SEOというと「ユーザーニーズを満たす良質なコンテンツを増やす」という施策が分かりやすい。
これを一般的に「コンテンツSEO」と呼ぶが、同様に重要なのが「テクニカルSEO」だ。
テクニカルSEOでは、コードやタグの設定など、技術的な面での理解を要する。
「解説を見ても難しく、対策に取り組めない」
「間違った設定をしてしまわないか不安だ」
などという悩みを抱えている人も多いだろう。
そこでこの記事ではテクニカルSEOの意味やメリットなどの基本事項から、具体的な対策を進めるうえでのチェックリスト、おすすめのツールについて詳しく解説する。
1. テクニカルSEOの基礎知識
まずは「テクニカルSEO」の基礎知識を理解しておこう。
1.1. SEOとは
多くの人がすでに理解しているかもしれないが、復習だ。
SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)とは、自社のWebサイト内のコンテンツを検索エンジン向けに改善し、検索結果の上位に表示させるための取り組みを指す。
検索エンジンは特定のキーワードで検索された際にユーザーのニーズに沿った品質の高い記事から優先的に表示するための、独自のアルゴリズムを持っている。
企業は検索エンジンのアルゴリズムに最適化するよう、技術的な面(=テクニカルSEO)と内容的な面(=コンテンツSEO)の双方からSEO対策を行い、Webサイトへの流入数増加を図り、集客やコンバージョンへつなげていく必要がある。
1.2. テクニカルSEOとは
テクニカルSEOは、Webサイトの「技術的な要件」を検索エンジンのアルゴリズムに沿って最適化して、検索エンジンからの評価を高めるための取り組みである。
具体的には検索エンジンのクローラーが自社のサイトをインデックスしやすくしたり、サイト内を効率的に回遊しやすくしたりすることだ。
そのためには、自社サイトのサイト設計を最適化したり、適切なタグを記述したりという専門的な理解が必要な対策を行わなければならない。
具体的な対策とその方法については、後段で順番に学んでいこう。
1.3. コンテンツSEOとの違い
上述のとおり、SEO対策にはテクニカルSEOに加えて「コンテンツSEO」が存在する。
コンテンツSEOとは、Webサイト内のコンテンツ(ページ)の「内容」を改善して検索エンジンからの評価を高める取り組みだ。
具体的にはSEOでよくいわれる「検索ニーズの深掘り」を行い、ユーザーのニーズを満たしつつ、有益で信頼性の高いコンテンツの発信が重要だ。
テクニカルSEOとコンテンツSEOの関係性として、テクニカルSEOは検索エンジン最適化のための「土台づくり」であり、さらにその上でコンテンツSEOに取り組むと、SEO対策として本来の成果を発揮するといえる。
従ってテクニカルSEOとコンテンツSEOどちらかではなく、双方に取り組むことが何よりも重要である。
コンテンツSEOについて詳しくは以下の記事を参照してほしい。
2. BtoB企業にとってのテクニカルSEOのメリット・デメリット
テクニカルSEOは、エンジニアやSEOにある程度取り組んできた人材でなければ理解できない内容も多いため、なかなか着手できていないというケースも多いだろう。
しかし結論として、SEO対策をしたいならば、テクニカルSEOには取り組むべきだ。
そのメリットと、留意すべきデメリットについて、本章で理解しておこう。
2.1.テクニカルSEOの メリット
行うべき施策が明確で即効性がある
テクニカルSEOは、行うべき施策が明確である。
Googleの公式サイトでも明言されている内容が多く、そのとおりに行えばどんな企業でも一定レベルまでは等しく検索エンジンからの評価を高められる。
本記事では後段でテクニカルSEOのチェックリストも紹介するため、実際に取り組む際は参考にしていただきたい。
また、テクニカルSEOは対策後、比較的早く検索エンジンからの評価に反映されるため、即効性がある。
成果が出ているかどうかの効果測定も、ツールを活用して把握しやすい。
一般的にSEO対策やオウンドメディアの運用は、取り組み始めてから具体的な成果が出るまで半年以上かかるといわれている。
よって、大きな投資を行うには費用対効果が見込みにくいのが懸念事項となる。
そのなかでも、テクニカルSEOは企業として比較的、意思決定がしやすい(取り組みやすい)施策といえるだろう。
ユーザーエクスペリエンスの直接的な改善につながる
テクニカルSEOではページの読み込み速度、モバイル最適化、エラーページの削減など、Webサイト訪問者のユーザーエクスペリエンスに直結する要素を改善できる。
検索エンジンからの評価向上という効果だけではなく、訪問者の離脱率が下がり、回遊率やコンバージョン率が向上する効果が期待しやすいのだ。
