要なタイミングで運用を調整できる点もメリットだ。
特にテレビCMや雑誌広告と比較すると「すぐに試して、すぐにやめる」ことができるため、短期間で効果を検証しやすい。
特徴5.詳細なターゲティングが可能
リスティング広告は、地域・デバイス・時間帯・ユーザー属性など、検索キーワード以外でも細かいターゲティングが可能だ。
(ターゲティングの例)
地域ターゲティング:「東京都内のユーザーのみに広告を配信」
デバイスターゲティング:「スマホユーザーのみに広告を表示」
時間帯ターゲティング:「平日9時〜18時の間のみ広告を配信」
ユーザー属性ターゲティング:「25〜34歳の男性に絞って表示」
地域や時刻、デバイスを限定することで「どこにいる、どのような状況の人に」広告を届けたいかを設定できる。
たとえば「通勤途中でスマホを見ながら電車に揺られている人」というかなり限定的な対象にも広告を届けられるわけだ。
また、設定次第では「今すぐ行動を起こそうとしているユーザー」に狙いを定められるため、成約率が高まりやすい。
特徴6.他のWeb広告との比較
Web広告にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる強みを持つ。
リスティング広告は、検索意図のあるユーザーに直接アプローチできる点が最大の特徴だ。
一方、ディスプレイ広告やSNS広告は、認知拡大やブランディングに適している。
また、純広告やリターゲティング広告は、長期的なブランド戦略や既存ユーザーへの再アプローチに有効である。
下記の表は、リスティング広告を含めたWeb広告の特徴や強みを比較したものだ。
Web広告を運用する際の参考にしてみていただきたい。
広告手法 | 主な目的 | 費用形態 | 即効性 | ターゲティング精度 | 主な配信場所 | 特徴・強み |
---|---|---|---|---|---|---|
リスティング広告 | 顕在層への直接アプローチ | クリック課金(CPC) | ◎ | ◎ | Google検索 / Yahoo!検索 | 検索意図のあるユーザーに配信可能。短期的な成果が期待できる。 |
ディスプレイ広告 | 認知拡大・ブランディング | クリック課金 / インプレッション課金(CPM) | △ | ○ | Webサイト / アプリ | 画像や動画を活用し、視覚的な訴求が可能。潜在層にリーチできる。 |
SNS広告 | 認知拡大・エンゲージメント促進 | クリック課金 / インプレッション課金 | ○ | ◎ | Facebook / X(旧Twitter)/ Instagram / TikTok | ユーザー属性や興味関心を細かく設定できる。シェアによる拡散力が高い。 |
動画広告 | 認知拡大・商品理解の促進 | 再生回数課金 / インプレッション課金 | △ | ○ | YouTube / TikTok / Instagram Reels | 映像を活用し、商品やブランドの魅力を伝えやすい。 |
アフィリエイト広告 | 成果報酬型の集客 | 成果報酬(CPA) | △ | ○ | ブログ / 比較サイト | 成果が発生した場合のみ支払いが発生するため、費用対効果が高い。 |
ネイティブ広告 | 記事広告・ブランドストーリー訴求 | クリック課金 / インプレッション課金 | △ | ○ | ニュースサイト / メディアサイト | コンテンツと同化する形で配信され、広告感が少なくクリックされやすい。 |
純広告 | 認知拡大・ブランディング | 固定費(期間契約) | × | △ | ニュースサイト / 大手メディア | 期間契約で決まった枠に広告を掲載。ブランドの信頼性向上に効果的。 |
リターゲティング広告 | 過去訪問ユーザーへの再アプローチ | クリック課金 / インプレッション課金 | ○ | ◎ | Webサイト / SNS / YouTube | 一度サイトを訪れたユーザーに追跡配信。コンバージョン率が高い。 |
2.リスティング広告のやり方
リスティング広告は、適切に運用すれば短期間で成果が得られる。
それだけに競争が激しく、計画なしに出稿するとコストと手間が無駄になってしまうおそれがあるため注意しよう。
ノウハウは必要だが「一切の無駄なく、初めから成功する」ことはもちろん難しい。
まずは少額で試験的に始めながら、広告文や入札額を調整し、少しずつ最適解に近づいていく方法が王道だ。
着実に成果に近づくために、準備段階を含めてリスティング広告のやり方をしっかりと理解しておこう。
2.1.リスティング広告を出稿するために必要なもの
まずリスティング広告に必要なものは、下記5つだ。
- 戦略、キーワード、目標
- 予算
- 広告プラットフォームのアカウント
- 広告の出稿文
- LP(流入の着地点)
まずは戦略・キーワード・目標を設定し、予算を決め、広告プラットフォームのアカウントを作る。
