オウンドメディア運用にかかる費用は?|外注・内製の判断基準、ROIの考え方

オウンドメディア運用はBtoBマーケティングの戦術として一般的になりつつあるが、その構築費用は決して安くない。

外注で0からオウンドメディアを立ち上げる場合、100万円以上はかかると考えておこう。

費用を抑えたい場合でも、予算が潤沢にある場合でも「何にどれくらいのお金が必要なのか」を理解しておかなければ最適な予算配分が難しく、無駄な投資が発生するおそれもある。

そこで本記事では、オウンドメディアの構築や運用にかかる費用の項目・相場、コスト分配のポイント、費用対効果の計算方法などを解説する。

SEOやマーケティング担当者の方はぜひ参考にしていただきたい。

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1.オウンドメディア構築・運用にかかる費用と相場

 

オウンドメディアを立ち上げ、マーケティングの戦力として成り立たせるためには、主に以下2つの費用がかかる。

  • イニシャルコスト(オウンドメディア構築にかかる費用)
  • ランニングコスト(オウンドメディア運営・保守にかかる費用)

実際にかかる費用は、外注の範囲やオウンドメディアの規模などによって異なるが、相場は以下のとおりだ。

すべて外注 一部外注 すべて内製化
イニシャルコスト 人件費、サーバー・CMS、ツール費用中心 30万円〜(外注範囲によって変わる) 50万〜300万円程度
ランニングコスト(月額) サーバー費用、人件費、ツール費用中心 10万円〜(外注範囲によって変わる) 30万〜100万円程度

なお、すでに運用中のオウンドメディアがある場合、抜本的なリニューアルの実施には100万円以上かかると考えておこう。

さらに、リニューアル時にCMS(コンテンツマネジメントシステム)の入れ替えが必要となる場合、記事や各種コンテンツの移行も必要なため、ゼロから新規構築するよりも作業負荷は大きくなる。

 

2.オウンドメディアの費用内訳

 

オウンドメディアでかかる費用の内訳を、構築費用(イニシャルコスト)と運用費用(ランニングコスト)に分けて解説していく。

オウンドメディアの費用内訳

 

2.1.オウンドメディア構築費用の内訳

 

オウンドメディアの新規立ち上げに必要な要素は以下の5つだ。

  1. 戦略策定、サイト・デザイン設計
  2. Webデザイン・コーディング、システム開発
  3. 初期コンテンツ制作
  4. SEO対策
  5. 環境構築

構築費用は自社で行うか外注するかによって大きな違いが出る。

すべて外注すれば数百万円単位の予算が必要となるだろう。

また、立ち上げ時には、SEOの観点から10〜20本以上の記事を公開するのが一般的であるため、コンテンツの制作費用やCMSの導入費用なども必要となる。

それぞれの費用の詳細は以下のとおりだ。

内訳 概要 相場感
戦略策定、サイト・デザイン設計 ターゲットや目的などの基本戦略策定とユーザーニーズに応じたUI/UXデザイン設計 50万~100万円
Webデザイン・コーディング、システム開発 サイト構築に必要なHTMLコーディングやCMSの導入・初期設定、カスタマイズなど 20万~100万円
初期コンテンツ制作 サイトオープン時の初期コンテンツ制作(最低でも10~20本の記事が必要) 1記事あたり

3万~10万円程度

SEO対策 オウンドメディア全体のSEO戦略の策定と実施 10万~30万円
環境構築 CMS構築・利用料、サーバー構築費用、ドメイン取得費用など 5万円〜

 

2.2.オウンドメディア運用費用の内訳

 

オウンドメディアの継続的な運用にかかる費用(ランニングコスト)は、以下の4つだ。

  1. 追加コンテンツ制作
  2. SEO対策
  3. 分析レポート
  4. システム利用料

オウンドメディアは立ち上げてからが本番といってもよい。

定期的なコンテンツの更新やユーザーニーズを捉えたサイトの改善によって、徐々に顧客の信頼とSEO評価が構築されるためだ。

運用を内製で行わない場合、上記の費用をかけなければオウンドメディアによる「効果」を得にくくなってしまう。

各費用の概要と相場は以下のとおりだ。

内訳 概要 相場感
追加コンテンツ制作 追加記事のキーワード選定、競合調査、記事構成作成、ライティング、校正・チェック、記事入稿、リライト 1記事あたり

3万~10万円程度

SEO対策 記事ごと、またはサイト全体における継続的なSEO対策 月5万~30万円程度
分析・改善 Google Analyticsやキーワード分析ツールを活用したデータの分析 月5万~20万円程度
システム利用料 サーバー代、ドメイン費用、CMS利用料など 月5万~10万円程度
運用保守 サイトの運用保守 月1万〜5万円程度