特にBtoB企業の場合、自社の製品・サービスの導入を検討している人はWebサイトに訪れる可能性が非常に高い。
また、1社のなかで複数の意思決定関与者が訪れたり、1人の人が何回も訪れたりする場合も珍しくない。
Webサイトのユーザーエクスペリエンスが高ければ、自社への信頼性の向上や、リード獲得の機会損失の予防に直結するため重要な観点である。
2.2. テクニカルSEOのデメリット
技術的な専門知識が必要である
テクニカルSEOはサーバーやコードの最適化など、高度な技術知識を必要とする場合が多い。
内部リンク構造の改善、コードの記述、HTTPS化などの作業は専門家に依頼する必要がある場合が多く、もし社内に対応できる技術者がいない場合は外部委託のためのコストも捻出しなくてはならない。
これが予算の少ないベンチャー企業や中小企業にとっては特に痛手となる可能性がある。
効果は限定的である
テクニカルSEOはやるべきことが定まっていて取り組みやすい分、その効果は限定される。
検索エンジンの代表格であるGoogleは、テクニカルSEOに必要な対策内容を全世界へ公開している。
裏を返せばテクニカルSEOはどの企業も取り組め、他社との差別化になりにくいのだ。
反対に、コンテンツSEOは記事の品質を高め、品質の高い記事を増やすほど、流入の増加が見込め「追究しがいのある対策」だといえる。
テクニカルSEOはあくまで適切なSEO評価を得るための「土台づくり」の位置づけであるため、飛躍的な効果は期待しにくい。
あくまでコンテンツSEOと同時に取り組むことが重要だと理解しておこう。
3. テクニカルSEOの具体的な対策
ここからは具体的に取り組んでいただきたいテクニカルSEO対策について、1つずつ解説する。
前提としてテクニカルSEOにおける対策は「クローラー向け」と「インデックス向け」の2つの種類に大別できる。
クローラー向けのテクニカルSEOは、検索エンジンのクローラー(Webページを自動的に巡回して情報を収集するプログラム)がサイトを効率的にクロールできるように整える施策である。
これにより、クローラーがWebサイト内の全ページを見つけられて、把握しやすくなり、早期に適切なSEO評価を得られるようになる。
インデックス向けのテクニカルSEOは、クローラーが収集したページが正しくインデックス(登録)され、検索結果に表示されるように整える施策である。
ページを公開した時点ではまだ検索結果に表示されない。
必ず「インデックス」という検索エンジンがページを検索結果に登録するプロセスを踏む必要があるのだ。
ページが正確にインデックスされると、ユーザーの検索クエリに応じて適切なページが表示されるようになる。
3.1. クローラー向け対策
まずはクローラー向けの対策を9つ解説する。
- robots.txtの設定
- XMLサイトマップの作成と送信
- 内部リンク構造の最適化
- パンくずリストの導入
- URLの正規化
- noindexタグの使用
- モバイル対応(モバイルフレンドリー)
- ページの読み込み速度の最適化
- HTTPSの導入
それぞれ見ていこう。
1.robots.txtの設定
robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対して、どのページをクロールすべきか、どのページをクロールしないべきかを指示するファイルである。
不要なページ(たとえば管理画面や重複コンテンツ)がクロールされると、クローラーのリソースが無駄に消費され、重要なページのクロールが遅れるおそれがある。
これを防ぐため、robots.txtでアクセス制御を行う。
【実施方法】
/robots.txtファイルをサーバーのルートに設置し、クロールを許可するパス(Allow)と拒否するパス(Disallow)を設定する。
Google検索セントラルでは、robots.txtの設定方法や記述のルールが公開されているため、参考にしよう。
robots.txt の書き方、設定と送信|Google検索セントラル
https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/robots/create-robots-txt?hl=ja
2.XMLサイトマップの作成と送信
XMLサイトマップはサイト内のすべてのページのリストを含んだファイルで、クローラーにどのページをクロールすべきかを明示するために利用される。
クローラーがサイトのすべてのページを正しく把握できるようになり、特に新しいページや更新されたページのインデックスが速くなる効果がある。
【実施方法】
XMLサイトマップを作成し、Google Search Consoleなどのツールから送信する。
ツールを使って定期的に更新・提出することが推奨される。
