記事コンテンツとは、テキストベースのコンテンツの総称である。
動画やホワイトペーパーに比べると制作コストが低く、認知拡大からリード獲得、ナーチャリング、コンバージョンまでを担うため、とても重要なコンテンツだ。
一方で「高品質な記事を作り続けるためのリソースがない」「コラム記事を定期的に掲載しているがPVが伸びない」など、悩みの多い施策でもある。
記事コンテンツにはいくつかの種類があり、目的に応じて使い分ける必要がある。
また、質の良い記事コンテンツを制作し続けるためには、しっかりと「型」を作っておかなくてはならない。
そこで今回は、記事コンテンツの種類と役割、制作時のポイントなどを紹介していきたい。
1.記事コンテンツとは?
記事コンテンツとは「テキスト(文章)で構成された情報」を指す。
記事にはさまざまな種類があり、コンテンツマーケティングでは以下のような記事コンテンツが多用される。
・ノウハウ紹介記事
・用語解説記事
・トレンド解説記事
・インタビュー記事
・事例紹介記事
・記事LP
ストック型で長期的に成果を生み出す
一般的に記事コンテンツは「ストック型」のコンテンツに分類される。
つまり、制作するごとに資産として積み重なっていき、長期にわたって効果を生み出し続けるコンテンツだ。
これに対して「フロー型」のコンテンツは、短期間で瞬発的な効果を生む。
広告やメールなどはフロー型コンテンツの代表格である。
コンテンツマーケティングでは、フロー型コンテンツとストック型コンテンツをうまく融合させ、売れる仕組みを作りあげていく必要がある。
信頼性や権威性が重視されるBtoBの場合は、ストック型コンテンツの充実度が重要であり、良質な記事コンテンツをいかに積み上げていけるかがメディアの成長を左右する。
また、SEOの観点からも良質な記事コンテンツは非常に頼もしい存在だ。
例えば、記事Aが上位表示された状態で、記事BやCへと読者を誘導できれば、サイト全体のPVが増えていく。
結果的に検索エンジンからの評価が高まり、さまざまなキーワードで自社サイトが上位に表示されるだろう。
さらに、記事Aをホワイトペーパーやダウンロード資料の前に配置することで、各種資料のダウンロード率を伸ばすこともできる。
2.コンテンツマーケティングにおける記事コンテンツの役割
このように記事コンテンツは汎用性が高く、コンテンツマーケティングやSEOにおいて中心的な役割を担うツールだ。
そこで、記事コンテンツの役割を、もう少し掘り下げて解説していきたい。
2.1.コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングは「コンテンツ(=内容を伴う情報の塊)を駆使することで行うマーケティング」。
その目的は集客・リード獲得・ナーチャリング・コンバージョンなどによる「売れる仕組み作り」だ。
コンテンツマーケティングでは、コンテンツを制作する際に「ペルソナ」と「ジャーニー」を設計する。
ペルソナは顧客を「ユニークな像」として描いたもの。
一方、ジャーニーは「旅」と翻訳されるように、顧客が製品やサービスを認知してから意思決定(契約、商談)に至るまでの「ニーズの変遷」を描いたものである。
ペルソナとジャーニーの設計によって「誰に」「どのようなコンテンツ」を提供するかが明確となり、コンテンツの質を向上させることができる。
2.2.SEOとは
コンテンツマーケティングと似て非なるアプローチに「SEO」がある。
SEOは主にPV(露出)の向上を狙い、検索エンジンへの最適化を行うものだ。
デジタルマーケティングの文脈において、コンテンツマーケティングとSEOはまったく別の手段である。
しかし「集客」という点でみれば両者は目的を共有している。
そのため、コンテンツマーケティングとSEOが混同されることも珍しくない。
2.3.コンテンツマーケティングとSEOの違いは?
