ステップメールは、メールマーケティングにおける代表的な手法だ。
まだ購入意欲が高くない潜在顧客に対しても、段階的なアプローチで意識変容を促し、コンバージョンへ誘導することができる。
リードナーチャリングを行ううえで有益な手法のひとつだ。
しかし「始めてみたものの、あまり成果が出ていない」「どのようなシナリオを組めばよいかわからない」とお悩みの方もいるのではないだろうか。
そこで本記事では、ステップメールの概要とメリット・デメリット、作成手順、コンテンツやシナリオの具体例、効果検証方法などを解説していきたい。
1.ステップメールとは
「ステップメール」とは、あらかじめツールで設定したシナリオにもとづき、見込み客に対して一定の間隔で送信される一連のメールを指す。
BtoB企業のマーケティング戦略において、主にリードナーチャリング(リードの育成)を目的として実施される。
リードナーチャリングについては、こちらの記事を参考にしてほしい。
見込み客がウェビナーの申し込みやホワイトペーパーのダウンロードなどのアクションを起こすと、彼らのメールアドレスがステップメールのリストに追加される。
その後、事前に設定されたタイミングで、トレンドや気づきにつながるような教育的な内容、製品情報、サービスの提案などのメールが順番に自動送信される仕組みだ。
1.1.ステップメールとメールマガジン(メルマガ)の違い
ステップメールとメールマガジンは、どちらも電子メールを通じたマーケティング手法だが、その目的と使用方法に大きな違いがある。
ステップメール | メールマガジン | |
---|---|---|
目的 | 個々の見込み客の行動や興味にもとづいてカスタマイズされた情報を提供すること。 | 自社や自社サービスに関する広範な情報やニュースを、一定のスケジュールで定期的に提供すること。 |
特徴 | 見込み客が特定のアクション(ウェビナーの申し込みや資料請求など)を行った際にトリガーされる。
各メールは、見込み客の興味や行動にもとづいて内容がカスタマイズされ、一連のメールが順序立てて送信される。 |
通常、共通の内容が保有リード全体に向けて送信される。
内容は教育的な記事、業界ニュース、サービスのアップデートなど、一般的かつ単発の情報が中心。 |
用途 | リードを育成し、段階的に製品やサービスに関する関心を高めるために用いられる。
個々の顧客のニーズや興味に合わせて情報を提供する。 |
ブランディングや顧客との長期的な関係構築をするために用いられる。
一方的なコミュニケーションが主であり、見込み客の具体的な行動にもとづいたカスタマイズは行われない。 |
ステップメールはより個人化され、見込み客の行動にもとづいたコンテンツを順番に配信するのに対し、メールマガジンは広範囲に向けた情報を定期的に配信するものといえるだろう。
2.ステップメールのメリット
ステップメールの主なメリットについてみていこう。
メリット1.効率が良い
一度ツールでシナリオを設定すると、特定の条件に応じて自動でメールが送信されるため、顧客アプローチの効率が大幅に向上する。
メリット2.パーソナライズアプローチが可能
見込み客の興味や行動に合わせてカスタマイズされたコンテンツを提供し、エンゲージメントを高める。
メリット3.リードの育成につながる
見込み客の検討フェーズに合わせた情報を段階的に提供することで、初期段階では関心度合いの低かった見込み客も無駄なく受注につなげられる。
メリット4.コンバージョン率の向上が見込める
パーソナライズされたアプローチが見込み客の購入意欲を高め、コンバージョン率の向上に寄与する。
メリット5.顧客理解の深化につながる
配信結果の分析により、見込み客の行動や好みに関する洞察を得ることができ、マーケティング戦略や製品開発に活用できる。
メリット6.長期的な関係構築
継続的なコミュニケーションにより、顧客との信頼関係を築ける。
3.ステップメールのデメリット
ステップメールには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在する。
ステップメールをうまく活用できるよう、デメリットごとの対策や割り切り方を事前に考えておくとよいだろう。
