オウンドメディアの運用ポイントを解説!目的別のノウハウを紹介

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オウンドメディアは運用方法によって成果が大きく変わる。

また、何を目的にするかによってオウンドメディアの運用方法は変わってくる。

ここでは、

「オウンドメディアの運用ノウハウがなく、効果が出ていない」

「オウンドメディア運用を開始したばかりで、注力すべきポイントがわからない」

「目的に沿った最適なオウンドメディアの運用方法がわからない」

というマーケティング担当者に向けて、オウンドメディアの目的別に運用における実践的なノウハウを提供する。

 

1.オウンドメディア運用の前に「戦略」を設計すべし

 

オウンドメディア自体は、マーケティングの中で「戦術」に位置するため、前提となる戦略がなければ方向性を見失ってしまう。

わかりやすく言えば「どういったコンテンツを制作するか」「何を目的としてコンテンツと制作するか」といった具体的な施策が進められない。

そこで、まずは戦略設計について知っておこう。

もし戦略設計が終わっているのであればこの章は読み飛ばして欲しい。

オウンドメディア運用に必要な戦略は以下の4つだ。

  • オウンドメディア運用の目的
  • 自社が提供する価値
  • ターゲットとペルソナ
  • ジャーニーとコンテンツマップ

それぞれ具体的に見ていこう。

 

1.1.目的によって運用方法は変わる

 

まずは目的を定義しよう。オウンドメディアの運用目的は、大抵の場合、以下のいずれかだ。

・ブランディング

・集客(検索上位表示、PV増)

・リード獲得

・ナーチャリング

・売上への貢献

オウンドメディアの目的とは?オウンドメディアが役立つケース・役立たないケースを解説

弊社の実績から言えば、上位5つの中でも「リード獲得」「ナーチャリング」などを目的とする企業が多い。

リード獲得を目的とする場合は、その前段となる「集客」を実現するためにSEO対策を施し、さらにキラーコンテンツとしてホワイトペーパーなどの制作に注力する。

一方でナーチャリングが目的の場合は、コンテンツの関連性や導線、外部ツール(MAなど)との連携を意識しながら、テーマの整理やコンテンツの追加、内部リンクの再配置などを行う。

このようにざっくりと整理してみても、目的によってオウンドメディアの運用方法は変わってくる。

 

1.2.メディアが提供する「価値」を定義する

 

次に「何を提供するか」を明確にしておこう。

オウンドメディアで提供するものは、大きなくくりで言えば「自社の価値」だ。そのため、まずは自社価値の把握を行い、そこから「提供すべき価値」を切り出していく。

自社価値を把握する方法はさまざまだが、以下のような点に注目していくと見つけやすい。

・競合他社と差別化できる部分

・製品およびサービスの機能的、価格的な優位性

・顧客に利益をもたらす(もたらした)要素

・顧客の痛みや悩みを取り除く力

抽象的な表現が続いて恐縮だが、これらは過去の実績から見えてくることが多い。

端的に言えば「成功したプロジェクト」「リピート客との取引」の中に隠れていることがある。

また、競合分析によって相対的に自社価値が把握できることもあるだろう。

 

1.3.ターゲットとペルソナの設定

 

ターゲットとペルソナの設定は、自社の価値を「誰に」向けて行うかを定義するために必要だ。

戦略設計の段階では、ペルソナは広範に設定して幅を持たせておきたい。

ペルソナを突き詰めていく作業はコンテンツ制作の段階で行うため、ここでは「大枠」をとらえておくに留める。

 

1.4.ジャーニーとコンテンツマップ制作

 

カスタマージャーニーは、顧客が製品やサービスに到達するまでの体験・認識の変化を示すものだ。

また、コンテンツマップはジャーニーに沿ったコンテンツの種類や配信方法をまとめた図を指す。

これらは、見込み客が置かれた状況や心理状態に応じて提供するコンテンツを変えていくために必要になる。

 

2.オウンドメディア運用の全体像

 

戦略設計が完了したあとは、実際に運用する際の流れを理解しておこう。

オウンドメディ運用の一般的な流れは以下となる。

  1. テーマの立案とキーワード設定
  2. コンテンツ制作
  3. 効果検証

それぞれ詳しく紐解いていこう。

 

①テーマの立案とキーワード設定

 

戦略設計の段階で設定したターゲットとペルソナ、さらに自社価値の双方を考慮しながらテーマを作成する。

また、テーマに沿ったキーワードをリサーチし、上位表示のための難易度や検索ボリューム、トレンドなども把握しておこう。

これらさまざまな要素を加味して、最終的なテーマ/キーワードを選定する。

 