手動作成も可能だが、WordPressのプラグインや自動生成ツールを活用する方法もある。
3.内部リンク構造の最適化
サイト内のページ同士をリンクで結び、クローラーがページ間を移動しやすくするための施策。
クローラーがリンクをたどってすべてのページにアクセスできるようにして、クロールの深度が深くなり、インデックスの効率が向上する。
【実施方法】
各ページに必要な内部リンクを適切に設置し、クローラーが重要なページにすぐ到達できるようにする。
その際、関連するテーマのコンテンツへリンクする、リンクのアンカーテキストはリンク先のページ内容を適切に表すキーワードに設定する、特に重要なページにリンクを集めるといった工夫ができる。
関連性の高いページ同士の内部リンクはユーザーの利便性も高まるため、検索エンジンからの評価も得やすくなる。
4.パンくずリストの導入
パンくずリスト(Breadcrumbs)は、ユーザーやクローラーがページの階層構造を理解しやすくするためのナビゲーション要素である。
クローラーにとってサイト全体の構造や階層を理解しやすくなり、サイトの巡回効率が向上する。
また、内部リンクと同様、ユーザーエクスペリエンスの向上にもつながる。
【実施方法】
まずHTMLでリンクリストを作り、見やすくCSSでスタイルを調整する。検索エンジンに正しく認識させるため、Schema.org(検索エンジンにとってデータを理解しやすくするための「構造化データ」の標準仕様)を使用すると効果的である。WordPressなどのCMSでは、Yoast SEOなどのプラグインを使うと簡単に設定できる。最後に表示を確認し、リンクや階層が正しいかをチェックする。
5.URLの正規化
URLの正規化とは、同じコンテンツが複数の異なるURLで表示される場合に、検索エンジンに対して「このURLが正規のページである」と明示するための施策である。
URLの正規化により、重複コンテンツが統一され、SEO評価が1つのURLに集中するため、検索エンジンに適切にインデックスされやすくなる。
【実施方法】
正規URLページと類似するページのヘッダー(<head></head>内)にcanonicalタグ<link rel=”canonical” href=”正規URL”>を挿入し、正規のURLを検索エンジンに明示する。
これにより、ほかの類似したURLが存在しても、指定されたURLが優先的にインデックスされ、SEO評価の分散や重複コンテンツとして認識されることを防げる。
WordPressなどのCMSでは、プラグインで簡単に設定可能だ。
6.noindexタグの使用
noindexタグは、特定のページを検索エンジンのインデックスから除外するためのHTMLタグである。
重要でないページや重複コンテンツがインデックスされることを防止して、クローラーがほかのページに集中でき、クロールバジェットの最適化に寄与する。
たとえば以下のようなページがnoindexタグを使用する対象として挙げられる。
- プライバシーポリシー、利用規約
- サンクスページ
- 404エラーページ
【実施方法】
特定のページに以下のような<meta>タグ(<head></head>内に設置する、コンテンツの情報を検索エンジンに伝える部分)を追加する。
<meta name=”robots” content=”noindex”>
7.モバイル対応(モバイルフレンドリー)
モバイルフレンドリーなサイトは、モバイルクローラーが効率的にクロールできるように設計されており、Googleはモバイルファーストインデックスを採用している。
モバイル対応されていないサイトは、モバイルクローラーにとってクロールが困難になり、インデックス速度やランキングに悪影響を与える可能性がある。
【実施方法】
デバイスによってページの表示デザインを変える「レスポンシブWebデザイン」を採用する。
また、モバイルページの読み込み速度を最適化するためにAMP(Accelerated Mobile Pages)の導入も効果的である。
8. ページの読み込み速度の最適化
ページの読み込み速度を速くして、クローラーがページを素早く処理できるようにする施策である。
クローラーがページを読み込む時間が短いほど、クロールの効率が改善する。
またユーザーエクスペリエンスも同時に改善する。
【実施方法】
Googleの「PageSpeed Insights」などのツールでページ表示速度を診断し、改善点の特定が推奨される。
そのうえで画像の最適化、キャッシュの使用、CSSやJavaScriptの圧縮、不要なコードの削除などを行い、読み込み時間を短縮する。
9.HTTPSの導入
HTTPSは通信が暗号化されていることを示すプロトコルで、セキュアなサイトを保証する。
