MAツールでできること一覧|機能以外のメリットも実務目線で解説

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MAツールは、マーケティング施策の自動化や効率化に使われるツールだ。

しかし、ITツール(CRMやSFAなど)に比べると、やや知名度が低い。

そのせいか、以下のようなご相談をよく耳にする。

「具体的に何ができるのか」

「MAツールの機能は知っているが、業務にどう役立つのか」

本記事では、MAツールの機能に加え「実際に何ができるのか(変わるのか)」を解説する。

「MAツールでできること」を機能・業務の2面から把握し、業務改善に役立てていこう。

 

1.実はできることが多い?MAツールの概要とメリット

 

まず、MAツールの概要とメリットを簡単に説明する。

なお、MAツールの定義や詳細については、下記の記事も参考にしてみてほしい。

MAツールとは?主な機能とメリット、BtoBマーケティングにも必須とされる理由

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、企業のマーケティング活動を効率化・自動化するためのツールだ。

MAツールの役割としては、リード(見込み顧客)の獲得、育成(ナーチャリング)、購買意欲の評価(スコアリング)、成果の分析と可視化などがある。

デジタルマーケティングにまつわる種々のタスクを、自動化を織り交ぜながら効率よく実行できることがMAツールの強みだ。

 

1.1.MAツールのメリット

 

MAツールのメリットは以下3つだ。

  • マーケティング活動の見える化と効率化
  • ホットリード化の促進
  • 購買プロセスへの貢献

MAツールは、マーケティング活動の「見える化」「効率化」に貢献する。

「手を動かすタスク」の多くを自動的に実行し、マーケティング施策の立案など「思考」が必要なタスクのリソースを増やすことができる。

また、ホットリード化とは「購買意欲が高いリード」を育成することである。

MAツールは、見込み顧客に対して段階的に適切な情報提供を行い、購買意欲を高める仕組みを提供できるためだ。

さらにMAツールは、リードを営業部門に引き渡すタイミングの判断にも貢献する。

マーケティングが育成したリード(MQL)から、営業が担当するリード(SQL)への移行がスムーズに進むことで、「購買意欲が低いリード」に無駄な時間を費やすことを防ぐ。

MQLとSQLの違いは?概念や評価基準、マーケティングとセールスの連携ポイントを徹底解説!

 

2.MAツールの主要な機能

 

次に、実際にMAツールでできることを機能ベースで詳しく見ていこう。

MAツールの基本機能一覧表

カテゴリ 概要
リード管理 見込み顧客情報を一元管理し、ステータスやアクティビティを追跡。
リードスコアリング 行動や属性に基づきリードをスコア化し、購入意欲の優先順位を明確化。
リードナーチャリング 顧客の購買意欲を育てるための情報提供を自動化。
シナリオ機能 見込み客が成約に至るまでの行動を予測し、アプローチを自動化。
メールマーケティング 見込み客や既存顧客に効率的にメールを配信。
ウェブトラッキング ウェブサイトの訪問状況を追跡し、興味関心を具体的に把握する。
ランディングページ作成 キャンペーン用のページやフォームを簡単に作成。
キャンペーン管理 マルチチャネルのキャンペーンを一元管理。
分析とレポート機能 マーケティング活動の結果を可視化し、改善点を特定。
CRM連携 購買履歴と購買プロセスのデータ共有
SNS連携 ソーシャルメディアを活用したマーケティング活動を支援。

 

2.1.リード管理機能

 

リード管理機能では、見込み顧客(リード)の情報を一元管理し、ステータスやアクティビティ(行動履歴)を追跡・記録する。

リード情報のデータベース化により、属性情報(業種や役職など)や過去の行動履歴(例:ウェブサイト訪問やメール開封状況)を記録し、リードの全体像を把握できる。

 

2.2.リードスコアリング機能

 

リードスコアリングは、リードの行動や属性に基づいてスコアを付与し、購買意欲の高いリードを特定する機能だ。

行動スコア(例:メール開封やクリックなど)や属性スコア(例:業種や役職など)を測定し、独自の評価基準によってスコアリングできる。

この機能により、優先的にアプローチすべきリードを特定しやすくなり、リソースの最適配分にも貢献する。

リードスコアリングとは?BtoBでの設計、運用のポイントや実施すべきタイミングを徹底解説!