では、コンテンツマーケティングとSEOの違いはどこにあるのだろうか。
2者の間には「目的」に明確な違いがある。
「コンテンツマーケティング」の目的は、コンテンツを駆使した売れる仕組みづくり。
一方で「SEO」の目的は、上位表示による露出のアップだ。
もっとも、近年はコンテンツマーケティングにもSEOの観点が必須となっている。
また「コンテンツSEO」の広まりによって、徐々に両者の境目が曖昧になりつつあるのが実情だ。
コンテンツマーケティングとSEOの違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しているため参考にしてほしい。
2.4.記事コンテンツが担う役割
記事コンテンツは、コンテンツマーケティングの一部でありながら、SEOの効果も期待されるツールだ。
上位表示による「認知拡大」と「リード獲得」を狙いながら、ナーチャリングやコンバージョンといった意思決定に近い部分もカバーしていく。
具体的には、
・検索結果の上位表示による露出の増加(PV向上)
・疑問への回答、課題解決による信頼感の獲得
・専門知(分析結果やノウハウ)の提供による認知拡大
・ホワイトペーパーなど各種資料ダウンロードの促進
といった役割を担うことが多い。
近年では、上位表示された記事から流入したユーザーを内部リンクによって複数の記事コンテンツへと誘導し、パーセプションチェンジ(意識変化)やナーチャリングにも活用されている。
パーセプションチェンジとナーチャリングについてはこちらの記事を参考にしてほしい。
3.記事コンテンツの種類
記事コンテンツにはさまざまな種類がある。
ここでは、BtoBでよく用いられる記事コンテンツを紹介していきたい。
記事の種類 | トレンド解説 | 用語解説 | ノウハウ解説 | 事例紹介 | レポート | インタビュー |
特徴 | SEOを意識することでPV向上が狙いやすい | 専門的な用語の情報を提供する | 特定の業界、業務に共通する話題で担当者レベルへの訴求が可能 | 背景、課題、導入ノウハウ、効果を一連の流れとして見せられるので納得感を高めやすい | 一般には公表されない競合企業や類似企業の傾向が把握できる | 新たな視点や視座の獲得につながりやすい。担当者レベルからマネジメント層まで幅広くアピールできる。 |
役割 | 認知拡大、興味関心の喚起 | 認知拡大、興味関心の喚起 | 認知拡大、リード獲得 | 認知拡大、リード獲得、ナーチャリング、ホワイトペーパーダウンロードへの導線 | 認知拡大、興味関心の喚起 | 認知拡大、興味関心の喚起、リード獲得、ホワイトペーパーダウンロードへの導線 |
3.1.トレンド解説記事
特徴: SEOを意識することでPV向上を狙いやすい
役割:認知拡大、興味関心の喚起
最新のビジネストレンド・法改正・市場の動向など、現代のビジネス環境において重要な話題を紹介しつつ、詳細な解説を提供する記事。
トレンド解説記事の多くは、読者にとって価値のある情報源となり、最新のビジネス環境に適応するための洞察を提供する。
トレンド解説記事は、SEOに重点を置いた執筆が有効だ。
関連するキーワードやフレーズを適切に使用することで、検索結果における記事の可視性が高まる。
結果的に、より多くのPVを獲得し、認知拡大につながるだろう。
また、リアルタイムな情報であればあるほど、トレンドに敏感な読者の興味関心を喚起し、耳目を集める効果が期待できる。
3.2.用語解説記事
特徴: 専門的な用語の情報を提供する
役割:認知拡大、興味関心の喚起
製品やサービスに関連する専門用語や業界用語を明確に説明し、それらをひとつの記事としてまとめたもの。
用語解説記事の目的は、読者が製品やサービスについてより深く知る機会を提供することだ。
特に、製品やサービスが特定の専門知識を必要とする場合や、業界特有の言葉が多用される場合に有効といえる。
顧客にとってわかりやすくアクセスしやすい形式で用語を解説することで、製品やサービスに対する理解と興味を深められるだろう。
3.3.ノウハウ解説記事
特徴:特定の業界、業務に共通する話題で担当者レベルへの訴求が可能
役割:認知拡大、リード獲得
読者にとって有益な知識や技術、情報を共有することを目的とした記事。
ノウハウ解説記事には、自社が蓄積した独自の知見や製品の効果的な使用方法、業務課題の解決方法などを提供することで、信頼性を高める効果がある。
例えば「ベンダー評価用テンプレートの作り方」「RPA初心者のための使い方ガイド」など、ビジネスで直面する具体的な問題を解決するのに役立つ情報は、ノウハウ解説記事の代表格だ。
