リードジェネレーションとは?手法別の優先度や難易度、課題と解決策・効果測定方法を解説

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リードジェネレーションは、BtoBマーケティングを行う際に必ず必要となる概念だ。

しかし、リードジェネレーションに取り組むにあたって「何から始めればよいかわからない」「効果的なやり方がわからない」「取り組んでいるがうまくいかない」と悩んでいる方も多いのではないだろうか。

そこで本記事では、リードジェネレーションの意味、具体的な手法、手法の選び方、効果測定といった基本的な情報に加え、リードジェネレーションを行ううえでよく聞かれる課題とその解決策を解説していきたい。

 

1.リードジェネレーションとは

 

まずは、リードジェネレーションの概要と、リードジェネレーションと同様によく聞かれる言葉である「リードナーチャリング」や「リードクオリフィケーション」との関係性を確認していこう。

 

1-1. リードジェネレーションの概要

 

リードジェネレーション(Lead Generation)とは、リードを「獲得」することである。

ここでいうリードは「見込み客」、つまり自社の商材を検討してくれる可能性がある顧客を指す。

通常、リードを獲得するというのは、見込み客の名前・メールアドレス・電話番号といった個人情報を入手することを意味する。

対個人ではなく対企業のビジネスを行っているBtoB企業の場合、リードジェネレーションはすべての商談の起点ともいえるだろう。

例えば、自社のWebサイトに1,000人のユーザーが訪れていても、すべてのユーザーのリード情報を入手できるわけではない。

ユーザーが自社に興味をもち「問い合わせ」や「資料請求」といった経路を通じてリード情報を登録してはじめて、それらのユーザーが見込み客として顕在化し、商談のためのアプローチを開始できる。

なお、リード情報を獲得する手法にはWebサイトだけではなく、さまざまなものがある。詳しくは後述の「リードジェネレーションの具体的な手法」を参考にしてほしい。

 

1-2.リードジェネレーションとリードナーチャリングの違い

 

リードナーチャリング(Lead Nurturing)とは、リードジェネレーション施策によって獲得したリードを、より具体的に自社商材を検討してくれるようになるまで「育成」することだ。

当然ながら、獲得したすべてのリードが前向きに商談を承諾してくれるわけではない。

「話を聞いてみようか」と思ってくれるようになるまで、定期的に有益な情報提供をする必要がある。また、商談を終えたあとも最後の一押しになるような情報提供をすることで受注率が上がるだろう。

リードナーチャリングの手法には、メールマガジンやセミナー、HPの事例コンテンツなどがある。

 

1-3.リードジェネレーションとリードクオリフィケーションの違い

 

リードクオリフィケーション(Lead Qualification)とは、リードジェネレーション施策によって獲得したリードのうち、より受注確度の高い見込み客を「選別」することだ。

どの企業でも社内のリソースには限りがあり、獲得したすべてのリードに総当たりで営業をかける行為は、かえって工数の無駄になるおそれがある。

そのため、より受注に近いと思われる見込み客を正しく評価し、優先順位を決めていくことが大切である。

リードクオリフィケーションは、セミナーでのアンケートの回答や、ステップメールの開封率、ホワイトペーパーのダウンロード率・数、ユーザーが自社サイトのどのページを見ているかといった情報から見込み客をスコアリング(点数付け)していく手法がある。

リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの関係性を図にまとめると以下のとおり。

プロセスが進むにつれてリードの量は減るものの、その分質が高いリードに絞られていく。

 

2.リードジェネレーションはなぜ重要なのか

 

では、リードジェネレーションはなぜ重要なのだろうか。ここでは、リードジェネレーションの重要性について解説していこう。

はじめに、以下の式をみてもらいたい。

売上(新規顧客) = リード数 × 商談化率 × 受注率 × 顧客単価

どの企業でも必ずといってよいほど売上目標を持っているが、それを構成する要素が以下の4点である。

  • リード数
  • 商談化率
  • 受注率
  • 顧客単価

このうち、最も改善できる余地が大きいのが「リード数」だ。

商談化率・受注率は営業の腕の見せ所だが、どんなに頑張っても2倍や3倍にするのは難しい。顧客単価も同じで、商品構造を大きく変えない限りはある程度相場が決まる。

しかしリード数は、マーケティングの工夫によって数倍になったという事例も少なくない。

BtoB企業にとってのリードジェネレーションは、マーケティングの重要な手段という以上に、業績を上げるための重要な手段という認識をもち、全社的に対策を練っていくことが求められる。