②コンテンツ制作

 

テーマ/キーワードが決定した後は、コンテンツ制作に取り掛かろう。コンテンツ制作は以下3つのステップで進める。

 

企画案の作成

 

企画案の作成方法はオウンドメディアの目的によって異なる。

目的が「リード獲得」である場合は、上位記事の分析と傾向把握、

さらに「プラスαとして何が提供できるか」の見極めを行う。

上位記事の「抜けや漏れ」を補強し、さらに自社価値として「独自の視点」や「成功事例」を盛り込むように企画を練るわけだ。

この時役立つのが「潜在ニーズ」や「パーセプションチェンジ」という概念だ。

潜在ニーズと顕在ニーズの違いとは?ニーズ分析からBtoBマーケを飛躍させるコツを解説

パーセプションチェンジとは?BtoBコンテンツマーケティングにおける実践方法

特に潜在ニーズまで到達できる内容であれば、読者は「読む価値があった」と納得しやすい。

さらに実務経験を持つ専門家が制作・監修に携わることで、「実務担当者に刺さる内容=濃いリードを集めやすいコンテンツ」に仕上げることができる。

 

コンテンツの執筆

 

近年のオウンドメディア運用は、コンテンツSEOと切り離せない関係にある。

そのため、コンテンツ制作においてもSEOを意識していこう。

最も簡単な方法は「SEOライティングの3原則」に沿ってコンテンツを制作することだ。

SEOライティングでは「漏れなく・だぶりなく」「可読性を上げる」「権威性と信頼性を担保する」を3原則とする。

これについては、以下の記事を参考にしてみて欲しい。

記事コンテンツとは?種類やステップ、SEOと読者ニーズの考え方を解説

 

校正とリライト

 

可能であれば、コンテンツ制作と並行して校正・リライトを行う。

校正によって正しく読みやすい日本語を維持できれば、読者からの信頼性が増す。

また、リライトはSEO対策ツールやヒートマップのデータを参照しながら、「追加すべき情報」「整理すべき情報」を抽出し、書き直すことに注力する。

どちらも地味な作業ではあるが、継続することで確実にオウンドメディアの評価は上がっていく。

 

③効果検証

 

制作が完了したコンテンツは早急にアップし、その後は効果検証に移行する。

効果検証では、いくつかのKPIを設定し、その数値を追跡していこう。

以下は、オウンドメディア運用で用いられるKPIの代表的な例だ。

・PV(ページビュー)数

・記事数

・UU(ユニークユーザー)数

・SS(セッション)数

・オーガニック検索での流入数

・CV(コンバージョン)数

・平均検索順位

各KPIの内容については、こちらの記事で詳しく解説している。

オウンドメディアのKPIとは?目的・フェーズごとに設定すべきKPIを解説

上記KPIを一ヶ月単位で計測し、オウンドメディアの成長具合を把握していこう。

効果検証を定量的に行うことで、「次の打ち手」が具体化しやすくなるからだ。

 

3.オウンドメディアの「目的別」運用方法

 

ここからは具体的なノウハウとして、「目的別の運用方法」を紹介する。

前述のとおり、オウンドメディアは目的によって運用方法が大きく変わる。

オウンドメディア運用の効果が出ていないのであれば、「目的とは異なる運用方法」を採っている可能性が高い。

逆に、オウンドメディアの目的に合致した運用方法であれば、集客・リード獲得・ナーチャリングなどの効果が表れやすくなるはずだ。

なお、ここで紹介する運用方法は①~③までのセットで「1サイクル」と定義している。

 

3.1.集客が目的の場合

 

集客が目的の場合は、コンテンツSEOへの注力が必須である。

特に従来型のSEO対策(キーワードを軸としたコンテンツ制作)を厳密に行うことで、効果が出やすくなる。

コンテンツSEOについてはこちらの記事で詳しく解説している。

URLを設置(記事作成中)

 

①キーワード選定

 