3.4.事例紹介記事
特徴:背景、課題、導入ノウハウ、効果を一連の流れとして見せられるので納得感を高めやすい
役割:認知拡大、リード獲得、ナーチャリング、ホワイトペーパーダウンロードへの導線
実際の製品導入事例やサービスの適用事例に焦点を当てた記事。
自社、もしくはクライアント企業が製品やサービスをどのように活用し、どのような経験をしたかを紹介することによって、読者に具体的な製品の価値を示す。
実体験をもとにした記事は、潜在的な顧客にとって信頼性が高く、製品への興味を高める効果が期待できる。
3.5.調査分析レポート記事
特徴:一般には公表されない競合企業や類似企業の傾向が把握できる
役割:認知拡大
企業が実施した調査や分析の結果をもとに作成される記事。
調査分析レポート記事は、特定の業界や市場のトレンド、業界別の意識動向など、幅広いテーマに適用される。
企業は自社の専門性や市場に対する深い理解を示すことができるだろう。
3.6.インタビュー記事(事例紹介の一種)
特徴:会話形式で複数の登場人物がそれぞれの目線からの見解を述べるため、新たな視点や視座の獲得につながりやすい。担当者レベルからマネジメント層まで幅広くアピールできる。
役割:認知拡大、興味関心の喚起、リード獲得、ホワイトペーパーダウンロードへの導線
インタビュー型の記事コンテンツは、企業の代表者や製品・サービス担当者に対するインタビューにもとづいて制作される。
一般的には、製品やサービスの独自性や開発背景、制作者の情熱や思いなどを紹介し、潜在的な顧客にアピールしていく。
また、ユーザーの使用感や感想に焦点を当てることで、製品やサービスの魅力をリアルな声として伝えることも可能。
既存顧客と同じような課題を抱える潜在顧客へのアプローチ方法として、インタビュー記事は非常に有効だ。
課題解決のための新たな方法として、自社製品やサービスを提示できるからである。
事例紹介の一種ともいえるが、会話形式にすることで認知負荷を下げている点が特徴。
また、プロジェクトの流れを時系列に沿って紹介できるため、担当者レベルからマネジメント層まで幅広いペルソナにアピールできる点も見逃せない。
4.記事コンテンツの制作ステップ
効果的な記事コンテンツを制作するためには、戦略的かつ体系的なアプローチが必要だ。
このプロセスは、ターゲットとペルソナの選定から始まり、カスタマージャーニーの設計、テーマとキーワードの選定、企画案の作成、記事執筆、校正とリライトまでを含む。
各ステップの具体的な内容をみていこう。
ステップ①:ターゲットとペルソナの設定
効果的なコンテンツマーケティングの出発点は、自社の提供する価値と、それをもっとも必要としている顧客層(ターゲット)を理解することから始まる。
ターゲットとは、製品やサービスを利用する可能性が高い「顧客群」のこと。
ターゲットを特定することで、コンテンツの方向性を定められる。
さらに「刺さるコンテンツ」を作るためには、ターゲット内で特に焦点を当てるべきペルソナ(顧客像)を設定することが重要だ。
ペルソナは、顧客の詳細なプロファイルであり、属性や立場、状況、思考パターンなどを具体化したものである。
ペルソナの作成には、顧客インタビューや市場調査などの実データにもとづく洞察が必要となる。
これにより、コンテンツがペルソナの関心と一致し、より響くものになるだろう。
ステップ②:ジャーニーの設計
次に「ジャーニー」を設計していこう。
ジャーニーは、ユーザーの意識変化を表したもので、コンテンツマーケティングでは「カスタマージャーニー」や「サーチジャーニー」が用いられる。
カスタマージャーニーとは、顧客が初めて製品やサービスに気づく瞬間から、それを購入して使用し、ロイヤルカスタマーになるまでの間に起こる意識変化を表したものだ。
カスタマージャーニーのステップ
- 認知: 顧客が製品やサービスの存在を知る段階。
- 考慮: 顧客が製品やサービスの可能性を検討し、情報を収集する段階。
- 評価: 製品やサービスを他の選択肢と比較し、最適な選択を決定する段階。
- 購入: 実際に製品やサービスを購入する段階。
- 体験: 購入後の製品やサービスの使用体験。
- ロイヤルティ: 製品やサービスに対する忠誠心が形成され、リピート購入や推薦につながる段階。
これに対してサーチジャーニーは、顧客が検索エンジンを使用して情報を求める過程を指す。
オンラインでの検索行動に焦点を当て、顧客がどのようにして情報を見つけ、解釈し、それをもとに意思決定を行うかを追っていく。
