サイトを分析することは、Webサイトを改善するために必要不可欠だ。
しかし、一概に「サイト分析」といってもどこに着目して、どのように数値を読み取ればよいのかわかりづらいだろう。
「Webサイトからの問い合わせが増えない」
「サイト経由の売上が伸び悩んでいる」
「サイト改善を検討しているが、進め方がわからない」
という声も多くある。
そこで本記事は、Webサイトで確実に成果を出すために必要な分析方法を網羅的に解説していく。
サイト分析の基本的な手法や指標、手順、役立つツール、特に重要な改善ポイントまでしっかり紹介する。
1.サイト分析はゴール設定・課題整理から始める
サイト分析を始めるにあたっては、明確なゴール(KGI)設定と課題の整理を前準備の段階で行っておくことが重要だ。
ゴール設定(KGI)では、サイトの目的を定義し、達成すべき具体的なKPI指標(コンバージョン率の向上、訪問者数の増加など)を設定しておく。
課題整理では、サイトの目的と現状とのギャップを問題点として洗い出し、それに対する改善点をリストアップする。
ユーザーがサイトを早期に離れているのであれば、ページの読み込み速度やナビゲーションの改善が必要だ。
ゴール設定と課題を明確にすることで、サイト分析の効果を最大限に高め、具体的な改善策を効率的に立案できる。
KPIの目的・フェーズごとに設定すべきポイントについては、こちらの記事も参考にしてほしい。
2.サイト分析の基本手法
サイト分析は定量と定性の両面から行う必要がある。
なぜなら、定量分析と定性分析は性質が真逆で、補完しあう関係にあるからだ。
本章では、それぞれの分析方法について具体的に解説する。
定量データ | 定性データ | |
定義 | 測定可能なデータ
数値で表すことが可能 |
測定が難しい
言語で表すことが可能 |
データ種類 | 数値 | 文章
画像など |
例 | PV
CVR |
利用した感想
不満に思う点 |
分析方法 | サイト分析ツール
Google Analytics 4など |
アンケート
お問合せ |
2.1.定量分析
定量分析とは、数値データに基づいてサイトのパフォーマンスを評価する手法だ。
ページビュー数やユニークユーザー数など、具体的なデータを用いてサイトにおけるトラフィック状況を把握する。
サイトがどれほどのアクセスを集めているかを客観的に評価でき、具体的な改善点を洗い出すのに役立つ。
定量分析のメリットは、社内外の関係者間でデータという事実を共有し、現状の課題に対する共通認識をもてることだ。
一方、数値だけでは分析できない点があることはデメリットといえるだろう。
そこで定性分析によって、市場や顧客のニーズなど数字のみでは捉えきれない思考や心情を探る必要がある。
2.2.定性分析
定性分析は、ユーザーの行動や意見を詳細に分析する手法を指す。
ユーザーインタビューやアンケートを活用して、サイト訪問者の満足度や不満点を掘り下げる。
定性分析ではサンプル数が少なくても、一貫した傾向を掴みやすい。
たとえば、フォームの入力が複雑であるというフィードバックがあった場合は、フォーム入力の改善が必要であると理解できる。
定量分析による数値のみでは捉えきれない、ユーザーの質的な反応を理解し、より具体的な改善を策定することが可能だ。
サイト分析の際は、定量分析と定性分析のどちらか一方だけではなく、両側面から見ることが重要となる。
3.サイト分析の基本指標
本章では、サイト分析を行う際によく用いられる10の基本指標を紹介する。
基本指標①:ページビュー(PV)数
ページビュー数は、サイトの各ページがどれだけ閲覧されているかを示す指標だ。
この数値が高いほど、コンテンツが注目されていることを指す。
ページビュー数は単純にページの表示回数であり「10人のユーザーがページAを1回ずつ閲覧した」と「1人のユーザーがページAを10回閲覧した」では、どちらもPV数が「10」とカウントされる。
たとえば、ユーザーが「ページA→ページB→ページA」と遷移した場合、ページAのPV数は「2」、ページBのPV数は「1」となる。
基本指標②:ユニークユーザー(UU)数
ユニークユーザー数は、一定期間内にWebサイトへ訪問したユーザー数を示す指標を指す。
高いUU数は、サイトが多様な訪問者にリーチしていることを意味し、広告やプロモーションの効果を測定する際に重要だ。
ユーザーのIPアドレスやデバイスなどの情報から個人を識別してUU数としてカウントするため、同一人物が何度訪問してもUU数は「1」となる。
基本指標③:セッション(SS)数
セッション数は、訪問者がサイトに入ってから離脱するまでの、一連の活動回数を示す指標だ。
多くのセッションがあることは、サイト内で多くの活動が行われていることを示し、エンゲージメントの高さも表す。