 

3.リードジェネレーションの具体的な手法

 

ここからは、リードジェネレーションの具体的な手法について、オフラインとオンラインに分けて解説していきたい。

 

3-1.オフラインにおけるリードジェネレーション手法

 

①セミナー・展示会

 

オフラインのリードジェネレーション手法として代表的なセミナー・展示会は、参加申し込みを受けた時点でリード情報を獲得できる。問い合わせや見積もりとは違い、ユーザーにとっても心理的ハードルが低いため、リード獲得につながりやすい。

また、オフラインイベントであればその場で名刺交換ができるメリットもある。

しかし、認知度の低い企業や商材の場合、自社の力だけではなかなか集客できないケースも多いだろう。

その場合は、影響力をもつ企業やメディアなどが開催するセミナーや展示会に協賛費用を払って登壇・出展し、参加者のリード情報を提供してもらう方法もある。

 

②DM(ダイレクトメール)

 

DM(ダイレクトメール)とは、企業宛に郵送やFAXなどでチラシなどの販促物を送る手法だ。

内容に自社サイトの問い合わせフォームリンクや電話番号などを記載しておくことで、見込み客のリード情報獲得につなげる。

まだリード情報を保有していない企業へDMを送りたい場合、どのように送付先リストを用意するのか疑問に思う方もいるだろう。

リスト作成方法は主に以下の2つがある。

 

  • 専門の業者に依頼する
    ターゲットとなる業種や職種などを伝えると、専門の業者がリストの提供またはDMの発送代行を行ってくれる。費用はかかるものの、リスト作成の手間を大幅に削減できる点がメリットだ。

 

  • 自力でリストを作成する
    外部の業者には頼らず、各社のHPや企業データベースなどをもとに自力でリストを作成する。
    かなりの工数がかかるうえに、リスト数があまり多く作れないのが難点だが、アプローチしたい企業がバイネームである場合には有効な方法である。
    個人情報がわかっていないため、代表取締役宛て、または「●●ご担当者様」の宛名になるだろう。

 

③テレマーケティング

 

テレマーケティングとは、端的にいうと電話を用いた新規営業のことだ。

電話先の相手が自社に興味をもってくれた場合に「弊社はこういう会社でこういうサービスを提供しています。

資料をお送りしたいのでお名前とメールアドレスを教えていただけますか」といった流れでリード情報を獲得する。

テレマーケティングのリスト作成方法も、基本的にDMと同じで「専門業者に依頼する」または「自力でリストを作成する」のどちらかとなる。

また、リストの作成とは別に、実際の架電を業者に頼むのか、自社でやるのかも決めなければならない。

テレマーケティングは大変な労力がかかるうえに、成功率を高めるためにはケースごとに緻密なトークスクリプトが必要となる。だ。

したがって、基本的にはプロの業者に頼るほうが高い効果を得られるだろう。

 

3-2.オンラインにおけるリードジェネレーション手法

 

①オンラインセミナー(ウェビナー)

 

コロナ禍を経て、ごく一般的となったオンラインセミナー(ウェビナー)は、重要なリードジェネレーション手法だ。

基本的には対面のセミナーよりも準備や実施の工数がかからないため、コスト効率が良いといえる。

近年では録画したセミナーをいつでも見れるオンデマンド配信にすることで、ほとんど労力をかけずに継続的に新規リードを獲得している企業も少なくない。

オンラインセミナーは参加申し込みを受けた時点でリードとなる。

集客力に不安がある場合は、メディアなど外部の力を借りることも一つの手だ(「セミナー・展示会」参照)。

 

②コンテンツSEO

 