費用を抑え、かつオウンドメディアによる効果を最大化したい場合は、一部の業務のみを外注するのも一つの方法だ。

例えば、社内リソースでサイトの保守や環境の整備、リードの管理などは行えるが、十分な量のコンテンツ制作が間に合わない場合は、記事制作に強い業者への依頼を検討しよう。

 

3.​​内製と外注、両者の違いとどちらが良いか

 

オウンドメディア運営を内製するか外注するかで頭を悩ませる企業は少なくないはずだ。

外注費用は決して安価ではないが、内製するにしても多方面でのノウハウが必要だ。

それに、オウンドメディアは、サイトを立ち上げたら終わりではない。

高品質な記事を量産しながら、見込み顧客に対して役立つコンテンツを提供し続けられるかが成功のカギを握る

よって、オウンドメディア運営を「継続」するためのリソースの確保が欠かせない。

ここでは、オウンドメディア運用に必要なリソースを紹介するとともに、ケース別に内製化と外注のどちらを選ぶのが得策なのかを解説する。

オウンドメディア構築・運用のステップ

 

3.1.オウンドメディア運用に必要なリソース

 

オウンドメディアを長期にわたり継続して運用するためには、以下で紹介するリソースを準備してからスタートしよう。

十分なリソースを確保できなければ、運用メンバーの負担が増え、低品質な記事になったり、記事の更新が滞ったりするおそれがある。

その結果、期待する効果を得られず、せっかく立ち上げたオウンドメディアを放置することになりかねない

以下に示すオウンドメディア運営に欠かせない役割を社内リソースで用意できない場合には、外注を検討しよう。

タイミング 役割
オウンドメディア立ち上げ時 
  • 戦略策定・マーケティング担当者
  • エンジニア
  • デザイナー
  • ディレクター
  • ライター
  • カメラマン
オウンドメディア運用時
  • マーケティング担当者
  • エンジニア
  • デザイナー
  • ライター
  • ディレクター
  • コンテンツ制作担当者

 

3.2.オウンドメディア運用における内製化と外注の違いは?

 

オウンドメディア運用の内製化と外注は、以下の点で違いがある。

  • 運用リソース
  • コスト構造
  • 専門性・ノウハウ

内製化は自社のリソースを最大限活用しながら社内ナレッジを蓄積できる。

一方、外注は専門性の高い支援を受けられる点がメリットだ。

それぞれのメリットとデメリットを詳しく見ていこう。

 

内製化のメリット・デメリット

 

オウンドメディアの内製化には、以下のようなメリットとデメリットがある。

メリット デメリット
  • コスト管理の柔軟性
    人件費やシステム利用料など、運用に必要な費用を自社で直接コントロールできる。
  • 迅速な運営体制
    自社リソースを活用するため、企画や運用の変更、記事修正などの対応をスピーディーに行える。
  • ノウハウの蓄積
    社内で運用を行えば、マーケティングやコンテンツ制作のナレッジを組織内に蓄積できる。
  • スキル不足のリスク
    SEOやデザイン、分析などの専門知識が社内に不足している場合、成果が上がらないおそれがある。
  • リソースの制約
    コンテンツ制作や運用にかかる時間や労力が、ほかの業務に影響を及ぼすおそれがある。

 

外注のメリット・デメリット

 

オウンドメディアを専門業者へ外注するメリットとデメリットは以下のとおりだ。

メリット デメリット
  • 専門的な支援を受けられる
    SEO対策、デザイン、分析などの専門的な支援を受けることで、高品質なコンテンツを制作できる。
  • リソースを他業務に回せる
    運用をアウトソースすれば、社内リソースをほかの重要業務に回せる。
  • 最短距離で成果が期待できる
    経験豊富な専門家に依頼すれば、迅速に成果を得られる可能性が高まる。
  • コスト負担が大きい
    構築費用や運用費用が数十万円から数百万円以上になる場合があり、費用負担が大きい。
  • コミュニケーションコストの発生
    要望を正確に伝えるための調整やミーティングの実施が必要。
  • 内部にノウハウが残らない
    外部依存によって、社内にノウハウが残らないリスクがある。

 

3.3.オウンドメディア運用は内製化と外注のどちらがおすすめ?