次にペルソナや検索意図から広告文を作成する。
最後に、広告からの流入を受け止める着地点(LP)を作成すれば、リスティング広告を始める準備は完了だ。
具体的なリスティング広告のやり方は、下記4つのステップにまとめられる。
- 戦略の策定(予算策定を含む)
- 広告用アカウントの登録と設定
- 広告文の作成
- LPの作成
順に詳しくみていこう。
ステップ1.戦略の策定(計画段階)
まずは広告戦略を策定しよう。
戦略策定でやるべきことは以下の4つだ。
- 目的の明確化
- KPI設定
- ターゲットの設定
- 予算と入札戦略の決定
戦略策定1.目的の明確化
最初に、リスティング広告を運用する目的を明確にしよう。
売上を増やしたいのか、リードを増やしたいのか、ブランドを認知させたいのかによって、広告の種類や運用方法は変わる。
- 売上重視の場合
売上を増やす場合、購買意欲の高いユーザーを狙い「購入」や「申し込み」に直結するキーワードを設定する。
たとえば「ランニングシューズ 通販」や「ノートパソコン 最安値」など、具体的な商品を探しているユーザーに広告を表示させ、商品ページや購入フォームへ直接誘導する。
また、クーポンや期間限定セールを活用し、購入を後押しすることも有効だ。
- リード重視の場合
リードを増やしたい場合、問い合わせや資料請求を目的とするため、比較検討中のユーザーを意識したキーワードを設定する。
「企業向けCRMシステム 比較」や「リフォーム会社 おすすめ」といった検索をするユーザーに向け、ホワイトペーパー(無料資料)や無料相談ページへ誘導し、コンバージョンにつなげる。
問い合わせ数を増やすために、フォーム入力のハードルを下げ、簡単な情報入力で済むように設計することも重要だ。
- ブランド認知度重視の場合
ブランド認知を向上させる場合、広告のクリック数を増やすことを重視しよう。
競合他社の指名検索ワードや、広範囲なキーワードを設定し、より多くのユーザーにブランドを知ってもらうことを目的とする。
戦略策定2.KPI設定
また、広告の成果を測るために、KPIを設定しよう。
下記はリスティング広告で特に重視されるKPIの例だ。
KPI名 | 説明 | 改善が必要な場合の対策 |
コンバージョン率(CVR) | 広告をクリックしたユーザーのうち、購入や問い合わせなどの成果に至った割合。 | ターゲティングやランディングページ(LP)の改善が必要。 |
クリック率(CTR) | 広告の表示回数(インプレッション数)のうち、クリックされた割合。 | 広告の見出しや説明文の訴求力を強化する。 |
広告費用対効果(ROAS) | 広告費1円あたりの売上を示す指標。 | 入札額の調整や広告の最適化を行い、収益性を向上させる。 |
戦略策定3.ターゲットの設定
ターゲット設定は、広告の費用対効果を最大化するために欠かせない。
適切なユーザーに広告を届けることで、無駄なクリックを減らし、成果を向上させることができる。
- ペルソナの作成
どんな人が広告をクリックし、商品・サービスを購入するのかを明確にする。
- 検索意図の分析
ユーザーがどのような目的で検索しているのかを分析する。
「今すぐ購入したい」「情報収集をしている」など、購買意欲の高さに応じてキーワードを選定する。
- ターゲティングの設定
地域(特定の都市や国)
デバイス(PC / スマホ)
時間帯(営業時間内のみ配信など)
- BtoB IT・SaaSにおけるターゲットの設定例
設定項目 | 設定例 | 説明 |
ペルソナ(ターゲット像) | 企業のIT部門担当者、経営層(CTO、CIO)、マーケティング責任者 | 意思決定者や導入検討者を狙う。業務改善やコスト削減に関心が高い層が対象。 |
検索意図 | 「業務効率化ツール 比較」「SaaS 導入 企業向け」 | 比較検討フェーズのキーワードを狙い、問い合わせや資料請求につなげる。 |
地域ターゲティング | 「東京、大阪など主要都市の企業限定」 | 大企業が集中する都市圏を中心に配信し、商談につなげる。 |
デバイスターゲティング | PCユーザー優先 | 業務時間中に情報収集するケースが多いため、PC経由の流入を重視。 |
時間帯ターゲティング | 平日9:00〜18:00 | 企業の勤務時間内に広告を配信し、問い合わせにつながる可能性を高める。 |
戦略策定4.予算と入札戦略の決定
リスティング広告では、適切な設定をしないと予算がすぐになくなったり、広告がほとんど表示されなかったりする。
したがって予算と入札戦略は事前に厳しく設定しておこう。
- 予算の決め方
1日あたり、または1ヶ月あたりの広告費を設定する。
初めての運用では、少額(1日1,000円程度)から始め、データを見ながら調整するのがよいだろう。
- 入札方式の選択
入札方式には自動入札と手動入札の2種類がある。
- 自動入札(Googleが機械学習で最適な入札額を決定)