主なデメリットは以下のとおり。
デメリット1.自動化によるパーソナライズの限界
ステップメールは自動化されているため、一部の見込み客にとっては過度に一般的または不適切なコンテンツとなるおそれがある。
見込み客のニーズや興味が時間とともに変化することを、自動化システムが正確に捉えることは難しい。
デメリット2.ブロックのリスク
頻繁なメール送信は見込み客にネガティブな印象を与え、メールが無視されたり、ブロックされたりする原因となる。
適切な間隔と、コンテンツの質を保つことが重要だ。
デメリット3.設定と維持の手間
効果的なステップメールキャンペーンを設計して維持するためには、時間とリソースが必要。
適切なメッセージをタイミングよく送るための精密な計画と継続的な調整が求められる。
デメリット4.不適切なターゲティング
顧客の興味やニーズを正確に把握しないと、ターゲットに沿わない情報を複数回にわたり送ってしまうことになり、顧客の不信につながるリスクがある。
デメリット5.コストと労力
効果的なステップメールシステムを構築するには、MAツールの導入や運用のための人件費が必要だ。
特に小規模の企業にとっては、ステップメールの運用コストや作成労力が負担となることがある。
デメリット6.成果測定の限界
ステップメールでは複数のタッチポイントが関与するため、どのメールがコンバージョンにもっとも貢献したかの特定は難しい場合がある。
4.ステップメールの作成手順
ステップメールは、大きく以下6つのステップに分けて作成していく。
- 送付する対象を明確にして分類する
- ゴールを設定する
- カスタマージャーニーを意識してシナリオを考える
- メールを作成する
- 配信設定をする
- 効果検証をする
それぞれ詳しく解説していきたい。
ステップ1.送付する対象を明確にして分類する
まず、ステップメールを送付する対象を明確にし、配信内容のパーソナライズを行えるように分類しよう。
ステップメールを自動化させるには、そのシナリオが発動するためのトリガーアクションが必要だ。
「〇〇のホワイトペーパーをダウンロードした」「〇〇のセミナーに参加した」などのアクションをリストアップしていく。
理想的なのは、一つひとつのトリガーアクションに応じて内容がパーソナライズされていること。
リソースやコンテンツが限られており、そこまでの分類が難しい場合は、少なくとも「検討フェーズ」で分類してみてほしい。
検討フェーズとアクションの分類例
検討フェーズ | アクション(例) |
---|---|
認知フェーズ (自社を認知はしているが関心がない) |
|
興味・関心フェーズ (自社に関心がある) |
|
比較・検討フェーズ (サービスの導入を検討している) |
|
ステップ2.ゴールを設定する
ステップメールによって見込み客にどのようなアクションを実行してほしいのか、ゴールを明確にする。
その際、ゴールを「申し込み(受注)」と置きたくなるが、ステップメールにおいては最終的なゴールではなく、それぞれの見込み客の検討フェーズに合わせて近いゴールを設定することがポイントだ。
ステップごとにゴールを設定することで、施策がうまくいっているかどうかを評価しやすくなる。
イメージとして、検討フェーズがステップアップするたびにゴールが達成される、階段のようなものと捉えてほしい。
もちろん、対象の100%がゴールを達成することはないため「〇%が〇〇のアクションを実行する」のように具体的な数値のKPIまで置くのが理想だ。
しかし、どの程度の数値に設定するべきかわからないケースが多いだろう。
そのため、とりあえず仮の数値を設定して、やりながら実態に合わせていく形でも問題ない。
ステップ3.カスタマージャーニーを意識してシナリオを考える
続いて、ステップ1で行った顧客の検討フェーズ別に、カスタマージャーニーを意識したシナリオを考えていく。
見込み客がどのような体験を経て(ステップ2で設定した)ゴールに到達するのか、彼らの思考をよく想像しながら届けるべきコンテンツ・メッセージを吟味しよう。
関心度が低い・曖昧な見込み客には、いきなり自社の販促を仕掛けてるのではなく、ゆるやかに階段を登ってもらうようにシナリオを設計することが大切だ。