 

内製化と外注のどちらを選ぶべきかは、自社の状況によって異なる。

コンテンツマーケティングに対する知見の深さや、確保できる社内リソース、投下できる予算、最終的な目標など、自社がおかれた環境や条件を踏まえて運用方法を検討しよう。

参考として、株式会社宣伝会議が発行する「広告会議」で公表された、オウンドメディアの外部委託に関するアンケート結果を紹介する。

オウンドメディアの外部委託に関するアンケート結果①

出典:<オウンドメディア実態調査>8割「オウンドメディアの効果」を実感するも「コンテンツ数の維持」は課題|株式会社宣伝会議のプレスリリース

 

このアンケート結果から、オウンドメディア運営を外部委託するケースも決して少なくないことがわかる。

ここからは、オウンドメディアを運用する4つのパターンを紹介する。

自社の状況を整理しながら、どのパターンが適しているかを検討してほしい。

 

パターン1.すべて外注

 

オウンドメディアに対する知見に乏しく、何から始めてよいかわからない状況であれば、丸ごと外注するのがおすすめだ。

外注により専門家の支援を受ければ、最短距離で成果を出せるだろう

外注する際のポイントは、委託先を慎重に選定することだ。

費用だけではなく、オウンドメディア支援の実績やSEOに対する専門性の有無、得意な業種・業界などを確認しよう。

ただし、外注する場合でも社内リソースは少なからず必要となる。

例えば、オウンドメディアのターゲットや目標、方向性などの戦略策定や、一つひとつのコンテンツのチェックは社内関係者を含めて行わなければならない。

社内メンバーによるチェックなしですべてを任せてしまうと、自社のサービスや分野、目標と方向性がズレるリスクがある。

逆をいえば、自社内とのコミュニケーションを密にとってくれる業者が理想的だといえるだろう。

 

パターン2.立ち上げ時のみ外注

 

オウンドメディアの運営経験はあるものの、社内にWebエンジニアやデザイナーがおらず、Webサイト立ち上げのノウハウがない場合は、立ち上げ時のみ外注する方法がおすすめだ。

立ち上げ後は社内リソースで運営するため、外注費などのランニングコストを低く抑えられるほか、社内ナレッジを蓄積できるメリットもある。

なお、CMSを利用する場合は、保守メンテナンスの対応方針(自社で行うのか外注するのか)をあらかじめ決めておこう。

 

パターン3.コンテンツ制作のみ外注

 

オウンドメディア運営における最大の悩みは、良質なコンテンツを継続的に制作するためのリソース確保だろう。

先に紹介した株式会社宣伝会議が発行する「広告会議」で公表された、オウンドメディアの課題に関するアンケート結果では「コンテンツ数の維持」に課題を抱えている企業が過半数を占めている。

オウンドメディアの外部委託に関するアンケート結果②

出典:<オウンドメディア実態調査>8割「オウンドメディアの効果」を実感するも「コンテンツ数の維持」は課題|株式会社宣伝会議のプレスリリース

 

この悩みを解決する手段として有効なのが、記事制作のみの外注だ。

外注先がもつSEO記事制作のノウハウを取り入れて、質の高いコンテンツを短期間で制作できる

良い外注先と出会うことができれば、5,000文字程度の記事を月10本発注する、というような安定した記事の供給を受けられる。

記事1本あたりの相場は、業種業界や文字数もよるが、1本あたり3万〜10万円程度だ。

マーケティング予算が豊富で、コンスタントに記事をアップしながら集客増加を目指す場合に最適な方法といえるだろう。

 

<パターン4>すべて内製化

 

自社内で十分なリソースを確保できる場合は、オウンドメディア運営チームをつくり内製化しよう。

オウンドメディアを自社で運営する場合、最低でも2〜3人の専任スタッフが必要となるだろう。

オウンドメディアのすべてを内製化できれば、外注費を抑えられるため、費用対効果に良い影響を与える。

さらに、自社や業界、トレンドに関する深い知見をもつ社内メンバーがコンテンツ制作に関わるため、記事の方向性を共有しやすく、より専門性のある内容に仕上げられる。

 

4.かけた費用に対する効果の計算も重要

 

オウンドメディアにおいて何を「効果」とするかは、その目的によって異なるが、ここでは一般的に「収益」として計算しやすい「売上」や「リード獲得」を目的とした場合の費用対効果の算出方法を紹介する。

なお、以下の記事では、認知度向上や企業のブランディングなど、オウンドメディアのさまざまな目的に対する指標(KPI)の測定方法について解説している。

具体的なKPIの設計や効果測定のシミュレーションについて知りたい方は、ぜひ参考にしていただきたい。

オウンドメディアのKPIとは?目的・フェーズごとに設定すべきKPIを解説

 