集客が目的の場合のキーワード選定は「露出重視」で行う。つまり、「検索ニーズ(ボリューム)の大きさ」や「競合と比べた場合の勝ちやすさ」を重視する。

具体的なステップは以下のとおりだ。

・自社事業に関連する検索キーワードを洗い出し

・検索ボリュームおよび難易度別にキーワードを一覧化

・競合他社の分析で勝ちやすいキーワードをピックアップ

コンテンツSEOにおける集客とは、「検索流入を増やすこと」に他ならない。

B2BではSNSから流入があまり意味をなさないため、どうしても検索エンジン重視の対策になる。

検索エンジンからの流入を増やすためには、「検索ボリュームが大きいもの」を選び、なおかつ「同じカテゴリに属するキーワードで攻める」ことが重要だ。

例えば「ファイアウォール」がメインテーマなら、「ファイアウォール 設定」 など関連の複合KWをピックアップし、ボリューム順にソートしてみる。

・ファイアウォール(月間検索数22200)

・ファイアウォール 設定(月間検索数5400)

・Windows ファイアウォール(月間検索数2900)

・ファイアウォール 無効(月間検索数 1600)

さらに最も狙いたいキーワードを軸として、周辺の複合キーワードをグルーピングし、コンテンツ制作の指針とすることも可能だ。

この手法は「トピッククラスター」と呼ばれ、近年のコンテンツSEOでよく採用されている。

トピッククラスターについてはこちらの記事で解説しているので参考にしてみてほしい。

記事コンテンツとは?種類やステップ、SEOと読者ニーズの考え方を解説

また、予算に制限がある場合は競合コンテンツの強さを分析し、勝てそうな分野から投資することも忘れないようにしたい。

 

②コンテンツ制作

 

集客が目的の場合は、月に10本などある程度の量が必要だ。

1つのコンテンツで集客できる量には限界があるため、コンテンツの量を増やすしかない。

更新頻度が高いサイトは、Googleの評価にもつながる。

また、近年はロングコンテンツが露出しやすい傾向にある。

さらにB2Bの場合はSEOライティングの3原則に加え「ビジュアライズ(視覚化)」と「サマライズ(まとめ、整理)」を意識して可読性を上げるようにしよう。

 

③効果検証

 

集客の場合は、KPIとしてPV(ページビュー)、UU(ユニークユーザー)、SS(セッション)などを計測していこう。

PVは単純な閲覧回数、UUは実際にメディアを訪問した人数、SSはユーザー単位での訪問回数だ。

この3つが同時に伸びているようであれば、集客効果が高まっているといえる。

また、PVが上がってきていない記事は検索順位も低調であることが多い。

その場合は「パスカル」のような解析ツールを使って改善点を洗い出すと良いだろう。

以下は、コンテンツの検索順位などを一括管理できるツールの代表例だ。

  • パスカル
  • GRC
  • KEYWORD FINDER
  • GMO順位チェッカー

 

3.2.リード獲得が目的の場合

 

①テーマの立案

 

リード獲得が目的の場合は、検索流入をリード(見込み客)に変える運用が必要だ。

具体的には、集客よりもテーマ/キーワード選定の精度を高めていく。

この「精度」の基準となるのは、「ペルソナ」だ。

戦略設計時にざっくりとしたペルソナを設定しているはずだが、これをさらに具体化してく。

例えば、戦略設計時のペルソナが「情報システムに在籍している30代のメンバー」の場合は、

  • 情報セキュリティ対策として社内のアクセス制御に関する仕組みの構築を任されている
  • アクセス制御の種類については概要を把握しているが、具体的な製品名は知らない
  • 開発者としての経験は浅く、主に要件定義フェーズの経験が豊富である

といった具合に具体化できる。

このようにペルソナを具体化していくと、テーマ/キーワードも具体性を帯びたものになっていく。

さらに、自社が提供できる価値(UIが使いやすい、管理機能が使いやすいなど)との紐づけが強いキーワードを選定することで「刺さるコンテンツ」を作りやすくなるだろう。

 

②コンテンツ制作

 

コンテンツ制作では、「誰をリードに変えたいか」によって内容を変えていくことが重要だ。

市場に存在する見込み客候補のうち、8割は課題意識がない「まだまだ客」だと言われる。

これに対して最も強いニーズを持つ「いますぐ客」は1%程度、次に強い「おなやみ客」や「そのうち客」はそれぞれ10%程度だと言われる。

 

・いますぐ客(必要性、欲求ともに高い状態で購入に近い)

・おなやみ客(必要性の割には欲求が低い)

・そのうち客(魅力を感じていて欲求はあるが、必要性が低い)

・まだまだ客(必要性も欲求も著しく低い、もしくは気づいていない)