コンテンツSEOは、ページが検索の上位に表示されるために行う施策を指す。

検索ニーズの高いキーワードから対策キーワードを決め、Googleの基準に沿う質の高いコンテンツ(記事)を作成する。

リード数が足りないのは、そもそも自社のWebサイトのアクセスが少ないことが大きな要因であるケースも少なくない。

コンテンツSEOは、Webサイトのアクセスを継続的に増やすために優先すべき施策といえる。

また、コンテンツSEOの役割そのものは、多くのユーザーを自社のWebサイトに連れてくることであるため、その後に機会損失なくリード獲得につなげるための「サイト内の動線設計」も重要だ。

グローバルナビなどわかりやすい場所にコンバージョンボタンを設置するほか、サイドバーにバナーを設置したり、ページを一定まで読み進んだ場合にポップアップでバナーを表示したりするなど、コンテンツ内にも自然な形でコンバージョンポイントへのリンクを設置するとよいだろう。

 

③Web広告

 

Web広告では、コンテンツSEOと同様、Webサイトへのアクセス数を増やしたり、広告から直接ホワイトペーパーや資料のダウンロードフォームへ導線を作ったりすることでリード数の増加を狙う。

Web広告にはさまざまな種類があるが、低単価で多くのアクセスを獲得する方法としては、Google・Yahooのリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告が挙げられる。

BtoBの場合、1リードあたりのCPAは¥10,000〜が平均的で、ターゲットの属性を絞るほど一般的にCPAは上がる。業務システムなどの高価なソリューションの場合、1リードあたり¥50,000〜というケースも少なくない。

コンテンツSEOと同じく、Webサイト内のコンバージョン導線設計に穴のない状態にしてから広告を開始することで、費用を有効に使えるだろう。

ホワイトペーパーについてはこちらの記事を参考にしてほしい。

ホワイトペーパーとは?IT企業の成果を高める活用法・5つの種類・構成例を解説

 

4. リードジェネレーション手法の選び方(コスト・手間・難易度)

 

ここまで、リードジェネレーションの手法を紹介してきたが、まずどれを実施すべきか迷ってしまう方も多いのではないだろうか。

そこで本章では、リードジェネレーション手法の選び方について、コストや手間、難易度などの観点から詳しく解説していきたい。

 

4-1. 比較表:リードジェネレーション施策

 

前述したリードジェネレーションの手法を、コスト・実施にかかる手間・リード獲得の難易度の観点で比較していこう。

「多くのコストをかけてでも最短で成果に結びつけたい」「人手が少ないため最小限の手間でできることから始めたい」など、自社が置かれている状況に応じて検討してみてほしい。

 

◎:相対的に良い
◯:相対的に普通
△:相対的にあまり良くない

手法 コスト 手間 難易度 備考
セミナー・展示会 ◎〜△ コスト:自力集客の場合は◎、協賛や広告で集客する場合は△
DM 業者に委託する場合を想定
テレマーケティング 業者に委託する場合を想定
オンラインセミナー ◎〜△ コスト:自力集客の場合は◎、協賛や広告で集客する場合は△
コンテンツSEO ◎〜◯ コスト:自力でコンテンツ制作の場合は◎、業者に委託する場合は◯
Web広告

 

①セミナー/展示会の評価

 

セミナー(オンライン含む)は、申し込みを得た時点でリード獲得となるため、獲得難易度が低い点がメリットだ。

一方、資料の準備などの手間がかかること、オフラインイベントの場合はそれに加えて会場の準備や現地に足を運ばなければならないデメリットがある。

また、自社の集客力のみで集客できればコストはかからないが、他社イベントに協賛したり広告で集客したり場合は相応の費用がかかってくる。

 

②DM(ダイレクトメール)の評価

 

DM(ダイレクトメール)は、ターゲットとなるセグメント(業界など)に対して確実にリーチしていける点がメリットである。

名簿を持っているDM業者に依頼すれば、一度で数千〜数万の企業に対してDMを送付できる。

一方で、当然ながら送付対象を増やせば増やすほど、印刷費用や発送労力などが膨らむ点には注意してほしい。

また、最大のデメリットは「DMを開封してもらう」「自社サイトに訪問してもらう」「問い合わせてもらう」といった、リード獲得までの障壁が多いことだ。

大きな会社ほどターゲット部門までDMが届きづらいため、ハードルを乗り越える魅力的なインセンティブが必要となるだろう。

 