1人のユーザーが何ページも閲覧したとしても、セッション数は「1」とカウントされる。
ユーザーが1日の間に3回、特定のウェブサイトに訪問した場合(計測期間を1日としたとき)、UU数は1、セッション数は3とカウントされる。
基本指標④:フォームへの遷移率
フォームへの遷移率は、ユーザーがWebサイトのあるページを閲覧し、その後サイトを離脱せずに別のフォームへ移動した割合だ。
フォームへの高い遷移率は、ユーザーが積極的に情報を求め、行動に移している証といえる。
Googleアナリティクスを使い、各ページから数値を抜き出して遷移率を計算することが可能だ。
以下のとおり、割り戻すだけで算出できる。
- フォーム÷サイト全体の訪問
どのページからフォームへの誘導が効果的であるかを分析し、ユーザーの最適化を図る。
基本指標⑤:フォームの入力完了率
フォームの入力完了率は、フォームにアクセスしたユーザーがどれだけの入力項目を完了させたかを示す割合だ。
入力完了率が高い場合は、ユーザーが安心して情報提供できることを意味し、ユーザビリティの高いフォーム設計であるといえる。
フォームの入力完了率を高める方法は以下のとおりだ。
- 項目は最小限にする
- 任意項目か必須項目かを明確にする
- エラーはリアルタイムで表示する
- 完了までのステップを表示する
入力完了率を向上させることで、リード獲得の機会を増やし、コンバージョンを促進できるだろう。
基本指標⑥:コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率は、サイト内で訪問者に起こしてもらいたいアクションが結び付いた割合だ。
高いCVRは、サイトが効果的にユーザーを誘導し、結果に結びつけていることを示す。
コンバージョンとしては、以下を設定するケースが多い。
- ホワイトペーパーダウンロード数
- 資料請求数
- お問い合わせ数
- 会員登録数
- メルマガ購読数
- 無料トライアルへの申込み数
- 商品購入数
サイト内のどの要素がコンバージョンに寄与しているかを分析し、さらなる最適化を図ることが重要だ。
基本指標⑦:ユーザー属性
ユーザー属性とは、ウェブサイトを訪れた人の特徴を指す。
ユーザー属性を分析することで、特徴を把握し流入経路などの行動が可視化されるため、コンテンツやプロモーションを設計するうえで不可欠だ。
具体的には以下のデータを取得して、ユーザー属性の分析を行う。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 興味・関心
- 言語
- 購入履歴
- デバイス・ブラウザ
1人のユーザーに複数の属性を割り当て「東京23区に住む・35歳・男性・海外の株式投資に興味がある」「関西に住む・25〜30歳・女性・ダイエット器具を購入した」などの構造化されたユーザーグループを作成できる。
基本指標⑧:直帰率
直帰率は、1つのページを見てサイトから離れる訪問者の割合を示す。
直帰率が高い場合は、ページの内容が訪問者の期待に応えられていない可能性がある。
また、直帰率と離脱率はどちらもサイトから離れる訪問者の割合を示すが、定義がやや異なるため正しく理解しておくことが重要だ。
直帰率 | 特定のページからサイトを見始めたが、そのページだけを見て離脱してしまった割合 |
離脱率 | サイト内のいくつかのページを閲覧し、最終的にそのページで離脱した割合 |
ページを閲覧してユーザーのニーズが満たされた場合でも、直帰することはある。
必ずしもマイナスの要因とは限らないため、直帰率や離脱率の数値のみに着目するのではなく、滞在時間や検索順位なども含めた検証が重要だ。
基本指標⑨:検索順位
検索順位は、GoogleやYahooなどの検索エンジンで、特定のキーワードにおけるサイトの表示順位を示す指標だ。
高い検索順位は、SEOの効果が発揮していることを意味し、より多くのユーザーをサイトに導く。
検索順位は日々変動するため、できるだけ頻繁に順位を確認しておく必要がある。
キーワードを検索エンジンへ入力し、検索を行えば自社サイトのページがどこにあるのかを確認できる。
しかし、上位に表示されていない限り、ランクインしている順位をキーワード毎に確認するのは非効率だろう。
そこで、ツールを利用して検索順位を確認したいURLとキーワードを入力すれば、特定のサイトが何位に表示されているのかを即座に確認できる。
基本指標⑩:リード獲得コスト(CAC)
リード獲得コスト(CAC)はリード獲得単価とも呼ばれ、新たなリード1件を獲得するのにかかるコストを示す。
リード獲得に必要なコストを、リード獲得数で割って算出する。