- 手動入札(広告主が自らクリック単価(CPC)の上限を設定)
初心者は、まず自動入札を活用し広告の最適化をプラットフォームのシステムに任せながら運用し、どのようなユーザーやキーワードがクリック・コンバージョンにつながるのかというデータを集める必要がある。
ある程度経験を積んだあとに、手動入札でクリック単価などを調整しながら運用するとよいだろう。
初めてなら「キーワード」と予算で簡易に始める
リスティング広告の運用にはノウハウが必要だが、最初からすべてを完璧に設定する必要はない。
初心者は、まず流入実績のあるキーワードを活用し、少額の予算で試験的に運用してみよう。
運用データを分析しながら、効果の高いキーワードやターゲティングを見つけ、徐々に広告の精度を高めていくことが重要だ。
ステップ2.広告用アカウントの登録と出稿設定
続いて実際に広告プラットフォームで設定を行う。
①Google広告(またはYahoo!広告)のアカウント作成
リスティング広告を運用するには、Google広告またはYahoo!広告のアカウントを作成する必要がある。
Google広告の場合、Google広告にアクセスし「今すぐ開始」ボタンをクリックすると、アカウント登録の画面が表示される。
必要な情報(ビジネス名、ウェブサイトのURL、支払い情報など)を入力し、アカウントを作成する。
アカウントを作成すると、広告管理画面にアクセスできるようになる。
管理画面では、キャンペーンの作成、キーワードの設定、広告文の編集、予算管理などが行える。
初心者向けの「スマートモード」と、細かい設定が可能な「エキスパートモード」があるため、まずはエキスパートモードに切り替え、詳細な設定を行ってみよう。
②キャンペーンの作成
キャンペーンは、広告を配信するための大枠となる設定で、目的や配信方法などを決定する。
まず、キャンペーンの種類を選択しよう。
リスティング広告の場合は「検索広告」を選択する。
- 検索広告
Google検索結果に広告を表示する。商品やサービスを探しているユーザーに向いている。 - ディスプレイ広告
Webサイトやアプリにバナー広告を表示する。認知拡大やブランディングに適している。 - 動的検索広告
ウェブサイトのコンテンツをもとに、自動で広告を作成する。商品やサービスの種類が多い場合に有効。
キャンペーンの種類を選んだら、1日あたりの予算と広告を配信する地域を設定する。
予算は「1日あたり○○円」と設定し、クリック単価(CPC)を考慮しながら決める。
配信地域は、ビジネスの対象エリアに合わせ、全国・特定の都道府県・市区町村など細かく設定できる。
次に、キャンペーンの目的を選ぶ。
「リード獲得」「ウェブサイトのトラフィック向上」「ブランド認知向上」など、ビジネスの目標に応じて設定する。
目的を設定することで、広告の最適化がしやすくなる。
③広告グループとキーワードの設定
広告グループは、1つのキャンペーン内で広告を分類する単位であり、設定したキーワードごとに広告を管理する役割を持つ。
たとえば、ECサイトで「ビジネス向けノートパソコン」と「ゲーミングノートパソコン」を販売する場合、それぞれの広告グループを作成し、異なるキーワードを設定すると、ターゲットに最適な広告を表示できる。
キーワードの選定では、Google広告の「キーワードプランナー」を活用し、検索ボリュームや競争率を調査する。
また、キーワードのマッチタイプも設定しよう。
- 完全一致
「SEOツール 無料」→「SEOツール 無料」と検索した場合のみ広告表示 - フレーズ一致
「SEOツール 無料」→「おすすめのSEOツール 無料」で広告表示
(キーワードの単語と順序が一致した場合に表示) - インテントマッチ
「SEOツール 無料」→「検索エンジン最適化 ツール」など関連ワードにも広告表示
除外キーワードも設定し、不要な検索ワードで広告が表示されないようにする。
たとえば、企業向けのソフトウェアを販売している場合「無料」「個人用」などを除外ワードに設定することで、無駄なクリックを減らせる。
ステップ3.広告文の作成
広告文は、ユーザーに表示する広告の文章だ。
効果的な広告文を作成するには、ユーザーの関心を引きつけ、クリックしたくなるような表現を意識しよう。
タイトル(広告見出し)は、ユーザーの検索キーワードを含めることで、広告の関連性を高める。
たとえば「SEOツール 無料」を検索するユーザーに対し「SEOツールを無料で試せる!今すぐダウンロード」といった広告文を作成すると、興味を引きやすくなる。
また、以下のような「広告表示オプション」を活用すると、クリック率(CTR)を向上させることができる。
- サイトリンク
広告下に複数のリンクを表示し、商品ページや問い合わせページに直接誘導できる。 - コールアウト
広告の下に「初回無料」「24時間サポート」などの強みを追加できる。 - 構造化スニペット