「いますぐ客」が対象ならば価格や機能を詳細にアピールした内容にすることでリード化が期待できる。

一方で、欲求が低い「おなやみ客」ならば比較優位性を際立たせることで、興味を持たれやすくなる。

さらに「目的地」を意識したコンテンツにすることも重要だ。

オウンドメディアでリードを獲得するためには、「ダウンロードフォーム」や「問い合わせフォーム」を通過してもらわなくてはならない。

これらはリード獲得のための「目的地」であり、コンテンツから誘導する必要がある。

記事コンテンツではテーマの概要部分を述べ、ホワイトペーパーでは詳細な解決策を提示してダウンロードを促すなど、コンテンツ間の連動を意識した制作を心掛けたい。

 

③効果検証

 

リード獲得の場合はCVR(コンバージョン率)、フォーム通過率などをKPIとする。

どちらも「リード化」を計測する重要な指標だ。もしフォーム通過率が思わしくない場合は、EFOを施すなど別の対策が必要なこともある。

EFO(エントリーフォーム最適化)とは?実装方法や11個の対策ポイント、ツールなどを紹介

 

3.3.ナーチャリングが目的の場合

 

①テーマごとのジャーニー設計

 

ナーチャリングが目的の場合は、まず「ジャーニー」を設計する。

オウンドメディアで使用するジャーニーは、「カスタマージャーニー」と「サーチジャーニー」の2つだ。

・カスタマージャーニー:認知から意思決定までのユーザー体験の変遷をまとめたもの

・サーチジャーニー:検索キーワードベースで、ユーザーの認知変化を捉えたもの

2つのジャーニーを設計することで「あるペルソナが、どのようにニーズを変化させているか」「変化したニーズが、検索キーワードにどう反映されているか」が把握しやすくなる。

2つの変化が把握できたら、レコメンドや配信に載せるコンテンツの種類、順番などを決定していく。

例えば、オウンドメディアに「第1四半期はエンドポイントセキュリティソリューションを売っていく」というミッションが課せられたとしよう。

見込み客に自社ソリューションを買ってもらうためには、まずはエンドポイントセキュリティに関する知識を提供し、自社製品への興味関心を促し、信頼性を高める必要がある。

したがって、「エンドポイントセキュリティに対するニーズがある人物のペルソナ」を作り、このペルソナを起点としてジャーニーを設計し、配信するコンテンツの内容と順番を決めていくのだ。

ナーチャリングのプロセスは、ジャーニーの変化に沿ってコンテンツを配信することで、効率よく進む。

ジャーニーについてはこちらの記事も参考にしてみてほしい。

コンテンツマーケティングの種類とは?種類別の使いどころやジャーニー例を解説

 

②コンテンツ制作

 

ナーチャリングでは集客やリード獲得と異なり、コンテンツのボリューム(文字数)はそれほど意識する必要はない。

また、SEOよりも「内容の質」に注力したほうが効果を体感しやすい。

言い換えれば情報ニーズに対して、忖度なくストレートに答えていくコンテンツの方が信頼感を高めやすいのだ。

また、配信頻度については「1つのソリューションにつき最低でも週1回、MAから配信する」といった具合にルールを決めておこう。

定期的な配信を続けることで、読者層が分厚く濃くなっていくからだ。

ちなみに弊社では、ナーチャリング効果を得るために最低でも月4本ペースでの配信が必要だと考えている。

さらに記事コンテンツのみならず、ホワイトペーパーやセミナー動画など「決断」につながりやすいコンテンツも挟んでいこう。

特にナーチャリングの後期はこうしたコンテンツが効きやすい。

 

③効果検証

 

ナーチャリングで用いるべきKPIは、リード獲得と明確に異なる。

特にB2Bの場合はMAからの配信が基本となるため、開封率や、DL数、ウェビナー参加数、商談数などをKPIに設定しておこう。

 

4.オウンドメディア運用を成功させるコツ

 

ここまで、オウンドメディア運用の概要や目的別の運用ノウハウを紹介してきた。

弊社では、こうした知識と別に「成功のためのコツ」があると感じている。

ここではそのコツをまとめて紹介したい。

 

4.1.アジャイル型を意識してスピーディーに

 

実際のオウンドメディア運用では、成果が出やすいコンテンツの把握が難しい。

したがって、運用開始当初は試行錯誤を続けていく必要がある。

成果の出やすいコンテンツを早急に把握するためには、スピーディーな運用サイクルが望ましい。

3~4ヶ月/1サイクル程度のスピードでは、ベストプラクティスに到達するまでに時間がかかってしまう。

また、時間の経過とともに変化するトレンドや、見込み客のニーズ変遷にもついていけない。

「修正しながら臨機応変に作る」というアジャイル型の運用を意識して、スピード感と柔軟性を持ち、短期間で色々な施策を検証した方が成果は出やすいのだ。

弊社では1カ月/1サイクル程度のスピード感が望ましいと考えている。

 