③テレマーケティングの評価

 

テレマーケティングのコストや手間はDMと同様である。

適切なトークスクリプトと名簿を用意することで、DMよりは難易度が下がると考えられるが、難しい施策であることに変わりはない。

また、DMを送付した対象に対して、フォローの意味でテレマーケティングを実施するといった方法もある。

テレマーケティングは、どちらかというとリードクオリフィケーション後に実施するインサイドセールスの一環として、オペレーターが電話フォローする形をとる企業が多い施策といえる。

 

④コンテンツSEOの評価

 

自力でコンテンツを制作・公開できる場合、人件費のみでコンテンツSEOに取り組めるのが大きなメリットである。

一方、外部に制作を依頼する場合でも、1記事数万円〜が相場のためスモールスタートが可能だ。

企業の規模によっては、コンテンツマーケティングに特化した部門があるが、大多数はリソースやノウハウ面から外部の企業に制作を委託する。

ただし、コンテンツSEOは大きな労力と手間がかかるほか、SEOが育つまで数か月〜1年の期間がかかる。

スピード重視の場合には適さないため、Web広告と並行して取り組む企業が多い。

ある程度しっかりと取り組みを進めたところから急に成果が出始めるため、コンテンツSEOを行うのであれば長い目で見ることが必要だ。

集客力が育ったあとは、一般的に広告よりもかなり低いCPAでリードを獲得できる。

 

⑤Web広告の評価

 

Web広告は、バナーやテキスト、ホワイトペーパーやダウンロード資料といった素材を用意すればすぐに始められる手間の少なさがメリットだ。

運用も、近年ではほぼ自動化されており簡単に取り組める。

また、流入数に比例して費用も増えるが、1万円程度からの少額でも始めることが可能で、リーチ単価もオフラインの施策に比べて安い傾向がある。

難易度については、条件次第でコスト効率良く成果をあげられるだろう。

必要な条件としては、ターゲティングが適切であること、クリエイティブの内容とランディングページの内容がマッチしていること、コンバージョンポイントが明確であることが挙げられる。

一方、Web広告は基本的に直帰率(Webサイトに流入してほかのページに遷移せず離脱する割合)が高いため、これらの条件が揃っていない場合はなかなかコンバージョンにつながらない。

そのため、ダウンロードメリットの高いホワイトペーパーを作成し、広告から直接ダウンロードフォームに飛ばす形がよいだろう。

ホワイトペーパーであれば、SNS広告が適している。

 

5. 企業の成長フェーズに合ったリードジェネレーション施策を選ぶ

 

ここでは、会社のフェーズ(創業期・成長期・安定期)ごとに、適しているリードジェネレーション手法を紹介していく。

自社が今どのような成長フェーズに置かれているかによって、実施すべきリードジェネレーション施策を絞りこんでみてほしい。

 

創業期

 

いわゆるベンチャー企業やスタートアップ企業で、まだ従業員数が少なく、販促予算も十分に取れないフェーズでは、オンラインセミナー(ウェビナー)を種類豊富に実施していく方法が効果的だ。

企業自体の認知度がなくても、セミナーのコンテンツ自体がユーザーニーズに合致していれば一定の集客(=リード獲得)が見込める。

また、リードの質が高い点も魅力である。

労力面については、オンラインのセミナーであれば講師1人・システムサポート1人の最低2人程度で実施できる。

一度実施したセミナーはオンデマンド配信にできる点もメリットといえるだろう。

自社の集客力が不足している場合は、WinWin関係を構築できる企業と共催セミナーにする、Web広告を回すなどの施策を検討してみてほしい。

 

成長期

 

事業が波に乗って人員を増やしたり、販促費を戦略費として先行投資的に使ったりする成長期では、コンテンツSEOとWeb広告を併用した流入強化を実施しつつ、セミナーや展示会での接点強化も同時に行っていくのがおすすめだ。