サーチジャーニーのステップ
- 情報の必要性の認識: 顧客が特定の問題やニーズに気づく段階。
- アクティブな検索: 検索エンジンやソーシャルメディアを利用して具体的な情報を探す段階。
- 選択肢の評価: 見つけた情報を比較・分析し、選択肢を絞り込む段階。
- 行動への移行: 情報に基づいて具体的な行動(例:購入、お問い合わせ、サインアップ)を取る段階。
近年のコンテンツマーケティングでは、SEOの要素を取り入れつつ、さまざまな検索キーワードからユーザーニーズを読み取る必要がある。
2つのジャーニーを具体化することで、各ステップにおいてもっとも適したコンテンツが何であるかを理解し、制作の基礎づくりができるだろう。
ステップ③:テーマとキーワード選定
ジャーニーの作成が終わったら、テーマとキーワードの選定に入っていこう。
テーマとキーワードは、検索ボリュームや市場のトレンドを考慮して選定する必要がある。
ただし、検索ボリュームだけではなく、読者の関心やニーズに合った内容であることが重要だ。
また、競合の記事と比較して、どのように自社のコンテンツを差別化し、上位表示を目指すかも検討しなければならない。
競合のコンテンツが提供していないユニークな視点や、より深い洞察を提供することで、読者の関心を引き、検索エンジンからの評価が高まるだろう。
ステップ④:企画案の作成
テーマとキーワードの選定が終わったら、企画案の作成に入る。
企画案の作成は、次のようなステップで行っていこう。
- 上位記事の分析と傾向把握
- 情報の抜けや漏れ、精度が低い点、視点の欠如などを補う
- 訴求対象への導線を強くするために、パーセプションチェンジを使う
- 実務経験がある有識者が企画案に関わることで上記が達成されやすい
まず、上位表示されている人気記事を分析し、その傾向と内容をとりまとめる。
分析といっても「評価できる点」「不足している点」などを洗い出すレベルで問題ない。
いくつかの記事を分析していくと、必ずといってよいほど不足している情報・視点が浮かび上がってくる。
それらを補完し、読者に新たな視点や気づきを与えるようなコンテンツを企画することが、良質な記事コンテンツへの近道だ。
端的にいえば「潜在ニーズ」や「パーセプションチェンジ(意識変化)」を促すコンテンツ。
読者の既存の認識や見方を変え、新しい理解や関心を喚起することを意識していこう。
また、BtoBにおいては、実務経験をもつ専門家が企画案の策定に関わることで、内容の深さと正確性を確保しよう。
これにより、信頼性の高いコンテンツを制作することが可能となる。
ステップ⑤:記事執筆
記事執筆では「SEOライティング」を念頭に置いて進めていこう。
SEOライティングの原則
SEOライティングは「MECE(漏れなく、ダブりなく)」「可読性を上げる」「権威性と信頼性を担保する」という3つのルールに沿って進めてほしい。
MECEとは「Mutually(互いに)」「Exclusive(重複なく)」「Collectively(集合的に)」「Exhaustive(漏れなく)」の頭文字をとった造語だ。
MECEでは、検索上位に含まれる情報を分析し「漏れ・重複・抜け」がないように取り揃えることで、検索意図への合致を目指す考え方である。
MECEへの配慮によって、記事コンテンツの情報量・質の向上につながる。
また、可読性を上げるには「常用外の言葉を使わない」「難解な論理構造はたとえ話に置き換える」「一文一義を意識する」といった事柄に注力したい。
BtoBでは、どうしても専門的な話題が多くなるため、認知負荷を下げることを意識していこう。
さらに、科学的な知見から示された定量的なデータを使用する、一次情報を引用するといった工夫によって、権威性や信頼性を高めることも大切だ。
可能であれば、自社製品の導入事例などを活用し、コンテンツに独自の付加価値を付与するとよいだろう。
事例はBtoBで特に人気のあるコンテンツであり、一次情報にもなりえるものだ。
サイテーション(言及)や被リンクの獲得にもつながるため、積極的に活用してみてほしい。
視覚化と要約を挟む
ロングコンテンツ(概ね5000文字以上)の場合は「視覚化」や「補足、要約」を交えて認知負荷を下げる工夫も取り入れていこう。
ロングコンテンツはどうしても離脱率が高くなる。
なぜなら、読み進めるうちに頭の中で情報の整理作業が必要になり、その負荷がキャパシティを超えるからだ。
要所に図版や要約を取り入れることで、情報の整理作業が楽になり、後続の文章を読み進めやすくなる。