 

2.3.リードナーチャリング機能

 

リードナーチャリングでは、リードに対して適切なタイミングで情報提供を行い、購買意欲を高めるプロセスを自動化する。

メールキャンペーンやトリガーメールの自動送信、セグメント別のターゲティング、パーソナライズされたメール配信を通じて、リード育成を効率化できる。

リードナーチャリングとは?意味や施策、手順、メールの活用方法をまとめて解説

 

2.4.シナリオ機能

 

シナリオ機能は、リードが滞在している購買プロセスのフェーズに応じて、最適なアクションを自動で実行する機能だ。

例えば「オウンドメディアから資料をダウンロードしたリードには、セミナーの案内メールを送る」という具合に、特定の行動に対してアクションを設定できる。

リードの購買プロセスをシナリオに落とし混む作業が必要だが、うまく機能すれば自動的に問い合わせやセミナー参加の数を増やせる。

リードナーチャリング機能と一体化していることもある。

 

2.5.メール作成・配信機能

 

メール作成・配信機能は、見込み客や既存顧客に対して、適切なメールを作成・配信するための機能だ。

一括配信機能やA/Bテスト機能を活用し、メールの開封率やクリック率を分析することもできる。

 

2.6.ウェブトラッキング機能

 

ウェブトラッキング機能では、ウェブサイト上におけるリードの行動を可視化できる。

滞在時間や訪問回数、どのコンテンツを参照したかなどが把握できるため、リードの興味や関心を掘り下げることに役立つ。

また、特定ページの訪問をトリガーとして案内メールを送信するなど、次のアクションを設定することも可能である。

 

2.7.ランディングページ作成機能

 

ランディングページ作成機能では、コーディング不要でキャンペーン用のページやフォームを作成できる。

いくつかのテンプレートが用意されており、簡易的なページであれば数十分で完成させることも可能だ。

また、ドラッグ&ドロップによるデザインや、分析機能と連動したコンバージョン率の測定なども実施できる。

ランディングページ(LP)とは?意味、作り方、成果につながる運用方法を全解説

 

2.8.キャンペーン管理機能

 

キャンペーン管理機能では、メール、ウェブ、SNSなど複数のチャネルを活用したキャンペーンを一元管理できる。

スケジュール設定やキャンペーン内容の確認、進行状況の管理をサポートする。

また、キャンペーンごとのROIを測定できるツールもある。

 

2.9.分析とレポート機能

 

分析とレポート機能は、KPI(例:クリック率やコンバージョン率)の可視化、カスタムレポートの作成、セグメント分析により、施策の成果を具体的に把握し、最適化を図ることができる。

 

2.10.CRM連携機能

 

CRM連携では、購買履歴や購買プロセスに関するデータを共有する。

リード情報の同期や滞在ステージの更新作業を自動化し、顧客化したあとのデータをマーケティングに活かすことができる。

また、重要なアクションがあれば営業やカスタマーサポートにアラート通知を送ることができる。

CRM(顧客関係管理)とは?マーケ担当者が押さえるべき取り組み方とおすすめツール

 

2.11.SNS連携機能

 

SNS連携機能は、投稿スケジュールの管理、エンゲージメントの測定、SNS広告のROI追跡を行い、SNSを活用した施策の効果を最大化することができる。

 

3.MAツールでできることを「業務目線」で解説

 

続いて、「業務目線」からMAツールでできることを整理していく。

ここでは「MAツールで何ができるか」「業務がどう変わるか」を整理する。

 

3.1.業務目線でのMAツールの効果一覧

 