たとえば、100万円のマーケティング施策で50件のリードを獲得した場合、リード獲得単価は以下のとおりだ。
- 予算100万円÷リード50件=獲得コスト2万円
高いCACはマーケティングの効率性が低いことを示し、ターゲティングの見直しやコンバージョンの改善が必要だ。
4.サイト分析を行うための6つの手順
では、どのようにWebサイトの分析を進めていけばよいのだろうか。
本章では、6つの手順でサイト分析の流れを説明する。
手順①:Webサイトの現状を把握する
サイト分析の第一歩は、Webサイトの現状を網羅的に把握することだ。
サイトの構造やコンテンツの質、ユーザーの行動パターンなどの分析を行っていこう。
Google Analyticsを用いれば、トラフィックの源泉やユーザー行動を可視化することが可能だ。
ただし、PV数やコンバージョン率ばかりに着目してしまい、ユーザーの属性や流入経路までは把握できていないケースも見受けられるため注意してほしい。
Webサイトの大きな構造を理解することにより、効果的な改善策につながる。
手順②:データを取得し課題点を抽出する
具体的なデータを収集し、サイトの課題点を抽出するには、過去のデータと比較することが不可欠だ。
アクセス数や直帰率、滞在時間などのデータを集計し、目立つ問題点を特定する。
たとえば、特定のページで今週のみ直帰率が高い場合、そのページの内容やデザインに問題があると考えられる。
また、月や年単位でデータを比較する際に大きな変化があれば、市場や競合他社の影響を受けている可能性もあるだろう。
過去データと比較することで、課題に対する仮説立てと改善策の検討につなげられる。
手順③:課題点を深め改善策を立案する
Webサイトを分析するうえでの課題点を深堀りし、それに対する改善策を立案する。
具体的な課題とあるべき姿とのギャップを考え、どうすればそのギャップを埋められるかを、以下の手順にしたがって仮説を立て、解決策を模索することが必要だ。
- ユーザーがフォームを途中で離脱する課題点がある
- あるべき姿はフォーム入力を完了すること
- ユーザーは入力を手間に感じていないか仮説を立てる
- フォームのステップを減らせないか検討する
具体的に抽出した課題に対する改善策が、サイト全体のパフォーマンス向上につながる。
手順④:改善策に基づいて指標を定める
改善策を講じたあと、それを評価するための指標を定めておく必要がある。
改善の効果を明確に測定できるKPI(重要業績評価指標)を設定しよう。
コンバージョン率の向上を目指す場合、滞在時間や直帰率に問題がないか、変化を定期的に追跡する。
これらの数値に問題がない場合は、CTAを改善するなど、次のステップへ進められる。
改善策に基づき適切な指標を設定することで、改善策の効果を正確に測定できるだろう。
手順⑤:優先順位をつけて改善策を実施する
すべての改善策を一度に実施するのではなく、優先順位をつけることが先決だ。
優先順位をつける際は、最も工数が少なく、目的へのインパクトが大きい施策を考慮しよう。
たとえば、流入数が多くコンバージョンにつながりやすいページの改修や問い合わせフォームの改善などが挙げられる。
効果が見込める領域は、一つずつ丁寧に改善案を実施し、有効性を正確に把握しておくことが重要だ。
優先順位をつけることで選択と集中が可能となり、最も必要とする領域へリソースを効率的に配分できる。
手順⑥:効果測定を行い改善策を評価する
実施した改善策の効果を測定し、成果につながったかどうか評価を行う。
改善した前後のデータを比較し、どの改善策に効果が見られたかを判断していこう。
「セッション時間がどれくらい延長できたか」「コンバージョン率が何%向上したか」など、具体的な数値の改善策を追跡しておくことが重要だ。
場合によっては、数値に変化がみられないケースや、改善前よりも下がってしまったケースがあるかもしれない。
しかし、それらも重要なデータであることに変わりはなく、なぜ数値が下がったのかを分析することで、新たな改善策が見えてくるだろう。
5.【無料版】サイト分析ツール3選
本章では、代表的な無料サイト分析ツール3つを挙げ、それぞれの特徴や注意点などを解説する。
【無料版】サイト分析ツール①:Google Analytics 4(グーグル アナリティクス 4)
Google Analytics 4は最新のトラフィック分析ツールで、ユーザー行動を多角的に把握できる。
リアルタイムなデータ取得からユーザー属性を明らかにし、以下の行動を解析することが可能だ。
- どこから流入したのか
- 目的は何なのか
- 時間はどれくらいか
- 目的は果たせたのか
近年ではスマートフォンが普及し、ユーザーの行動は多様化・複雑化した。