訴求よりも提案や支援を重視する
BtoBの場合、ペルソナは「上長に提案・説得する立場」を想定することが多い。
大抵の場合、意思決定者は検索ユーザーの上長であるからだ。
そのため、過度な訴求は控え、ナレッジやノウハウを提供しつつ「提案(オファー)」や「支援(サポート)」を促す書き方が好まれるだろう。
ステップ⑥:校正、リライトなど
記事の執筆が完了したあとは、校正やリライトを行っていこう。
校正では、一般的なチェックに加えて、専門性の高い内容の正確性や一貫性を確保することが重要だ。
誤字脱字の確認だけではなく、情報の正確性、文章の流れ、内容の整合性などを厳しくチェックしていこう。
また、記事の公開後も必要に応じてリライトを実施していくのが望ましい。見出しや文章の順序を調整することで、より可読性の高い記事になるだろう。
さらに、古いデータや事例は最新の情報に置き換えると、検索順位の下降を防ぐ効果が期待できる。
5.「SEO」」と「質(読者ニーズ)」を重視すべきか
記事コンテンツには、SEOの目的である「集客(露出)」の効果も期待される。
一方で、ユーザーに納得してもらい、信頼感を得るためには「内容(質)」にもこだわるべきだろう。
どちらが欠けても優秀な記事コンテンツにはなり得ない。
ただし、近年の傾向を踏まえると、記事コンテンツは「内容(質)」を重視すべきといえる。
なぜなら、質の高いコンテンツは、読了率を高めたり直帰率を下げたりと、サイトの評価にプラスの影響をもたらすからだ。
長期的に高い評価を獲得し続けることで、問い合わせ数や受注数にも良い影響がもたらされる。
以下では、質の高い記事コンテンツを制作するためのポイントを3つ紹介したい。
ポイント1:テーマごとにペルソナを定義しなおす
ペルソナは、一度定義して終わりではなく、テーマが変わるたびに定義しなおす必要がある。
テーマによって、ターゲットのどのペルソナに届けたいかをしっかりと定義することで、自ずと含めるべき情報が見えてくる。
ペルソナの定義は「ニーズの把握」と同義であり、刺さるコンテンツを作るために欠かせないステップだ。
ポイント2:潜在ニーズをとらえる
質の高いコンテンツは、顕在ニーズをとらえると同時に「潜在ニーズ」にもリーチできる。
「潜在ニーズ」は、ユーザーが自覚していないニーズのことで、普段は顕在ニーズの奥に隠れている。
潜在ニーズをとらえた記事コンテンツは、ユーザーの「気づき」を促し、顕在ニーズには含まれていない「新たな解決策」の獲得をサポートする。
潜在ニーズをとらえるためのもっとも簡単な方法は「顕在ニーズに対して質問を繰り返す」ことだ。
例えば「靴が欲しい」という顕在ニーズに対して「なぜ?」を繰り返すと、以下のように、まったく別のニーズが見えてくる。
顕在ニーズ:靴が欲しい
なぜ?:ストレス解消のためにウォーキングを始めたい
なぜ?:健康的な体を作りたい
潜在ニーズ:体調不良を防ぎたい
このケースでは「体調不良を防ぎたい」という潜在ニーズが見えてきた。
つまり、ユーザーが本当に求めているのは靴ではなく、体調不良を回避する方法だと考えられる。
もし自社が「靴」に該当するものを提供できなくても「体調不良を防ぐ」というくくりであれば、何らかの提案ができるかもしれない。
潜在ニーズと顕在ニーズについては、こちらの記事も参考にしてほしい。
ポイント3:検索エンジンと人に読ませる部分を両立させる
良質な記事コンテンツは、コンテンツマーケティングとSEOの両面で評価される。
なぜなら「人に読ませる部分」と「検索エンジンに読ませる部分」を併せ持っているからだ。
・人に読ませる部分:論理性と権威性が担保された情報、独自のノウハウなど
・検索エンジンに読ませる部分:「~とは?」といった解説部分、定量的な結果など
この2つを両立させることで、検索上位の獲得のみならず、直帰率の低下や平均ページ滞在時間の改善、リード獲得などにつなげられるだろう。
6.まとめ
ここでは、記事コンテンツの概要と種類、制作時のポイントなどを解説してきた。
記事コンテンツの制作コストは、1記事単位でみれば小さなものだ。
しかし、BtoBでは専門性の高さや論理性と権威性の確保、認知負荷の軽減などさまざまなノウハウが必要となる。
また、集客(露出)だけを意識しすぎると、成果(リード獲得、ナーチャリングなど)につながらないリスクもある。
SEOを意識することはもちろん重要だが、それ以上に「質」を重視した制作を実施すべきだろう。
もし、自社に記事コンテンツ制作のノウハウがない場合は、外部のサポートを受ける方法も検討してみてほしい。