4.2.B2B特有のトレンドを意識する

 

B2Bでは「法改正」や「新しいビジネストレンド」「概念」などの登場によってニーズが急速に高まることが多い。

こうしたトレンドをうまくつかむことで、オウンドメディアの成長スピードは早まる。

普段は着実にコンテンツを積み上げつつ、トレンドをしっかりつかむことで、効果が倍増させていこう。

なお、トレンドに対応するためにはリサーチのコストが上積みされるため、この点がボトルネックになりがちだ。

トレンドに関するリサーチとコンテンツ制作を外部の専門業者に任せ、自社ではオウンドメディア運用に注力する方法も検討したい。

 

4.3.コンテンツの形とチャネルを変えて提供する

 

オウンドメディアは複数のコンテンツの集合体である。

どのコンテンツがユーザーに刺さるかは運用してみないとわからない。

そのため、手数を増やすとともにコンテンツの「形」も変えていくことをおすすめする。

例えば、同一の内容であっても「記事コンテンツ」や「動画コンテンツ」「ホワイトペーパー」など複数のチャネルから形を変えて提供していくわけだ。

あるチャネルで効果が薄い場合でも、他のチャネルでは効果が確認できたというケースはいくつもある。

 

4.4.「成功事例」を届ける

 

オウンドメディア運用において、意外と難しいのが「自社価値の把握と提供」だ。

戦略設計の部分でも述べたように、「何を提供するか」が決まっていなければオウンドメディア運用の方向性を見失ってしまう。

自社価値の把握や提供を手っ取り早く行うためには「成功事例」の制作が適している。

成功事例には顧客ニーズと課題、解決の方法までが全て詰め込まれている。

また、ニーズを満たし、課題を解決する過程そのものが「自社の価値」であることが多い。

成功事例はSEOの観点から言えばそれほど有用ではない。

しかし、露出しているコンテンツに結び付けることで「濃いリード」を生みやすいコンテンツになる。

 

5.オウンドメディア運用で成果が出ない場合はここに着目

 

最後に、オウンドメディア運用でありがちなミスを紹介する。

オウンドメディア運用は試行錯誤の連続であり、何がボトルネックになっているかは運用してみなければ見えてこない。

一方で、「確実にボトルネックになる」ポイントも存在する。

それは以下の2つだ。

 

5.1.絶対的なリソース不足

 

オウンドメディア運用では「作る」「直す」「動かす」を同時に進める必要がある。

したがって、前述のようにアジャイル的な運用体制がおすすめだ。

しかし、アジャイル型の運用は「ノウハウを持ったコア人材」でチームを組んでいなければ成立しない。

例え少人数の体制であっても「精鋭」が必要なのだ。

しかし、実際にはノウハウ・人的リソースの両方が不足しているのが実情ではないだろうか。

コンテンツ制作自体の労力に加え、ディレクションや効果検証まで含めると、内製のみでは足が出てしまう可能性が高い。

結果的に運用サイクルが長期化し、成果を得られなくなるわけだ。

 

5.2.目的と運用サイクルが合致していない

 

目的と合致しないオウンドメディア運用は、効果がでにくい。

特に「いますぐ受注を増やす」という類の目的には不向きなのがオウンドメディアだ。

もし「いますぐ受注」「来月に売上アップ」といった目的を達成したいのであれば、広告と併用しつつ月20本程度のコンテンツをアップするなど、短期集中かつスピーディーな運用がマストになってくる。

一方で、予算取りやテーマ検討などに時間をかけすぎると運用サイクルが長くなり、目的は達成されないだろう。

一般的にオウンドメディア運用は長期目線で行う施策だ。

しかし、1つのサイクル自体は極めて短いため、素早い意思決定が必須になる。

 

6.まとめ

 

ここでは、オウンドメディア運用の概要や目的別の運用パターン、成功のためのポイントなどを紹介してきた。

オウンドメディア運用は、「戦略」があり「目的」に沿ったものでなければ成果が出にくい。

特に「集客には成功したが、リード獲得やナーチャリングがうまくいかない」といった場合には、目的と運用サイクルが乖離している可能性が高い。

オウンドメディアの運用状況を改善したいのであれば、目的に沿った運用方法に変えてみよう。

また、運用方法の変化によってノウハウやリソースが不足する場合は、外部の力を借りる方法も検討してみてほしい。

 

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