4.1.費用対効果(費用に対する売上獲得)の計算方法

 

初期費用や運用コストを上回る成果(リード獲得や売上増加)を得られたかどうかを計算することで、オウンドメディアの費用対効果を把握できる。

費用は、先述した構築費用と運用費用の総額を指す。

成果の指標は「受注額」や「一定期間での売上」など多岐にわたるが、ここではオウンドメディア経由で獲得した顧客数×LTV(顧客生涯価値)を計算する。

ROI(%)= {(売上 – コスト = 利益) ÷ コスト } × 100

具体例として、BtoB向けオウンドメディアを想定した以下の2つのケースでROIを見てみよう。

<予算>

  •  立ち上げ時の構築費用:500万円
  •  運用に必要なランニング費用(人件費+外注費含む):年間1,800万円

<成果>

  •  平均受注率:10%
  •  受注1件あたりの平均LTV:120万円

上記の例で年間リード獲得数が500件であれば、ROIは以下のようになる。

内訳 金額
構築費用 500万円
運用費用 1,800万円
費用合計 2,300万円
獲得リード数 500件
受注数 50件
合計LTV 6,000万円
粗利益 3,700万円
年間ROI 160.9%

上記のとおり、年間リード獲得数が500件であれば、ROIが100%を超えるため、十分な費用対効果が得られていると判断できる。

一方、年間リード獲得数が150件の場合は以下のようになる。

内訳 金額
構築費用 500万円
運用費用 1,800万円
費用合計 2,300万円
獲得リード数 150件
受注数 15件
合計LTV 1,800万円
粗利益 ▲ 500万円
年間ROI ▲ 21.7%

年間のリード獲得数が150件しかない場合、ROIはマイナスとなり、改善が必要だと判断できる。

立ち上げ時は構築費用がかさむうえに、SEO評価の蓄積には時間がかかるため、初年度にROIをプラスにすることは難しい。

オウンドメディアのROIについて計画する際は、数年後を見据えて計算しよう。

また、オウンドメディアで獲得したリードは、すぐに受注に至る確率が低い点も考慮すべきだ。

ナーチャリングを通じて長期的な戦略で購買意欲を高め、見込み顧客、顧客へと育てていくことが欠かせない。

参考として、オウンドメディアの費用対効果のイメージは以下のとおりだ。

初期投資が大きくかかり、即効性は低いが、SEO評価が蓄積されてパフォーマンスが高まるにつれ、顧客獲得単価も低下し固い集客源として機能するようになる。

オウンドメディアの費用対効果のイメージ

ただし、マーケティングでは、オウンドメディアだけではなく、Web広告や比較サイトへの掲載など、ほかの施策も行うのが一般的だ。

例えば、Web広告は即効性が高く、オウンドメディアが成長するまでの期間を支える集客源となる。

このように、ほかの施策に関するコストや成果も踏まえて、費用や収益性を計画・計算することを頭にいれておこう。

 

5.オウンドメディア費用の節約ポイント

 

0からオウンドメディアを立ち上げ、さらに外注する場合は高額な費用がかかるが、そのなかでもできる限り費用を節約したいという方は多いだろう。

そこで本章では、オウンドメディアの費用を節約し、ROIを高めるためのポイントを紹介する。

  1. まずはマネタイズ計画を立ててみる
  2. キーワード分析についての知識をつける
  3. 記事制作プロセスの最適化
  4. オウンドメディア用コンテンツの横展開

それぞれ見ていこう。

 

ポイント1.マネタイズ計画の立案がファーストステップ

 

すべてを外注する場合でも、まずはオウンドメディアのマネタイズについて計画を立てることをおすすめする。

このプロセスを踏むことで、オウンドメディアの成果が安定するまでにかかる費用の目安や、外注すべき部分と内製化する部分の洗い出しができ、オウンドメディアによる具体的な成果が見えてくる。

マネタイズ計画の構築は、いわば「費用の節約」や「ROIの向上」のための準備だ。

マネタイズ計画は、以下の3つのステップで策定する。

  1. 想定受注率や想定顧客単価から受注金額目標を立てる
  2. 人件費と外注費、各種経費を洗い出す
  3. 金額目標に対するCV率やPVなどのKPIを設定する

詳しい手順については、以下で具体例とともに解説しているため、ぜひ参考にしてほしい。

オウンドメディアのマネタイズ方法とは?マネタイズ計画の立て方や代表的なシナリオを解説

 