クローラーはHTTPSを優先的にクロールし、GoogleはHTTPSサイトをランキング要素として評価している。また、ユーザーからの信頼性向上にもつながる。
【実施方法】
SSL証明書を導入し、すべてのページをHTTPSに対応させる。
また、HTTPからHTTPSへのリダイレクトを適切に設定する(301リダイレクトの設定が適切)。
3.2. インデックス向け対策チェックリスト
次に、クローラーが収集したページをインデックスさせ、適切に検索結果へ表示させるためのインデックス向け対策について解説する。
- メタタイトルの最適化
- メタディスクリプションの最適化
- 見出しタグの最適化
- 画像のalt属性の設定
- 重複コンテンツの回避
メタタイトル(titleタグ)の最適化
メタタイトル(titleタグ)は検索エンジンに対してページの内容・タイトルを示す要素であり、検索結果ページでユーザーが最初に目にするタイトル部分である。
メタタイトルが最適化されていない場合、検索エンジンがページ内容を適切に判断できず、検索順位に悪影響を与える可能性がある。
また、ユーザーにとってもタイトルが魅力的でなければクリックされにくくなるため、SEOとCTRの両方に影響する。
【実施方法】
メタタイトルは60文字以内に抑え、ページの主題や関連キーワードを自然に含める。
検索意図に合った表現を使用し、ページ内容を簡潔かつ魅力的に伝える工夫が必要である。
メタディスクリプションの最適化
メタディスクリプションは検索結果でメタタイトルの下に表示される簡潔な説明文であり、ページの内容を要約してユーザーに伝える役割を持つ。
メタディスクリプションが適切でない場合、ユーザーはページの内容を把握できず、クリックを避ける可能性がある。
最適化されたディスクリプションは、ページ内容を明確に示し、ユーザーのクリックを促せる。
【実施方法】
メタディスクリプションは120〜160文字以内に設定し、ページの主要な内容と関連するキーワードを含める。
ユーザーに価値を提供する内容を簡潔に伝え、具体的かつアクションを促す表現を用いることが望ましい。
見出しタグの最適化
見出しタグ(H1, H2、 H3など)は、ページ内のコンテンツの構造・目次を示すために使用される。
見出しタグが適切に使われていないと、検索エンジンがページの主題やコンテンツの構造を理解するのが難しくなる。
また、ユーザーもコンテンツが読みづらく、離脱率が高くなるリスクがある。
適切な見出しタグを使うと、SEO評価やユーザーエクスペリエンスが向上する。
【実施方法】
ページには必ずH1タグを1つだけ設定し、H2以降はセクションに応じて階層的に使用する。
各見出しには、文脈に違和感のない範囲でSEOにおける対策キーワードを含めることが推奨される。
画像のalt属性の設定
alt属性は画像が表示されない場合に代替テキストとして表示されるものであり、検索エンジンにも画像の内容を伝える役割を持つ。
画像にalt属性が設定されていない場合、検索エンジンはその画像が何を表しているか理解できず、インデックスされない可能性がある。
特に画像検索やアクセシビリティの観点からも、alt属性の適切な設定が必要である。
【実施方法】
各画像タグにalt属性を設定し、画像の内容や意味を簡潔に表現する。
キーワードを過剰に含めるよりも、自然な文脈で画像を説明することが重要である。
重複コンテンツの回避
重複コンテンツとは、同一または類似の内容が複数のURLで公開されている状態を指す。
検索エンジンがどのページをインデックスすべきか判断に迷い、SEO評価が分散してしまう。
重複コンテンツを整理・統一すれば、SEO評価を優先させたいページに集中させられる。
【実施方法】
たとえば類似の内容を持つページAとページBがあり、ページAの方に評価を集中させたい場合は、以下のような対応が取れる。
- ページB自体を削除する
- ページBからキーワードを削除する
- ページBにnoindexタグを設定する
- URLの正規化(canonicalタグ)を行う
4. BtoB企業がテクニカルSEOを行う際のポイント
テクニカルSEOのさまざまな対策を紹介したが、続いて、テクニカルSEOを行う際に共通して気を付けてほしいポイントについて解説する。
ポイント1. クローラー向け施策から実施する
テクニカルSEOを始める際は、インデックス向け施策よりもクローラー向け施策から対応すべきである。
なぜなら、クローラーがWebサイトを適切に巡回できなければ、検索エンジンはそもそもページをインデックスできないからだ。
また、無駄なページのクロールを防ぎ、クロールリソースを効率的に配分すれば、SEOパフォーマンスが最大化できる。
ポイント2. 継続的な分析と改善を行う
