LPOとは、ランディングページ(LP)最適化を意味し、主にLPのコンバージョン改善を目的とする取り組みだ。
一般的には、LPのデザインやメッセージ、CTAの配置などを調整する作業がLPOに該当する。
広告やLPのパフォーマンスを高めるために、LPOに取り組もうと考えている方も多いだろう。
一方で
「LPOのやり方に関する知識がない」
「どの要素がコンバージョンや成果に影響しやすいか知りたい」
「LPOの具体的な進め方を知りたい」
というお悩みや課題をお持ちの方も多いのではないだろうか。
本記事では、LPOの基礎知識からLPOの重要性や具体的な実施ステップまで詳しく解説するため、LPOを実施する際の指南書として繰り返し読んでいただきたい。
1.LPOとは?
まず、LPOの意味や基礎知識を押さえておこう。
1.1.LPOの定義
LPOとは、ランディングページ(LP)の最適化を通じて、コンバージョン率(CVR)の向上を目的とした施策を指す。
Landing Page Optimizationの略称で、日本語では「ランディングページ最適化」と訳される。
そもそもランディングページ(LP)とは、何らかの検索意図をもったユーザーが、広告や検索結果などのリンクをクリックして最初に訪れるウェブページのことだ。
通常、特定の目的(申し込み、資料ダウンロード、問い合わせなど)に特化して設計されており、ユーザーに明確な行動(コンバージョン)を促す役割をもっている。
つまり、LPの内容やデザイン、コピー、訴求点などを調整し、できる限り大きな成果につながるように改善していくことが、LPOなのである。
LPOの前提となるLPの効果的な作成方法については、以下の記事で詳しく解説している。
1.2.LPOとSEOの違い
LPOに関連する概念のひとつが、SEO(Search Engine Optimization)だ。
SEOとは、検索エンジンによる検索結果において上位表示を目指す施策であり、自然検索によるWebサイトへの流入数を増やすことが最大の目的だ。
SEOでは、主にキーワードの最適化、質の高いコンテンツの提供、技術的な改善(サイトスピードの向上、モバイル対応)など、検索エンジンがサイトを評価しやすくするための対策を打つ。
一方、LPOは特定のランディングページ(LP)に焦点を当て、そのページがどれだけ効果的にコンバージョンにつながっているかを分析し、改善を重ねる手法だ。
LPOとSEOは、目的や役割は異なるものの、相互に補完し合う関係にある。
すなわち、LPOによって実現した効果的なランディングページに対し、SEOで集客を強化すれば、見込み顧客の最大化という相乗効果を生み出すのだ。
<LPOとSEOの違い>
LPO | SEO | |
目的 | LPのコンバージョン数を増やす | Webサイトへの訪問者数を増やす |
手法 | LPの最適化によりページ内容を改善してコンバージョンを増やす | 検索エンジン最適化により検索順位を上げ流入を増やす |
2.LPOの重要性・メリット
LPOの3つの重要性やメリットを押さえておこう。
本章の内容は、LPOに新たにリソースを投入する際の根拠としても活用可能だ。
2.1.コンバージョン率の向上
LPOで最も重要なメリットは、コンバージョン率の向上が見込めることだ。
ランディングページ(LP)は、資料請求、お問い合わせ、無料トライアル申込など、基本的に1つの目的(コンバージョン)に誘導するように設計する。
つまり、このLPをユーザーに最適化し、パフォーマンスを高めることは、コンバージョン率の向上に直接的な効果を与える。
そして、コンバージョン率が向上すれば、獲得リード数が増え、成約率が変わらずとも売上や収益の向上を実現できる可能性が高まる。
広告運用の成果を求めるのであれば、LPOの取り組みは無視できないといえるだろう。
2.2.広告のパフォーマンス(表示回数やクリック率)を高める
LPOは、ターゲットユーザーの期待や検索意図を満たし、見やすく使いやすいランディングページ(LP)にすることが定石であるが、この取り組みは広告運用における「LPの利便性」や「品質スコア」の改善につながる。
こちらの内容は、Google公式のヘルプページでも掲載されている。
「ランディングページの利便性はキーワードの品質スコアを決定する要素のひとつで、ページ上に掲載されている情報の有用性と関連性、ユーザーの移動のしやすさ、ページ上のリンクの数、クリックした広告クリエイティブに対してユーザーが期待する内容が基準となります。」
出典:Google広告に適用するランディングページの利便性|Serch Ads 360(new experience)ヘルプ:https://support.google.com/sa360/answer/9351020?hl=ja
品質スコアが高い広告は、より関連性の高いユーザーへの表示回数が増え、これによりクリック率の向上が期待できる。
つまり、LPOはLP上におけるパフォーマンスを改善するだけでなく、LPに到達する前の段階も含めた広告運用全体のパフォーマンス改善にもつながるのだ。
LPの利便性や品質スコアについては、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてほしい。
2.3.信頼性やエンゲージメントの強化
SEOと同様に、LPOの基準は「ユーザー」だ。
ユーザーが求める情報をいかに盛り込み、ニーズを満たし、疑問や不安を抱かずにコンバージョン(CV)まで到達するかが重要である。
その過程で、運営会社の明確な情報や第三者による実際の客観的な評価・口コミなどを掲載したり、料金をはじめとするユーザーが「気になるポイント」を明確にしたりという取り組みを行う。
これらによって、ユーザーは「有益な情報を与えてくれる」という印象を抱き、自社やサービスとのエンゲージメントが強化される。
さらに、過不足のない明確な情報提供により、自社やサービスに対する信頼を高めることができる。
特に、BtoBでは慎重な意思決定が行われるため、情報の透明性や信頼の確保は非常に重要だ。
ターゲットを「企業の担当者」という個人だけでなく「企業全体」という観点も踏まえて最適化すると、より効果的なLPOにつながる。
3.LPO実施の5つのステップ
LPOの基礎知識と重要性が理解できたところで、具体的な実施ステップを見ていこう。
- データ収集と分析
- 課題の抽出
- 改善策の検討
- ABテストによる改善策の実行
- 効果測定とPDCAサイクル
ステップ1.データ収集と分析
ランディングページ(LP)を運用し始めたら、Googleアナリティクスやヒートマップツールなどを使用してデータを収集し、ユーザーの行動を分析していこう。
ツールを活用することで、どの部分でユーザーが離脱しているか、どのコンテンツが効果的かなどを把握できる。
<LP分析に役立つツールの例>
種類 | 機能 | 特徴 |
アクセス解析ツール | トラフィック、ユーザー行動、コンバージョン追跡 | ページの訪問数やユーザーの動きを可視化する |
検索エンジン分析ツール | 検索クエリ、表示回数、クリック率の解析 | 検索エンジンのパフォーマンスを監視し、SEO改善に有効 |
ヒートマップツール | クリック、スクロール、注目エリアの可視化 | ページ内でのユーザーの注目箇所を把握可能 |
セッション録画ツール | ユーザーの訪問行動の録画と再生 | 実際の行動を映像で確認でき、UI/UXの改善に役立つ |
ABテストツール | デザインやコンテンツのテストと比較 | 異なるバージョンの効果を測定して最適化が可能 |
フォーム分析ツール | フォーム入力率、離脱ポイント、完了率の解析 | フォームの使いやすさを分析し、コンバージョン改善に活用 |
キーワード分析ツール | 検索ボリューム、競合状況、クリック率の分析 | SEO戦略やターゲットキーワードの最適化に役立つ |
特に、リスティング広告の運用において、最も重要な指標となるのはコンバージョン率(CVR)だ。
主にGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで計測でき、その目安は以下である。
※ただし、サービスや業界によってさまざまである。
- 指名キーワード(製品名・サービス名や提供会社名):10%前後
- 一般キーワード(指名キーワード以外) :1~2%程度
ステップ2.課題抽出
ステップ1のプロセスで実施したランディングページ(LP)の分析結果から、現状の課題を抽出しよう。
例えば、以下のような課題が挙げられる。
- ページビュー(PV)が少ない
- コンバージョン率(CVR)が低い
- 直帰率が高い
- エントリーフォームからの離脱が多い
- 特定のコンテンツ(要素)が見られていない
- CTAボタンがクリックされない、クリック率が低い
- ページのスクロールが少なく最後まで読まれていない
課題抽出のポイントは、勘や経験、思い込みを排除し、できるだけデータ(事実)に裏付けられた課題を抽出することだ。
そのため、ステップ1で解説したデータ収集のプロセスが重要となる。
Googleアナリティクスやヒートマップツールなどを活用して、データに裏付けられた課題を洗い出そう。
ステップ3.改善策の検討
ステップ2でデータに裏付けられた現状の課題が特定できたら、それらに対する改善策を検討していく。
ここでは、LPO施策でよく用いられる改善策の具体例をご紹介しよう。
課題 | 改善策 |
ページビュー(PV)が少ない |
|
コンバージョン率(CVR)が低い |
|
ファーストビューでの離脱が多い |
|
エントリーフォームからの離脱が多い |
|
ステップ4.ABテストによる改善策の実行
ステップ3で立案した、LPの効果を高めるための改善策は、あくまで仮説である。
様々な仮説のなかでどれがLPのパフォーマンス向上につながるかはまだ分からない。
そのため、改善策を1つづつ試しながら、何をすればベストなのか、選別していく必要がある。
なぜなら、複数の改善案を同時に実行した場合、どの施策が改善につながったのか判別するのが困難になるからだ。
この際に活用できるのが、ABテストだ。
ABテストとは、複数の異なるLPや要素を用意して、それぞれのパフォーマンスを比較し、よりパフォーマンスが高い方を採用することで成果の改善につなげる手法である。
例えば、以下の図のように2パターンのCTAボタンを用意したLPを、同時並行でWeb上にアップしてそれぞれ効果測定する。
その結果を比較して、より効果の高い方を採用することで、コンバージョン率の向上を狙うのだ。
このプロセスをそれぞれの要素ごとに繰り返し、最適なデザインやレイアウトを特定していくことで、成果が上がるランディングページに仕上がっていく。
ステップ5.効果測定とPDCAサイクル
ABテスト後は、その結果をもとに効果測定を行い、PDCA(Plan・Do・Check・Action)サイクルを回していこう。
これを継続することで、検証と改善の好循環をつくり出し、ランディングページ(LP)のパフォーマンス向上につなげていく。
LPOは一度実施したら終わりではなく、継続的な改善が求められるのだ。
4.LPOの成功率を高めるためのポイント
ここからは、LPOの成功率を高めるためのポイントを紹介する。
弊社がサービスを提供しているIT企業やSaaS企業に特化したポイントも解説するため、参考にしていただきたい。
ポイント1.ターゲットを理解し、課題や検索意図を特定する
ランディングページ(LP)の運用で重要なのは、広告やキャンペーンの訴求内容とターゲットの検索意図を一致させることだ。
それを達成するために必要なのが、ペルソナ(理想の顧客像)の作成である。
ターゲットを深く洞察しながらペルソナを詳細に設定し、そのペルソナが抱える課題や求める情報を特定にすることが欠かせない。広告経由でLPへ来訪したユーザーが、そのLPの訴求内容を「自分ごと」と感じることが重要なのだ。
特に、ITやSaaS業界では、ターゲットの業種や規模が幅広く、関連サービスが複数展開されているケースも多い。
そのため、各LPのキャンペーンでターゲットを明確化し、LP内のコンテンツやメッセージ内容を最適化する必要がある。
例えば、法人向けに勤怠管理システムを提供しているとする。
勤怠管理は、どの業種・業態でも不可欠な労務管理業務だ。
しかし万人受けを狙うのではなく、あえて建設業にターゲットを絞る。
そして、建設業界ならではの課題(建設現場でのPC打刻が難しい、打刻時間をプロジェクト管理と連携させたい、など)にフォーカスしたコンテンツを用意できれば、深い共感が生まれ、「話を聞いてみたい」という心理を導けるだろう。
このように、よりパーソナライズされた課題とそれに対する解決策をユーザーに提示できれば、コンバージョンが上昇しやすくなるのだ。
ポイント2.広告のパフォーマンスを表す指標を理解し、追跡する
ランディングページ(LP)が最適化されれば、広告の品質スコアが上がり、クリック率やコンバージョン率が高まっていく。
このパフォーマンス向上の好循環を作り出すためには、広告の管理画面から読み取れる数値を正しく理解し、継続的に分析指標を追跡して行かなければならない。
以下でランディングページ運用に欠かせない分析指標を見ていこう。
指標(KPI) | 概要 |
CTR(クリック率) | 広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた割合 |
CVR(コンバージョン率) | 広告をクリックしたユーザーのうち、実際にコンバージョン(申込み、資料請求、問い合わせなどの目標行動)に至った割合 |
CPC(クリック単価) | 広告が1回クリックされるごとに発生するコスト |
CPA(顧客獲得単価) | 1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告費用 |
CPM(インプレッション単価) | 広告が1,000回表示されるごとにかかるコストを示す指標 |
直帰率 | ランディングページに訪れたユーザーが、1ページ目で何のアクションもせずに離脱した割合 |
離脱率 | ランディングページを含む一連のセッションのうち、そのページが最後に表示されて終了した割合 |
ポイント3.獲得リードの質の評価と改善
ランディングページ(LP)から獲得したリードの質の評価も重要だ。
ただ単にコンバージョン数を増やせば良いのではなく、売上につながる「質の高いコンバージョン」を獲得することが、ROI(投資対利益)の向上にもつながる。
リードの質を評価する際は、マーケティング部門以外に、営業やカスタマーサクセスなど、他部門と連携も必要だ。
具体的には、アポイント獲得率や商談化率、受注率までをリード単位で分析できれば、コンバージョンや売上につながりやすいリードの属性やニーズを掴みやすくなる。
MAやCRMを活用すれば、より詳細かつ効率的な評価が可能となるだろう。
このように、販売プロセス全体を通じて、獲得リードを評価しながら自社にとって本当に価値のあるLPに仕上げていくことが重要だ。
ポイント4.UIやUXを改善する
ITやテクノロジー、SaaS領域のサービスを提供する企業において、LPのUIやUXの整備は非常に重要だ。
システムやクラウド系のサービスを提供する企業のLPが、サイトスピードやシステム面での問題を抱えていれば、サービスに関する不安を抱かせてしまうだろう。
また、複雑かつ難解なIT製品をわかりやすく伝えるデザインの工夫も必要だろう。
例えば、製品デモ動画や技術面の解説コンテンツを提供することも一案だ。
製品の具体的な使用シーンやメリットを視覚的に示すことで、ユーザーがサービスの価値を容易に理解できれば、よりコンバージョンにつながりやすくなるだろう。
LPの利便性を上げるためのポイントについては、以下の記事を参考にしてほしい。
5.ランディングページのよくある課題と改善
本章では、ランディングページ(LP)運用のよくある2つの課題と、その原因・改善策について詳しく見ていこう。
よくある課題1.クリック率は高いのにコンバージョンが少ない
ランディングページ(LP)の訪問ユーザー数は獲得できているにもかかわらず、なかなかコンバージョンにつながらないといった悩みは少なくないだろう。
以下で考えられる原因と改善策を解説していく。
原因1.ユーザーの信頼感不足
ランディングページ(LP)のコンテンツ内容が不十分な場合、ユーザーが広告訴求に対する信頼を感じられず、行動(コンバージョン)をためらうことがある。
例えば、必要な証拠、安心感を与える要素が不足している場合だ。
→改善策:信頼を高める要素の追加
信頼性を強化するために、既存ユーザーのレビューや導入事例、メディアでの取り上げ実績を示すロゴ、第三者機関による評価バッジ、保証やセキュリティ対策に関連する認証バッジなどをLPへ加える。
また、導入実績や顧客満足度、サービス開始からの継続期間など、自社ですぐに用意できる定量的なデータを加えることも有効だ。
原因2.エントリーフォームの複雑さ
コンバージョンの際にフォームの入力が必要な場合、そのフォームが複雑すぎたり情報を求めすぎたりするがゆえに、ユーザーが離脱してしまうことがある。
特に、スマートフォンなどのモバイルユーザーにとっては、長いフォームや不便な入力形式は、エントリー入力の大きな障壁となりコンバージョンが低下する。
→改善策:エントリーフォーム最適化(EFO)の実施
エントリーフォーム最適化(EFO)とは、フォーム入力のしやすさを向上させることで離脱防止を図り、コンバージョン率向上を目指すフォームの改善施策を指す。
入力項目を必要最低限に絞る、入力の手間を省くために自動入力や選択式の項目を用意するなど、ユーザビリティを上げる工夫を施していく。
スマートフォンユーザーの来訪が多い場合には、モバイル対応のフォームデザインも考慮し、タップしやすいボタンや選択肢を提供しよう。
原因3.CTAが不明確
来訪したユーザーが、次に何をすべきかはっきりと理解できないランディングページ(LP)はコンバージョン率が低い。
例えば、CTA(Call to Action)ボタンが目立たない、CTAボタンが複数存在していて混乱を招く、あるいは求めるアクションの内容が魅力的でない場合、コンバージョン獲得は難しいだろう。
広告をクリックしてからCTAを経由し、コンバージョンに至るまでの訴求内容の一貫性が欠けていると、ユーザーは次の行動に移りにくくなる。
→改善策3:明確で魅力的なCTAを設置
ユーザーが次に何をすべきか一目で理解できる明確なCTAを設置しよう。
例えば、CTAボタンは目立つ色を使用し、コピーは「資料をダウンロードする」「今すぐ無料で試す」など、具体的な行動を促すものに変更する。
LPでは、他のページへの遷移といった複数の行動を促す要素は避け、CTAにつながるアクションだけに導くよう、シンプルな流れを維持することも重要だ。
また、CTA付近にユーザーがアクションを起こすことで得られる具体的なベネフィットを強調し、行動を後押しする仕掛けも有効となる。
よくある課題2.ページ離脱率が高い
ランディングページ(LP)の離脱率が高い場合、リスティング広告によるLP運用そのものに問題を抱えていることが考えられる。
すなわち、広告経由で流入したユーザーが、期待していた情報と異なる内容を目にしている可能性がある。
以下で詳しく解説していく。
原因1.訴求内容の一貫性の欠如
離脱率が高い場合、自社が提供するランディングページ(LP)の訴求内容が、リスティング広告から来訪したユーザーの検索意図を満たしていないおそれがある。
例えば、広告で「無料トライアル」を強調しているのに、クリックしたLPへ到達した直後に料金プランを案内しているようなケースだ。
ユーザーの期待と実際のコンテンツ内容がかけ離れていると、解決策や価値を見出せず、早期に離脱してしまうことが多い。
→改善策1:広告とコンテンツの訴求内容の見直し
離脱率が高い場合、まずは広告文やリンク元での訴求内容と、LPのコンテンツ訴求内容が一致しているか確認しよう。
例えば、「無料トライアル」を広告で訴求しているなら、LPでもすぐにその訴求内容にアクセスできるようにする。
また、「お役立ち資料無料ダウンロード」と広告で訴求しているならば、ランディングページの最初に資料へのリンクや簡単なフォームを設置し、ユーザーの期待を裏切らないようにすべきだ。
このように、ユーザーの期待に応えたコンテンツを一貫性をもって提供することで、離脱率を下げることが可能となる。
原因2.ターゲットユーザーの不明確さ
ランディングページ(LP)制作当初のペルソナと現状のターゲットにずれが生じるケースでは、LPのコンテンツがターゲットユーザーの検索意図と合致せず、離脱率が高くなる。
市場や競合環境、技術の進展、景気変動、規制や法改正のトレンドなど、さまざまな要因でユーザーのニーズが変化するからだ。
コンテンツ内容がターゲットの焦点に合っていなければ、ユーザーはページから離脱してしまうだろう。
→改善策2:ペルソナの再設定
LP制作時に設定したペルソナは、定期的に見直しながらブラッシュアップを継続しよう。
離脱率を低下させるためには、見直したペルソナに合わせてコンテンツ内容を修正し、最新のペルソナが求める情報や解決策を提供する必要がある。
なお、LPに問題がない場合は、リスティング広告の訴求内容が最新のペルソナに刺さる内容であるかも確認すべきだ。
原因3.ユーザビリティの悪さ
ランディングページ(LP)の読み込みスピードが遅い、ページデザインがわかりづらい、もしくはUI/UXが複雑な場合、ユーザーがストレスを感じてすぐにページを閉じる可能性が高い。
特に、スマートフォンで閲覧するモバイルユーザーにとって、ユーザビリティの悪さは離脱原因に直結する。
→改善策3:ユーザーエクスペリエンスの最適化
ページの読み込み速度を最適化し、モバイル対応デザイン(レスポンシブデザイン)を導入することで、ユーザーのストレスを軽減させよう。
ページ構成やナビゲーションはシンプルで直感的に操作できるようにし、ユーザーが迷わないように設計することが重要だ。
不要な情報はできるだけ排除し、コンバージョンに直接結びつく情報を優先してユーザーへ提供しよう。
6.まとめ
ランディングページ(LP)の効果が上がらない場合、LPO(ランディングページ最適化)が有効な施策となる。
LPOは、LPのコンバージョン率を高めるための方法である。売上の増加や広告運用の費用対効果(ROI)改善につながり、企業の収益性を高めるために重要な施策となる。
LPOを継続することで、LPを強力な集客ツールへ育て上げれば、競争力向上に大きな力となるだろう。