ポイント2.キーワード分析による必要記事の選別

 

オウンドメディアの費用を削減するためには「コンテンツ(記事)による効果を高める」ことが欠かせない。

「効果を高める」とは具体的にいうと、コンテンツのSEO評価が高まり、広告費用をかけずとも流入数が向上するような仕組みを構築することだ。

そして、その仕組みの土台となるのが「キーワード選定」だ。

どれだけスキルが高いライターが記事を書いたとしても、企業の認知や売上につながらないテーマの記事が量産されていては、人件費の無駄になってしまう。

このような自体を防ぎ、それぞれの記事がマネタイズにできる限りつながる「効果の高いコンテンツ」にするためには、ターゲットのニーズとコンバージョンまでの行動を分析したうえでのキーワード設計が重要だ。

つまり、ターゲットの選定やカスタマージャーニーの設計などは、オウンドメディアを運用していくなら必須の作業となる。

これらのノウハウをもつ人材がいない場合は、無駄なコンテンツ制作を避けるためにも、専門知識をもつ外部の支援を受けるとよいだろう。

また、対策キーワードには、オウンドメディアの成熟度やサービスの性質によって優先度がある

例えば、立ち上げたばかりのオウンドメディアでは、ドメイン全体ではなくコンテンツ一つひとつに対する評価が反映されやすい「ロングテールキーワード」から攻略していく戦略が有効だ。

ロングテールキーワードを中心に、カニバリが発生しないようコンテンツを管理しながらメディアを育て、検索ボリュームが多く露出度が高いキーワードでも上位を獲得できるように進めていこう。

SEOにおいて欠かせないキーワード選定については、以下の記事で詳しく解説している。

SEO効果を最大化するキーワード選定の完全ガイド

このように、かかる費用は同じでも、キーワード設計によって効果を高めることが可能だ。

費用対効果を意識して、外部委託やコンサルティングなども検討してみてほしい。

 

ポイント3.記事制作プロセスの最適化

 

オウンドメディアの記事制作では、各工程の最適化がコスト節約に直結する重要なポイントとなる。

オウンドメディアにおける記事制作は、大きく以下の工程に分けられる。

  1. ターゲットと記事の方針決定
  2. キーワード選定
  3. 記事構成の作成
  4. ライティング・記事校正・チェック
  5. CMSへの入稿

これらのプロセスのうち、一部でも内製化できる作業がないかを検討したり、社内リソースのなかで分業したりすれば、外注費を抑えながら作業の効率化を図れるだろう。

例えば、記事のライティングやCMSへの入稿を社内リソースでまかなえば、外注費を削減しながら社内ナレッジを蓄積できる。

その結果、生産性の高い記事制作プロセスを実現できるのだ。

 

ポイント4.オウンドメディア用コンテンツの横展開

 

オウンドメディア用に制作したコンテンツを、ほかの施策に横展開すれば、コスト削減とマーケティング効果の拡大につながる。

再利用により追加の制作コストを抑えつつ、異なるチャネルを活用してより幅広いターゲット層へリーチできるからだ。

例えば、オウンドメディアで制作した記事をメールマガジンやSNSでシェアすれば、さらなる露出拡大が可能だ。

このアプローチは、既存のメーリングリストやフォロワーを活用し、追加の広告費がかからないナーチャリングを可能とする。

さらに、記事を資料化してホワイトペーパーとして再利用すれば、リードジェネレーションを目的としたマーケティング施策にも役立てられるだろう。

オウンドメディア用コンテンツの多面的な活用は、制作コストの節約とマーケティング効果の向上を同時に実現するために欠かせない戦略といえる。

 

6.まとめ

 

オウンドメディアを新規で立ち上げる場合の費用相場は、数十万円から数百万円と幅広い。

さらに、成果の出る効果的なオウンドメディアへ育てていくためには、運用費用として毎年1,000万円以上は見込んでおくべきだろう。

オウンドメディア運用を成功へと導くには、自社リソースによる内製化と、専門性の高い外注を比較し、費用対効果が高くなる運営体制を固めることが重要だ。

オウンドメディアの構築と運用にかかる費用は決して少なくない。

しかし、オウンドメディアがもつ力は、見込み顧客の獲得やブランディングに大きな影響を与えることは、多くの企業の成功事例からも明らかだ。

戦略的な計画・実行と費用対効果の改善を繰り返しながら、長期的な視点でオウンドメディアの運営を進めていこう。

 

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