現在の課題(導入前) MAツールでできること 業務がどう変わるか
リード情報がExcelや個別システムで管理され、煩雑になっている。 リード情報を一元管理し、属性や行動履歴を簡単に把握。 情報が一箇所に集約され、誰でも簡単にリードの状況を確認可能。情報の抜け漏れや重複が減り、管理が効率化。
優先すべきリードが分からず、効率的に動けない。 リードスコアリングで、購入意欲の高い顧客を特定。 スコアに基づき優先度が明確化され、営業が高確度リードに集中できる。無駄なフォローを減らし、成約率が向上。
メール配信が手作業で、送信時間や内容の最適化が難しい。 メール配信の自動化やA/Bテストで、効率的かつ効果的なキャンペーン運用が可能。 一度設定すれば、自動でメールを送信できるため手間が大幅削減。開封率やクリック率をテストし、成果を最大化することための改善案が立てやすくなる。
ウェブサイト訪問者の情報が収集できず、興味を持った顧客の把握が難しい。 ウェブトラッキングで訪問履歴を追跡し、興味関心を把握。 どの顧客がどの製品に興味を持っているかが分かり、アプローチが効果的に。訪問回数や行動から、ホットリードを早期に発見可能。
キャンペーンごとにランディングページやフォームを作成するのに時間がかかる。 ランディングページやフォームを簡単に作成し、コンバージョン率を測定。 数時間でページを立ち上げ可能になり、キャンペーン開始がスピーディに。コンバージョン率の改善ポイントが見つかりやすくなる。
各種マーケティング施策の成果が曖昧で、次のアクションが決められない。 分析レポート機能で、施策の効果を定量的に把握。 開封率、クリック率、コンバージョン率が視覚化され、成功要因が明確に。成果をもとに改善施策を素早く決定し、PDCAサイクルが短縮。
営業とマーケティングの連携が不十分で、リードの引き継ぎに時間がかかる。 CRMと連携し、リード情報を自動で共有。 ホットリードが営業に即時通知され、対応が迅速化。営業とマーケティング間の情報共有がスムーズになり、チーム連携が強化。
SNSや広告キャンペーンの成果が不明確で、次回施策の方向性を決めにくい。 ソーシャルメディアや広告のエンゲージメントを可視化。 SNS投稿や広告の効果をリアルタイムで追跡可能。最も効果的なチャネルを特定し、次回施策のROIを最大化。
受注や契約後すぐに解約されるケースが多い。 トリガー設定やパーソナライズメールで顧客と関係性を強化。 顧客の利用状況に応じて自動で適切なフォローが可能に。既存顧客からの解約を減らし、アップセルの機会を創出。

 

3.2.業務変化の具体例

 

最後に、MAツールによる業務変化の具体例について見ていこう。

ここで紹介する内容は、実際にMAツールを導入した企業の事例を要約したものだ。

 

ケース1:営業チームからの要請に対して迅速に対応できた

 

従来は、Excelでリード情報を手作業で整理し、属性や行動履歴を個別に確認する必要があった。

そこでMAツールを導入すると、リード情報が一元管理され、属性や行動履歴を瞬時に確認可能となる。

例えば、営業部門から「特定業種で購買意欲の高いリード」をリクエストされたときでも、検索や絞り込みで即座に情報を提供できるようになった

マーケティングチームはリードの管理作業から解放され、戦略設計やナーチャリング施策の計画に集中できるようになる。

 

ケース2:改善ポイントを第三者に説明しやすくなった

 

従来は、施策の効果測定を感覚的な評価に依存して行っていた。

しかし、MAツール導入後はデータに基づく分析により、定量的な評価を得られるようになった。

メールの開封率やランディングページのコンバージョン率がリアルタイムで可視化されるため「次回はどの時間帯にメールを送るべきか」「フォームの入力項目を減らすべきか」といった課題に対して、具体的な改善策を立案できる。

また、改善案を上長や他部門に説明する場合の根拠が明確になり、予算の承認率も上がった。

 

3.3.実務担当者が感じる変化のポイント

 

以上の内容を総合すると、MAツールによって感じられる業務の変化は以下3つに集約される。

  • 時間の節約
    リード情報の整理や引き渡しにかかる時間が大幅に削減される。
  • 的確な優先順位付け
    購買意欲が明確なリードに集中できるため、売上への貢献度があがる。
  • 成果の見える化
    データを基に改善を繰り返し、マーケティングと営業活動の質を継続的に向上させられる。

 

4.まとめ

 

本記事では、MAツールでできることを機能面・業務面の両方から解説した。

MAツールは、単に「作業を自動化するツール」ではない。

分析、可視化、データ共有などを通してマーケティング施策の質を向上させるツールだ。

MAツールを活用し、マーケティング施策全体のパフォーマンスを向上させていこう。

 

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