そこでGoogle Analytics 4の活用により、ユーザーの関心が高いコンテンツを特定し、その情報を基にコンテンツ戦略を再構築できる。
【無料版】サイト分析ツール②:Google Search Console(グーグル サーチ コンソール)
Google Search Consoleは、サイトの検索パフォーマンスを分析し、SEOの最適化を支援するツールだ。
検索クエリのデータやページランク情報は、サイトの検索エンジンでの見え方を改善するために役立つ。
どのキーワードがトラフィックを引き寄せているかを把握し、それに基づいてコンテンツを調整する。
ただし、Google検索に特化したツールであるため、Yahoo!などの検索エンジンでのパフォーマンスは分析できない点に注意してほしい。
【無料版】サイト分析ツール③:PageSpeed Insights(ページスピード インサイト)
PageSpeed Insightsは、ページの読み込み速度を分析し、ユーザー体験を向上させる具体的な提案をするツールだ。
Webページの読み込み速度をスコア(0〜100)で測定し、ツールが指摘する速度の遅さを解消することで、直帰率の低下やエンゲージメントの向上が見込める。
具体的には、画像の最適化やJavaScriptの遅延読み込みなどが推奨されている。
ページ表示速度はGoogleの評価において重要な指標で、ページ速度が遅いとユーザー体験(UX)も低下するため、コンバージョン率(CV)やSEOに悪影響を与えかねない。
6.【有料版】サイト分析ツール3選
本章では、代表的な有料サイト分析ツール3つを挙げ、それぞれの特徴や注意点などを解説する。
【有料版】サイト分析ツール①:Similarweb(シミラーウェブ)
Similarwebは、競合分析や市場のトレンド把握に優れたツールだ。
使い方はシンプルで、URLを入力するだけで詳細なトラフィック分析とユーザー行動を把握できる。
競合他社のサイトが、以下からどれくらい流入しているかの比較が容易だ。
- アクセス元のエリア
- 訪問前・後のサイト
- 検索のトラフィック
- SNSのトラフィック
- 有料広告
競合サイトのトラフィック源を分析し、その成功要因を自社サイトの戦略に活用できる。
【有料版】サイト分析ツール②:Ahrefs(エイチレフス)
Ahrefsは、バックリンク分析とキーワードリサーチに特化したツールだ。
バックリンクは被リンクとも呼ばれ、コンテンツが他サイト上にリンクされている状況を指す。
ツールのバックリンクデータを利用することで、どのサイトがリンクを送っているかが明確となり、コンテンツSEOを強化できる。
また、上位表示記事や流入キーワードの分析も可能だ。
どのキーワード選定が必要か、どのようなコンテンツが求められているかなど、詳細なデータを基に戦略を立てられる。
【有料版】サイト分析ツール③:AIアナリスト
AIアナリストは、人工知能を活用してWebサイトのデータを解析し、改善施策を提供するツールだ。
Googleアナリティクスと連携して、ユーザー行動のパターン予測やペルソナの自動生成など、AIの技術により精密なマーケティング戦略を立てられる。
AIが推奨する改善策に基づいてサイトUXの改善を行うことで、マーケティング担当者がデータ収集や分析に費やす時間が削減し、より戦略的な業務に集中して取り組める。
7.Webサイト分析で成果・改善につなげる7つのポイント
Webサイト改善で成果を出すためのポイントを紹介していく。本章で紹介する7つのポイントを押さえておけば、失敗するリスクを低減できるだろう。
ポイント①:全体の数字を詳細に比較する
Webサイトの分析では、過去のデータを詳細に比較する必要がある。
データを収集する際に利用するのが、前章で述べたアクセス解析ツールだ。
週単位・月単位などの長期的なデータを比較し、施策の効果やトレンドなどを把握することで、トレンドの変化や異常値を発見できる。
たとえば、特定のキャンペーン期間中にトラフィックが急増した理由を分析すれば、その要因を明らかにできる。
収集したデータから問題点をあぶり出し、改善すべきポイントを計画につなげるのが分析だ。
ポイント②:分析は継続的に行いPDCAサイクルをまわす
サイト分析は一度きりではなく、継続的に行う必要がある。
PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回すことで、サイトのパフォーマンスが段階的に向上するだろう。
たとえば、自社サイトの改善であれば、まずは3か月に1回サイクルを回すところから始める。
1か月でPLAN→DOまでを行い、1か月の運用結果をCHECKしたあと、ACT→PLAN→DOを1か月で行う。
PDCAサイクルを回す際は、以下の点を考慮しておきたい。
- 業務をできるだけ細分化する
- 現状を徹底的に分析する
- 現実的で実現可能なKGIを設定する
- 定量的で具体的なKPIを設定する
PDCAサイクルを連続して回すことによって、見落としていた問題点の発見や解決につなげられる。
ポイント③:外部環境の影響を考慮する
Webサイトのパフォーマンスは、外部環境の変化に影響されることもある。
なぜなら、季節のイベントや競合他社の活動によって、ユーザーの行動も変化するためだ。
PEST分析によって、データの背後にある真の原因を理解し、より正確な戦略を立てられる。
PEST分析とは、アメリカの経営学者フィリップ・コトラー氏が提唱したフレームワークで、以下4つの頭文字を取ったものだ。
- Politics(政治)
- Economics(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
PEST分析は自社を取り巻く外部環境をマクロ的な視点で分析するための手法であり、以下のステップで進める。
- 分析の目的を明確化する
- データを収集する
- PEST変化を分析する
分析の目的を明確にしたあとに、収集したデータを参考にして4つの要因に該当する要素を挙げる。
要素は「自社にとってプラスの要素(機会)」と「自社にとってマイナスの要素(脅威)」に分類する。
それによりPEST変化がわかれば、状況に応じた対策を検討できるだろう。
ポイント④:競合サイトをURLで解析する
ベンチマークする競合他社のWebサイトを詳細に分析することも、有効な戦略の一つだ。
URLを基にして競合サイトの構造、コンテンツの質、SEO戦略を重点的に調査する。
競合サイトを分析する主なメリットは以下の2つだ。
- 競合サイトとの差分を把握できる
- 他社と差別化するポイントを洗い出せる
競合サイトが上位ランキングを維持している要因を分析し、その成功要因を自社サイトに適用できる。
流入キーワードや流入経路などを把握することで、自社サイトがこれまで予測していなかった流入ルートの特定や、使っていないキーワードの発見につながるはずだ。
ポイント⑤:定量データを確認したのちに定性データを確認する
サイト分析において、定量データのあとに定性データを確認するアプローチは、より深い洞察を得るために効果的だ。
まずは定量分析で量的データから現状を知り、そこにある問題点の背景をユーザーの声から定性分析で導き出す。
初めに定量データのページビュー数やコンバージョン率を分析し、サイトパフォーマンスの全体像を把握しよう。
次に、定性データを用いて、数字だけでは捉えられないユーザーの感情や意見を理解する。
顧客フィードバックやレビューを分析することで、ユーザーがどのように感じているか、どの点に不満を持っているかが明らかとなるだろう。
調査目的ごとに使い分け、ときには組み合わせていくことで問題の根本原因を特定でき、具体的な改善策の立案につながる。
ポイント⑥:営業部門やカスタマーサービス部門を通じてユーザーの声を聞く
定量データの分析後は、営業やカスタマーサービス部門を通じて直接ユーザーの声を聞くことが重要だ。
とくにBtoB企業の場合は、営業担当者が重要な情報を持っていることが多い。
数値だけでは捉えきれないユーザーの意見や感情を詳細に把握できる。
カスタマーサポートには製品やサービスの評価や改善の要望といった前向きな声だけではなく、ときには苦情や厳しい意見も寄せられる。
内容の良し悪しにかかわらず、顧客のリアルな声や評価を知ることで、Webサイトの使い勝手などに関する定性的な情報を得られるだろう。
ポイント⑦:Webサイト上にフォームを設置しフィードバックを得る
Webサイト自体にフィードバックフォームを設置すれば、訪問者からの直接的な意見を収集できる。
ユーザーがサイトで経験した問題や改善点をリアルタイムで受け取ることが可能だ。
Webサイト上のフォームには以下の種類が挙げられる。
- コンタクトフォーム
- 注文フォーム
- アンケートフォーム
- 申し込みフォーム
Webサイトに新しい機能を導入したあとにフォームでユーザーからの感想を募り、その反応に基づいてさらなる調整を行うことが効果的だ。
ただし、複雑な入力要件や長大なフォームは、ユーザーにストレスを与えるおそれがあるため注意してほしい。
8.まとめ
サイト分析の作業は膨大だが、大切なのはその先にあるサイトの改善だ。
サイト分析や改善を実施するうえでは、多くの知識が求められる。
そのため、担当者がすべての作業を行うことは難しいケースもあるだろう。
もしサイト分析や改善に関して不安がある場合は、外部からの支援を受けることも検討してみてほしい。
幅広い業界のサイト改善を請け負った実績のある支援会社であれば、確実な成果につながるだろう。