テクニカルSEOはやるべきことが決まっていると述べたが、一度対策をすれば二度と対策しなくてよいという意味ではない。
一つ目の理由は、検索エンジン側のアルゴリズムが変わり、新たな対応方法に変更する必要が出てくるためである。
二つ目の理由は、自社のWebサイトがリニューアルや新たなページの追加などを繰り返す過程で、以前は存在しなかった問題が出てくる場合も十分考えられるためである。
後述する分析ツールなどで定期的にWebサイトの環境をモニタリングし、すみやかに必要な改善が求められる。
ポイント3. 困ったら専門家に相談する
テクニカルSEOは高度で専門的な知識を必要とする領域である。
特にBtoB企業の場合、Webサイトがマーケティングの中心軸として機能している企業が多く、そのため情報量が増え、大規模なサイトや複雑なサイト構造になりやすい。
サイトの複雑さに応じて、テクニカルSEOの難易度も上がっていくだろう。
無理に自社で対応しようとすると、かえってよくないSEO評価を招いてしまう可能性もあるため、少しでも自信がない場合は、迷わずSEOコンサルティングに対応している外部の会社への相談をおすすめしたい。
専門家は、最新のアルゴリズムや技術的なトレンドに精通しており、効率的かつ正確にサイトの改善策を提案してくれるだろう。
ポイント4. 良質なコンテンツによって効果が得られることを忘れない
テクニカルSEOとコンテンツSEOの関係で説明したとおり、テクニカルSEOがいくら完璧に対策できても、流入を増やすために最終的に重要なのはコンテンツSEO、すなわち良質なコンテンツが豊富に用意されていることである。
テクニカルSEOで定期的な分析と改善を行いながらも、コンテンツを計画的に更新する、この両輪を回す運営がSEOの成功においては欠かせないことを忘れないでほしい。
5. おすすめのSEO分析ツール
テクニカルSEOには継続的な分析と改善が必要だと前述した。
それにあたり、是非、活用してほしい分析ツールをいくつか紹介する。
ツール1. Google Search Console
Googleが提供する無料のSEOツールで、サイトのクロールやインデックス状況、検索パフォーマンスを監視・分析するために使用される。
主に、Googleクローラーがどのようにサイトを巡回し、インデックスしているかを把握できる。
SEO対策をするなら、最低限利用したいツールである。
【費用】
無料
【主な機能】
- クローラーエラーの検出(404エラーなど)
- インデックスカバレッジレポートの提供
- 検索クエリやCTR(クリック率)の分析
- モバイルユーザビリティの診断
- サイトマップの送信と確認
ツール2. Screaming Frog SEO Spider
サイト全体をクローラーのように巡回し、技術的なSEO問題を検出するデスクトップアプリケーション。
リンク切れ、重複コンテンツ、メタデータの最適化不足など、詳細なSEO診断を行う。
【費用】
無料版は500URLまでのクロールが可能。
無制限版は年間約£199(約30,000円)。
【主な機能】
- サイト内リンク構造の分析
- 404エラーやリダイレクトチェーンの検出
- タイトルタグ、メタディスクリプション、見出しの最適化診断
- 重複コンテンツの検出
- サイトマップ生成
- JavaScriptレンダリングの分析
ツール3. Ahrefs
主にバックリンク分析に強みを持つツールだが、サイト監査機能も充実しており、包括的なSEO分析が可能。競合調査や被リンクの質の評価も行えるため、技術的SEOと外部施策の両面で有用である。
【費用】
月額$99(約15,000円)からのプランが用意されている。
【主な機能】
- バックリンクプロファイルの詳細な分析
- キーワードランキングとトラフィック推移のモニタリング
- サイト監査機能による技術的なSEO問題の診断
- 競合サイトのトラフィックやリンク戦略の分析
- ページ速度やモバイル対応の確認
6. まとめ
テクニカルSEOの基礎知識と具体的な対策を中心に解説してきた。
これからSEOに本格的に取り組もうとしている企業はもちろん、すでにSEO対策に注力している企業において、自社サイトのパフォーマンスが思わしくない場合、テクニカルSEOへの取り組みで改善する場合もあります。
まずは自社のWebサイトがどのような状況にあるのか、今回紹介したようなツールを使って分析するところから始めてほしい。
そして自社内でどのレベルまで対応できるのか検討し、必要に応じて専門家を頼りながら対策を進めるとよいだろう。
弊社でもIT企業やSaaS企業のSEOコンサルティングサービスを提供している。
外部の支援をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせいただきたい。