コンテンツマーケティングとSEOの違いとは?「集客」と「質」を両立する7つのポイント

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厳密にいうと、コンテンツマーケティングとSEOは異なる概念であり、施策である。

しかし、両者とも「顧客との関係構築」や「コンバージョン(リード獲得やお問い合わせ、成約など)」につながることは共通している。

そして現代の集客では、両者に取り組むことが必須だ。

ぜひ本記事でコンテンツマーケティングとSEOについて明確に理解し「質」と「量」を担保した集客を実現していただきたい。

 

1.コンテンツマーケティングとSEOの違い

 

まず、コンテンツマーケティングとSEOの違いを明確にしていこう。

この2つは、デジタルマーケティングにおいて同一視されることがある。

しかし、本質的な目的がまったく異なるうえ、施策内容にも大きな違いがあるため注意してほしい。

 

1.1 コンテンツマーケティングとは

 

コンテンツマーケティングは「コンテンツ(=内容を伴う情報の塊)を駆使することで行うマーケティング」だ。

コンテンツには、ホワイトペーパー、サービス資料、オウンドメディアの記事などさまざまな種類があり、これらを活用して集客を行う活動全体を指すイメージだ。

「マーケティング」であるため、その目的は「売れる仕組み作り」であり、集客・リード獲得・ナーチャリング・コンバージョンなどが含まれる。

具体的には、潜在顧客のニーズやインサイトを想定したコンテンツを制作して、適切な場所に配信することでリードを獲得し、最終的には見込み客や優良顧客になってもらうことをゴールとしている。

コンテンツマーケティングで特に重要なのは「ペルソナ」と「ジャーニー」だ。

ペルソナは顧客の属性やニーズ、シチュエーションを具体的に描いたものだ。

一方、ジャーニーは「旅」と翻訳されるように、顧客が製品やサービスを認知してから意思決定(契約、商談)に至るまでのニーズの変遷を描いたものといえるだろう。

「カスタマージャーニー」や、検索ワードとニーズの変遷を描く「サーチジャーニー」を設計し、その各フェーズに対応させて、コンテンツのテーマや内容を決定していく。

特にBtoBでは、ニッチで専門的な話題が多いことから、ペルソナの制作とジャーニーの設計が非常に重要となる。

【事例付き】カスタマージャーニーとは?作り方やすぐに使える作成例を紹介

 

1.2 SEOとは

 

一方、SEOとは、端的にいえば「自社メディアやWebサイト、コンテンツなどを検索エンジンに最適化させることで検索流入量の向上を狙う施策」だ。

よくSEOは集客のための施策として語られるが、より純粋な目的は「検索上位の獲得」であり、露出量を増やすことだといえる。

一般的にSEO対策は「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」に分類される。

テクニカルSEOは、コーディングによるタグの配置や表示速度の改善、リンクの配置といった技術的な施策である。さらにテクニカルSEOは「内部施策」「外部施策」の2つに分類される。

 

内部施策

 

内部施策(内部対策)は、Webサイト「内部」に対して行う施策だ。

例えば、メタタグ(head内に設置してコンテンツの情報を検索エンジンに伝えるタグ)の最適化、サイト構造の設計や実装、ユーザビリティを追求したUI設計・実装などが挙げられる。

 

外部施策

外部施策は、Webサイトの「外部」に対して行う施策だ。

外部からのサイテーション(言及)や被リンクの獲得推進などの取り組みが挙げられる。

 

これらに対してコンテンツSEOは、コンテンツ(記事)の内容を改善する施策だ。

キーワード選定や共起語の配置、読者の納得感や信頼感を得やすい記事などを駆使して検索エンジンからの評価を高める。

わかりやすくいうと「SEOも考慮した高品質な記事による集客を狙う」ことがコンテンツSEOの要諦だ。

コンテンツSEO完全ガイド|キーワード選定や競合調査のやり方も解説

 

1.3 似て非なるコンテンツマーケティングとSEOの違い

 

このように、コンテンツマーケティングとSEOは、本質的にまったく別の施策といえる。

以下の表で、両者の違いを詳しくみていこう。

コンテンツマーケティング SEO
概要 コンテンツを駆使したマーケティング 検索エンジンへの最適化
目的 受注、売上につながる仕組みづくり 検索上位の獲得による露出量アップ
施策内容
  • オウンドメディア運営
  • 記事・動画コンテンツ、ホワイトペーパー、LPなど各種コンテンツの制作と配置
  • サイト内外の技術的な施策
  • 戦略的キーワード選定
  • SEOを考慮したコンテンツ制作など
流入経路 自然検索、オウンドメディア、SNS、メルマガなど 自然検索(Google、yahoo)
ターゲット 潜在層、準顕在層、顕在層、明確層 主に潜在層、準顕在層

また、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの関係を図にすると、以下のように整理できる。

まず、マーケティング施策の一つとしてデジタルマーケティングがあり、その一つにコンテンツマーケティングとSEOがある。

また、コンテンツSEOはSEOの一種だが、図で示したようにコンテンツ制作と密接に関わり、常につながりがある状態だ。

このように近年では、SEOとコンテンツマーケティングが「コンテンツSEO」を通して融合しつつある。

 

1.4 コンテンツマーケティングとSEOが混同されやすい原因

 

明確な違いがあるにも関わらず、コンテンツマーケティングとSEOを混同してしまうケースがある。

例えば、コンテンツマーケティングと称してキーワードを網羅したコンテンツの制作だけに血道をあげてしまうのは、両者を混同しているからだ。

こうした事態が起こる原因としては、以下2点が考えられる。

  • マーケティング領域で非常に大きな労力を投入し、即効性があり、数値化しやすい「集客」の部分をSEOが担っているため
  • SEOの一種として「コンテンツSEO」が台頭し、リード獲得やナーチャリング、クロージングなど従来のSEOでは期待されなかった役割も担っているため

特に注目すべきは、2つめの「コンテンツSEOの台頭」だ。

近年のコンテンツSEOは、単なる「露出量アップ」という役割だけではなく「コンバージョンやファン層の形成までをも守備範囲とする重要な施策」と見なされるようになった。

このことから「コンテンツマーケティング=SEO」という、誤った認識が広まったと考えられる。

 

2.コンテンツSEOは「露出アップ」だけが目的ではない

 

ここまで、以下について解説した。

  • コンテンツマーケティングとSEOは本来全く別の施策である
  • 近年はコンテンツSEOを通して、コンテンツマーケティングとSEOが融合しつつある

 

ここからは、さらにコンテンツSEOについて掘り下げていきたい。

 

2.1 内容が薄いコンテンツは検索順位も低下していく

 

コンテンツSEOは、SEOの一種である以上、検索上位の獲得も目的としている。

確かに、検索上位に表示されると露出(PV)は増えるだろう。

露出と比例して認知される機会が増えるため、認知拡大という意味では一定の効果が見込める

その反面、内容が薄く直帰率が高いと検索エンジンからの評価が低下し、順位低下を招きやすくなるリスクもある。

したがって「露出(PV)稼ぎ」だけに終始したコンテンツは、長期的な投資効率という点でみると悪手になってしまう

 

従来、一般的なコンテンツSEOの施策としては以下が主軸であった。

  • Googleトレンド検索クエリのボリュームを考慮し、一定のPVが見込めるキーワードを選択する
  • メインキーワード、サブキーワード、共起語などを考慮した「検索エンジンに読ませるコンテンツ」の制作

 

近年では、これらに加えて「人間に読ませるコンテンツ」を制作することで効果が出やすくなっている。

「人間に読ませるコンテンツ」とは「納得感や信頼感を得られる」「新たな視点や視座を得られる」コンテンツだ。

以前は検索エンジンへのアピールと、人間の読者へのアピールを分けて考える傾向が強かったが、現在は両者の間に大きな隔たりがなくなりつつある。

つまり、読み手からの評価が検索エンジンからの評価につながりやすくなっている

 

2.2 内容か露出どちらを取るべきか?コンテンツSEOの課題

 

従来型のコンテンツSEOでは「露出」は増える一方で、実質的な流入(直帰せず内容を読み取ってくれるユーザーの量)は増えず、成果につながらないといった課題があった。

しかし、読者を納得・信頼させ、新たな気づきを与えるようなコンテンツの制作は容易ではない。

そのため、多くの企業で「集客(≒露出)」か「質」かという選択を迫られている。

弊社では、コンテンツSEOについて重視すべきは「コンテンツの質(=実際の情報ニーズに応える内容)」だと考えている。

検索エンジンを使用したときのことを思い出してみてほしい。

抽象的な表現が多かったり、検索している意図を満たしていない、長いわりに内容が薄いといったコンテンツを読んでどう感じるだろうか。

「これじゃない感」を抱き、すぐにほかの情報源を探してしまっている人が多いはずだ。

 

ありがちな質の低いコンテンツ

 

具体例として「リードジェネレーションの手法」を調べているケースを挙げてみよう。

「リードジェネレーション 手法」のキーワードで調べている人は、単純にどのような手法があるのか知りたいだけではなく、さまざまな手法を知ったうえで自社に最適な手法を選びたいというニーズがある。

しかし、Web上のほとんどのコンテンツは、リードジェネレーション手法を一覧にし、簡単な解説を付け加えたものがほとんどだ。

これは「顕在ニーズ」のみに着目してコンテンツを作ってしまっているからである。

このようなコンテンツでは、読者の情報ニーズを満たしていないため、早期離脱につながってしまうだろう。

 

どのようなコンテンツを提供すべきか?潜在ニーズに注目

 

読者の情報ニーズを満たすためには、主な手法を解説するだけではなく、コストや労力、難易度、会社のフェーズといった観点から自社に適した手法を選べるような情報を提供しなければならない。

つまり「潜在ニーズ」まで満たすコンテンツを作ることがポイントだ。

潜在ニーズまで満たすコンテンツに出会った読者は「より深い情報があるかもしれない」という期待感をもって、最後まで記事を読み込む。

長期的に信頼性を高めやすいため、直帰率を下げる効果も期待できるだろう。

 

3.SEOも考慮した優れたコンテンツ(記事)を作成する7つのポイント

 

最後に「SEOも考慮した質重視のコンテンツ」を作成する際のポイントをいくつか紹介していこう。

 

ポイント1.顧客「像」をとらえた適切なペルソナ設定する

 

優れたコンテンツとは「想定した読者にしっかりと価値を届けられるコンテンツ」のこと。

これを実現するためには「想定読者」の粒度を上げる必要がある。つまり「ペルソナ」を可能な限り具体化しなければならない。

よく想定読者を「ターゲット」と表現するが、ペルソナはターゲット(層、群)よりも細かい「像」を想定したものである。

顧客“像”の粒度が細かいほど提供価値を具体化しやすいため「届くコンテンツ」の制作へとつながるだろう。

 

ポイント2.顕在ニーズと潜在ニーズを整理する

 

ペルソナ設定に関連して、顕在ニーズと潜在ニーズの整理も行っていこう。

  • 顕在ニーズ:ペルソナが自覚していて、明確に表現されるニーズ
  • 潜在ニーズ:ペルソナが自覚していない(もしくは表現していない)ニーズ

特に重要なのが潜在ニーズの把握だ。

例えば「クラウドERPについて情報を知りたい」ユーザーは、その奥に「できるだけ低コストで無駄なく、手間のかからない基幹システムが欲しい」という潜在ニーズをもっているだろう。

潜在ニーズまで把握できると、オールインワン型のERPのみならず、機能別に契約可能なERPソリューションの紹介など「別の選択肢」の紹介にもつなげられるだろう。

このように潜在ニーズを知ることで「読者に新たな気づきや発見」を与えることができる。

潜在ニーズと顕在ニーズの違いとは?ニーズ分析からBtoBマーケを飛躍させるコツを解説

 

ポイント3.ジャーニーの設計

 

カスタマージャーニーやサーチジャーニーの設計も欠かせない要素だ。

ジャーニーとは「ユーザーの認識の変化」をまとめたもの。

ジャーニーが可視化されることで「意識変遷(パーセプションチェンジ)」を先回りしたコンテンツを用意できるようになり、成果につなげやすくなる。

パーセプションチェンジについては、こちらの記事を参考にしてほしい。

パーセプションチェンジとは?BtoBコンテンツマーケティングにおける実践方法

 

ポイント4.競合分析による「バケツの穴」を特定

 

上記と並行して、検索上位記事の分析も行っていこう。

上記記事の分析では「内容の傾向」「良い点」「悪い点」などを整理する。

また、ペルソナのニーズを満たしつつ、情報の量と質で上回るような記事になるように、構成や内容を練っていくことが重要だ。

最もシンプルな競合分析の方法は「視点や情報の洩れを発見する(バケツの穴を発見する)」こと。

視点や情報に抜けや漏れがあると、そこで読者へのアプローチが途絶えてしまい、納得感や信頼性を蓄積できない。

したがって、穴をふさぐイメージでコンテンツを企画していくとよいだろう。

 

ポイント5.キーワード出現数や共起語は意識しつつ、重視しない

 

先述したとおり、近年のコンテンツSEOでは、キーワード出現数や共起語の数はあまり重視されない。

露出という意味では多少の効果が認められるものの、重要度は低いといえる。

キーワードはタイトルや見出しで意識する程度にとどめておこう。

 

ポイント6.SEOで露出させ、質で読ませる

 

とはいえ、従来型のSEOを完全に無視することもできない。

キーワード選定やボリューム調査、共起語などはある程度考慮しつつ、検索エンジンに読ませる部分と人間に読ませる部分を両立させるイメージをもって制作に取り組んでほしい。

この点については、バランスや配置が難しいことがあるため、外部の専門企業を活用する方法も検討しよう。

 

ポイント7.エバーグリーンコンテンツを狙う

 

以前からSEOの世界では「エバーグリーンコンテンツ」(トレンドの影響を受けにくい永続的かつ不変な話題のコンテンツ)]の強さが語られてきた。

エバーグリーンコンテンツの多くは、質が高く、中長期的に検索上位を獲得している。

Ahrefsの調査によれば、トップ10にランクインしているページの平均年齢(日数)は、1年以上が大半だ。

Ahrefs:ページの平均年齢

出展:WordStream

 

ちなみに検索順位1位のページのなかで、アップから1年以内のものはわずか1%に過ぎない。

この結果からも、長期目線でのSEO対策(質重視の対策)がいかに重要であるかが理解できるだろう。

 

4.まとめ

 

この記事では、コンテンツマーケティングとSEOの違いや、コンテンツSEOのポイントなどを解説してきた。

コンテンツマーケティングとSEOは、本来デジタルマーケティングのなかで別カテゴリとして存在していた施策だ。

しかし、近年ではコンテンツSEOとして融合している側面もある。

コンテンツSEOでは、SEOの短期的な効果(露出)ばかりを意識せずに、質重視の長期的な施策を心がけてみてほしい。

 

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