コンテンツSEOは、初期投資や手間こそかかるものの、効果の持続性が長い特徴がある。

また、SEOが育ったあとはコストが低減していくため、遅かれ早かれ取り組むべき施策といえる。

とはいえ、効果が出るまでに時間がかかるため、その間はWeb広告をうまく併用する必要があるだろう。

そのほか、メディアやイベント会社が主催する大規模なイベントへのセミナー出講やブース出展も検討してみてほしい。

100万円以上はかかるが、その分多くのリード(大規模セミナーだと数百人以上)を単価数千円〜数万円程度で獲得できる。

 

安定期

 

安定期は、ある程度市場におけるポジション形成が完了し、販促予算も安定しているフェーズだ。

このフェーズでは、いかに競合と差別化しつつ、まだリーチしきれていない層へリーチしていくかが課題となる。

セミナーやSEO、Web広告などオンラインの施策はどのフェーズにおいても重要だが、それだけで伸び悩んだ場合には、DMやテレマーケティングなどのオフライン施策で未開拓の顧客を発掘していくことで思わぬ成果につながる可能性がある。

特に、テレマーケティングはターゲット層のリアルな声を収集できるため、自社の今後の戦略策定のヒントとなるだろう。

また、ブランディングを強化するために、タクシー広告やターミナル駅におけるディスプレイ広告などを設置するのも有効だ。

 

6.リードジェネレーションのKPIと効果測定方法

 

リードジェネレーションでは何をKPIに置き、どう効果測定を行っていけばよいのだろうか。見るべき指標はいくつかあり、複合的に評価することが大切である。

ここでは、リードジェネレーションにおいて設定すべきKPIと効果測定方法についてお伝えしていきたい。

 

6-1.リード件数を見る

 

最もわかりやすいのはリードの件数を見ることだ。

施策を実施する前に、売上目標から逆算してリード件数目標を決めておき、まずシンプルにその目標件数を達成したのかどうかを振り返っていこう。

リード件数目標 = 売上目標 ÷ 平均顧客単価 ÷ 商談化率 ÷ 受注率

例えば、年間の売上目標が1億円で、平均顧客単価が100万円、商談化率が50%、受注率が20%の場合、リード件数目標は1,000件となり、月に80件〜のリード獲得が必要であることがわかる。

 

6-2.リード単価(CPL)を見る

 

リードの件数と同時に、リード単価(Cost Per Lead、CPL)を見ることも重要だ。1件のリードを獲得するのにいくらの予算をかけたのかは、以下の式で算出できる。

リード単価(CPL)=リード獲得にかけた費用 ÷ 獲得したリードの件数

リード数を稼げても、獲得単価が高ければ赤字となるリスクがある。

単年で赤字でも、まず数を優先して取っていく戦略の取り方もあるが、自社にとって許容できる単価はいくらまでなのかを、事前に社内で合意形成しておくことが重要だ。

 

6-3.商談化率、受注率を見る

 

商談化率や受注率は、いわゆるリードの「質」を評価する指標である。

たくさんのリードを獲得しても、商談化率や受注率が落ちてしまうと売上は目標に達することができない。

商談化率や受注率はリード全体で見るよりも、リードを獲得したチャネル別(自然検索/広告/セミナーなど)に分けて見ていくと、質が下がった場合の要因分析がしやすくなる。

 

6-4.リード獲得〜受注までの期間を見る

 

リードの質を測る指標として、リード獲得〜受注までにどの程度の期間がかかったかという点にも注目してみてほしい。

BtoBはBtoCと異なり、検討期間が長くなるのが一般的だが、その長さが1か月なのか1年なのかによっても戦略の立て方は大きく変わってくる。

例えば、過去に実施したセミナーでリードを獲得した企業のうち受注した企業に絞り、受注までの期間が平均6か月かかっていたとしよう。

そのセミナーで獲得するリードは潜在層に近く、丁寧なナーチャリングを要する傾向があることがわかる。

悪いことではないものの、目先の売上を上げていきたいときには、足の長いリードばかりを獲得するわけにはいかない。

このように、受注までの期間を施策ごとに明らかにすることで「どの施策が未来のどの時点のリード件数に効いてくるのか」をシミュレーションできるようになる。

 