<シナリオ設計例>
より具体的な、見込み客のアクション別のシナリオ例は「6.ステップメールのシナリオ例」で紹介している。
また「シナリオを作ろうにもそもそもコンテンツが足りない。どのようなコンテンツを作ればよいかわからない」とお悩みの方に向けて、代表的なコンテンツのテーマを「5.ステップメールのコンテンツ切り口例」で紹介しているため、参考にしてほしい。
ステップ4.メールを作成する
前のステップで設計したシナリオをもとに、具体的なメールの文面やコンテンツを作成しよう。
メールを作る際のポイントは以下の6つだ。
①タイトルは具体的かつ簡潔にする
タイトルは開封率にもっとも影響する要素。30文字以内で簡潔にまとめ、特に重要なキーワードはタイトルの先頭に寄せて作成しよう。
②本文は読みやすい長さ・構成にする
本文の長さは500〜1,000字程度が適切である。
HTMLメールではヘッダー・フッターや画像などを活用し、視覚的にわかりやすくなるよう構成を工夫するとよいだろう。
③オウンドメディアやホワイトペーパーを活用する
オウンドメディアやホワイトペーパーへのリンクを積極的に設置することで、効果計測がしやすくなる。
④CTAを配置する
Call To Action(=Webサイトへの訪問を促す画像やボタン、テキスト)をわかりやすい場所に配置する。
⑤送付相手の名前を入れる
配信ツールの差し込み文字機能などを使って送付相手の名前を入れることで、パーソナライズされている印象をもたせる。
⑥差出人を営業担当にする
差出人を営業担当にすることで、パーソナライズされている印象をもたせる。
ステップ5.配信設定を行う
メッセージのテンプレートを作成したら、配信ツールで配信の設定を行っていく。
ステップメールの配信設定方法はツールによって異なるが、多くは「ステップメール」や「シナリオ」といった名称の機能となっている。
詳細は各ツールのマニュアルを確認してみてほしい。
この時点で、一度シナリオが発動してから次のステップメールへ移行するまでに何日空けるかも決めていこう。
最適な配信頻度については「7.ステップメールの最適な配信頻度」を参考にしてほしい。
ステップ6.効果検証をする
ステップメールの配信を始めたら、効果を定期的に検証し、設定したゴール・KPIにもとづいて成果を測定する。
もし結果が芳しくないと感じた場合は、以下の観点で調整を行うとよいだろう。
①セグメントの強化
リードをより細かく分類し、パーソナライズされたコンテンツを提供できるようにする。
②コンテンツの質と関連性の向上
コンテンツの種類を増やしたり、内容のアップデート・改善を行ったりして品質向上を図る。
③メール文面の工夫
A/Bテストなどを行い、対象の興味を引くメッセージに改修する。特にタイトルを工夫することは重要だ。
④配信頻度の調整
メールの配信が頻繁すぎると考えられる場合、配信頻度を落として成果が変わるかどうかを検証する。
5.ステップメールのコンテンツ切り口の例
ステップメールのコンテンツの切り口はさまざまなものが考えられる。
業界によっても大きく異なるが、ここではIT業界の例を紹介していきたい。
「カテゴリー」の考え方自体はどの業界にも共通するため、参考にしてみてほしい。
カテゴリー | 内容 | 例 |
---|---|---|
業界のトレンドと分析 | IT業界の最新トレンド、技術進化、市場分析に関する洞察 | 「2023年のクラウドコンピューティングのトレンドとその影響」 |
テクノロジー解説 | 特定の技術やプロダクトの機能を深く掘り下げる解説 | 「ブロックチェーンがビジネスにもたらす可能性」 |
ハウツーとガイド | 特定の技術や製品の使い方、導入ガイド、ベストプラクティス | 「クラウドストレージを安全に利用するためのベストプラクティス」
「効果的なデータ分析のためのステップガイド」 |
業界の課題と解決策 | IT業界が直面している主要な課題とその解決策 | 「不正アクセスを防ぐための対策方法」 |
ケーススタディ・導入事例 | 顧客が製品やサービスをどのように利用して成功を収めたかの事例 | 「X社が私たちのITソリューションで業務課題をどのように改善したか」 |
ウェビナー・イベントの案内 | 業界の最新トレンドや製品紹介を行うウェビナーやイベントへの招待 | 「課題別のユースケース解説」 |
製品アップデートとチュートリアル | 新しい機能のリリース情報やその機能の詳細なチュートリアル | 「クラウドストレージサービスに新しいセキュリティ機能が追加」 |
限定オファーとプロモーション | 新製品の割引、アップグレードオファー、無料トライアルの提供 | 「今だけ!新しいソフトウェアバージョンを特別割引価格でご提供」 |
6.ステップメールのシナリオ例
ここでは、ステップメールのシナリオ設定例を、いくつかの見込み客のアクションにわけて紹介していきたい。
シナリオ例1.メルマガに登録したリード
自社のWebサイトからメルマガ登録を行ったリードに対するステップメールのシナリオ例。
メルマガ登録というアクションから自社の製品・サービスへの関心度合いを測ることは困難だが、基本的に関心度は「低い」前提でコミュニケーションを始めるのがポイントだ。
【ステップ 1】歓迎と自社の紹介(メルマガ登録直後)
目的 | 新規登録者を歓迎し、自社のプロフィールと今後提供される情報を紹介する。 |
---|---|
コンテンツ | 歓迎のメッセージ、自社のプロフィールや今後提供したい情報の予告を行う。 |
例 | 「メルマガ登録ありがとうございます!〇〇や〇〇などのテーマに関して、様々なコンテンツやウェビナー情報をお届けします」 |
【ステップ 2】啓蒙コンテンツの提供(1週間後)
目的 | 登録者に価値ある情報を提供し、ウェビナーのトピックに関する興味を刺激する。 |
---|---|
コンテンツ | 業界のトレンド、専門知識、ウェビナーでカバーされるトピックに関する記事やホワイトペーパー。 |
例 | 「今週の注目トピック:X技術の最新動向(近日開催ウェビナーで詳細解説!)」 |
【ステップ 3】ウェビナーへの招待(2週間後)
目的 | 登録者にウェビナーへの参加を促し、具体的な詳細を提供する。 |
---|---|
コンテンツ | ウェビナーの日時、トピック、講師の情報、参加のメリット。 |
例 | 「ご招待:X技術に関する専門家による特別ウェビナー」 |
【ステップ 4】リマインダーと参加促進(ウェビナー開催数日前)
目的 | ウェビナーへの参加を再度促し、登録を確実にする。 |
---|---|
コンテンツ | ウェビナーのリマインダー、未登録者への参加促進、参加の締切日のアナウンス。 |
例 | 「ウェビナーまであと数日!お早めにご登録ください」 |
シナリオ例2.ウェビナーに参加したリード
自社のウェビナーに参加したリードに対するステップメールのシナリオ例。
参加したウェビナーのテーマに顧客の関心やニーズがあると考えられるため、それをうまく活用して段階的に関係を築き上げることがポイントとなる。
【ステップ1】ウェビナー後のフォローアップ(ウェビナー終了後1-2日以内)
目的 | 参加に対する感謝を表し、ウェビナーの要点を振り返る。 |
---|---|
コンテンツ | ウェビナーの参加に感謝するメッセージ、ウェビナーの要約、関連資料へのリンク。 |
例 | 「ウェビナーにご参加いただきありがとうございました!主要なポイントと追加資料をお送りします」 |
【ステップ2】追加の啓蒙コンテンツの提供(1週間後)
目的 | ウェビナーのトピックに関連する追加情報を提供し、知識の深化を促す。 |
---|---|
コンテンツ | ウェビナーのトピックに関連する詳細記事、ケーススタディ、ホワイトペーパー。 |
例 | 「ウェビナートピックを深掘り:詳細なケーススタディのご紹介」 |
【ステップ 3】対話を促す質問とフィードバックの収集(2週間後)
目的 | 参加者の意見やフィードバックを収集し、対話を促進する。 |
---|---|
コンテンツ | ウェビナーに関連するトピックについての質問やディスカッションの招待。 |
例 | 「あなたのフィードバックが私たちにとって重要です!短いアンケートにご協力ください」 |
【ステップ 4】関連製品やサービスの紹介(1ヶ月後)
目的 | ウェビナーの内容と関連する製品やサービスを紹介し、興味を喚起する。 |
---|---|
コンテンツ | ウェビナーのトピックに関連する製品やサービスの紹介、無料トライアルの提供。 |
例 | 「ウェビナーで学んだトピックを活用する:私たちの製品デモをご覧ください」 |
シナリオ例3.ホワイトペーパーをDLしたリード
自社のホワイトペーパーをダウンロードしたリードに対するステップメールのシナリオ例。
基本的にウェビナーと同じく、ホワイトペーパーのテーマに顧客の関心やニーズがあると考えられるため、それをうまく活用して段階的に関係を築き上げることがポイントだ。
【ステップ 1】ダウンロードの確認と感謝(ダウンロード直後)
目的 | ダウンロードに対する感謝を表し、資料の利用について案内する。 |
---|---|
コンテンツ | ダウンロードへの感謝、ホワイトペーパーの主要なポイントや使い方のヒント。 |
例 | 「ホワイトペーパーのダウンロードをありがとうございます!主要なポイントをご紹介」 |
【ステップ 2】追加の啓蒙コンテンツの提供(1週間後)
目的 | ダウンロードした資料と関連する追加情報を提供し、知識の深化を促す。 |
---|---|
コンテンツ | ホワイトペーパーのトピックに関連するコラム記事、ケーススタディ、動画など。 |
例 | 「ホワイトペーパーのトピックをさらに深く掘り下げる:関連記事とケーススタディ」 |
【ステップ 3】対話を促す質問とフィードバックの収集(2週間後)
目的 | ダウンロードした資料に対するフィードバックを収集し、対話を促進する。 |
---|---|
コンテンツ | 資料のフィードバック調査、関連するトピックについての質問やディスカッションへの招待。 |
例 | 「あなたの意見を聞かせてください:ホワイトペーパーに対する短いアンケート」 |
【ステップ 4】関連製品やサービスの紹介(1ヶ月後)
目的 | ダウンロードしたトピックに関連する製品やサービスを紹介し、興味を喚起する。 |
---|---|
コンテンツ | ホワイトペーパーのトピックに関連する製品やサービスの紹介、デモやトライアルの案内。 |
例 | 「ホワイトペーパーで学んだトピックを活用:製品デモのご案内」 |
シナリオ例4.展示会で名刺を交換したリード
展示会の自社ブースで名刺を交換した見込み客に対するステップメールのシナリオ例。
自社ブースに来たということは、少なからず自社の製品・サービスおよび周辺サービスに関心があると捉えられる。
そのため、誠実な態度を示し、関係の構築と維持を目指すことが重要だ。
【ステップ 1】お礼と自社および製品・サービスの紹介(展示会後1-2日以内)
目的 | 展示会での出会いに対する感謝を表し、初めての接触を確立する。 |
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コンテンツ | 展示会での出会いに感謝するメッセージ、会社と製品/サービスの簡単な紹介。 |
例 | 「展示会ご来場のお礼と〇〇について簡単にご紹介」 |
【ステップ 2】啓蒙コンテンツの提供(1週間後)
目的 | 製品やサービスの価値を深く理解してもらう。 |
---|---|
コンテンツ | 製品の詳細、ケーススタディ、業界のインサイトなど。 |
例 | 「私たちの製品で業務生産性を〇%改善した顧客事例のご紹介」 |
【ステップ 3】追加情報とフィードバックの要請(2週間後)
目的 | より詳細な情報の提供と受信者の関心の確認。 |
---|---|
コンテンツ | 詳細な製品情報、デモビデオ、フィードバックや質問への招待。 |
例 | 「製品デモビデオの紹介/ご意見をお聞かせください」 |
【ステップ 4】特別オファーや招待(1ヶ月後)
目的 | 関係を一歩進め、具体的なアクションを促す。 |
---|---|
コンテンツ | 限定割引、無料トライアル、個別相談の招待。 |
例 | 「限定オファー:無料トライアルのご招待」 |
7.ステップメールの最適な配信頻度
ステップメールの最適な配信頻度は、見込み客との関係性やメール内容によって異なる。
効果を検証しながら、自社なりの頻度を見極めていくことも大切だ。
例えば、リードを獲得したばかりのころは、2〜3日に1回の短い間隔でメールを配信しても、無視やブロックはされにくい。
逆に、ステップメールが全10回あるとして、すべてのメールが2日おきに送られてくると、鬱陶しいと思われるおそれがある。
回数を重ねる場合は、週1回や2週間に1回などに頻度を落とすとよいだろう。
また、販促色の強い内容を続けて送るときは、2週間〜1か月など、やや長めの期間を空けたほうがよい場合もある。
追い討ちをかけて急かすような形ではなく「忘れかけた頃に思い出させる」くらいの間隔を意識することが重要だ。
8.ステップメールにおける成功のポイント
ステップメールを運用するうえで、特に意識しておきたいポイントを3つ紹介していきたい。
- 顧客の検討フェーズを意識する
- コンテンツを幅広く持つ
- MAツールを活用する
ポイント1.顧客の検討フェーズを意識する
顧客の検討フェーズを意識することは、それぞれの見込み客に対して最適なコンテンツを届けることに直結する。
例えば、自社への関心度がまだ低いとみられる「メルマガ登録直後のリード」に対して、たった3~4回のステップメールで無料トライアル獲得までを狙うのは強引な戦略といえる。
ゴールの設計を誤ると、メール文面の節々に強引な態度が表れ、むしろ不信につながりかねない。
そのため「ステップ1.送付する対象を明確にして分類する」で紹介したような、検討フェーズ別のアプローチを心がけてほしい。
ポイント2.コンテンツを幅広く持つ
提供できるコンテンツの種類が豊富なほど、ステップメールのパーソナライズが可能となる。
ステップメールとは、本来営業担当が一人ひとりに対して取るべきアプローチを、機械で自動化しているものだ。
人力に比べると、どうしてもマス的なアプローチになるのは仕方ないが「それぞれのニーズに適したコンテンツ」を届けるという姿勢は維持する必要がある。
ポイント3.MAツールを活用する
ステップメールの配信には、MAツールが不可欠だ。
その理由として、以下の2点が挙げられる。
- シナリオ・ステップメール配信機能による自動化で、手作業よりもはるかに効率的になるから
- 開封率、クリック率などの効果検証が可能でPDCAも回しやすいから
月額数千円〜導入できるMAツールもあっるため、未導入の方はぜひ導入を検討してみてほしい。
9.ステップメールの効果検証指標
ステップメールの効果検証は、いくつかの指標を用いて数値による客観性をもって行うことが大切だ。
ここからは、各指標の概要と平均的な数値を解説していきたい。
なお、ここで紹介する平均的な数値はあくまで全体の相場のため、可能であれば業界平均や過去実績も考慮してKPIを定めていこう。
ステップメールのKPI
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
指標1.開封率
開封率とは、送信されたメールがどれだけの受信者に開かれたかを表す指標のこと。
平均的な開封率は業界や対象オーディエンスによって異なるが、一般的には15〜25%がよいとされている。
指標2.クリック率
クリック率は、メール内のリンクがどれだけの頻度でクリックされたかを示す。
クリック率=メール内のリンクをクリックした人数/メールを送信した人数
クリック率は通常、開封率よりも低く、平均的なクリック率は1〜5%程度。
指標3.コンバージョン率
コンバージョン率は、メールを受け取った受信者がゴールに設定したアクション(例:ウェビナー参加、ホワイトペーパーDL、無料トライアルなど)をとった割合を示す。
ステップメールの最終的な成果を把握するもっとも重要な指標だ。
コンバージョン率(CV率)=コンバージョンした人数/メールを送信した人数
コンバージョン率は目標とするアクションの難易度に大きく依存するが、0.3〜1%が目安となる。
10.まとめ
この記事では、ステップメールの活用方法について詳しく解説してきた。
ステップメールとは、特定のアクションを実行した見込み客に対し、あらかじめ設定されたシナリオに沿ってメールを配信する手法だ。
最初の設計こそ時間や手間がかかるものの、組織の生産性向上に大きく寄与する効果がある。
本記事を参考に、ぜひステップメールを活用したリードナーチャリングに取り組んでみてほしい。