「機能一覧」「対応業種」など、具体的な情報を補足できる。
これらを活用することで、ユーザーの関心を引き、より多くのクリックを獲得しやすくなる。
ステップ4.ランディングページ(LP)の準備
広告をクリックしたユーザーの着地点であるランディングページ(LP)の品質は、成果に直結する。
LPが魅力的でないと、クリックされてもコンバージョン(購入・問い合わせ)につながらないからだ。
コンバージョン率(CVR)を高めるには、ユーザーが求めている情報を端的に伝え、アクションを促すことが重要となる。
たとえば「無料トライアル申込み」の広告をクリックしたユーザーには、製品の概要やメリットを簡潔に伝え、すぐに申し込めるボタンを目立たせる。
不要な情報を削減し、シンプルで分かりやすいデザインにすることで、ユーザーの離脱を防ぐ。
さらにモバイルへの最適化も欠かせない。
現代は圧倒的にスマートフォン経由のアクセスが多い。
画面サイズに合わせてレイアウトを調整し、読み込み速度を速くすることで、ユーザーのストレスを軽減しよう。
下記記事でもLPの最適化について解説しているため、参考にしてみて欲しい。
3.リスティング広告運用のポイント
最後にリスティング広告運用におけるポイントを紹介する。
特にBtoBの場合は、以下3点を運用時のポイントとして意識しよう。
ポイント1.BtoBでは「顕在層狙い」が正解とは限らない
BtoBのリスティング広告は「即決購入・契約」を目的としない。
大半が、認知拡大やリード獲得を目的として運用される。
なぜなら、企業向けのITツールやSaaSなどは、問い合わせや資料請求を経て導入が決まるケースがほとんどだからだ。
したがって「今すぐ契約したい」という顕在層よりも「良いものがあれば知りたい」という比較検討段階のユーザーへのアプローチを心がけよう。
すでにオウンドメディアを運用している場合、流入実績があるキーワードから広告文を作成しても良いだろう。
検索流入が多いキーワードは、自然検索ですでに関心を集めている。
リスティング広告の広告としても一定の効果が見込めるため、積極的に活用したい。
また「ロングテールキーワード」や「2語以上の複合キーワード」を活用し、ニッチなニーズを取り込むことも有効だ。
たとえば「中小企業向け CRM 導入」「ERP 比較 SaaS」などのように、具体性のあるキーワードには強いニーズが含まれる。
こうしたキーワードを選定することで、広告費を抑えながら質の高いリードを獲得できる。
ポイント2.広告文は「キーワード」と「ニーズ」から構築する
リスティング広告のクリック率(CTR)を高めるには、広告文とユーザーの検索意図(ニーズ)を一致させることが重要だ。
たとえば「業務効率化ツール 比較」と検索したユーザーは「業務効率を上げるツールを網羅的に知りたい」「その中で良いものが知りたい」というニーズを持っている。
これ対して「業務効率を改善するツール10選|無料トライアルあり」という広告文を表示すれば、クリック率が上がりやすい。
一方で「ITツールなら〇〇がおすすめ」といった漠然とした広告文では、ユーザーの検索意図とズレが生じ、クリック率は上がらないだろう。
また、広告文は「数値」「特典」「実績」などを含めることで訴求力が高まる。
たとえば「導入社数5,000社以上」「初月無料」「今なら50%オフ」といった具体的な要素を加えることで、信頼性やお得感をアピールしやすくなる。
ポイント3.創業期、成長期には特に有効
創業期や成長期の企業にとって、リスティング広告は特に有効な集客方法だ。
SEO対策でリード獲得を狙う場合は、メディアの成長や検索エンジンからの評価を待たなくてはならない。
この場合、およそ半年〜2年程度の程度の時間が必要だ。
一方、リスティング広告ならば、予算・アカウント・広告文・LP(ランディングページ)さえ用意すれば、即座にリード獲得を狙える。
1~3か月といった短期目線でリードを増やしたい場合には特におすすめだ。
また、SEO対策とリスティング広告の平行運用も期待値が高い施策と言える。
初期はリスティング広告で短期目線のリード獲得を強化し、SEOが実を結んだ段階でリスティング広告の予算を調整すれば、全体的な広告費は最適化される。
4.まとめ
本記事では、リスティング広告の強みや実際のやり方について解説した。
リスティング広告はキーワード選定と広告文の連動がクリック率を左右する。
すでにオウンドメディアの流入実績がある場合は、実績のあるキーワードをベースにして運用を開始しても良いだろう。
また、競合を避け、低費用で着実にリードを獲得したいのであればロングテールキーワードを狙う方法もある。
ただしどちらも一定のノウハウが必要なため、必要に応じて外部のパートナーを活用していこう。
弊社でも、広告運用やコンテンツマーケティング全般の支援を提供している。
是非お気軽にお問合せいただきたい。