7.リードジェネレーションのよくある課題と解決策

 

最後に、リードジェネレーションを行ううえで発生しやすい課題と、それぞれの解決策についてみていこう。

7-1.リードの量が少ない・足りない

 

リードの量が少ない・足りないという課題には、以下のような要因が考えられる。

コンバージョンのハードルが高い

 

リード獲得につながるコンバージョンポイントは、種類を多く用意するのが望ましい。

例えば、問い合わせや見積もりDLはリードの質は高いが、それだけでは潜在層のリードを獲得する機会を逃している可能性がある。

そこで、セミナーやホワイトペーパー、メルマガ登録などハードルの低い経路も用意していこう。

また、営業担当から話を聞くよりも、まず試してみたいと思う企業担当者は案外多いため、SaaSやサブスクリプションモデルの商材の場合は「無料トライアル」も用意したいところだ。

 

コンテンツが不足している

 

Webサイトの記事、ホワイトペーパー、セミナーといったコンテンツは、潜在顧客が自社に興味を持つきっかけとなる重要な要素といえる。

一つのコンテンツで獲得できるリードの数には限界がある。

また、段々と内容が古くなり、現状に沿わないものになってしまうリスクもある。自社のコンテンツがユーザーのニーズに沿っているかを常に見直し「作り続ける」ことが大切だ。

 

ターゲティングが適切でない

 

認知を取っていくためには、広告や広報などさまざまな手段があるが、ターゲティングが適切でなければなかなかリード獲得にはつながらない。

3C分析、SWOT分析、5-force分析、STP分析といったマーケティングフレームワークを用いて、自社のターゲティングを見直してみるとよいだろう。

 

7-2.リードの商談化率・受注率が低い

 

獲得したあとのリードが商談化や受注につながらないこともよくある課題だ。商談化率・受注率の低さを改善するためには、正しい原因分析が必要となる。

はじめに、どのようなチャネル・メッセージで獲得したリードの質が悪いのか、因子をできる限り細分化して分析してみてほしい。

例えば、チャネル別ではホワイトペーパーで獲得したリードの質が悪かったとしよう。

そこで検証をやめると、ホワイトペーパーという施策自体が効果的でないという結論になってしまうが、そうではないかもしれない。

数ある資料のなかでも、ある一つの資料だけ商談化率が低いことがわかれば、その資料を改訂するという正しい解決策を導けるだろう。

 

7-3.受注までのサイクルが長い

 

受注までのサイクルが長いという課題もよく挙げられる。

営業やインサイドセールスも関わってくるため一概にはいえないが、マーケティングに要因があるとすれば以下の2つと考えられる。

 

施策がアウトバウンドに偏っている

 

基本的に、企業が自ら問い合わせなどをしてくれるインバウンドのリードよりも、広告などのアウトバウンドのリードのほうが受注までのサイクルは長くなる。

アウトバウンドのほうが量は取りやすいが、施策がそちらばかりに偏ってしまうと受注までの期間が長くなってしまう。

そこで、SEOやWebサイトの導線改善のようなインバウンドを増やす取り組みも並行させることが重要だ。

 

ナーチャリングが不十分

 

獲得したリードに対して、最初の接点から何のアプローチもかけていないと、あっという間に忘れ去られてしまう。

メルマガなどを活用し、定期的に有益な情報を提供していこう。

 

8. まとめ

 

この記事では、リードジェネレーションの具体的な手法や優先度、会社のフェーズに合わせた手法の選び方、KPIや効果測定といった情報に加え、リードジェネレーションを行う上でよく聞かれる課題とその解決策についてお伝えしてきた。

リードジェネレーションは、BtoBマーケティングの成否を左右する重要な要素である。

まずはどのような手法があるのか、それぞれのメリット・デメリットは何なのかを体系的に理解していこう。

そのうえで、施策実施前にKPIを立て、実施後は効果測定を行い、PDCAを回していくことが大切だ。ぜひ本記事を参考に、自社に合ったリードジェネレーションの施策に取り組んでみてほしい。

 

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